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屈曲入隅隣地解析法 詳細解説

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1月22日東京は快晴。

 東京でもオミクロン株感染が広がり昨晩からまん延防止等重点措置が発令された。・・・また始まったが8時まではアルコールOK。その分で済ます分にはなんとかなりそうだ。昨晩はその事もあり調査の為、軽くいっぱい7時半まで。

 昨晩大分宮崎では震度5の地震があったようだが今のところ大きな災害の報告はないようだが・・心配だ。


 定点観測の水仙は

 公園のこの一角だけ水仙の花が頑張っている。どうやら八重の水仙かな。

 

 今週の講座から

 おなじみの設計事務所が来社され実物件を通じた天空率解説を行った。初めて参加のS氏は操作感抜群で一気に理解してもらった。

 

 火曜日はWeb天空率講座2の回。急遽体調不良で1名欠席の2名で開催。

屈曲した2方向道路、行止まり道路などNGの際の逆天空率チャートカットによる解決法、最後に隣地天空率までたっぷり学習実践していただいた。

 

 そうだ次回「日影規制基礎講座 1Web講座」でお申込みいただけます。手計算で逆日影計算を行う手法など日影規制を基礎からじっくり学習します。用地取得、設計、不動産鑑定事務所の方々のお申込みをお待ちてます。

 

 

天空率講座開始!

 前回より2月にリリースするVer22を利用した屈曲隣地の天空率解析法を解説している。

 隣地天空率の解析法は、JCBAで策定された「敷地区分方式」と

「一隣地方式」がある。

 屈曲した隣地境界線では敷地境界点間で区分する

「敷地区分方式」では凹型隣地境界線など合不合理な結果となり天空率が機能しなくなる。

そのような場合、JCBAでは「一隣地方式」で解決する事になる。

 敷地区分方式で不合理になる事例と対処法 例1

で解説したが

図1

 

 

 敷地内の空地に近接する算定位置でNGになる不合理を「一隣地方式」に国交省住宅局が例示した面する考え方

図2

 

設定法で区分すると

図3

この様に区分する事が可能になり合理的な結果となる。

面する方向ごとに区分する考え方はJCBA「天空率運用の検討」

でもP121から

図4

 

 具体的な区分例では

図5

この様に例示している。

つまり国交省住宅局が解説する面する考え方をJCBA方式で運用する考え方が提示されている。

 面する方向の区域区分法の設定法の基本となる。

 

  図5では直線に近似し簡便に片流れ状に作成しているが

寄棟状に作成し隣地高さ制限に適合すれば問題ない。

 

 さらに重要なポイントは、基準線の端部から垂直切断しない事。

 

 この設定法に準じて前回の事例解説を進めたい。

 今回TP-PLANNERver22で新たに設定された「天空率窓面」は

この図5におけるABの面する位置を意図する。

 

 さて前回の解説では

図6

 

 面する考え方を5の隣地境界線に面する部分として検証を始めた

 

 前回は2に面する区域を検証した。

前回は窓通過方式として「東京方式(試案)」の窓方式を解説したが

その「東京都における天空率の 審査方法(試案)の解説」 中で例示されている問題点

図7

 白抜き部分が天空率解析対象とされない事。

これらを不合理とみなし以降の隣地天空率解説ではJCBA方式+国交省住宅局面する考え方で統一した解説を行いたい。

(余談だがこの挿絵は、天空率研究会で比嘉が指摘した問題点がある事を認識しているコメントが追記されている。)

 

*窓通過方式(東京方式試案)で行う事も可能である事は前回解説した。

 

*この白抜き部分は入隅道路天空率においても発生する事を指摘しておきたい。

図8

 

 例題解説に戻る。前回は2に面した区域。

 

3に面した区域

図9

この場合各算定位置で隣地高さ制限適合建築物は同形状になるが

円弧で示した東端の区域が基準線端部から垂直切断されている為に空地として機能しない事になる。ローカル方式の場合このように出隅部は垂直切断とする場合が多いがJCBA「天空率運用の検討」では垂直切断していない。

*敷地区分方式で垂直切断における不合理を解説する為の垂直切断の挿絵がある。つまり問題点の指摘の為に例示しているだけだ。

図10

 基準線端部を面する敷地境界端部から垂直な位置で確定しているが基準線から区域を垂直切断しない。P1からBの延長上で切断区分したら建物のほとんどが天空率比較されない事になる。

 

 この事から端部から垂直切断設定をしない設定を行う。

図11

出隅に面する基準線端部を選択後「算定線詳細設定」ボタンを押下し「天空率算定詳細」ダイアログボックスの「始点条件」の項の「側面切断」「垂直切断」のチェックをOFF設定する。

 

*「垂直切断」は初期値ではOFF設定となっている。

その結果は

図12

面する東側の空地の部分が通風採光に寄与しクリアする合理的な結果となった。

 *「適用事例2017」では入隅角の部の解説のみで出隅部に関しては記述されてない。

 

図13

JCBA「天空率運用の検討を参照する。本解説では図10で掲載。

今回は全ての面する区域を出隅端垂直切断しない事とする。

5に面した区域

図14

1に面した区域

図15

この場合、道路天空率に置き換えると行止まり道路の場合の両端は円弧状に回り込む事と同様だ。

 

4に面し

図16
本日は最後に道路以外の連続した隣地境界を一とする

「一隣地方式」で解析すると

図17

この場合

円弧状の角部に面する隣地高さ制限適合建築物が寄棟状に設定される為に空が広くなる事と基準線と建築物の距離が広くなった為に適合建築物天空率の増大率が計画建築物に対して大きくなりNGになる事がわかる。

 この事からJCBA「天空率運用の検討では「一隣地方式」を最も安全側の手法とする。

 

屈曲隣地境界線の場合、いずれを採用するかは面する概念および設定法をJCBA「天空率運用の検討の下図の意図をただしく理解し審査サイドと協議し確定する必要がある。

 

 次回はさらに入隅部がさらに鋭角になった場合の事例など他の屈曲隣地形状で検証を進めたい。

 

 次回までお元気で!

 

比嘉ブログ

 

 

 


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