11月6日東京はポカポカ陽気の土曜日。
まずは紅葉のおすそ分けから・・。先週、末昨年5月以来の蓼科山散策。女神湖の紅葉が見ごろでした。
久々にトレーニングを兼ねてアップダウンの丘陵地を歩きまわった。
腰の不調の確認もかねての山歩きだったがどうやら回復しているようだ。毎年の山籠もりトレーニングも今年はコロナの影響で無し。久々の県境越えとなった。帰りの関越道の渋滞も久々。たまにはこれも良い。
本日は騒動のあった京王線で調布まで出かける予定だ。
さっそく今週の講座から始めよう。
今週も先週に引き続き若手企画設計者講座。
今回は天空率講座で頑張っていただいた。拙著「日本で一番わかりやすい天空率」で勉強しましたに・・いつになく丁寧な講座となった。
事前学習をしてきたとの事で分かりが早い。後半は早くも2方向の屈曲道路の持参した実物件を30分ほどで解析していただいた。
次回は早くも最終回で日影天空率の総復習・・。
これはおまけの一枚だが
昨日、建設ITガイドの取材の為、ユーザー訪問で青山に出かけたついでに外苑の銀杏並木もパチリ。ついでじゃないがユーザーも一瞬マスクなしでパチリ。ITガイドにも掲載するのでお楽しみに。
天空率講座を開始したい。
このところ屈曲した隣地境界線に関する質問が多くなった。
屈曲した隣地境界線の天空率解析では「一の隣地方式」を使用しないと不合理な解析法になる事が多い。
一方「一の隣地方式はJCBA公認方式ですよね?」との質問も今だ多い。答えはもちろん「Yes」JCBA天空率分科会で議論され推奨された方式だ。
2010年に拙著「日本で一番わかりやすい天空率」エクスナレッジを出版する際「一の隣地方式」をJCBA方式とする記述に関して関連機関に確認した際も問題ないとの回答を得た。
2003年天空率施行から18年経過した現在このような質問がでる状況では天空率利用の障害となり芳しいものでは無い。
今回は日本建築行政会議天空率分科会(WG)に参加し立場から
「一の隣地方式」の公的取り扱いに関する考え方をレポートしたい。
「適用事例集」とJCBAホームページトップページ「天空率運用の検討」におけるJCBA方式の確認。
現在、天空率に関して記述されたJCBA公的資料を確認する方法として「2017年度版 集団規定適用事例」(以下適用事例集)
とJCBAのホームページトップページに長年掲載された「天空率運用の検討」がある。
「天空率運用の検討」に記載された内容がJCBAの公式見解か否かを明確にするため「天空率運用の検討」に記述された事を確認する事から始めたい。
JCBAが「天空率運用の検討」発表する目的は冒頭に以下が記述されている。
第3章 天空率に係る検討
3-1 検討の主旨・目的
1.昨年度の到達点
昨年度は「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例」(以下、「適用事例」)の掲載に向けて検討を行った。これには、天空率規制の方針も示され、建築主や設計者等に広く周知を行った。また、平成19 年度までに取りまとめた成果について、適用事例に掲載可能な事項を議論の上選択し、適用事例及びJCBA 市街地部会平成20 年度報告書に掲載した。
天空率分科会で議論された内容は「適用事例集および市街地部会平成報告書に掲載する事で周知する事を目的としており「適用事例集」で発表されるだけでは無いとされる。
さらに「市街地分科会平成20年度に報告書」に掲載した内容で残された課題に関して
2.今年度における検討の主旨・目的
今年度は、天空率に係る検討の最終年度でもあることから、昨年度「今後の検討課題」とした事項について、市街地部会としての取扱いを示すことを目的とする。また、示すことが困難であると結論つけられた事項についても、現状における問題点や、必要に応じて、法改正案及び法解釈に係る考え方にも言及し、問題点の解消に向けた示唆とする。
「市街地分科会平成20年度に報告書」で足らずの内容に関して「問題の解消に向けた示唆とする。」としさらに問題点がある事が記述され
「具体的な検討テーマ」として検討事項が記述されている。
(1)~(5)の内容が議論された。
その中では屈曲道路関連が(1)、(2)で記述され
一隣地の取り扱いも重要視され「(3)一の隣地境界線の取り扱い」で検討された。
検討された内容は
1) 取扱い
2) アンケート結果及び特定行政庁の運用状況等
3) 取扱いに至る考え方
4) 取扱いに係る検証
3-3 今年度の検討体制及びスケジュール
1.天空率合同WGの設置について
でWGのメンバー構成およびこれらの審議経過が掲載されている。
一隣地に関してはWGで第2回合同WG第3回WGで検討された結果が全国会議で報告された事が記されている。
*WGでは合同ワーキングの議論を充実させる為、それらの回以外にも検討を重ねてきた。
WGで議論確定した事項はアンケートおよびパブリックコメントを実施しより広く問題提起しJCBAとしての方針を定めた経緯が
「3-4 アンケート及びパブリックコメントの実施について」に記載されている。
「一の隣地取り扱い」が「一の道路の取り扱い」とともに100%の賛成が得られた事も記されている。
これらの内容は「市街地部会における天空率に係る取扱い」で記述されている。
3-5 市街地部会における天空率に係る取扱い
一隣地にかかわる取り扱いは

「隣地境界線を「連続した一の隣地境界線」として敷地を区分せずに天空率を適用することも可能とする。」と明確に記されている。
それとともに
「敷地を区分しないとする取扱いの適用については、特定行政庁の判断に委ねられることから、「敷地区分方式」など、他の運用方法の適用を妨げるものではない。」と追記される。
つまりJCBAでは「敷地区分方式」「一隣地方式」いずれの手法つまり2通りの考え方がある事が示されている。
*「敷地区分方式」に関してはWGで問題点を指摘しながらも当時施行から10年位以上、経過しており「敷地区分方式」を否定しがたい状況にあった事、と整形敷地においては利用に問題が無い事から存続したのが実情。
取り扱いのに至る考え方ではその事を明確にする。
「一の隣地方式」がJCBA方式として正式に存在する事が明確に記述されている。
一方、ローカルルールを適用するかJCBA方式を採用するかなど、運用の可否を決定する事は特定行政庁の判断に委ねられる事も否定していない。
繰り返しになるが特定行政庁がJCBA方式あるいは敷地区分またはローカル方式を採用する事の議論と
「一の隣地方式」がJCBA方式であるか否かは別次元の議論である事を分けて考える事。これが本日の結論。
次回はさらにJCBAが「天空率運用の検討」を読み進めながら例題を交えて「一の隣地方式」の考え方を明確にしていきたい。
次回までお元気で!