2月8日東京は、快晴の土曜日
先週土曜日が講座でゆっくり休養がとれなかったせいか体調が今だ万全ではない。
今朝は、6時頃、いったん目が覚めたのだが先週分まで休養するつもりで2度寝にトライしたら起きたのが9時頃。
朝型比嘉・・・慣れぬ事はするものでは無い。寝違えてしまったようだ。
これは、昨晩ほろよいの帰り道の白い椿。
今回は、白で多少変化をつけたつもりだが毎回椿も問題だろうと思い公園で散策。
快晴の空に梅の真っ赤なつぼみが開きかけている。
日向ぼっこに最適だと思ったせつな、くしゃみ・・・花粉症だ!。
この季節・・・比嘉にとってあまりよろしくないようだ。
そんなことで今週の講座から早くはじめたい。
水曜日は、明海大学の不動産研究センターのCAD実務修習で11名の皆さんが参加。新型コロナの事があるので咳き込むわけは、気管支炎だと事前の語ってからの講座開始!
10時から5時まで・・・疲れた感じは、比嘉のみ。せめて中央でえらそうにさせていただいた。
火曜日は、3回講習の最終回プラニング講座。
いつもの例題だが、逆日影、天空率を利用しながらサクッと作成。
免許皆伝・・・あとは、実務で頑張れ!
今回は、大阪市内の用地情報を題材に日影規制逆日影計算の効率的な手順を解説したい。
敷地面積923.29㎡、第2種住居地域 日影規制3/5 受影面4mで
建蔽率60%、容積率200%の事案。
南側の前面道路6mに3.3mの川が接している。
北側隣地が凹部の日影規制
日影規制がある用地情報の場合、建物外形の8割以上を日影規制によるものとなる為、その運用法は効率的に行いたい。
この事例の場合注意したいのは、北側に面する部分が凹型になっている事だ。
北側円弧破線で記したエリアは、隣地境界線が入隅になっている為、A,Bの部分に建物を設置した場合、A,Bの両方の建物の影が円弧破線部に重なってしまう。その為A,Bいずれに建物を優先的に配置したいか決定する必要がある。
例えば実際に4階程度の建物を設定してみると
この様になる4階の低層だが入隅に近接するA,B部に建物を配置し日影計算を行うと
北側の隣地境界線に平行な規制ラインは、わずかに超えている程度、東側の規制ラインは、規制ライン内に収まっている事がわかる。
ところが指摘した破線の円弧部の5mラインが大きくNGとなり入隅頂点部の日影時間が7時間29分となった。
ほとんど終日日影となる事がわかる。半天空図でみると
両方の建物が太陽軌跡を遮り日影を発生する事がわかる。
解決する為に3D日影チャート図で確認するとその意味が明確になる。
南側A側をカットして解決するなら赤く塗られた部分を太陽高度内に設定する事でクリアーする。
B側をカットする場合は
この同様に赤く塗られた部分を太陽高度内に収める事で解決する。
この表示では、可能高さが
入隅側で8.739m南側Aの建物と交差する位置で11.116mと表示されている。
つまりこのように北側が凹型の隣地境界線の場合、設計者は、
A,Bいずれの高さをカットするのか判断しなければならない。
共同住宅であれば南向き優先で考える事が一般的となる。
ためしに北側B棟を削除すると
NG部分(5時間24分)は残るがチャートのカット部分の高さ11.116mゆえ北側廊下の上部をひさしにし若干低くする事で解決できる事がわかる。
北側凹部の逆日影計算の解析法
北側凹部の場合、日影規制をクリアーする為には、設計者がA,Bいずれをメインに建物を建てたいのかその方針を立てて解析しなければならない。日影規制と同様だ。
逆日影計算を利用する際の設計者の方針どおりに指定する方法を解説したい。
逆日影計算の指定画面から確認
TP-PLANNERの逆日影計算のダイアログでは、「計算方法」の項で設計者の日影規制をクリアーする考え方を設定する。
初期値は、設計者の日影規制をクリアーする方針を容易に設定可能な「逆日影チャート」で指定するのが基本の考え方となる。
赤枠で囲われた「太陽高度」の欄で指定すると基本的に規制ラインから太陽高度で建物高さを越えない様に高さを低く設定する方法となる。
その際の太陽高度でカットする基準が
規制基準型⇒規制ラインに平行にカット
X軸基準⇒X軸に平行にカットし規制ラインを越えないようにせえていする。
逆日影基準線⇒属性線で作図された線分の傾きでカットする度合いを調整する方法。
