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令132条区域と適用距離の関係:間違った指摘への解答法 1

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12月10日土曜日
 東京は、快晴だが気温はグッと下がった。このところ「But not for me」をなんとかしたれと思い時間があれば練習している。復活してから3年が経過し、このところやっと仲間と楽しめる程度になってきた。今回は歌もいれてみるかと画策している・・・。
 
 昨日金曜日東京は南風が吹き暖か、しかも快晴。午後青山で「建築法規PRO」の編集打ち合わせを終え神宮にフラりと出かけた。
 

イチョウの葉はすでに落ちていたがこの並木はそれでもおしゃれな感じ。中国人の観光客と思われるが激写していた。
 この際ついでに着工が始まったと報じられた新国立競技場も視察、・・さらに歩を進めた。

 早くもスタンドの雰囲気がわかる。東京オリンピックの開会式は観客席に陣取りたいものだが・・・いかにすれば叶うか作戦をたてなきゃ。
 これは高台にある東京体育館からのパチリで千駄ヶ谷経由で帰社。
 
 今週から忘年会が始まった。木曜日は大学OBソフト会社経営者の会に参加、この会は、25年程続いている。
 今年の忘年会は、ほぼ週一ゆえ多い方ではないと思うが、同窓の気安さもあり、ちょっと飲みすぎた感がある。来週は多少上品にすごしたい・・が毎回、気が置けない仲間との会ばかりゆえなかなかl・・・。
 
 さて今週の講座から

 火曜日には設計事務所の皆さん5人で来社。主にプランニングから天空率の流れを繰り返し特訓。ちょっとノリが良すぎで1時半からはじまった講座は気がつくと7時近く・・。それでも語り足りない・・・補講を決定!。これは終了後の写真写りのポーズつけの途中でパチリとなってしまった。次回楽しみにしてます。年明けかな。
 
 
 さて天空率講座を始めたい。前回までは7週にわたり逆日影計算手法を解説してきたが今週から天空率にもどりたい。
 サポートセンターに寄せられる質問の中で今だ2以上の前面道路がある場合の令第132条の区分法の質問が多い。
 
 令132条の区分法は法文のみの場合理解し難いが、日本建築行政会議(JCBA)編集の「集団規定の適用事例」2013年度版で区分区域が図示され詳細に解説されているのでその内容に準じて区分すれば問題無い。
ただし
2013年度版はP200からP202の挿絵の道路幅員が間違っており訂正ページは
 
『建築確認のための基準総則 集団規定の適用事例 2013年度版』正誤表
で公開されている。他の修正部とともに確認していただきたい。天空率関連は
 
4方向道路においてA>C>B>D

 
と記述され区分されている。Cの幅員は最小であることの間違いで
 
A>B>D>C

これが正しい。令第132条は道路幅員差の順列で区分法がまったく異なることになるのでご注意いただきたい。
 
 さてその「集団規定の適用事例」2013年度版のP198で2以上の道路における区分法で最大幅員の区分は2Aの区域を越えられない。との記述がされている。
 

 
 ところが審査の現場でこの解説を無視し区分は必ず適用距離まで延長するとの指摘がされたとの相談を受けた。
 今回はその指摘がいかに間違いであるかを挿絵および解説が意図する事から検証したい。
この事は過去何度が比嘉ブログでも解説してきたが、審査の現場で令第132条が正しく理解できてないケースが今だ多い。審査機関の間違った指摘は、審査の現場を混乱させ無駄に時間が浪費される。この際、明確にしたい。
 
 挿絵の解説の様に適用距離より2Aで区分されるケースは最大幅員が6m以下程度の場合で容積率が大きく適用距離が広い場合に多い。
 最大幅員と適用距離との関係は
 最大幅員×2倍<適用距離-(最大幅員+後退距離)の場合、本例の様に段差状になる。
この事は、比嘉ブログ
http://ameblo.jp/normanhiga/entry-12172913307.html
 の回でも解説した参照していただきたい。
 
