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令第132条2項の解釈法

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12月31日大晦日の土曜日
 昨日は、ラッパ仲間と吹きおさめの会に参加。気の置けない仲間との会は飲食可のスタジオでアルコールを軽くのみながら演奏を楽しんだ。
 持参するアルコールを物色中見つけたのが
「天空」というビール。秋田県仙北市の地ビールのようだ。
 
ただ前日に我が家で試しのみをしたら軽くて旨い。
飲み切ってしまった。
 ごまかしに
沖縄の仲間が経営する「Fu-Miおばさんのアンダギー」から取り寄せたサーターアンダギーと泡盛ならぬイモ焼酎、加えてお湯割り用の電熱ポットを持参し参戦。
(寒さの為お湯割りは毎度好評でして・・・)
 無事終了、直後のラインでは次回は年明け6日に早くも新年吹き始め会とのこと。
・・・・頑張ろう!その前に・・比嘉ブログ閲覧の皆様には
「良い年をお迎えください。!」
 
 さて今日は大晦日おそらく本日比嘉ブログを閲覧する方はほぼ皆無だろうから来年の仕事はじめのころの閲覧のために
天空率講座開始!
 
 
 今月の天空率講座は、過去記事を再編集で解説している。今年最後の回は、3方向道路の天空率区域区分法の令第132条2項の解釈法。
 

天空率講座開始!

 

 前回、令132条の2項の区分法で「それぞれその2倍」とある事から狭い道路側からも2Cの区分するのでは?という間違った指摘に対して

 

JCBAの検討資料下図を例示し

第1章 天空率(法第 56 条)運用基準及び具体の審査に係る検討

のP50「1.2以上の前面道路がある場合の令 132 条の区域区分」

 日本建築行政会議(JCBA)の公的見解を参照していただいた。

この項で明確に

「令132条の規定は、常に広い道路側から幅員の2倍かつ35m以内に区域を設定する。

 

 の記述から「それぞれその前面道路の2倍で区分するとある事からせまいC道路側からも2倍区分しB,D側に残った区域は3項の区域とするのでは?・・は間違いである事がわかる。

 

 今回は、間違った解釈の要因を検証し令132条2項の解釈を深めたい。

 

2 前項の区域外の区域のうち、2以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の2倍(*)以内で、かつ、35 メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

 

赤表示した「・・それぞれその前面道路の幅員の2倍

「それぞれ」とか「その2倍」は、なにを指しているのか意味を理解せずに全ての方向に2倍で区分するのではと考えているようだ。

今回は、さらに掘り下げて検証したい。

 

1項では

第 132条 建築物の前面道路が2以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の2倍以内で、かつ、35メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が10メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

 

その前面道路の幅員の2倍以内」となっている。

記述の違いはなんだろうか?

1項の場合の「その」は、「幅員の最大な前面道路 」を指し幅員の最大な前面道路は、最大ゆえ一で幅員が特定できる。したがって「その前面道路の幅員の2倍以内」は「最大幅員の前面道路の幅員の2倍以内」でよい。

 

JCBA方式の挿絵では、A>B>D>Cゆえ「幅員の最大な前面道路 」はAと特定される。

 

一方、2項

2 前項の区域外の区域のうち、2以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の2倍(*)以内で、かつ、35 メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

 

それぞれその前面道路の2倍」と「これらの前面道路」は、

 

最大幅員以外の道路幅員は2以上ある事が考えられる為、複数を意味する「それぞれ」「これらの」としている。

 

 JCBAの挿絵の例では、B>D>Cの関係だがB,C,あるいはDの事。

読み替えると

「B,C.あるいはDの前面道路の幅員の2倍以内で、かつ35m以内については、B,C.あるいはDの前面道路のみを前面道路とする。」となる。

 

意図する事は、

「前項の区域外の区域(道路中心10m以内に限る)には、最大幅員AではなくB,CあるいはDの幅員を前面道路とする。

それだけの事だ。

 

その道路幅員をどうするが問題で

 

「これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は・・」

 

幅員の小さい前面道路とは

(BとCではC、BとDではD、CとDではCがそれぞれの比較で小さい)

幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

(BとCではBと同じ幅員を有するとみなす、CとDではDと同じ幅員を有するとみなす)

*B>D4だがBD間はBの境界線から2倍を超えている位置にありD側は、Bの影響を受けない。

*敷地BD間が狭い場合で2BがDの道路中心10mに達する場合は、D側のその区域をB道路幅員とする。

 