「規制基準型」で解析(「計算開始」ボタンをクリックする)しその結果を考察してみよう。
この場合、敷地全体に建物を建てる事を前提に解析すると
結果は
赤丸で示す凹部の端部が最も日影規制が厳しい事は、解説したがその部分に影が重ならないようにA,B部ともに太陽高度でカットされている事がわかる。
建物に変換し日影図を描いて検証すると
凹部に日影が重ならないようにA,B部が太陽高度でカットされている。
この方式は、敷地全体に建物を配置する倉庫等の場合有効だと思われる。
共同住宅の場合、南向きの住戸を中心に計画したい。
その場合「逆日影チャート」で指定する事が効率的だ。
逆日影チャート
「1棟高層」
この手法は、敷地内でドラッグすると+状のコントローラの位置により設計者が日影規制をクリアーする方針を設定する事が可能になる。
上記の設定方式は、容積率200%ゆえタワーでは、なく低層建物を意図した場合。
コントローラーをドラッグし敷地北側に移動する際8時と16時の方位線に着目する。
8時の方位線と16時の方位線で囲われた部分に設計者は、建物を建てたいエリアを意図する。黒枠部分がその部分になる。
その際、8時と11時、16時と13時で囲われたひしの部分には、日影規制が関係ないエリアが存在する事がわかる。(時間幅でクリアする為)
今回高層建物を意図するわけではないが南側A側中心に建物を建てたい場合、このように設定し「計算開始」ボタンをクリックすると
南側に建物を計画したい設計者の意図が反映された結果となった。
等高線と逆日影チャートを重ねてみるとその意味合いがさらに明確になる。
高層ポイントには、等高線が設定されてない事がわかる。
逆日影チャートを設定した状態でこの結果は、イメージ可能だ。
結果を検証してみると
南側中心に設定した結果は、規制ラインに限りなく接近しておりこれ以上の結果は、無い事を表現している。
この等高線をガイドに日影規制を心配する事なくプランニングを行う事が可能になる。
ところで容積率が400%以上の場合、低層部が多いこの計画では、容積消化が困難となる。その場合、高層部を南西側に移動しタワーを設定する。
北西側隣地からの3時間幅でタワーの幅が確定している事がわかる。
結果を確認しよう。
全てを容積対象としての結果だが15階で容積率623%となる事がわかる。この場合、当然斜線規制がNGになるわけだが天空率を利用する事で解決が可能だ。
ここまで、「逆日影チャート」での逆日影手法が有効である事を解説してきた。
高層ポイントを北側の隅に設定すると低層建物、
南側に移動すると高層幅が広くなりタワーが可能になる為、400%以上の事案には有効となる。
太陽高度
低層も高層も「逆日影チャート」で可能なら「太陽高度」は
不要と思われるかもしれないが
利用が有効になるのが東西に長い敷地の場合。
東西に長い敷地で容積率200%以下で6階以下程度を想定したい場合、逆日影チャートの場合高層幅を優先して確保するロジックの為、
8時と16時で囲われた建物エリア以外の両サイドA,B側は、極めて低層になる。
その為、横長の低層マンションを想定する事が困難になる。
結果で確認しよう
A,B部は、2階程度となり共同住宅の計画には、適さない事がわかる。
結果は、もちろん正しく検算すると
日影規制ライン限界まで等時間線が近接している。
この結果が共同住宅には、適さないだけだ。
この様な場合で共同住宅に適した計画、南向き住戸中心の計画をしたい場合に「太陽高度」で計算する。
検算結果も含めた結果は
5時間線が5mラインに近接しておさまっている事がわかる。可能高さは、南側の境界線に平行に算出されている為、共同住宅の設定には適する。
逆日影の効率的な利用法
初期設定されている逆日影チャートを敷地内で移動し8時と16時の方位が建物配置したいエリアを包絡する場合、逆日影チャートが最も効率的といえる。
東西に長い敷地など8時と16時の方位で建物を想定したいエリアを包絡できない場合は、太陽高度方式を活用すればよい。
いずれにしもまず敷地内でドラッグし逆日影チャートを設定し
設計者がイメージする建物形状に適するか否かで判断すればよい事になる。
本日も長くなった。このあたりでお終いにしよう。飛び石だが連休お楽しみ下さい。次回までお元気で!