今回はこの事例最大幅員が6m程度で狭い場合のケースで検証を進める。
 
 
 
 
まずは高さ制限(道路斜線)適用の原則から始めたい。
 
(建築物の各部分の高さ)
第五六条 建築物の各部分の高さは、次に掲げるもの以下としなければならない。
一 別表第三(い)欄及び(ろ)欄に掲げる地域、地区又は区域及び容積率の限度の区分に応じ、前面道路の反対側の境界線からの水平距離が同表(は)欄に掲げる距離以下の範囲内においては、当該部分から前面道路の反対側の境界線までの水平距離に、同表(に)欄に掲げる数値を乗じて得たもの

 
 となっており要約すると「建築物の高さは、道路の反対側から容積率による適用距離を考慮し道路斜線勾配以下に制限される。」となる。
 
 ところがその原則どおりに適用すると今回の事例では、狭い道路4mの制限で敷地の道路斜線による可能空間が制限され広い道路6mは無視されることによる。
このことはhttp://ameblo.jp/normanhiga/entry-12171236314.html
で詳細の解説をした。(この場合の最大幅員は、10m)

 
 
 狭い道路4m側からの制限が広い道路側からの可能空間まで制限する事になる。あくまで原則どおりに適用した場合だが。
 
 そうなると困るのは地主のみならず土地が有効活用されない為の税収減から国益にまで影響を与えてしまう事は言うまでもない。そのままで良いわけがない。そこで
 
同法の6項で
6 建築物の敷地が二以上の道路に接し、又は公園、広場、川若しくは海その他これらに類するものに接する場合、***における前各項の規定の適用の緩和に関する措置は、政令で定める

 
 つまり2以上の道路が接する場合、政令で緩和が適用されるとあり、比嘉ブログでは、おなじみの令第132条で規定される。
 
(二以上の前面道路がある場合)
第一三二条 建築物の前面道路が二以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の二倍以内で、かつ、三十五メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が十メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。
2 前項の区域外の区域のうち、二以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の二倍(幅員が四メートル未満の前面道路にあつては、十メートルからその幅員の二分の一を減じた数値)以内で、かつ、三十五メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。
3 前二項の区域外の区域については、その接する前面道路のみを前面道路とする。
 
 この法文の意図する事は、2以上の前面道路がある場合、それぞれの道路に面する敷地内の部分は1項1号の原則どおりの道路幅で道路斜線を適用せず令第132条の記述に従い敷地内区域ごとに高さ制限を適用する道路幅員を確定する。その道路幅員による道路高さ制限(道路斜線)を適用する。

 
 令132条で区分される敷地内の部分は前述の比嘉ブログの挿絵を参照していただくと(この場合最大幅員が10m)

青と赤で表示する様に道路に面した部分で道路斜線を適用する道路幅員が規定される。
 
 
そこで再度JCBAの挿絵に戻ると
 

 
 区域②の部分は広い道路Aからの適用距離内にあっても
第一三二条 建築物の前面道路が二以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の二倍以内で、かつ、三十五メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が十メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。
 
 第132条の1項の最大幅員の2倍以内および道路中心10mを超えた部分に最大幅員を最大幅員を適用して良いとする。「すべての前面道路の幅員が・・」とあり4m側にも最大幅員が適用される。
 
 
これを例題で具体的に図示し解説すると

 
 「最大幅員適用外部」は、最大幅員の最大の境界線から2倍を超え、その他の前面道路(この場合4m)中心から10m以内の部分ゆえ、適用距離内にあっても最大幅員は適用されない。
 
 令132条で適用距離まで延長しない理由をさらに1項を読み進め検証をすすめる。後半部だが
 
「すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。」とあり、「すべての前面道路」に着目しなければならない。つまり4m道路側に面した部分も同様に1項が適用される。これも図示すると
 

