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JCBA方式「一の隣地」2

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11月13日東京は快晴の土曜日。

 これは、春になると満開になる桜、今年はラニーニャ現象で厳寒になるらしい。紅葉する桜の葉もいいネ。

 

 今週は、久々プロ野球CSシリーズをTV観戦した。

シーズン中はスポーツニュースで確認する程度で楽天マ~君が勝てないないな?程度だったがひょっこりTVをつけたらヤクルトの奥川、オリックス 山本の変幻自在のピッチングにくぎ付けになってしまった。

 結果3日連続観戦となりいずれもリーグ優勝チームが日本シリーズ進出で実力どおりの結果となった。

 かつて野村ヤクルトの時代はヤクルトを応援したが今回は、奥川ならヤクルト、宮城ならオリックスを応援したい。

 

この時期恒例の公園のもみじ観測。

 

 サッカーワールドカップ予選は、海外開催の為TV中継無し。

しかたなくネットによる文字中継で確認。これが靴底から足の裏を掻くなんとももどかしい感じで伊藤のゴールから延々1-0が続く中、祈るようにスマホを眺めていたがなんとか勝ち点3ゲット・・・良しとしたい。

問題はオマーン戦、・・・中継見せてくれ~!

 

 初冬の花ツワブキの登場。

 

今週の講座から

 最終回となった企画設計事務所の若手お二人の講座も3回目最終回となった。

 今回は総集編として行止まり道路、隣地天空率をレクチャー後、日影規制NGの際の3D日影チャート利用法でズバリNG箇所を特定しクリアする方法、最後に傾斜地のBM、設計GL設定法から平均GLの算出法および日影規制、天空率への影響まで盛りだくさん 補講もかねて1時間前倒しで開始した。

 終了時は最終回ゆえ空手経験者Kとともに一瞬マスクをはずしK1グランプリのポーズでパチリ。またお会いしましょう。頑張れ~。

 

 天空率講座を開始したい。

前回の天空率講座では

JCBAでは天空率分科会で議論された内容は「適用事例集」

もしくは「市街地部会報告書」にて天空率解析仕様を周知してきた事を確認した。

 

 市街地部会の報告は特定行政庁および審査機関への報告となる為、設計者、あるいは天空率ソフト開発者は、「適用事例集」もしくはJCBAホームページのトップページに掲載された「天空率運用の検討」で確認する事になる。

 

 「天空率運用の検討」では適用事例集で十分に記述されなかったJCBA方式が詳細に解説されている。

 

 今回は、適用事例集と 「天空率運用の検討」で追記されたJCBA方式による隣地天空率の考え方と問題点そして「一の隣地方式」を採用する意義」を確認していきたい。

 

「2017年度版 建築確認のための基準総則集団規定の適用事例」日本建築行政会議 編集 一般財団法人建築行政センター

 

以下「適用事例集」とする。

 

1)「敷地区分方式」の考え方と問題点そして

「一の隣地方式」を採用する意義」

P228

1-1)2017年度版 適用事例集における「隣地天空率」の記述

 

「適用事例集」で隣地天空率に関する記述は下記2の事項のみ。

 入隅状の隣地境界線を特殊な敷地とし隣地高さ制限建築物の区域区分法を解説している。

 入隅角を2等分し当該の隣地境界線に入隅角の半分までの部分で区分し隣地高さ制限適合建築物を作成する事が挿絵で解説されている。

②P230

 この項では入隅隣地のそれぞれの区域の後退距離の採用法が記述されている。入隅角で2等分し後退距離はそれぞれの隣地境界線毎に設定する事。

*後退距離が図示されそれぞれその距離以内で設定する。

以上2項目。

*「一を聞いて十を知る」は、孔子と門弟の問答からの引用らしいが・・・。

これだけで 隣地天空率に対処するには一般的に困難がある。

 

* 「基準法56条7項および施行令135条以降に記述されている法文に照らして判断して下さい」とも読み取れる。・・が現実の審査では法文より方式にこだわる事が多い。

 

【結論】

 適用事例集では、隣地天空率に関する記述は、入り隅部の適合建築物の作成法が提示されているのみで出隅部適合建築物の想定法および算定位置の設定法など詳細の解説がされておらず充分ではない。

 

 

1-2)「天空率運用の検討」における「隣地天空率解析方式」の記述


「3.一の隣地境界線の取扱い」

 

「天空率運用の検討」では「3.一の隣地境界線の取扱い」と題して

「一の隣地方式」をJCBA方式として取り扱う事から記述されている。

 

・隣地境界線が複雑な形状であり、隣地境界線ごとに敷地を区分して天空率を適用することが困難な場合は、隣地境界線を「連続した一の隣地境界線」とし、敷地を区分せずに天空率を適用することができる。この場合、算定位置も「連続した一の隣地境界線」とした部分に均等配置する。

⇒敷地区分方式により天空率を運用する事が困難な場合は「連続した一の隣地境界線」とするとし「一の隣地方式」で対処する事ができると記述されている。


・また、複雑な形状の隣地境界線の任意の部分を内接した線分で近似し、「連続した一の隣地境界線」として敷地を区分せずに天空率を適用することも可能とする。この場合、近似元の隣地境界線を「連続した一の隣地境界線」とし、算定位置を均等配置する。

⇒屈曲した複雑な隣地境界線の場合(屈曲隣地境界線)内接近似し直線化隣地境界線に近似した隣地高さ制限適合建築物を作成する事を可とする。近似する事により面する方向の概念を柔軟に適用できる事も解説されている。

*算定位置に関しては屈曲した隣地境界線の外側に勾配1.25においては16m、勾配2.5勾配においては12.4m外側に配置される。


・なお、隣地境界線を「連続した一の隣地境界線」とし、敷地を区分しないとする取扱
いの適用については、特定行政庁の判断に委ねられることから、「敷地区分方式」など、他の運用方法の適用を妨げるものではない。

