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道路反対側形状入力法で異なる天空率結果 1

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3月2日土曜日

今週、木曜日頃から春が始まりだした。マフラーを取りダウンのコートもしまいspring has comeだ。

 

 

 打ち合わせの帰りに寄り道で北の丸公園でしばし春さがし。常緑の大木が青空に映えていい。

紅白の梅の木。

そして前回に続き河津さくら。手入れが行き届いているせいだろうか見事な枝ぶりに満開だ。

 春とともにあの嫌な奴「スギ花粉」も舞い始めたようだが今年は服用薬をやめて噴霧薬を一定間隔で吹き付けマスクで対策。・・・いいみたい。くしゃみすら出ないぞ・・・今のところ。

 

 さて今週の報告、今週水曜日は、30年来のお付き合いのゼネコンH社。K氏の卒業を赤坂支店時代部下の皆さんとともに祝った。

 

 比嘉と同年が1名。K氏を除いた3人はほぼ同期。現場から設計に移動してきた若手にTP-PLANNERの特訓をまかされた頃が懐かしい。・・・今では皆さんすっかり偉くなっちゃって・・!。このメンバーがH社とのお付き合いの始まり。 しっかり社全体に浸透していただき感謝。お互いしぶとくこの業界で生きている・・・ありがたい。これからもよろしく!K氏のTP-PLANNER利用はまだ終わらない。応援しますヨ。

 

 さて天空率講座をはじめるとしよう。

 前回までは道路反対側の境界線がクランク状になっている場合の道路天空率適合建築物の作成法を5回にわたり解説した。

 今回は道路境界線が敷地側と反対側と異なりさらに屈曲しているケースにおいて天空率算定位置が道路幅数値入力による自動処理では正しく設定できないケースがある事の解説と対策をお伝えしたい。

 

 図1

道路境界線が敷地側と反対側で平行でない場合。

道路幅員を敷地境界線の「境界条件」のみで入力し自動発生させた場合に

 

図2

 青対数グラフが表示するようにすべてクリアーしている事案が反対側の境界線を作図された現況にスナップし正しく入力すると

図3

 

 右端部がNGなった。

今回はこの事を解説したい。

 

 まず道路の反対側を数値により入力する方法から解説を始めたい。

その前に法文の確認。道路天空率の算定位置の設定法は施行令135条の9に記述されている。

(法第五十六条第七項第一号の政令で定める位置)
第一三五条の九 法第五十六条第七項第一号の政令で定める位置は、前面道路の路面の中心の高さにある次に掲げる位置とする。
一 当該建築物の敷地(道路高さ制限が適用される範囲内の部分に限る。)の前面道路に面する部分の両端から最も近い
当該前面道路の反対側の境界線上の位置
二 前号の位置の間の境界線の延長が当該前面道路の幅員の二分の一を超えるときは、当該位置の間の境界線上に当該前面道路の幅員の二分の一以内の間隔で均等に配置した位置

 

 赤で表示した「当該前面道路の反対側の境界線上の位置」とある事より道路反対側の境界線を正しく特定する方法がある。

 

 TP-PLANNERでは道路反対側の境界線上の位置を正しく入力する為に2種の方法がある。

 まず基本が敷地側の境界線の境界点端部から垂直に道路反対側の距離を測定し入力する方法。

道路反対側の距離は

図4

このように道路境界点の端部から垂直方向の道路反対側の距離を「敷地境界条件」ダイアログボックスで入力する。

 

図5

 

TP-PLANNERでは、この道路反対側までの距離は「道路幅員」ではなく単に道路反対側の境界線の位置を特定する意味で「道路幅」と称する。

*令132条で適用される幅員は屈曲グループの中で「道路幅員」の項に入力する事で最大幅員のまわりこみの距離が指定される。

 

今回、この数値入力された道路反対側がどのように認識されたかを「道路属性線の自動発生」機能から作図してみると

あらかじめ、CAD作図された道路反対側は削除する。

図6

「道路属性線発生」は「道路幅」の入力情報から特定される反対側の形状が直線状に表現される。

図7

 

 問題は端部の境界線がそれぞれ内側を向いている為に、直線部以外の屈曲した反対側の道路境界線が特定されない事。加えて自動発生した道路反対側は敷地全体に面してない。

したがってそのまま自動発生すると上図で作図された反対側の境界線上に算定位置が配置されるだけだ。

T-Spaceで自動発生してみよう。

自動発生した算定位置と本来の実際の道路反対側の線を比較する為に再度道路反対側の線を表示している。

新天空率T-Spaceでまずは自動発生すると

図8 

敷地入力ダイアログ内で入力された数値データから道路幅が自動発生する。自動発生した道路領域がピンク色の面で表示されているが右端の屈曲した部分とづれがある。

その部分を拡大すると

図9

右側端部の幅員7.187mAが最端部の境界線の延長上に7.187m幅で延長される。

 これは屈曲してない道路境界線の場合はその手法で問題ないが今回のように屈曲している場合かならずしも延長上ではない。

 T-SPACEでは自動延長された道路反対側の境界線を正しい位置にドラッグし修正する事が可能だが今回まずはそのまま進行するとどうなるのかを確認したい。

 ホーム画面から出力とすると算定基準線が自動発生する。

図10

 円弧で示した基準線の端部に着目していただきたいが図7で表示した敷地入力で数値入力で発生した道路の反対側境界線は

図7

赤丸の枠内ゆえ基準線もその中でしか自動発生はできない。任意に延長する事は可能だがそのまま解析に入ると

図11

 

 クリアーした結果となっているので基準線の端部を検証してない場合が往々におこってしまう。これがこわい。天空率は、算定位置で結果が大きく異なる事がある。

 算定位置を確認してみよう。

図12

本来Aの位置が適合建築物の端部になるはずだが・・・・

これが図9で示した自動認識でのづれとなる再度図9を表示し解説すると

 

自動発生したした道路反対側は赤線で示した部分より右側がA幅で最端部の道路境界線の延長部に作成される。ところが上図黄色で示すその位置から垂直な位置は敷地側と交差しない為に結果赤線で示した部分の端部に算定位置が設定される事になる。

 道路面および反対側の境界線がピンクでしめされた形状であれば自動発生した算定位置は正しい事になるが線分で示した反対側の線とずれが生じている事がわかる。

 

 道路端部が屈曲している場合は、反対側の道路境界線の形状をT-Spaceで入力する必要がある。

 

 では正しい入力法を確認しよう

T-SPACEで図8の要領で自動発生の後

図13

「前面道路編集」モードで道路面をクリックし選択後、対象プルダウンメニューを「道路反対側」「反対側境界線(公園除く)」「境界線」「道路中心線」を選択し上図で示す矢印の方向にドラッグし修正すると

 

図14

 

これが正しい道路境界線情報。敷地と接してない部分が影響する為に「敷地境界条件」での数値入力では不可だという事がおわかりいただけたかナ。

高さ制限種類「道路」を選択後「発生」ボタンで適合建築物が発生しさらにホームで「出力」をクリックすると基準線が発生する。

図15

 

 

円弧で示した端部が延長されている事がわかるだろうか?

一気に解析した後で算定位置を検証しよう。

図16

 

どうやらNGのようだが今回は算定位置の可否の問題だ拡大して確認しよう。

 

図17

 

面する端部まで十分延長されている事がわかる。

結果はNGとなった。これがこまる。これを解決しなければ・・・となるが今回も長くなった左側の端部の延長位置の確認も含めて次回にしよう。

次回までお元気で!

 

 

 

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