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勾配の異なる屈曲隣地天空率解析法検証

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4月8日土曜日 お釈迦様の誕生日。

木曜日から昨日まで奈良吉野山で今年最後の桜を愛でながら誕生日をお祝いしてきました。

雨男ゆえ前回の銚子電鉄に続き今回も予報は雨。さらに今年の桜の開花は早い。いずれも心配されたが木曜日の吉野山は曇りで

山歩きには絶好のコンディション。

これらはいずれも奥千本の桜。

 下千本・中千本・上千本・奥千本と下側から順々に開花を続けて奥千本は満開が4月6日木曜日。・・・・間に合った・・。

 上千本の桜はほぼ終了。奥千本を目指しシャトルバスにゆられて約15分で奥千本入口到着。目的の西行庵をめざしアップダウンが厳しい山道を難行のようにひたすら歩く。

・・やっとたどり着いた西行庵前からの眺めは格別でした。

 

 翌、金曜日は天気予報も当たり雨。中千本から黄緑の葉桜が雨でさらに生き生きと輝き・・見事でした。雨もイイネ。

一目千本とはまさに読んで字の如し眺め。

降り続く雨の中、長谷寺を訪ねた。

雨の長谷寺・・・イイネ。

本日、筋肉痛有りで鍛え直さなきゃと・・お釈迦様に誓ったりして・・・。

 今週の講座から始めたい。

今週はTPユーザーのリハビリ講習の最終回は天空率再学習。

実践済みゆえ、審査サイドの対応例などよもやま話中心の勉強会はお互いいいリハビリとなりました。

時々リハビリ会やりましょう。再会の時を楽しみにしております。

ユネスコ世界遺産吉野水分神社。・・・いい感じです。

 

天空率講座を開始したい。

今週は前回の比嘉ブログで解説した事例の検証および逆天空率によるNG解決法を解説したい。

用途地域が路線30mの位置から南側が商業地域、北側が第一種住居地域の用途地域が2に区分される事案。

 隣地境界線が屈曲した敷地形状で、南側に15m道路。

建物は、最大階高が60mの事案ゆえ隣地高さ制限を超える。

 

前回の解説をダイジェストで再確認すると

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1)高さ制限チェック

2)面する方向を確定する考え方。

「平成14年建築基準法改正の解説」P79

 

 

それぞれ面した区域は寄棟状に隣地高さ制限に適合すべく制限適合建築物を作成します。

3)敷地入力で面する方向ごとに同一区間設定を行う。

4)面する方向ごとに区域および基準線を発生する。

①「隣地窓通過方式」を指定。

②隣地高さ制限適合建築物および基準線が自動発生

-3)同様に全区域の基準線端部を編集

④高さ制限適合建築物端部の考え方

JCBA方式「天空率運用の検討」 http://www.jcba-.jp/news/tenkuritu20100420.pdf

から

 

⑤側面切断を解除する

 

5)「天空率計算」を実行する。

6)「天空率算定領域」で区域ごとに確認する。

①北側第一種住居地域

②西側第一種住居地域

③東側第一種住居地域

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ここまでが前回のダイジェスト。

用途地域が2に区分された事例だが結果的に6)天空率算定領域で示すように第一種住居地域の面する方向でNGになっている。

今回は、第一種住居地域の区域区分法の詳細解説から行いたい。

 

1)基準線端部位置の詳細確認

*国交省住宅局市街地建築物編集

「平成14年度建築基準法改正の解説」発行 工学図書株式会社

P79天空率の算定位置(法第56条第7項第2号、令第135条の10関係)では

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面する隣地境界線端部から垂直に延長した位置までの解説に基づき作成する事が図示されています。

*尚、この挿絵は、算定線幅を解説する為に掲載されており隣地適合建築物を算定線の垂直方向で切断区分する記述ではありません。

さらに隣地制限勾配が異なる場合はP80で

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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算定線は、用途境界線と隣地境界線の交点から垂線方向:それぞれの勾配区分に面する位置まで延長されています。

 本例の算定線の面する幅を検証すると

北側に面した区域

 

西側に面した区域

 

東側に面した区域


以上、隣地境界線端部から垂直方向まで算定線延長を確認

⇒問題無し。

西側と東側の勾配区分端部は用途境線と隣地境界端部交点から垂線方向まで算定位置を延長。

⇒問題無し。

 

2)隣地高さ制限適合建築物の幅の検証

隣地高さ制限適合建築物の幅(領域)に関して前回解説した様に算定線から垂直切断しません。

 

①隣地高さ制限適合建築物を規定する第135条の7を確認

 

