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審査サイドで異なる屈曲隣地解析法3例 2

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4月9日土曜日

東京は快晴で長い冬もやっと終わり。

桜の花びらの中から春の定番タンポポ。

今年も冬場枯れたかのようになっていたムラサキゴテンも目を覚まし桜の花びらの中から顔を出してきた。

 

 ウクライナでの惨状が伝えられる中だが比嘉のまわりでは、ありがたい事に日常が続いてくれている。

 

 そして大リーグ中継が始まった。昨日大谷は負け投手になったが期待の持てる内容だ。ダルビッシュも調子よさそうでさらに鈴木も初ヒットで順調なスタート。 

 

今朝も大谷の中継がある。

 

天空率講座を開始したい。

 

前回より下図のような屈曲した隣地境界線の解析方法を解説している。

用途概要は

 このような屈曲隣地の場合解析手法として審査サイドにより

概ね3通りの手法が要求される。

 

 前回はその1「一隣地方式」を解説した。

連続する隣地境界線を一の隣地境界線とする手法では

 

 

 

この2区域で区分される事を確認した。

JCBA「天空率運用の検討」」では一隣地方式が最も安全側と記されている。

 

今回は他2種の解析法を解説したい。

 

 

2)面する方向ごとに隣地境界を区分する方法

この解析法は国交省技術的助言の面する方向ごとに区分する手法で

「天空率運用の検討」」では

面する方向ごとに片流れ寄棟状に隣地高さ制限適合建築物を設定する。

本例の場合は

 東西南北方向に区分する事で隣地境界線が屈曲している場合でも同一区間設定する事で隣地高さ制限に適合した片流れ状の適合建築物が設定可能になるとともに隣地境界線の外側の位置に基準線を設定する事が可能になる。

 面する方向を限定した一隣地と同様の方式だが大きな違いは、後退距離が面する区間ごとに適用される。

 

①設定

入力「敷地」において区分区間ごとに同一区間設定を行う。

*詳細な設定法は

27.TP-SKY屈曲隣地天空率計算(新天空率補足解説)

を参照していただくとしてここでは概要を解説したい。

 面する方向ごとに隣地境界線を「Shift」キーを押した状態で

選択しダイアログボックス「同一区間」の項の「設定」ボタンをクリックし面する方向ごとに同一区間設定を行う。

 

②「新天空率算定領域」では同一区間設定をした境界線を一つながりの隣地境界線区間として片流れ状に適合建築物を作成する。

 基準線に関しては「一の隣地」で発生した基準線を一部編集し連続線を事前に読み込み設定をする必要がある。

詳細は

27.TP-SKY屈曲隣地天空率計算(新天空率補足解説)P37を参照

 

「天空率表示」で「同時計算グループ」をチェックし区域ごとに基準線を設定する。

 

手順は

 

A 「自動発生方式詳細」ボタンをチェックし「区分方式隣地で窓面を使用」を選択しその項が全て選択される。「OK」押下  でダイアログを閉じる。

 

B「敷地区分」をクリックし片流れ状の隣地高さ制限適合建築物と基準線を発生する。

 

C 自動発生した基準線を変更する場合は自動発生した基準線を削除後「算定線入力欄」の「補助線取込」をクリックしCAD編集した線分を基準線に変更する。

 

同様に東、南側の基準線を確定する。西側の隣地境界線は単線ゆえそのまま利用する。

 

③天空率解析

面する4方向で区域を区分する手法で一隣地同様に全ての算定位置でクリア。

*隣地高さ制限は「天空率表示」欄で「算定領域」をチェックオフに設定する事で結果だけを確認できる。

 

④区域区分検証

-1)北側に面した区域

後退距離は北側に面した位置で最近接する入隅部1.327mが適用されている。隣地高さ適合建築物は寄棟で片流れ方向に作成される。

-2)西側に面した区域

 

西側に面した隣地境界線の後退距離3.504mが適用された片流れ状の区域となる。

 

 ローカルルールで端部で垂直切断を要求される場合があるがそのように審査サイドから要求された場合、基準線の端部設定で垂直切断も可能になる。(その場合の法的根拠を確認する事も肝要だ。)


それによる解析結果は

赤円弧で示す部分の計画建築物は無視される。

 

「天空率運用の検討」を再度提示すると

片流れ状に作成され垂直切断しない。

-3)南側に面した区域

この区域は「一隣地方式」の南側の区域と同様に設定される。

-4)東側に面した区域

断面図は

 

敷地区分同様になる。

以上が面する方向事に区分する手法。

 

 最後に考えられる方式として残るは屈曲区域を同一区間で区分するがい入隅部は2方向に分けて区分する方式だ。

6区域に区分する手法。

1,5,6の区域は面する方向と同様に区分する為、解説は

2,3,4の区域

 

2の区域

この区域は円弧で示した端部からすり鉢状に区分されるのがJCB方式。審査サイドによっては円弧部から垂直切断を要請される場合もある。その際には端部情報を垂直切断にチェックする事で可能になる。ただし道路天空率の場合、当該の隣地境界が道路幅員12mの行き止まり道路の場合、その端部は同様にすり鉢状に回りこむ。(商業系31mの隣地立ち上がりがないだけだ。)

 

3側入隅部の区分

赤円弧で示す突起部を含む屈曲した入隅部を同一区間設定する事で一つながりの入隅境界線となる。詳細解説は 

27.TP-SKY屈曲隣地天空率計算(新天空率補足解説) ヒット数 

を参照していただきたい。

通常設定の場合は隣地境界線を窓とし窓通過方式(東京方式試案)で入隅境界線を通過する範囲を区域とする。JCBA方式の場合窓を延長する。その結果すべての区間が入隅側1/2の同形状となる。
 
4入隅側

この場合も入隅部は入隅角の1/2、円弧で示す出隅端は審査サイドでは垂直切断を指定する場合があるがその場合も基準線を選択し終点側情報を「端部切断」「垂直切断」を指定する事で可能になる。

 

 このように突起を含むような隣地境界線でも同一区間設定する事で従来多く採用されてきた「敷地区分方式」同様に設定する事が可能になる。

 さらに「敷地区分方式」で不合理な算定位置が発生しない。これは隣地境界線の外側に設定されなければならない。

前回に引き続き法文の確認。

 

第56条 建築物の各部分の高さ
7 次の各号のいずれかに掲げる規定によりその高さが制限された場合にそれ・・・・

二 第1項第二号、第5項及び前項(同号の規定の適用の緩和に係る部分に限る。)
隣地境界線からの水平距離が、第1項第二号イ又はニに定める数値が1.25とされている建築物にあつては16m、第1項第二号イからニまでに定める数値が2.5とされている建築物にあつては12.4mだけ外側線上の政令で定める位置

 

 この3種の方式が適法と考えられる現況の隣地天空率解析法だ。

 

 今回も長くなった。さて隣地天空率が続いたので次回は道路天空率の区分法を行いたい。

 

 では次回までお元気で!

 

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