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逆日影計算の可能性検証4近隣地盤高低差

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11月12日土曜日。東京は昨日の氷雨もあがり気温も20度近くに上昇するらしい。
早速近くの公園でパチリこれはえのき。
 

 
東京でも紅葉がそろそろ始まる。武道館の先にある北の丸公園の紅葉は・・・みごとです。取材にいかなきゃ。
 
 さて今週は激動の1週間。

まずは世論調査がまたもやあてにならなかった事。

イギリスEU離脱に続いたクリントン勝利予想のハズレ。韓国の大統領支持率5%もあやしい数字だ・・・。低すぎる。

 

 トランプの勝因のひとつにレーガンと自らをオーバーラップさせる作戦があった様だ。レーガンは読書家で知性的でトランプとはかなりギャップがあるらしいのだが。それにしてもトランプの選挙後のおとなしさが不気味だ。
 
 おとなり韓国の騒動も先鋭化した儒教の国の悪い部分が露呈してしまったのかなと司馬遼太郎を久々読み返してみた。オリンピックファンとしては冬期オリンピックが無事開催されるのかも気になるところだ。
 
 翻って我が国、先日の核兵器禁止文書賛同せずに続きパリ協定の批准も間に合わず、ほめられたものではない。東京オリンピックは・・・・やめとこ。会場等の決定も近々の様だ注視し見守りたい。
 
 さて今週の報告から始めよう。
今週は年明け早々に発売される「建設ITガイド」のユーザー事例の原稿書きで2日程自宅にこもり書き続けた。今回は長年(四半世紀を超える)おつき合いの長谷工コーポレーションさんオリジナルBIM『長谷工版BIM』とTP-PLANNER 形態制限の連携部をテーマに作成している。長いおつき合いゆえ当方の思い入れもあるがほぼ完成。来週のチェックに間に合いそうだ。ご期待下さい。
 
 そんな中でも、今週も講座有り。月曜日にはハウスメーカの3人組への天空率講座。今年も追加購入頂き1時から6時まで頑張っていただいた。
 

 
 終了後のパチリだがA氏がかざしているのは講座で使用した「天空率基礎講座」これで考え方を確認し実践を繰り返す。A氏は日影規制、逆日影の講座も受けたいとの昨日の連絡。望むところだ・・早々の再会をお待ちしています。
 
 金曜日には飯田橋の大手設計事務所で3回目のTP-PLANNER講座

今回は3方向道路、行き止まり道路、敷地外屈曲道路に加えて隣地天空率、敷地区分方式公園緩和位置複雑系の入力方法を解説。これは同行した鈴木と開始前の講座の仕込みをしているところ。
 
 
 
  さて本日も講座の時間です。今週も日影規制を徹底研究で今週のテーマは近隣の地盤面が高い場合の事例で検証を進めたい。NHKブラタモリで都市における高低差が脚光を浴びているが日影規制では受影面が当該地盤面より高い場合に政令第135条の12(後述)で緩和法が規定され当該建物のボリュームもその分アップする。
 
事例は前回没案の北側が単線で区分された
 
この事例の北側の道路境界線から北方向の平均GLが(当該敷地の平均GLとの差が)5m高い事例、反対側の道路境界線から20mを超えた位置で用途地域が2区域。

 

 東側の第一種低層住居地域の受影面は、1.5mの区域であり地盤高低差と複合され日影計算が煩雑になるのでこの事の検証と考え方を整理したい。後半は、確認申請で義務づけられる「日影形状算定図」による検証も行いたい。
 

 
立体で表現すると

 
この様な事例だ。用途地域は前回検証しかけてやめたシンプルな区分に戻した。
 
 
 今回は、逆日影計算結果を比較する為に、高低差が無い場合で逆日影計算を行いボリュームを算出後、高低差有りで解析し容積率の異なりで日影可能空間の変化を確認したい。
 
 逆日影計算も比較を容易にする為に1棟高層で行う。今回もTP-PLANNERユーザーの為に地盤面設定操作解説も行いたい。
 
 
 まずは高低差区分が無い場合の解析から復習程度に確認してみよう。

 
一棟高層を選択後、逆日影チャートを確認しながら高層ポイントを確定すると
 

 
 等高線で確認だが、この様に日影規制の緩い西側2種中高層の影響で左側の敷地の可能空間が広がっている事は前回の屈曲用途堺と同様だ。
 
 今回は逆日影計算結果のブロック表示による床面積および容積率

各階床面積とすべて容積率対象とした容積率が表示されるがその数値で可能空間の増減を確認する事としたい。
 
ここまでが前回と同様に平均地盤が同一の場合。
 
近隣平均GLが異なる場合、基準法第56条の2では3項に
 
日影による中高層の建築物の高さの制限)
第五六条の二 
3 建築物の敷地が道路、川又は海その他これらに類するものに接する場合、建築物の敷地とこれに接する隣地との高低差が著しい場合その他これらに類する特別の事情がある場合における第一項本文の規定の適用の緩和に関する措置は、政令で定める。
 
