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JCBA方式「一の隣地」3

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11月20日土曜日、東京は来週 寒波来襲前つかのまの小春日和。

 寒空の公園、今シーズンのムラサキゴテンもあとわずか。この紫の葉が全て枯葉と化する・・・が来年また復活するから嬉しい。

 

 嬉しいといえばまずは・・・サッカーオマーン戦。

海外試合はDAZN放送のみゆえ今回も見られず!夜中の文字中継もやめ翌朝おそるおそるスマホで確認すると1-0・・・。一瞬眠気眼でベトナム戦の結果?

と勘違いしたが、目をカッと開き確認すると間違い無いオマーン戦勝利・・やれやれ楽しみがつながった。伊東純也に三苫薫いいぞ~!直後にYUTUBEでゴールシーンを確認し勝利を実感した。

次回から国内開催だ久々サムライジャパンのブルーを着て応援だ・・TVだけど。

 

 嬉しい続きといえば言うまでもなく大谷翔平のMVP受賞。

これに関しては予想どおりゆえ余裕をもって待てたと言いたいところだが出勤前の8時に発表があると思ったのだが9時頃になりそうだとのTV中継。

 慌てて会社のTVめがけて小走りで駆けつけたが発表の瞬間に5分ほどおよばず。発表の瞬間の大谷のリアクションは、見られずだったがが・・・大丈夫ビデオセット済みだ。余裕の受け答えでどこまで冷静なのか・・・、今年は、最後までよかったよかった来年は今年以上に楽しみだ。頑張ってほしい。

 山頂の紅葉をドローンで空撮といいたいところだが低木のドウダンツツジ。とび石だが連休の始まりだ!ラッパ仲間とも久々に集う事になっている。早くブログをアップしたい。

 まずは、今週の講座から

今週火曜日は、デべ設計のお二人の3回シリーズが始まった。

 初日の今回は日影規制編。手計算で逆日影計算を始める方法からTP-PLANNER逆日影チェートによる検証など。次回は応用編でプランニングと日影規制の回。おまちしてます!

 水曜日は毎年恒例だが行政建築確認審査のお2人が来社。

 8年ぶりに審査部署にもどった中堅と新人の為の天空率勉強会。久々の再会でした。主に若手対象の講座になったが3人でワイワイ楽しく語らせていただいた。学生時代、3DCADベントレイを使用していたらしく操作感は抜群。天空率関連法規と天空率解析手順を解説。

最終は、相談事案の解決法をお伝えしその場で解析。さすがに手早い。またお会いしましょう! 

桜紅葉頑張れ!おや?蔦の葉がからまりいい感じだ。

 

 

天空率講座開始!

JCBA方式「一の隣地」3

 

 前回までの解説では、「一の隣地方式」が「敷地区分方式」とともにJCBA方式として推奨されその内容は「天空率運用の検討」で確認する事を確認した。

 

 「天空率運用の検討」では適用事例集で十分に記述されなかったJCBA方式が詳細に解説されている。

「天空率運用の検討」では

P104から「(4)取扱いに係る検証」と題して

「敷地区分方式」:隣地境界線ごとに敷地を区分して審査する方式
「一の隣地方式」:連続する隣地境界線を「一の隣地境界線」と取扱い審査する方式
「近似方式」:屈曲する隣地境界線を敷地内で内接した線分で近似し審査する方式

 と定義しそれぞれを比較している。

 

 今回は、「天空率運用の検討」以外の公的資料の記述および挿絵を通じて「敷地区分方式」の不合理を検証し「一の隣地方式」に至るまでの考え方を確認する事から始めたい。

 

【敷地区分方式における不合理】

 まずなぜ「敷地区分方式」が天空率施行直後にローカルルールで採用されたのかを検証したい。

 

 「平成14年建築基準法改正の解説」(以下技術的助言)では隣地天空率算定位置に関する解説図1が掲載されている。

 図1で解説しているのは面する部分の概念を解説しているだけで

適合建築物の形状を特定していない。

図1

 

 

 ところが天空率施行直後に天空率審査法のローカルルールを発表した特定行政庁のほとんどがこの挿絵から隣地高さ制限適合建築物は、敷地境界点間で作成するものだと解釈してしまったが「敷地区分方式」の始まりだ。

*道路適合建築物も同様にこの挿絵から当初、道路境界点間を道路境界とする考えがあった。

 

