6月15日土曜日
東京の夕焼けもイイネ。
連日真夏日にせまりとうとう雨傘だが日傘男子デビュー。
これずいぶん楽でおすすめです。
今週は、大谷のホームラン以上に気にかけたのが女子バレーのネーションズリーグ。なんせパリオリンピックがかかった試合が連日続き手抜きの応援をするわけにはいかない。
木曜日にカナダに逆転負けの際は、落ち込んだものだが昨日金曜日にそれまでの成績からオリンピック出場決定(内定)
やれやれです。
今週の講座から
今週水曜日は、デべの開発の皆さんが久々に来社で最終の仕上げを確認しました。
敷地内高低差の流れから高低差事案チェック法などかなり実勢天気になってきた。講座の流れで「編集コマンドの指定は、ショートカットもよいけど操作をマスターするまでは徹底して右ボタンメニュー(コンテキストメニュー)がいいかもしれませんネ」と提案いただいた。ナイスなご提案いただきです。
今回最終回です。またお会いしましょう!。
木曜日は、デべ設計女史の3回目講習でこれまた最終回。
なぜかサポートの津田も参加の卒業写真。
操作に関しては、ほぼ問題無しゆえ実践で疑問に思う事を解説する事にした。
3m以上の高低差がある事例の解説、規制ラインの法的解釈と発散規制ラインの作図法と行政の対応、プランニング時で日影あるいは天空率がNGの際の解決法を解説。
あとは実践で頑張って下さい!またお会いしまよう。
金曜日は、デべユーザーから用地評価と設計の女子2名が参加。3回講座の初回は日影規制徹底学習。
用地情報を正確に入力宇する方法と用地情報と基準法56条の2の関連を解説。予定どおり手計算による逆日影計算からTP-PLANNRERによる逆日影計算をおこなった。
今週の比嘉ブログでは、逆日影計算を解説しているので参考にしていただきたい。次回は楽しいプランニングだ頑張ろう!
比嘉ブログ講座を開始します。
今週は久々に逆日影講座です。
大阪市内の用地情報を題材に逆日影計算の効率的な手順を解説します。
敷地面積923.29㎡、第2種住居地域 日影規制3/5 受影面4mで建蔽率60%、容積率200%の事案。
南側の前面道路6mに3.3mの川が接しています。
大阪府の北緯は35度が指定されています。
初期値を大阪府に設定してない場合は「地域選択」で大阪府を指定することで大阪府指定日影規制用北緯が選択されます。
大阪府を選択すると大阪府指定の北緯35度が設定されます。
実際の北緯35度は京都市の位置です。
北緯35度は京都市あたりの位置ですので実際の位置より北の位置を指定し影の長さを実際の影より長く評価します。。
大阪の実際の北緯は
ちなみに東京の日影規制用の北緯はさらに極端で
埼玉県の東松山市の位置です。もっとも千葉県、川崎市なども北緯36度が指定されています。
北側隣地が凹部の日影規制
日影規制がある用地情報の場合、建物外形の8割以上を日影規制の影響を受けます。
この事例の場合注意したいのは、北側に面する部分が凹型になっている事です。
北側円弧で記したエリアは、隣地境界線が入隅になっている為、A,Bの部に建物を設置した場合、A,Bの両方の建物の影が円弧部に重なってしまいます。その為設計者は、A,Bいずれを優先し建物を配置するのか決定する必要があります。
例えば実際に4階程度の建物を設定してみましょう。
4階の低層建物ですが入隅に近接するA,B部に建物を同様に配置し日影計算を行うと
北側の隣地境界線に平行な規制ラインは、わずかに超えている程度、東側の規制ラインは、規制ライン内に収まっている事がわかります。
ところが5mライン円弧部が大きくNGとなり入隅頂点部の指定点日影時間を行うと7時間29分となり、ほぼ終日日影になります。半天空図で確認すると明確です。
両方の建物が太陽の軌跡を遮り日影を発生する事がわかります。
3D日影チャート図で確認するとその意味が明確になります
南側A側をカットして解決するなら赤く塗られた部分を太陽高度内に設定する事でクリアーします。
一方B側をカットする場合は
同様に赤く塗られた部分を太陽高度内に収める事で解決します。
この表示では、可能高さが
入隅側で8.739m南側Aの建物と交差する位置で11.116mと表示されています。
このように北側が凹型の隣地境界線の場合、設計者は、
A,Bいずれの高さをカットするのか判断しなければなりません。
共同住宅であれば南向き優先で考える事が一般的ですので、ためしに北側B棟を削除すると
NG部分(5時間24分)は残りますがチャートのカット部分の高さ11.116mゆえ北側廊下の上部をひさしに設定し低くする事で日影規制をクリアする事がわかります。
北側凹部の逆日影計算の解析法
北側凹部の場合、日影規制をクリアーする為には、設計者がA,Bいずれをメインに建物を建てたいのかその方針を逆日影計算の際に設定し解析しなければなりません。
逆日影計算を利用する際の設計者の方針どおりに指定する方法を解説します。
逆日影計算の指定画面から確認
TP-PLANNERの逆日影計算のダイアログでは、「計算方法」の項で設計者の日影規制をクリアーする考え方を設定します。
初期値は、設計者の日影規制をクリアーする方針を容易に設定可能な「逆日影チャート」で指定します。
逆日影チャートは、敷地内でドラッグする事により設計者が最適な位置を指定する方法です。この手法は後程解説するとして
