9月9日土曜日
今週火曜日夕刻、インバウンド報道でお馴染みの浅草浅草寺の
雷門・・を通り抜け浅草寺本堂裏広場に出かけた。
しばしインバウンド気分でご鑑賞下さい。
ライトアップされた本堂は絢爛豪華。
スカイツリーとのコントラストも時空を超えた感がいいネ。
これは終演後、能楽師による特別大サービスの写真タイム。
鬼装束に槍でカッコいい決めポーズを数点披露していただいた。
すばらしい舞台でした。
本日は、日本橋で比嘉の仲間の建築構造設計者とその仲間の落語会。笑えるといいのだが・・。
今週の講座から
デベ2社2名参加の日影規制基礎講座。
用地情報の入力から日影可能空間を算出する法的理論と
TP-PLANNERによる実践操作で進行。手計算逆日影計算とTP-PLANNERによる逆日影計算と比較し日影規制の理解を深めて・・・
屋根伏図から日影資料を時刻:等時間:指定点日影を算出し半天空図でプレゼン資料の作成で終了・・・完璧です。お疲れ様でした。
天空率講座を開始したい。
①屈曲隣地境界点間ごとに解析する「敷地区分方式」
②入隅角でA,Bの2区域に区分し解析する同一区間による「敷地区分方式」
③道路以外の連続した隣地境界線を同一の隣地境界線とし解析する手法(一隣地方式)
以上の③通りの方法です。
隣地天空率に関しては、いずれを採用するかは審査サイドとの協議が必要です。
今回は
「入隅角でA,Bの2区域に区分し「敷地区分方式」で解析する手法
を通じてA側に面する終点(下側端部)出隅端部の切断法を検証します。
まず天空率解析結果は
天空率解析を行いA区域の結果を表示します。
A区域
検証のポイントは
出隅部算定基準線の端部から垂直に切断する手法で解説しましたが、その場合上図のように三角状の部分が天空率区域対象外となります。
この事は区域内空地が適正に評価されない事になります。
この端部の区分法はJCBAでも明確な記述がありません。
「建築確認の為の基準総則・集団規定の適用事例」で解説される隣地高さ制限適合建築部を解説する項に
(2)特殊な敷地等における適合建築物(隣地斜線)で以下の様に解説されています。
入隅隣地境界線を特殊な敷地として解説しており、この解説は「敷地区分方式」における入隅部の区分法です。
右側の入隅端で隣地境界線が垂直になっており判然としません。
一方JCBAホームページでは「天空率運用の検討」 http://www.jcba-.jp/news/tenkuritu20100420.pdf で
は、慣習的に端部垂直切断する際の不合理をP107で下図で解説しております。
破線円弧部が天空率比較されない問題点を指摘する挿絵で垂直切断が示されている事より問題提起の為の挿絵です。
その解決法として屈曲隣地境界線の面する方向を考慮した隣地高さ制限適合建築物および算定線の作成法が以下のように記述されています。
屈曲した隣地境界線をAB,BC,CD,DE間に区分し面する方向事に解析する手法です。
*右側には「平成14年建築基準法改正の解説」(以下技術的助言)の挿絵が添付されています。
国交省が記述した面する方向の考えを適用した区分法です。
ポイントは
①面する方向事に片ながれ状に適合建築物を作成する事で面する方向の隣地高さ制限に適合する事。
②基準線は隣地境界線から外側に規定の位置に算定位置を設定しなければならない。
以下適合建築物の面する方向を直線化しない参考例を
上図をTP-PLANNERで入力し解析結果で補足すると
屈曲している場合は、寄棟状で面する方向に片流れ状に隣地高さ制限適合建築物を作成します。
③区域の端部を基準線で垂直切断しない事。
垂直切断した場合、隣地境界線の端部境界線の角度で適合建築物の範囲が不合理に区分される事が多く建物外周部の空地を天空率計算に正しく評価されない為、適切ではありません。
この事を下記屈曲隣地の事例で補足解説いたします。
用途地域は前回同様第1種住居専用地域で容積率400%の事案です。
前回と異なるのは敷地南側が広くその部分に立体駐車場が設置された事例です。
まず前回同様端部垂直切断で解析すると
①終点側を垂直切断する指定を行います。
解析すると
クリアしました。ただし立体駐車場は隣地高さ制限区域に一部が参入されただけです。
つまり立体駐車場部を隣地高さ制限区域に参入しない事によりクリアした結果です。立体駐車場の影響をきわめて一部だけ考慮した処理法です。
②終点側の切断指定をOFF設定します。
解析すると
P6で
P6(差-0.082%,斜87.362%,計87.280% 天空率近接点
差分-0.082%のNGになる事がわかる。
P6の部分では面する右側の立体駐車場が通風採光効果を低下させた為の結果です。
この結果は、天空率の基本の考え方「区域内の空地の分高さ制限を超える事ができる」から立体駐車場設置の為、高さ制限を超える分の空地が消滅し通風採光が悪くなったと考えられNGになるのは合理的な結果です。
「一の隣地方式」でも解析してみましょう。
「一隣地方式」で解析するには
「敷地」入力で「隣地同一区間」ボタンを押下後
「新天空率算定領域」で「一の隣地」ボタンを押下で
天空率解析すると
一隣地ではすべての敷地内の空地が考慮される為、上部の空地も評価されクリアとなります。
上下の空地に最も遠い位置にあるP4
でP4(差0.171%,斜82.008%,計82.179% 天空率近接点
が最も厳しい算定位置です。
一隣地は敷地内の空地をすべて評価するため実際の通風採光効果を評価するうえで合理的といえます。
北西側6m道路に面した位置(赤線部分)の建物を道路側に拡幅すると
P4中央部でNGになる事がわかります。
アイソメ図では
「図法」「天空率比較図」「天空図重ね表示」でP4の魚眼レンズ
目線で比較すると
北側建物を拡大した分は敷地内空地を示す緑部が目視できるほどに減少している事がわかります。合理的な結果と考えられます。
JCBAでは一の隣地方式のこのような特性から
P113で最も安全側と考えられると記述しています。
JCBAでは端部の処理法が明確ではありませんが
「敷地区分方式」「一の隣地方式」いずれの手法でもよいとされます。
これらの考察を参考にしていただき審査サイドと事前に確認していただくことを推奨します。
本日も長くなった次回までお元気で!