2月29日土曜日 東京は、寒さがやわらぎ春近しの感。
コロナウィルスで日本中が大騒動の状態だが
花を眺めていただき、しばし心おだやかに・・・。
このところ桜までのつなぎにと梅の花を2週にわたり紹介した。
帰り道なにげに梅の木がここにも?と思ったら・・さにあらず!
カンヒサクラ・・桜だ!今年初の桜の花・・・登場!。
ソメイヨシノの華やかさに比べて花びらが小さく下を向いていじらしい。沖縄に野生する緋寒桜と同じ種類だ。宵闇の中でひっそりと美しい・・・。
公園の水飲み場の下に(ぶたな:タンポポモドキ)発見。
タンポポとの違いは、花茎に複数の花をつける事らしい。
もどきとは、ちょっとかわいそうな名前だが可哀そうといえば
この可憐な小花は、タチイヌノフグリ。・・・・「立犬の陰嚢」だ。なんとも笑える・・いや可憐な小花に失礼な名前だ。
冬の終わりの頃咲く貴重な小花で直径3mm~5mm程。花の少ないこの季節比嘉ブログの貴重な戦力だ・・・・春とともに枯れてしまう。
さて政府の自粛要請の影響で今週の企業ユーザー勉強会と来週の天空率講座の順延を決定、とりえず2週間の講座自粛とした。
その為今週の講座の様子は無し。
そんな事情でいきなりだが天空率講座開始!
前回から住居系12m以上の幅員を有する道路天空率における基準法3,4項の解説を開始した。用地は第2種住居地域で最大幅員が14m、12m以上幅員の為、基準法第56条、3項と4項が適用される。
*56条3項は、住居系用途地域の場合でも前面道路幅員が12m以上の場合道路幅員の1.25倍を超えた位置から高さ制限勾配を1.5に変わる事。
*4項は、3項の内容に後退距離を考慮する事ができる規定。
詳細は、前回を参照
行き止まり道路等3以上の道路が接道する条件。
北側の道路は、審査サイドとの協議の結果、7mの道路が突き込んだ位置までの7m道路と4m道路の2方向道路とする事になった。
幅員差が7mと4mと著しい事と7m道路が北側に抜けている事より2と判断された。
その結果北側前面道路が4m道路と7m道路、西側前面道路も4m道路、南側前面道路が14mの変則な4方向道路となる。
2種住居で容積率300%ゆえ適用距離は、25m。
許容容積率300%に対して299.74%でほぼ消化しており現況規模を維持する為に天空率で解決したい。
前回は、施行令132条1項の最大幅員の区域5区域の検証を行った。
南側14m道路1.25勾配と1.5勾配の2区域、最大幅員が適用される西側も同様に2区域、北側が1.25勾配1区域の合計5区域の検証を行った。1項のNG箇所は、1区域。
今回は、令132条2項、3項の道路中心10mまでの区域の区分検証を行う。
赤枠で囲われたのが、令132条1項の区域外の区域。
最大幅員以外の前面道路中心10mまでの区域で4区域ある。
NG区域が1区域。最大幅員の区域でもNGが1区域で区域検証の後は、NG区域の解消法も解説したい。
令132条2項
2 前項の区域外の区域のうち、2以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の2倍(*)以内で、かつ、35 メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみな。
1)令132条2項道路中心10mで区分される区域
①北側7m道路の区域
ポイントは、赤破線部の区分の意味するところ。
この区域は、北側道路が7mの左端部A部で行き止まり道路と同様に区分する。
北側7m、4m道路の中心から10m以内で区分される。
この場合7m道路の行き止まり部端点Aで幅員が異なる。
4m道路側から7m道路側には、半径8mの円弧で区分し7m道路から10mまでの線分との交点までが北側道路中心10mの区域。
4m道路の前面には、7m≧4mゆえ7m道路幅員の2倍14mまで
7m道路が適用される。
②北側4m道路の区域
北側の道路の敷地側の道路境界線は、同一だが幅員差が著しいと判断され2の道路として区分する方針より別道路4mとして区分する。
(*段差状の「一の道路」と判断される場合もある。のこのような場合、行政サイドの方針で確定する為、事前に確認を要する。)