政令は第135条の12の2項に
(日影による中高層の建築物の高さの制限の緩和)
第一三五条の一二 法第五十六条の二第三項の規定による同条第一項本文の規定の適用の緩和に関する措置は、次の各号に定めるところによる。
二 建築物の敷地の平均地盤面が隣地又はこれに連接する土地で日影の生ずるものの地盤面(*)より一メートル以上低い場合においては、その建築物の敷地の平均地盤面は、当該高低差から一メートルを減じたものの二分の一だけ高い位置にあるものとみなす。
2 特定行政庁は、前項第二号の場合において、地形の特殊性により同号の規定をそのまま適用することが著しく不適当であると認めるときは、規則で、建築物の敷地の平均地盤面の位置を当該建築物の敷地の平均地盤面の位置と隣地又はこれに連接する土地で日影の生ずるものの地盤面の位置との間において適当と認める高さに定めることができる。

 
今回連接する土地で日影の生ずるもの地盤面がより5m低い場合、(5-1)÷2=2m高い位置にあるとみなす事になる。今回特定行政庁の別途定めはないとして入力開始してみたい。
 
 
 TP-PLANNERで地盤の異なりは「設定」「オプションライセンス」で「傾斜地オプション」にチェックを入れる必要がある。
 
 前回までの入力に加えて「日影・逆日影データ」で「近隣地盤面」の項で入力を行う。
 

 「位置指定ダイアログボックス」内のBMからの高さ、(当該設計GLは、BMからの差を入力するが、今回は平均GL=BM=0mとして当該敷地側の平均GLが設定されている)を基準に高低差5mを入力する。(h-1)/2の緩和計算は自動処理される為に高低差そのもの5mを直接入力する。
 
 当該敷地の地盤面側も同様に入力する。入力範囲は用途地域で設定された広いエリアをガイドにスナップし入力する。日影図を地盤面で作図する都合0m地盤情報も入力する。
 

 
追加の入力はこれだけだ。ただし計算時には「計算条件」のダイアログボックスの「計算対象」で「近隣地盤面」にチェックする必要がある。
 

 
 
あとは前回同様逆日影計算を行いボリューム比較をしてみる事とする。
*余談だがその項の地表面はコンター等から作成された実地形の地表面なりに日影図を作成する際にチェックする。
 
高低差有りの結果は

 
赤枠で示した高さで決まるエリアのボリュームが増加しているが日影時間幅は同じゆえ高層巾の大きさは変わらない事がわかる。
 
高低差なしを再度表示すると

 
ブロック図を並べて比較してみると
 

 
やはり高さで決まる低層部が赤破線枠でボリュームが増加するだけで高層巾は変わらない事がわかる。
 
面積部を拡大すると

 
 
総面積で153.693㎡の差だ。高層部はブロック化の誤差はあるがほぼ同じである事がわかる。
日影図で確認してみよう。

 
 
やはり発散規制ライン上の3時間、北側は2時間規制で確定している事がわかる。赤枠で示した箇所が段差がある区域での日影図の段差となる。
 
 逆日影の結果の建物化ゆえ建物形状が複雑になっているので間引いて3ブロックのみの建物形状にシンプル化し
 

 
なにやらトランプタワーの様だが・・。
 
高低差の異なりによる倍率表(日影形状算定図)を確認してみよう。
 

 
倍率表は任意の位置に書き出しの位置をドラッグし青枠で残した状態で画面左下側にある「倍率表:面積表」アイコンをクリックするとそれぞれの受影面における「日影形状算定図」が作成される。拡大して確認すると

 
受影面高4mの位置では1番のブロック高12mは12-4=8mが計算高となりこの高さに各時間の倍率例えば8時と16時の場合7.221倍されたのが影の長さ57.768mが1番のブロックだ。日律の下側にある方位角午前が8時の真北を基準とする方位角だ。
 

日影図の審査はこの様に日影形状を算定表でチェックされる。
 
さて高低差地盤5mは前述した様に(5-1)÷2=2m高い位置にあるとみなす事になる。
従って受影面4mに2mの緩和が適用された6m受影面、1.5m受影面は3.5mの受影面に緩和される。
 

 
近隣地盤の受影面が異なりさらに地盤高による緩和がある場合は設計有利になるがその分煩雑にもなる。考え方を整理しないと混乱するので注意したい。
 
本日も長時間になった。ここまでとしよう。次回は既存建物が有り別棟を増築する場合の逆日影の想定法を検証したい。
 
 本格的に冬がそこまできてます。風邪などひきませぬ様、まずは来週までお元気で!hi
 
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