5月18日土曜日
実は、先週末から法事の為沖縄に帰省しておりました。
正面に写る岬は、東シナ海側の我がふるさと恩納村ダイビング名所真榮田岬。岬から1.5Kmほど戻った位置に沖縄の実家がある。
・・・いいとこでしょう~。
今回は青い海もいいのだが恩納岳を照らす朝焼けの美しさに感動。おすそ分けします。
今週の講座から
水曜日は、設計事務所から7名が参加
入社したての新人から中堅、過去講座を受講した設計者などバラエティーに富んだメンバーが天空率講座に参加していただいた。
講座は新人設計者中心に「天空率は何のために?」の基礎学習から。TP-PLANNERの高低差を設定する項目をBM,設計GL、地盤面の項の入力を傾斜敷地から算出設定する方法。
最適後退距離、施行令第132条による区域区分の考え方を解説。天空率解析の流れになじみができたところで屈曲道路(今回の比嘉ブログ天空率講座で復習のほどよろしく!)、行止り道路道路、2方向道路、など道路天空率をフルコースで実践学習。そして隣地天空率は、敷地区分方式、一隣地方式そして屈曲隣地同一区間設定解析法まで・・・・・
1時開始の講座は、いつの間にやら7時半・・・無事終了!
お疲れさまでした。
木曜日は、デベ商品開発担当の4人組。
2回目の講座は、用地情報の入力から逆日影、プラン、日影、天空率そして面積チェックで面積表作成まで。前回の日影規制の理論学習が功を奏したか今回はスイスイとプラン作成を行い無事予定完了。各人作成したマンション配置図とパースをバックにドヤ顔のパチリ。
次回は天空率を理論解説後、用地情報から面積表までの流れをさらに繰り返したい。早くも来週最終回・・・・。頑張ろう!
天空率講座を開始します。
サポートセンターに寄せられる道路天空率に関する質問で
道路形状が作図されてないデータで入力可否チェックの質問が寄せられる事があります。
例えば下図のような事例で道路反対側の形状が作図されておらず道路条件が不明です。
道路幅員はそれぞれの境界線で入力しており 高低差も含めて道路条件は、入力されています。
・・が反対側の道路境界線および道路中心線の形状がわかりません。
たしかに入力された道路幅から道路反対側の境界線および道路中心線は、自動で発生する事は可能です。
敷地入力条件から自動発生した反対側の道路形状は、敷地側の境界点から垂線方向に延長し交差した位置までの距離を
「道路幅」とし反対側境界線を特定する為に入力します。
ただしA部の様に敷地側の境界線が屈曲し反対側の道路境界線までの垂線が交差する場合など入力が煩雑になります。
西側道路凹部隣地超えB部のように隣地を超えた反対側の道路境界線の形状などの場合も敷地境界線で特定する事は、困難です。
TP-PLANNERでは、道路の反対側を作図された線分情報に道路形状を編集入力する事が可能です。
JCBA(日本建築行政会議)では屈曲道路を下記のように規定します。
敷地側からみた道路中心線の隣り合う角度が120度以上の場合
「一の道路」とします。
*「一の道路」とする事が困難な事例の場合は、行政等審査サイドとの協議の上確定します。2の道路となった場合は令第132条による区域区分の対象となりますので天空率の比較が大きく事なります。一の道路か否かは重要です。
今回の天空率講座は、敷地形状は、同一の場合でも道路反対側の形状が異なるケースA,B2例の入力法そして区域区分法そして天空率解析までを解説します。
ケースA
この場合、道路中心線の交差角度が120度以内になる赤破線部を境に2の道路と判断される事が一般的です。
*その場合道路交差部に面する赤破線部の境界線は、「隅切」です。
本例では、北側の屈曲道路は、それぞれ幅員が異なるが隣り合う道路中心線の角度が120度を超える為連続した一の道路とし最大幅員6.5mと認定されたとします。
西側道路は途中凹状隣地超えですが道路中心線は、120度を超えている為、やはり6m幅員の一の道路とします。
ケースAでは、2方向道路と認定された為、
令132条が適用されます。
ケースB
ケースBの場合、隣り合う道路中心線の交差角度は、すべての境界線間で120度以上となる為、一の道路と認定されたとします。
屈曲した道路反対側に後退距離を加えた位置を起点に適用距離20mの道路高さ制限適合建築物が寄棟状に適用されます。