 
 これが意味する事は、冒頭の趣旨どおり狭い道路4m道路からの勾配が原則どおりに高さ制限を適用すると建築物高が著しく制限される。
 
 一方、広い道路の2倍までは、広い道路上(この場合6m道路)には建物が建たない為、その分、4m道路の反対側でも通風、採光は良いと考えてもよかろう・・と。だからその部分の高さ制限は最大幅員で良いとする。
 
  その効果は、2倍程度の範囲まであると考える。
 
 ただし、35mを超えた部分にはその効果が期待できないので効果無しとしている。したがって最大幅員が20mの場合、その2倍40mまで効果を期待してはだめで35mまでとする。
 
 2倍までと規定する事は、最大幅員が比較的狭い6m道路の場合、2倍12mまでとし適用距離(この例では25m)までは、通風採光の効果はないとする。
最大幅員が6m程度の狭い道路に対する安全側の発想だ。

 
 つまり2倍までを1項に記述する事(適用距離まで延長しない事)により最大幅員が比較的狭い道路における通風採光の効果を適正に適用する意図がある。
 
  たとえば最大幅員が比較的広い10mとなると
 

 その2倍は最大幅員の境界線から20mまでとなり適用距離を越えてしまうがその場合、適用距離が適用される。
 
 適用距離は規定による区分の結果、適用距離を超えた場合に適用距離までとし、適用距離内の場合区域区分法(2倍まで等)で区分しなければならない。
 
 
 比較的狭い最大幅員もすべて適用距離まで単純に延長するという事は本来の高さ制限の目的からも危険側といえる。この事を誤解し適用距離まで常に延長する事は間違いである。この事は、天空率ソフトでもその様に間違った区分をしている場合が有り間違いを助長しかねない。注意したい。
 
 天空率においては、第135条3項で
 
(前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限を適用しない建築物の基準等)
第一三五条の六 法第五十六条第七項の政令で定める基準で同項第一号に掲げる規定を適用しない建築物に係るものは、次のとおりとする。
一 当該建築物***天空率以上であること。
二 当該建築物の前面道路の境界線からの後退距離**
2 当該建築物の敷地が、道路高さ制限による高さの限度として水平距離に乗ずべき数値が異なる地域*:::
道路制限勾配が異なる地域等ごとの部分の」とする


3 当該建築物の前面道路が二以上ある場合における第一項第一号の規定の適用については、同号中「限る。)」とあるのは「限る。)の第百三十二条又は第百三十四条第二項に規定する区域ごとの部分」と、「という。)の」とあるのは「という。)の第百三十二条又は第百三十四条第二項に規定する区域ごとの部分の」とする。
 
第132条又は第134条に規定する区域ごとの部分とする。と記述されており正しく第132条区分が適用されなければならない。
 
 適用距離まで区分しない考え方は令第132条による区分法にかぎらず勾配が異なる区域の場合も勾配区分が優先され、特殊な考え方ではない。
 
 道路制限勾配が異なる際(用途地域が異なる場合:住居系における12m以上の道路制限勾配が異なる時など)には、異なる地域等ごとの部分で天空率計算を行う。
 
政令第135 条の6 第2項
「当該建築物の敷地が。道路高さ制限による高さの限度として水平距離に乗ずべき勾配が異なる地域・・・・適用については・・・勾配が異なる地域ごとの部分の」とする。

 
まずは道路に接する区域が商業系のみ場合

 
適用距離の設定は
令第130 条の11 で適用距離の特例として前面道路に接する敷地の部分の属する地域、とする事
より、上図の例では全て前面道路に接する商業形の適用距離が適用20mが適用され接してない住居系の適用距離が30mだとしても20mまでで区分される。
 
 
 
次に2区域接する場合
 

 
 
住居系に接した適用距離に面した区域はその延長上に商業系がある場合でも接する住居系の適用距離が適用され上図の様に段差状になる。
 
 
 常に容積率による適用距離まで区分される考え方はこの事例でも明らかに間違いだといえる。
 
 
 さてさらに3方向道路の道路中心10m内のいわゆる2Bにおいても同様に常に適用距離までという間違った指摘もある。今回も長くなった次回にしよう。
 
 
 
 
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