BとC間で具体的に検証しよう

図1

 

それぞれその前面道路の2倍」から

B道路11mの境界線から2倍22m①の位置で区分される区域と

C9m道路の境界線から2倍18m②の位置で区分される区域は、幅員の大きいB道路幅員が適用される。

そのB道路幅員が適用されるエリアを色塗りすると

図2

 

このようになる。つまりこれが適用事例集で示される

図3

 

左側の領域②の区域となる。つまりこの部分は、B幅員の道路のみが適用されなければならない。

*右側②はD<CゆえD幅員が適用される。

この領域②、図2の赤色部はB道路とC道路に面しており適合建築物は、面する2方向で区分される。

図4

B側が前回解説した

となる。

B側からの奥行が2倍22mではなくB道路境界線から14mで区分されているのは、適用距離25m(11m+14m)がその手前にある為だ。

この事も令132条2項を確認すると

それぞれその前面道路の幅員の2倍(*)以内で

「2倍」では無く「2倍以内」と記述する意図は 2倍ではなく適用距離で区分される場合、その

「以内」が適用される場合の事。

 

 C道路側(赤部分)適用されるB道路幅員は

図5

この場合も奥行方向が2C18mもしくは適用距離25m(11m+14m)で区分される為、C道路境界線から手前の適用距離14mで区分されている。

 

 このようにそれぞれの2倍は奥行方向の区分位置を示す事になる。

この事例では道路Bが11mで比較的幅広の為適用距離で区分されたが道路幅員が狭い場合、それぞれの2倍が奥行方向の距離を規定している事が明解になる。

道路幅員が狭い事例も提示しよう

図6

 最大Aが10m、B、Dともに8m道路で狭い道路Cが6mの事例だと

道路中心10mの8m道路側に面する区域は

図7

 奥行8m×2=16mは、適用距離の位置25mー8m=17mより内側にあり2B=16mで区分されている。

道路中心10mで6m道路側に面する区域は

図8

やはり奥行が6m道路の2倍12mで区分されている。

 「それぞれその前面道路の2倍」をさらに納得するにはBCD道路が同一幅で幅員差が無い場合を想定する事だ。

幅員差が無い事例も提示してみたい。

図9

 最大幅員10m以外の3道路がいずれも8mの場合だ。

2項を確認しながら検証しよう。

 

2 前項の区域外の区域のうち、2以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の2倍(*)以内で、かつ、35 メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

この図9の例では、それぞれその前面道路の幅員」は、いずれも8m道路となる。

「これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路」

幅員差が無い為、道路中心10mの区域は、すべて8m道路が適用される。

図10

それぞれの2倍で区分されるが幅員差が無い為すべて8m道路の区域となる。

図11

 

赤表示の区域つまり最大幅員10mから2倍20mを超えた道路中心10mの区域は、すべて8m道路幅員が適用されることが確定した。

 

まずは西側8m道路中心10mに面した区域は

図12

図11赤表示の西側に面した区域は8m道路が適用され奥行が

「それぞれその前面道路の幅員の2倍」より16m。

次に南側に面した8m道路側は

図13

赤表示の部分を8m道路の境界線から2倍の位置16mまで延長すると上図の様に左右の部分が突起状に延長される。

東側は、西側と対象になり

図14

 奥行方向に16m延長された適合建築物が設定される事になる。

このように最大幅員以外が同じ幅を想定すると明確になるのだが

「それぞれその前面道路の幅員の2倍」は、面する奥行方向の距離を意図する。

「これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。」

は、幅員差がある場合BCDで幅員の大きい前面道路となるが

この事例では同一道路幅員ゆえ前の記述

「これらの前面道路のみを前面道路とし、」

で確定し比較されない。

結論

それぞれその2倍とは、面する奥行方向(適用方向)の距離を規定する。

 

この事は、審査機関でも間違った指摘が時折あるようだがその原因としては

 

①法文に照らして検証してない事

②区域が自動発生するソフトで間違った区分法で処理する場合があったりする

③JWCADの天空率解説本でも当初間違った記述があった

*現在の版では修正され本例のような正しい処理法の解説になっている事もお伝えしておきたい。

 

 さて本日も長くなった。

2022年最後の天空率講座もおしまいにしましょう。

よいお年をお迎えください。来年はおそらく全国飛び回り講座を行う予定です。ぜひお会いしましょう。

 

 

 

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