 

⇒「敷地区分方式」で行うか「一の隣地方式」で処理するのかの判断は特定行政庁が確定する事を明記し、隣地天空率の解析法を「一の隣地方式」「敷地区分方式」の2種が可能である事を明示している。

 これら2方式を採用するか否かは特定行政庁に委ねられ特定行政庁独自に定める方式を否定するものでも無い。

 

 以上の内容で一隣地方式を可とするJCBAの取り扱いを記している。

*「2017年度版 適用事例集」で明確に記されてない「敷地区分方式」の隣地境界線出隅部の解析法の記述が無いのは「敷地区分方式」がローカルルールで取り扱われてきた手法として慣用的に利用されている事より解説の必要が無いと判断されたと思われる。

 

出隅の解析法は、「天空率運用の検討」では後述される「敷地区分方式問題点の指摘」の項で問題点とともに例示されている

 

(3)取扱いに至る考え方

「一の隣地方式」取り扱いに至る考え方および経緯がさらに記述されている。

 

・多角形による隣地境界線については、多角形の辺ごとに区分して隣地境界線を捉えるのか、多角形の全ての辺をまとめて1つの隣地境界線として捉えるのか、法的に明確な規定がない。
・その要因としては、法56 条第1項では、隣地境界線の形状なりに連続して斜線を想定すればよいため、一の隣地境界線の捉え方を敢えて明確にする必要性がないことが考えられる。

⇒本来道路境界線以外の敷地境界線は「隣地境界線」とし連続した隣地境界線は寄棟状に隣地高さ制限を行ってきた経緯から極めて常識的と判断される。


・質疑応答集P5056(参考1)では、隣地境界線が不整形な場合の隣地斜線制限の適用を示しているが、図のような曲線状の隣地境界線は、「1つの連続した隣地境界線」として捉えることが妥当であると考えられる。

・一方、多角形による隣地境界線は、辺の数が限りなく多くなると、曲線状の隣地境界線に限りなく近くなることから、曲線状の隣地境界線と多角形による隣地境界線とで考え方を別にする必要性もなくなると考えられる。したがって、多角形による隣地境界線についても、曲線状の境界線と同様に、1つの連続した隣地境界線として捉えることも不合理ではないと考えられる。

⇒質疑応答集P5056とは

*「隣地境界線が不整形な場合には」の記述から隣地境界線は境界点間で考えるのでは無く道路以外の連続した敷地境界線とする事を示唆する。

 その為、不整形(屈曲した)隣地境界線になる事もありその際の

隣地斜線の解析法として簡便法とともに記述されている。

第56条 建築物の各部分の高さ
二 
当該部分から隣地境界線までの水平距離に、次に掲げる区分に従い、イ若しくはニに定める数値が1.25とされている建築物で高さが20mを超える部分を有するもの又はイからニまでに定める数値が2.5とされている建築物(*)で高さが31mを超える部分を有するものにあつては、それぞれその部分から隣地境界線までの水平距離のうち最小のものに相当する距離を加えたものに、イからニまでに定める数値を乗じて得たものに、イ又はニに定める数値が1.25とされている建築物にあつては20mを、イからニまでに定める数値が2.5とされている建築物にあつては31mを加えたもの

 

 挿絵では、建築物の左下部(当該部分)からa,bの水平距離を示し隣地境界線がA,B,C側の屈曲した隣地境界線または内接近似した隣地境界線いずれも同時に高さ制限を受ける事が表現されている。

(法56条と照らしても納得の記述)

 この事より隣地境界線を「敷地区分方式」で示す境界点間とする考え方には疑問があるとする。

 

*尚、内接近似するのは計算を簡便に安全側処理する事が目的だが現在の天空率ソフト処理能力では屈曲した連続隣地境界線でも寄棟状に作成する事で適法に作成する事が可能であり屈曲した隣地境界線のままでも問題ない。

 

・また、「平成14 年建築基準法改正の解説」P79(参考2)では、「隣地境界線が2以上ある場合」が示されているが、多角形による隣地境界線を1つの連続した隣地境界線として捉えた場合においても、図21 のとおり、複数の道路境界線によって、敷地境界線が連続しない2つの隣地境界線に分かれた場合に限り、「隣地境界線が2つある」として捉えることも可能である。


*図21の場合、道路以外の隣地境界線は上側と下側の2存在しそれぞれが屈曲した境界線か否かは問題では無い事が図示されている。

*本来の隣地斜線の解析法に外ならず法文通りに解析すると上側の屈曲した隣地境界線は連続した一の隣地境界線とし合計2の隣地境界線とする。

 

・隣地境界線を内接した線分で近似する場合、連続する隣地境界線全体ではなく、部分的にまとめて「1つの連続した隣地境界線」と捉える考え方は、多角形の全ての辺をまとめる場合と同様である。

 

【結論】

 天空率分科会WGでは、隣地境界線が隣地境界点間では無く道路以外の連続した敷地境界線を意図するは自明の事だが「一の隣地」の取扱いに至る考え方および法的適合性を法的根拠など多方面から検証確認した。 

 まずその事を明確に記述する公的資料として 「質疑応答集P5056」を添付し解説した。

 次に「平成14 年建築基準法改正の解説」工学図書著者. 国土交通省住宅局市街地建築課 編. から「隣地境界線が2ある場合」の記述に挿絵の解釈を示し道路以外の敷地境界線が隣地境界線であり屈曲していても一つながりの境界線は一の隣地境界線とする事を確認。

 

 さらに「天空率運用の検討」では「(4)取扱いに係る検証」と続くが本日も長くなった次回にしたい。

次回までお元気で!

 

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