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変形道路の天空率取り扱い法 8

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8月11日土曜日
   今日から夏休みだ。だれもそうだろうけど夏休みの始まりの頃はわくわくもので計画を立てるが後半になると・・いろいろ後悔するものだ。
今年こそは充実したものにするぞと思うのも毎年の事・・。
 今週は台風騒動などあったがおかげで若干猛暑がしのげたかもしれない。
 今年の猛暑でクーラーが壊れたという話が聞こえてきて・・・クーラーも壊れるものだと他人事として聞いていたら我が家のクーラーもダウン。このところはNHKでも夜間でもクーラーは切らずにとの放送ゆえ忠実に稼働を続けてきたら一気にいってしまった。18年物は部品もないとの事で買い替えだ。おまけに給湯器まで壊れて交換…サザンの胸騒ぎの夏ならぬ 出費の夏♪~。
 
 今週は新人研修をしてるまに沖縄興南高校が初戦突破したようだ。
沖縄代表の試合は、何年もかかさず、ある時は、仕事中こっそり(バレバレだが)観戦していたものだがさすがに新人研修をほってみるわけにもいかずだ。
 勝ってよかった。次戦はしっかり応援したい。
 
 さて今週の講座から早く始めて夏休みを始めるぞ~。
 
今週は毎年恒例の西松建設さんの新人研修。設計部の新人から精鋭5人が先発されてやってきた。3日間特訓をおこなった。
初日の皆さんの様子から
 初日、だいぶなれてきた感じだが日影規制を理解し手計算で逆日影計算ができたところで早くもドヤ顔・・・ドヤ顔には早い・・まだまだ・・。
 
 2日めは天空率中心に解説し敷地入力からプラン、らBIMモデルまで各人無事作成。台風騒動があり会社からはひとまず3日目は延期の連絡。ちょっと残念な気分もありだったが・・・
 
 翌朝台風がそれ、始業前の早い時間に連絡が入り3日めも予定どおり開催する事となった。・・・ないと思ってのんびりの朝からスイッチの入れ直しに多少時間を要したが、皆元気にやってきてくれた。
 隣地天空率、発散法作図、平均地盤計算など細かい技を講習後、鈴木によるBIM概論を挟み、最後に土地情報から一気にプラン作成まで自力で作成。あっという間の3日間でした。あとは実践で頑張れ!またお会いしましょう。
 
 
 
前回は
①敷地側道路境界線と道路反対側境界線が平行でない場合を解説した。
 この場合のポイントは後退距離は敷地側の道路境界線に平行に同一幅で設定しなければならない事。
さらに高さ制限適合建築物の起点は反対側の道路境界線に後退距離分加算した位置を起点とし反対側の道路境界線に平行に適用される。その結果
 
この様に高さ制限適合建築物および算定位置が設定された。
 
 さて今回は、
②道路境界線が敷地と接してない場合。
 円弧で示す隣地境界線に面した屈曲道路がある事例。
従来は天空率敷地を利用し道路に面した位置を仮想の敷地を設定する方法で敷地と接しない道路反対側を特定してきた
 4角で囲んだ部分を本来の敷地に加えて天空率敷地として屈曲した道路の反対側の位置を特定してきた。
 当該敷地に適合建築物が設定される為、この手法でも問題ない。た入力が煩雑になる為にT-SPACEで簡便に入力する方法を解説したい。
その結果はNGのようだが結果のアイソメ図は
 さて「新天空率T-SPACE」による設定法を解説したい・
まず敷地入力では
 
 
 道路の形状をCAD読み込みまたは「補助線」で正確に作図後、敷地入力では敷地境界線に接する道路境界線を「道路幅」として入力する。
「道路幅員」の項目は「一の道路」において幅員幅が異なる場合で最大幅員幅として指定したい場合に入力する。入力しない場合はもっとも狭い道路幅が一の道路の「道路幅員」として自動認識される。
 
 敷地の入力は以上で入力可能な敷地境界線情報を入力する。
その他、通常どおり用途地域、建物の入力を行い
天空率計算の前には「図法」「断面図」で道路斜線断面を確認する。
敷地側道路境界線をクリック後、計画建築物と近接する境界線の方向に断面線をカーソル移動後クリックで道路断面が表示される。
 
 道路斜線は大幅に高さ制限を超えている。天空率計算ではどうだろうかと天空率設定を解決する。
 
高さ制限適合建築物は「新天空率算定領域」の項で行う。
「新天空率」の欄の「道路・一の隣地」をクリックし選択する。
*隣地も同時に解析できるが隣地天空率の処理法により「敷地区分方式」「一の隣地方式」いずれかで選択する。道路天空率はいずれを選択しも同様となる。
 道路境界線の中心線の角度を自動判断し敷地側から120度を超える場合同一区間設定可能なJCBA方式にしたがい「・・同一区間設定・・」の設定を確認してくるので「はい」を選択。
*隣地の同一区間(一の隣地の場合)の設定確認があるが今回は道路天空率のみゆえ無視する。
 