隣地「敷地区分方式」出隅部の垂直切断区分検証

 「敷地区分方式」出隅部は垂直切断される。

検証として技術的助言の図1右側の斜を含む敷地における出隅部垂直切断の不合理を指摘する事から始めたい。

 

 図1右側の敷地北側隣地境界点間では

 

図2

 Aで示す敷地の部分は隣地高さ制限適合建築物から除外し敷地にあらずとして区分される。

 

 東側の斜になった隣地境界点間では

図3

 同様にB部分が除外される。

 

建物A,B棟を配置して検証を進めると

図4

 斜の隣地境界で検証をするめる。

出隅部に垂直切断で適合建築物を作成するとこれらの算定位置は、A建築物の影響がほとんど考慮されない。

結果(図5) で確認されるようにAを除外する事でクリアーしている事がわかる。

図5

 一方、出隅端からすり鉢状に隣地高さ制限建築物を付加する従来の隣地斜線の考え方で敷地全体に隣地適合建築物を想定した場合

(図6) ではNGとなる。

 

図6

 隣地高さ制限適合建築物の形状は本来隣地斜線(あえて従来の高さ制限を斜線と表記)と同様に作成されなければならない。

*この場合あくまで斜の隣地境界線部のみで区分する場合。

 

 「技術的助言」の挿絵で解説したかったのは面するという概念だが

その事に照らしても図6の方式が合理的で「この敷地においてはA部の建物が高さ制限を超える分の空地が無い為にNGとなった」と合理的な説明が可能になる。

 

 大阪府豊中市の例規では

図7

 入隅角を2等分しA,Bに区分するが出隅となるA部分の端部c側

B部分端部b側は垂直切断せずに隣地適合建築物を作成する。

「技術的助言」の挿絵から面する方向で解釈するのはこのように考えるのが適正だろう。

 

*余談だが天空率施行直後にローカルルールをすべてソフト採用すべくローカルルールを設定した行政には面談でその考え方をお聞きした。豊中市にも直接確認した。

「他のローカルルールでは出隅端部を垂直切断する考えもあるようだが?」の問いに「除外された部分は従来から隣地斜線でこのようにチェックしていたので同様に設定します。」との回答をいただいた。

 

 現状の敷地区分方式では図8円弧で示す敷地の部分が天空率比較されない事でクリアした事になる。垂直切断は必ずしも安全側ではない。

図8

 


 結果としてA建築物が考慮されない天空率比較となる。

天空図で比較確認すると

図9

 左側の赤表示の視野角分が無視されている。

現にその位置に存在する建築物を「見なかった事にして解析して下さい。」と考えるようだ。

 敷地内の空地分高さ制限を超える事ができる「天空率の基本的な考え方」に反する。

 

 天空率比較を行う目的は、国土交通省住宅局建築指導課等の監修

「平成14年改正基準法等の解説 新日本法規」に明確に記されている。

図10

 天空率計算は、魚眼レンズにより見え係を表現しており敷地の空地を天空図に反映する事により従来の高さ制限(H/D)による通風採光の評価法の問題点が改善できるとされる。

図11

「・・空地を確保しつつ適合建築物が高層化された場合には、上方は視野の範囲(仰角45度)外となる側方は視野の範囲(水平各120度)に入る割合が大きい事を勘案すると・・・」

視野角、仰角の範囲にある建築物および空地を適正に考慮する事により天空率チェックが可能になる事が記されている。

 

「A部の建築物が東側から天空率比較されない問題に関して北側の隣地高さ制限を受けその分で天空率の対象になるから問題ないのでは?」

・・・・と思ってはいけない!

 

 敷地形状が同一で接道条件が変わった事例で「敷地区分方式」の不合理をさらに確認したい。

図12

 この事例で検証してみたい。

北側が20m道路に変わりしかも適用距離20mとするとA部の建物は道路高さ制限の適用外になり敷地区分方式の東側の隣地斜線からもほとんどチェック外となり高さ制限が無視される。

 

