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算定位置が地盤面下にある場合の対処法

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3月19日土曜日。
東京では未明から降り続いた雨も午後2時頃にあがり春の陽気が戻ってきた。
今朝は4時起きで錦織ナダル戦を観戦。出だしが良かっただけに負けはくやしくそのあとの2度寝もままならず寝不足気味。


 2週ほど前の日経産業の記事で「マツダのディーゼル「本物」」が記載された。感動したので比嘉ブログでも記事を要約し記しておきたい。

 国土交通省が実際に走らせて試験したところマツダだけが排ガス基準をクリアーした事があきらかになった。他社が基準の10倍を上回る窒素酸化物を排出した車がある中でマツダ車は0.5倍から1.3倍とローラー上の室内試験と同等もしくはそれ以下の結果を示した。

 基準は室内試験の結果で可否が問われる為に他社製品も問題ないとされている。
マツダは走行時の排出量を重視する開発方針を上げておりその技術力の高さが裏付けられ、そして「規制の本来の目的は空気を汚さないことであるはずだ実際の走行時の排出値が悪いのでは全く意味がない」と他社と根本的にエンジンの開発思想の違いが記された。


 この技術屋魂に司馬遼太郎がこの国のかたちで語った、私欲をすて他者につくす「名こそ惜しけれ」の精神を感じた。

今年は広島東洋カープをより力を込めて応援する事としたい。(安仁屋、外木場時代以来だが・・ちょいと古くて恐縮です。)・・・・・ 話がそれだしたので通常のブログに戻りたい。

これは件の猫公園で発見したまたまた早咲のさくら。これは鮮やかな濃いピンク色より沖縄のさくらと同種ではと思われる。



今週の報告から
今週火曜日は朝9時40分より、ユニオンシステムSS7の発表説明会に出かけた。

定員400人の会場は満席。比嘉も3列目ほどに陣取り解説を聞かせて頂いた。ユニオンシステムさんは比嘉独立以前からのお付き合いでかれこれ35年以上のお付き合い。このところTP-PLANNERとの構造連携で企画設計時における仮定断面を算出する為にSSシリーズとの連携を行ってきたがSS7は形状的になんでもありで実に連携しがいのある内容に仕上がった様だ。頑張って連携を進めたい。SS7は、5月の連休後のリリース予定らしい。


 発表会をすまし帰社した午後からは日影逆影講座

定時の5時をまわった後の個別質問で居残りの皆さん。TPを利用する部所に久々のもどりでリハビリかねての参加など皆さん動機はそれぞれ。手計算で逆日影計算を行う極めてベーシックな内容から始まり日影図作成全般を行う。


 早めだが天空率講座を開始したい。
 今週から当社サポートセンターに送られてきた質問を題材に天空率解析法を解説していきたい。
今回は「行き止まり道路の天空率解析で注意したいみなし道路反対側の境界線」。

 事例は

住宅地の3階建てのアパートの事例だが4m道路が行き止まり、道路斜線をチェックすると

大きくNGである事がわかり天空率計算を行う事となった。

行き止まり道路の天空率の想定法はJCBAでは「建築確認の為の基準総則・集団規定の適用事例」(以下適用事例と記す)ではP213で


図入りで解説されている。TP-PLANNERでは基本的に図2-6-57の道路境界線のこの方式を参考に想定される。ただし本例では反対側が両サイドではなく片側の場合だ。

 算定する場合のポイントは適合建築物を作成する際はそれぞれの境界線と隅部の道路境界点からはすり鉢状に適合建築物が作成され連続した一の区域で設定する。

 算定位置では既存の道路反対側に加えて行き止まり部分に面した反対側にはみなしの反対側の境界線を想定しその位置にも算定位置を想定する。その際行き止まり道路の場合の特例となるが算定位置はそれぞれの境界線でのみ連続する事になる。

 算定位置は施行令135条9で

(法第五十六条第七項第一号の政令で定める位置)
第一三五条の九 法第五十六条第七項第一号の政令で定める位置は、前面道路の路面の中心の高さにある次に掲げる位置とする。
一 当該建築物の敷地(道路高さ制限が適用される範囲内の部分に限る。)の前面道路に面する部分の両端から最も近い当該前面道路の反対側の境界線上の位置