このように天空率区域区分法を確定する為には、道路反対側の境界線の形状が明確でなければなりません。
ケースA、Bの順に解析法を解説します。
1)ケースAの場合
①敷地境界条件の設定
①-1最大幅員の境界線を同一区間設定する。
隅切りの手前までを「一の道路」とする為、
「shift」キーを押しながら選択しダイアログボックス内の「設定」ボタンをクリックするとグループ番号が自動設定され「同一区間」が設定されます。
もしくは「道路自動設定」ボタンを押下する事で隣あう道路境界線の項さ角度の120度超を自動判断し同一区間自動設定します。
さらに「道路幅員」の欄に行政等と協議した道路幅員を入力します。この例では6.5mを入力し最大幅員が確定します。
同一区間設定による自動処理では、同一区間内の最小「道路幅」6mが道路幅員に自動設定される為、6.5mを設定する本例では「道路幅員」の欄で直接入力変更します。
*道路反対側の境界線の位置は、CAD的編集入力を行うので道路幅員は、すべて6.5mで入力し自動発生した反対側の境界線を作図された正しい反対側の境界線に変更する事が効率的です。
①-2西側の屈曲道路の同一区間設定も同様に行います。
*凹部の隣地境界線越しの道路反対側はCAD的編集(T-SPACE)で編集入力する為、道路境界線のみ「道路幅」設定を行います。
②「用途地域」の入力おおよび「建物」の入力を行い天空率計算を行う為の基本入力が完了です。
③新天空率計算
③-1天空率算定領域はCAD的編集(T-SPACE)を行う為、「新天空率」で行います。
③-2新天空率T-SPACEで道路形状を編集し適合建築物を発生する手法を解説します。
「道路・一隣地」のボタンをクリックしT-SPACEを起動します。
③-3「発生」ボタンをクリックし「敷地」の項で入力した道路境界線情報から道路反対側、道路中心線、敷地側道路境界線を自動発生します。
③-4西側の道路が凹部の隣地境界線をまたぎ2の道路となる為「前面道路編集」の項で最下部の道路を選択し削除し一の道路に変更します。
③-5西側道路上部の道路反対側、道路中心線、現況反対側(算定基準線)を修正します。
*道路高低差などT-SPACE入力編集の詳細解説は
を参照して下さい。
③-6最大幅員を作図された線分に合わせて編集します。
屈曲した道路反対側形状が正確に入力設定されました。
この条件で高さ制限適合建築物を発生させます。
③-7道路高さ制限適合建築物発生および算定基準線発生
高さ制限種「道路」を選択後、「発生」ボタンで令132条区域3区域が発生します。
「出力」でTP-SKYに移動し算定基準線が発生します。
③-8天空率計算を行います。
どうやら全区域青表示でクリアーしました。
④令132条区域を検証します
④-1最大幅員6.5m北側屈曲道路に面した区域
後退距離が1.576mです。
屈曲した道路の反対側から1.576mの位置を起点に適用距離20mで区分されます。算定位置の端部は、それぞれ適合建築物の両端部の位置まで延長されています。
④-2 西側屈曲した6m道路側に適用される最大幅員6.5mが適用される区域
最大幅員6.5mの境界線から2倍13mの位置までとそれを超えた区域は最大幅員6.5mが適用されます。この例では後退距離が4.195mゆえ道路反対側から6.5mに4.195m加算した位置を起点とし適用距離20mで区分されています。
アイソメ図では
道路中心高がGL面より低い為、地盤が自動設定されます。
④-3道路中心10mの区域
北側最大幅員6.5mの境界線の2倍13mの位置を超えた道路中心線から10mまでの区域です。
算定位置は地盤の端部まで延長されます。
天空率計算は、道路面が地盤面より低い位置にある場合、地盤を含めた天空率比較を行わなければりません。その為算定位置も地盤も含めた面する方向の端部間まで延長されます。
アイソメ図では
凹状の隣地境界線で道路中心10mの区域が分断されていますが
道路中心線は120 度超ゆえ同一の区間で区分します。
以上がケースA屈曲道路の事例です。
この事例のような道路反対側の形状入力ができればどのような屈曲道路にも適合した天空率計算を行う事が可能です。
続いてケースBの解説といきたいところですが・・・
本日も長くなりました。次回解説します。
次回は合わせて西側凹部の隣地天空率も解説します。
次回までお元気で!