第135条の7 隣地との関係についての建築物の各部分の高さの制限を適用しない建築物の基準等
 法第56条第7項の政令で定める基準で同項第二号に掲げる規定を適用しない建築物に係るものは、次のとおりとする。
一 当該建築物(法第56条第7項第二号に掲げる規定による高さの制限(以下この章において
「隣地高さ制限」という。)が適用される地域、地区又は区域内の部分に限る。)の第135条の10に定める位置を想定半球の中心として算定する天空率が、当該建築物と同一の敷地内の同一の地盤面において隣地高さ制限に適合するものとして想定する建築物(隣地高さ制限が適用される地域、地区又は区域内の部分に限り、階段室等及び棟飾等を除く。以下この章において「隣地高さ制限適合建築物」という。)の当該位置を想定半球の中心として算定する天空率以上であること。
二 当該建築物(法第56条第1項第二号イ又はニに定める数値が1.25とされている建築物にあつては高さが20mを、同号イからニまでに定める数値が2.5とされている建築物にあつては高さが31mを超える部分に限る。)の隣地境界線からの後退距離(同号に規定する水平距離のうち最小のものに相当する距離をいう。以下この号において同じ。)が、前号の隣地高さ制限適合建築物と同一の隣地高さ制限適合建築物(同項第二号イ又はニに定める数値が
1.25とされている隣地高さ制限適合建築物にあつては高さが20mを、同号イからニまでに定める数値が2.5とされている隣地高さ制限適合建築物にあつては高さが31mを超える部分に限る。)の隣地境界線からの後退距離以上であること。


2 当該建築物の敷地が、隣地高さ制限による高さの限度として水平距離に乗ずべき数値が異なる地域、地区又は区域(以下この章において「隣地制限勾配が異なる地域等」という。)にわたる場合における前項第一号の規定の適用については、同号中「限る。)」とあるのは「限る。)の隣地制限勾配が異なる地域等ごとの部分」と、「という。)の」とあるのは「という。)の隣地制限勾配が異なる地域等ごとの部分の」とする。
3 当該建築物が周囲の地面と接する位置の高低差が3mを超える場合における第1項第一号の規定の適用については、同号中「限る。)」とあるのは「限る。)の周囲の地面と接する位置の高低差が3m以内となるようにその敷地を区分した区域(以下この章において「高低差区分区域」という。)ごとの部分」と、「地盤面」とあるのは「高低差区分区域ごとの地盤面」と、「という。)の」とあるのは「という。)の
高低差区分区域ごとの部分の」とする。

 

 

1項では、隣地高さ制限形状は高さ制限を超えない事、2項では制限勾配が異なる地域等ごとの部分、3項では高低差区分区域ごととあり算定線の端部から垂直方向に区分するなどの記述はありません。

 

②算定線端部から垂直切断した場合の不合理の確認。

-1)端部垂直切断の指定

 端部の境界線を選択し「算定線詳細設定」ボタンを押下し「天空率算定線詳細」で設定します。

端部から垂直切断の場合は始点、終点ともに「側面切断」「垂直切断」をチェックする事で隣地天空率算定領域の側面が天空率解析時に側面切断されます。

 

-2)垂直切断による天空率解析結果

東側第一種住居地域を垂直切断した場合

一転して全てクリアした結果となったが

算定線端部から垂直切断した場合高さ55mのAの約半分、B部は全て天空率比較対象になってない事がわかります。

⇒天空率比較のエリアとして合理的な区分法ではない。

垂直切断しない前回の区分法は下図です。

北側第一種住居地域を垂直切断した場合

円弧で示す敷地東側の空地が隣地高さ制限適合建築物に反映されてない為。算定位置東側がNGとなる。

⇒天空率比較のエリアとして合理的な区分法ではない。

垂直切断しない前回の区分法は下図です。

東側の空地分で算定線の東端はNGにならない事と左端がNGになるのはチャート図の範囲でわかるように55mの突起部が通風採光を遮蔽しており合理的な結果といえる。

西側第一種住居地域を垂直切断した場合


算定線からの垂直切断では、用途境界線との差の分隙間ができます。⇒第135条の7 2項隣地制限勾配が異なる地域等ごとの部分に適合しません。

下図は前回の勾配区分による区分法

垂直方向は算定位置を特定する位置であり勾配区分に影響しません。

以上の事より算定線端部から垂直切断しない方式が法的に適合する結果といえる。

*特定行政庁で区分法を指定している場合はその区分法を確認しそれに準じて区分する必要がある。

3)天空率NG算定位置解決法

①NG原因を特定する

「天空率算定チャート図」「天空図重ね表示」で確認するといずれも北側の突起状ブロック55m高が影響する事がわかります。

 

②逆天空率チャートでカットする方法

 西側をクリアすべく逆天空率チャートでカットすると全てクリアする事がわかります。下側NG部を指定しカット部を指定後「建物切断」で可能幅でカットし天空率計算で検算します。

クリアを確認後上側NG部を指定し北側突起部を「切断」指定します。

北側突起部が半分ほどに切断されクリアした事がわかります。

切断した結果は北側、東側にも影響する為全体で天空率計算を行うと

③建物ブロックを南側道路天空率の適用距離を超える位置まで移動します。

適用距離20m=(後退距離)×2+道路幅15mより

後退距離2.5mの位置に移動する為南側に2.57m移動します。

入力「建物」で建物ブロックを全選択後、右ボタンメニューで

「座標変換」「Y方向距離」「-2.57」「移動」ボタンを押下し

南側に2.57m移動します。

 道路斜線を「図法」「断面図」で確認します。

 天空率計算を行います。

 

 

この場合、建物変形無しで全てクリアしました。

やれやれっと。本日も長くなった本日はここまで!

次回までお元気で!

比嘉ブログ

 

 


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