「発生」ボタンをクリックする事により入力された「敷地」情報から境界線情報が発生する。
 上図で示すように道路境界線端部は自動で適時延長される。
自動発生した道路情報を補助線で示す道路情報に変更していく。
 
 
「前面道路編集」をクリック後、「対象」プルダウンメニューから「反対側境界線」を選択し上図の要領で作図された道路反対側の境界線にスナップ設定する。その結果、道路反対側の現況の境界線と一致させる事が可能となる。
 
次に「現況反対側境界線(算定線基準線)」を選択する。
 
 この「現況反対側境界線(算定線基準線)」を入力するには法的解釈を行い解説する必要がある。
 
 先に入力した「反対側境界線」で入力編集した線分は道路高さ制限の起点を意味する。
道路高さ制限の起点は後退距離を加算した道路反対側の境界線を起点とするが
(前面道路の反対側に公園、広場、水面その他これらに類するものがある場合)
第一三四条 前面道路の反対側に公園、広場、水面その他これらに類するものがある場合においては、当該前面道路の反対側の境界線は、当該
公園、広場、水面その他これらに類するものの反対側の境界線にあるものとみなす。
 
公園、広場、水面等が道路反対側にある場合これらに類するものの反対側に高さ制限の起点がなければならない為にこれらを考慮する場合「反対側境界線」でこれらの反対側に属するものの反対側の境界線になければならない。
 
・・・一方道路高さ適合建築物の算定位置は
(法第五十六条第七項第一号の政令で定める位置)
第一三五条の九 法第五十六条第七項第一号の政令で定める位置は、前面道路の路面の中心の高さにある次に掲げる位置とする
 
 つまり公園水面等の有無にかかわらず「前面道路の反対側」に設定しなければならない。
 
 したがって公園水面等がある場合、高さ制限適合建築物の起点と算定位置を発生するいわゆる基準線では位置が異なる事になる。
この位置の異なりを先に入力した 「反対側境界線」と「現況反対側境界線(算定線基準線)」でそれぞれ入力する必要がある為この入力項目が存在する事になる。
 
*ただし公園水面等がない場合同様の操作を2回行わなければならない為に「連続線複製」ボタンをクリックする事により「反対側境界線」で入力変更した高さ制限の起点と一致した位置に算定基準線が発生する。
 
 尚、「現況反対側境界線(算定線基準線)」が設定された線分の延長上に算定位置が発生する為交差した道路内に算定位置を発生させたい場合もこの設定機能を利用して行う。
 
 敷地境界線側の道路境界線も同様に「境界線」で変更する。
その他、道路中心線も作図線と一致させたが道路中心線は2方向道路の狭い道路の中心10mの区域の起点となる為、今回の1本道路の場合、解析には影響しない。
 後退距離なども最近接幅が自動設定されその幅内で設計者が設定する事も可能だ。
 ともあれ以上の操作で設定完了。
設定が完了したら適合建築物は瞬時に作成される。
「高さ制限項目」「道路」を選択後「発生」ボタンで敷地外の道路反対側が考慮された道路適合建築物が自動発生する。
 
道路高さ適合建築物の発生を確認したら「出力」で算定基準線が発生し解析が可能となる。
解析してみよう。
1ポイントを除きすべて赤表示のNG近接点NO5での差分が
 
P5(差-1.679%,斜79.506%,計77.827%  天空率近接点)
「図法」「天空率比較図」重ね図表示でNGぶりを確認すると
赤高さ制限NGの面積が約120、緑空地部が約86で納得。
 
さて高さ制限適合建築物の根拠を確認してみると
 
後退距離986が道路反対側に加算されその位置から適用距離20mで適用されている。算定位置の端部は適合建築物の再端部に垂直に面している事と入隅側の高さ制限は反対側の屈曲点が起点となっている事もポイント。
 
 さてこれの解決方法はと解説を進めたいところだが今回はこの辺りで終わりにしよう。
 次回は前回の事案と合わさったケースとして最大幅員が南側の屈曲道路になった2方向道路を想定し令132条で天空率解析結果がどうなるのだろうか・・・・夏休みのテーマとしよう。
夏休み中は勉強などしないでゆっくりお休み下さい。暑い夏はまだつづきそうですネ。次回までお元気で!
 
比嘉ブログ
 
 

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