赤枠で囲われた「太陽高度」の欄で指定すると基本的に規制ラインで建物高さを越えない様に高さを低く設定します。
その際の太陽高度でカットする基準が
規制基準型⇒規制ラインに平行にカット
X軸基準⇒X軸に平行にカットし規制ラインを越えないように設定する方法。
逆日影基準線⇒属性線で作図された線分の傾きでカットする度合いを調整する方法です。
「規制基準型」で解析(「計算開始」ボタンをクリックする)しその結果を考察してみましょう。
敷地全体に建物を建てる事を前提に解析しますと
結果は
赤丸で示す凹部の端部が最も日影規制が厳しい部分に影が重ならないようにA,B部ともに太陽高度でカットされている事がわかります。
さらに逆日影計算結果を建物に変換し日影図を描いて検証すると
凹部に日影が重ならないようにA,B部が太陽高度でカットされている事がわかります。
この方式は、敷地全体に建物を配置する倉庫等の場合などに有効です。
ところで共同住宅の場合、南向きの住戸を多く確保できるよう計画する事が通常です。
その場合「逆日影チャート」で指定する事で効率的に設計者の意図を逆日影計算に反映する事が可能です。
逆日影チャート
「1棟高層」
この手法は、敷地内で+状のコントローラの位置をドラッグする事で日影規制をクリアーする方針を設定する事が可能になります。
上記の設定は、容積率200%ゆえタワーではなく低層建物を意図した設定です。その意図とは・・
コントローラーをドラッグし敷地北側に移動する際8時と16時の方位線に着目します。
8時の方位線と16時の方位線で囲われた部分が「建物を建てたいエリア」です。(建物の東西両端に8時と16時の影が発生する事と同義です。黒枠部分)
その際、8時と11時、16時と13時で囲われた菱形(ダイア状)の部分には、日影規制を規制時間幅でクリアするエリアです。
今回高層建物を意図するわけではありませんが南側A側中心に建物を建てたい位置を指定する意味です。位置を設定し「計算開始」ボタンをクリックします。
南側に建物を計画したい設計者の意図が反映された結果となります。
等高線と逆日影チャートを重ねてみるとその意味合いがさらに明確になります。
高層ポイントには、太陽高度でカットされない事がわかります。
逆日影チャートを設定した状態でこの結果は、イメージ可能ですので設計者はこの逆日影チャートをドラッグする事で最適と思われる位置を確認しながら逆日影計算を行います。
逆日影結果を建物変換し結果を検証してみましょう。
南側中心に設定した結果は、規制ラインに限りなく接近しています。
この等高線をガイドにプラン設定する事で日影可能空間内に
プランニングを行う事が可能になります。
ところで都市計画の指定容積率が400%以上の事案の場合、低層部が多いこの計画では、容積消化が困難です。
その場合、高層部を南西側に移動しタワーを検討してみます。
北西側隣地からの3時間幅でタワーの幅が確定している事がわかります。
結果を確認検証してみましょう。
全てを容積対象としての結果ですが15階で容積率623%となる事がわかります。この場合、当然斜線規制がNGになるわけですがその場合、天空率を利用する事で解決が可能です。
(高度斜線はが適用される地域では逆斜線計算の際、高度斜線の指定します。)
ここまで、「逆日影チャート」の逆日影計算が有効である事を解説してきました。
高層ポイントを北側の隅に設定すると低層建物、
南側に移動すると高層幅が広くなりタワーが可能になる為、
「逆日影チャート」の指定は日影規制に対して有効な設定法です。
太陽高度
低層も高層も「逆日影チャート」で可能ならダイアログ内の「太陽高度」設定は不要と思われるかもしれませんが
利用が有効になるのが東西に長い敷地の場合です。
東西に長い敷地で容積率200%以下で6階以下程度を想定したい場合、逆日影チャートの場合高層幅を優先して確保するロジックの為、8時と16時で囲われた建物エリア以外の両サイドA,B側は、極めて低層になります。
その為、東西横長の低層マンションを想定する場合、逆日影チャートのドラッグ指定では、困難になります。
結果で確認しましょう。
A,B部は、2階程度となり共同住宅の計画には、適さない事がわかります。
結果は、もちろんそれなりに正しく検算すると
日影規制ライン限界まで等時間線が近接するり正しい逆日影計算結果です。ただしこの結果が共同住宅には、適さないだけです。
この様な場合で共同住宅に適した計画、南向き住戸中心の計画をしたい場合に「太陽高度」規制基準型で計算します。
検算結果も含めた結果は
5時間線が5mラインに近接しておさまっている事がわかります。可能高さは、南側の境界線に平行に算出されている為、共同住宅の設定には適します。
ただしこの結果は、4階部はほとんど床面積がとれませんので日影規制の無い3階案で決定が通常ですね。
逆日影の効率的な利用法
初期設定されている逆日影チャートを敷地内で移動し8時と16時の方位が建物配置したいエリアを包絡する場合、逆日影チャートが最も効率的といえます。
東西に長い敷地など8時と16時の方位で建物を想定したいエリアを包絡できない場合は、太陽高度方式を活用すればよいと判断する事が可能です。
いずれにしもまず敷地内でドラッグし逆日影チャートを設定し
設計者がイメージする建物形状に適するか否かで判断すればよい事になります。
・・ということで本日も長くなりました。
本日はここまで次回までお元気で!