「当該前面道路の反対側の境界線上の位置」とあり図2-6-58(両側敷地なし)の場合、反対側の道路境界線が存在しなくなるためにみなしの道路反対側の境界線を設定する。


 今回はこのみなしの反対側の位置の想定位置によっては不合理な解析結果となる事がある事の注意と対処法を解説したい。


行き止まり道路の設定は「敷地入力」において行き止まる道路境界に「
行き止まり部分」のチェックをするだけだ。


「新天空率算定領域」 で

「道路境界」のボタンをクリックするだけで適合建築物と算定基準線が自動発生する。天空率計算を実行すると

まったく問題なしすべてクリアーしている。行き止まり道路に面した敷地側は南側と行き止まりの奥に空地がありその部分が有効に機能している。

 近接するP7の位置(行き止まり部分から2個目)の算定位置で適合建築物と計画建築物の合成表示で確認すると(図法:天空率比較図)

南側空地と北側空地が大きく影響しクリアーしている事がわかる。

算定位置部を拡大しみなしの算定位置の部分に着目すると

敷地側の道路境界線上にあるP9の差分4.18%は他端のP10の2.74%に比較し1.5倍ほど余裕がある事がわかる。敷地側に接近すればするほど適合建築物の天空率が計画建築物に比較しより低下する(いずれも低下するが)する為にクリアーする。

 問題は、この天空率上問題になる事のないP9側が道路条件により不合理にNGになる事だ。

たとえば
1)道路中心高が平均の高さ(地盤面)以下にある場合

4m道路が10cm下がった場合

境界線を指定後、-0.1mを設定する。

適合建築物を自動発生し解析すると

P10に対して1.5倍の余裕の差分があったP9がNGになるという不合理だ。
道路面が地盤面より低い部分には地盤を配置しなければならずみなしの反対側の道路境界線のP9が地盤面下に入ってしまい天空率がそれぞれ限りなく0%に近くなり安全差分がとれない為NGとなる。もちろん道路中心高が1mmの場合でも同様の結果となる。

 魚眼レンズが地盤の中にうもれてしまう為の不合理な結果となる。その場合の対処策だが

法文に立ち戻ると算定位置は「当該前面道路の反対側の境界線上の位置」とある。つまり当該敷地内に算定位置を配置してはいけないと考えられ今回地盤に埋もれたわけだが地盤は地盤面下を指し地盤面は用語の定義で

2 **「地盤面」とは、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、**。

建築物は当該敷地内にある事より地盤がある位置は「当該前面道路の反対側の境界線上の位置」ではないと考えられる。


 ではどうするか審査サイドと協議が必要になるとも思えるが地盤以外のみなしの反対側に移動する事で解決する。

 この場合本来天空率が厳しくなるのは他端10の算定位置であり地盤からわずかでも離した位置に設定する事で問題ない。もしくはこの例では現況の反対側の境界線がP1からP8で存在する事よりこの場合のP9,P10は廃止する事も含めて検証対象となりうる。

 今回は基準線を移動する事で解決したい。天空率算定領域で、自動発生した基準線を「延長方向移動」で基準線をドラッグし移動修正する。

 

解析すると

P9の差分が4.169%、P10の差分が2.746%で道路中心高0mにおけるP9の差分4.18%は他端のP10の2.74%と比較しても適切な値を得る事が可能になる。

 同様の事だが行き止まり部の敷地側道路境界部が当該敷地側に傾斜している場合も同様の対処が必要となる。

例えばこの様な事例

この例では行き止まり部に面した算定基準線は建築物の直下に設定される事になり同様の結果となりNGとなる。本来余裕でクリアーすべき算定位置だ。
解析すると


前回同様適合、計画いずれの建築物も天空率0%となり解析不可となる。この様な場合も前回同様基準線を当該敷地から外側に移動する事で解決する。



 この場合、道路天空率計算を行う目的が道路反対側の住環境における通風採光を確保する事が目的であるとすればこの様な対処法でまったく問題がない。

 本日も長くなった。このあたりで終了しよう。次回も道路天空率サポートセンターに寄せられた質問の回答から解説したい。次回までお元気で!



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