その為、4m道路の前面も区域区分されなければならない。
いわば
今回の7m道路と4m道路を別道路とする事は、上図事例と同様に北側に2の前面道路があると考える。
4m道路は、7m道路の2倍の区域内にあり7m道路幅員が適用される事になる。
ただし4m道路の中心10mまでゆえA端から右側の7m道路に面した部分は、8mの円弧で区分される。
③西側4m道路の区域
西側4m道路の区域で7m道路の端点Aから円弧状に2倍14mで区分される区域は、7m道路が適用される。
*北側の4mと西側4mは、幅員が同一ゆえ回り込み等の区分はない。
この区域も、北側4m道路同様に道路中心10m内で道路幅員が広い7m道路の回り込みの影響を受ける。
7m行き止まり道路端から2倍、14mの水平距離内で区分される。
この場合行き止まり端から円弧状に7m×2=14mの範囲は、西側4m道路側にも北側7m道路幅員が適用される。
*この事は、北側の7m道路は、4m道路より広いのでその通風採光効果は、7m道路の境界線(この場合行き止まり端点)から2倍までは、7m道路側から得られるとする考え方。
*これが令132条の基本的な考え方。水平距離とは、フラットな面状で一定の距離を保持する事を意味する。したがって端部からだと円弧状になる。これを「平行な距離」と勘違いに注意したい。
ここまでが令132条2項による区分。残るは
④西側4m道路中心10mまでの北側7m道路から2倍を超えた区域
これが令132条3項の区域となる。
3 前2項の区域外の区域については、その接する前面道路のみを前面道路とする。
最後のこの区域は、令132条3項の区域。
接する前面道路4mの高さ制限が適用される。
結果として8階計画建築物は、高さ制限を大きく超えNGとなっている事わかる。
北側7m道路の行き止まり端部から円弧状の水平距離14mを超え、さらに最大幅員14m道路から水平距離28mを超えた部分が3項の区域となる。
*最大幅員の敷地側の道路境界線は、この区域に面する為、水平距離は、平行に区分される。
計画建築物の上下共に空地が存在しない割に高さ制限を大きく超えている事よりNGとなった事がわかる。
以上で最大幅員14mの区域5区域、道路中心10mの区域が4区域の合計9区域の区分検証完了となる。
結果的に最大幅員においては、南側14m側からの1.25勾配の適用区域がNG、そして上図で示す西側道路中心10mの3項の区域がNGである事がわかった。
2)天空率NG部への対処法
①南側14m道路1.25勾配区分区域NGへの対処法
中央部の算定位置25番が差分-0.479でNG差が大きい。
その度合いを天空図重ね表示で確認してみよう
高さ制限を超えた部分(赤)の面積が107.28に対して
敷地内空地部(緑)の面積が92.28と割合近接している。建物両サイドのバルコニー部をカットする事でクリアーできそうだ。
逆天空率で建物幅カットの設定を行うと
赤丸で示したバルコニー部をわずかにカットする事で収まりそうだ。
カットすると
バルコニーの両サイドを800ほど詰める事でクリアーする事がわかった。躯体には、影響しない。
②西側3項のNG部
同様に天空率比較図で比較してみると
NG部の面積95.7に対して空地がわずかに3。これは、後退距離確定位置とのわずかな差の前面の空地分となる。
この場合建物の中間部になり両サイドを14m道路同様にカットすると
この様に躯体の中間部にスリットを入れでクリアーしましたと報告するのは、問題がある。
西側の4m道路の下側の区域は、最大幅員14mが回りこみ適用され問題なし、
上側は、7m道路が円弧状に回り込む為同様に問題なし。
この3項4m道路に面した区域で計画建築物の形状が大きく制限されるようでは、土地の有効活用にならない。
天空率を極限まで利用して容積率を確保したい。
もちろん容積率のみなら構造的にも問題の無い形状を検証する為には、「逆天空率」、「最適後退距離」をプランニング中に同時進行で検証する必要がある。
では、その詳細解説をと・・思ったのだが今回も長くなった次回にじっくり解説したい。
くれぐれもコロナ対策を怠りなく次回までお元気で!