 出隅隣地における垂直区分の場合、本例の様に敷地内で天空率比較されない部分を有する確率が高くなる。

 令135 条の7で記述されている様に「隣地高さ制限が適用される地域」はすべて天空率比較されなければならない。」

 法第56条第7項の政令で定める基準で同項第二号に掲げる規定を適用しない建築物に係るものは、次のとおりとする。
一 当該建築物(法第56条第7項第二号に掲げる規定による高さの制限(*)が適用される地域、地区又は区域内の部分に限る。)の第135条の10に定める位置を想定半球の中心として算定する天空率が、当該建築物と同一の敷地内の同一の地盤面において隣地高さ制限に適合するものとして想定する建築物隣地高さ制限が適用される地域地区又は区域内の部分に限り、階段室等及び棟飾等を除く。以下この章において「隣地高さ制限適合建築物」という。)の当該位置を想定半球の中心として算定する天空率以上であること。

 

  北側に適用距離を超えた前面道路が接道する場合、A側の建築物のほとんどが全ての天空率比較の対象外となる。

敷地区分方式の不合理は決定的となる。

 

*技術的助言で示された面する方向の挿絵部に出隅部は、垂直切断するという記述はない。
 結論

敷地区分方式に関しては端部垂直切断がけして安全側でない事からその可否を確認する必要がある。
 

 隣地「敷地区分方式」入隅部の区分検証

隣地入隅部の不合理を解説する事例を図13のような隣地境界線がある場合の不合理を解説したい。

図13

図13の隣地境界線天空率を敷地区分方式で解析する際に下記の不合理がある。

①隣地境界点間がせまく敷地内空地が天空図に適切に反映されない場合。

*隣地境界線は❶同様に微小に屈曲する敷地境界点が多い。その際上図の赤表示されたNG算定位置は、青枠で示す敷地内空地に近接し、通風採光の環境としては良好と思われるが、その空地は、解析対象外となりNG。

 

*天空率が魚眼レンズを使用する理由に人間の視野角内に映り込む見えがかりと同様になる事にある。魚眼レンズの一部に投影された影で天空率を判断してはいけない。

 

*入隅および敷地境界点間がせまい隣地境界線は多い。その際ほとんどが「敷地区分方式」では利用不可となる。

 

 入隅部算定位置の問題点

また凹状隣地境界線の場合、「敷地区分方式」では算定位置が不合理な位置に設定されるなど算定位置が適切な位置に設定する事ができない。

図14②の部分の凹状の隣地境界線では、隣地算定位置が当該敷地内に発生し隣地境界線から外側の規定幅(12.4mもしくは16m)の位置に設置できない

 

*この場合は、算定基準線の配置位置の不合理。

そもそも隣地天空率は、隣地における通風採光を測定判断する目的だが、近隣(隣地)の環境を自分の敷地内で算定する不合理がこの様に凹型隣地境界の場合にほぼ間違いなく発生する。

 魚眼レンズを配置する算定位置が当該建築物の直下に配置された場合常識的には、隣地の通風採光を確認する目的に適合しない。

 「敷地区分方式」は、天空率計算を行う為の本来の目的とかけ離れている事がわかる。

 

*繰り返しになるが天空率計算の目的は、高さ制限を超えた部分に対して敷地内空地が確保できているか否かが問われる。

 

 一方でJCBA方式としては「一の隣地方式」が最も安全側であるとしながらも「敷地区分方式」も同様に可としている。

 

敷地区分方式を適用する事で問題にならないのは

結論から正形敷地の場合のみ「天空率運用の検討」に記述したその部分の検証は

図14

この場合、一隣地方式も敷地区分同様に検証しているが結果は

 

 「一の隣地方式」が適合建築物の天空率の方が大きくなり安全側である。」と記述されているが この場合「敷地区分」方式においても敷地内の全ての境界線に面する敷地全域が天空率比較されている事より良しとしたい。

 

 設計者が考えるべき事は「敷地区分方式」は一方でJCBA公認でもある。このような正形敷地の場合「敷地区分方式」が有利になる事は間違いない。

 

「天空率運用の検討」ではこのように「敷地区分方式」の問題点を指摘し「一の隣地」を利用する事の合理性を解説している。

特に算定基準線の考えは

「2「一の隣地方式」における算定位置の設定に係る検証」

と題して算定位置を発生する基準線の考え方が詳細に記述されている。この算定位置の考え方は敷地区分法式あるいは近似方式としても応用できる内容だ。本日も長くなった

「一の隣地方式」の考え方および算定基準線に関しては・・

次回にしよう。

次回までお元気で!

 

 

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