12月2日土曜日。
東京は快晴で太陽がまぶしい小春日和
ただし予想最高気温は12度。ほんとかなと外にでると・・・寒い。
12月に入ると公私ともに何かと忙しくなる。本日もこれから出かける予定だ。
早速今週の講座から
今週火曜日は、2週間ぶりに2名そろい踏みで天空率基礎講座。
天空率理論から実践を繰り返した。
最後に究極の屈曲道路を解析し終了!次回は行き止まり道路に隣地天空率だ頑張ろう!
水曜日は新規導入設計事務所5人組も3回目。
前日同様に天空率徹底学習。今回予定では最終回ゆえ隣地天空率まで行った。Y氏が「天空率でTP-PLANNERの威力をさらに実感した!。」の一言に気を良くした比嘉が、すかさず年明けの補講を決定。
年明けの来社をお待ちしてます!。
天空率講座を開始したい。
今月から年始にかけて2023年比嘉ブログの中で比嘉が厳選した再度お伝えしたい天空率講座を多少アレンジし再アップします。
初回は力作です。
初回は今だ審査の現場で判然としない屈曲隣地における解析法を3例、例示し審査サイドとの事前の協議にお役立てください。
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今週のテーマは「屈曲隣地天空率解析法3例」と題して屈曲隣地
の解析法を解説します。
屈曲隣地の解析法設定法と法的根拠を比嘉ブログでも多岐にわたり解説してきました。
これらは比嘉ブログ起動後「このブログを検索する🔎」の項に
「屈曲隣地」で検索する事で過去の解説を確認する事が可能です。
などです。設定法理論,公的資料詳細が解説されておりますので参考にしてください。
今回はTP-PLANNERユーザーの皆さんの為に操作法を中心に
解析法3例を例示し事前打ち合わせの参考にしていただきたく思っております。
屈曲隣地の天空率計算を行う場合「敷地区分方式」でよいのか「一隣地」でよいのかそれとも面する方向別に解析する手法が良いのかと決めかねるとの相談が多く寄せられます。
今回は事例を通じて3通りの手法がある事を例示し解説いたします。
事例は
1種住居地域で容積率400%の事案です。
事例はTP-LIGHTでプラン作成を行い住戸数56戸、容積率399.09%消化した状態です。
青破線で示した南西側入隅状屈曲隣地部の天空率解析法の解説です。
隣地高さ制限をチェックすると
隣地斜線が大きくNGです。そこで天空率解析となります。
この例題の建物プランはTP-LIGHTで作成しております。
今回、天空率解析は「エクスポート」「TP-LAND:SKY転送」後TP-SKYを起動し「TP-専用データ転送」「LIGHT建物インポート」で任意区間の天空率解析指定が可能なTP-SKYに移動し解析の手順を解説します。
*今回は「敷地」の項で「同一区間設定」を変更する都合この方式でTP-SKYで設定および解析を行う手順を解説します。
建物ブロックは壁厚、仕上げ厚を有しておりバルコニーおよび外廊下等の下抜け処理の有無を指定する事でSKY建物として申請資料の作成が可能になります。
さて今回の解析は下記で示す3通りの手法を例示します。
①屈曲隣地境界点間ごとに解析する「敷地区分方式」を解説します。
隣地境界線2~8区間のうち7~8間(赤枠)は同一の区間とし他2~6は境界線ごとに適合建築物を作成しそれに面する基準線で天空率解析する設定法から解析までを解説します。
②入隅角でA,Bの2区域に区分し同一区間による「敷地区分方式」で解析する手法
面する方向で区分すると入隅角で2分して考える事ができます。
A、Bそれぞれの面する方向を同一の区間(隣地境界線)として「敷地区分方式」で解析する手順を解説します。
③道路以外の連続した隣地境界線を同一の隣地境界線とし解析する手法(一隣地方式)
すべての隣地境界線を同一の区間とし寄棟状に隣地高さ制限適合建築物を作成します。
1)屈曲隣地境界点間ごとに解析する「敷地区分方式」
①入力「敷地」で同一区間の設定を行う
同一の隣地境界線として区分したい境界線を「Shft」キーを押しながら選択後、ダイアログ内「設定」ボタンを押下する事で同一区間番号が自動割り付けされ同一の隣地境界線として認識されます。
②新天空率算定領域で「自動発生方式詳細」条件設定を行う
「新天空率算定領域」に移動後「自動発生方式詳細」ボタンを押下後、ダイアログ内で「隣地窓通過方式」で隣地境界線端部が入隅状になる事より「同一区間入隅処理」ボタンを押下し設定します。
*「同一区間入隅処理」をチェックすると境界線間が入隅状になる場合、入隅角の1/2で区域区分されます。
③敷地区分方式で自動発生を行う
自動発生の項で「敷地区分」ボタンを押下し全6区域を自動発生します。
④領域ごとに基準線の編集および条件設定を行う。
-1)「天空率表示」欄「全領域」のチェックをOFF設定後「領域」で1から区域を指定します。⇒1領域のみが表示されます。
-2)基準線で不要な位置をクリックし選択後「Del」キーで削除します。
追加補足
*「新天空率詳細設定」ダイアログ内「算定線追加操作」
の項で「端部削除」をチェックすると端部の円弧部は発生しません。
⑤基準線に隣地高さ制限適合建築物の区分法を指定します。
*敷地区分方式の隣地高さ制限適合建築物の面する幅の区分法は
慣習的に基準線が出隅の場合は基準線端部から垂直に区分します。
出隅基準線設定法
-1)出隅基準線を選択します。(7~8境界点間)
(同一区間設定した基準線は始点側端部を選択します。)
-2)「基準線詳細設定」ボタンを押下しダイアログの「始点条件設定」「終点条件設定」を「側面切断」「垂直切断」の順にチェック後「OK」ボタンを押下し設定完了
*天空率計算時に区域は設定に基づき切断されます。
本来すべての基準線の設定後、解析を全領域で解析する事が効率的ですが区域を確認していただく都合入力設定後に解析後の出隅部の適合建築物を提示します。解析の手順は条件設定後、計算「天空率」で解析実行します。区域の表示は解析後、表示「天空率算定チャート図」で指定します。この部分の操作解説は省略します。
2~3境界点間も同様です。
*区域外端部方位線は図面レイアウトで選択削除しています。
両端部が入隅の場合
隣地境界点5~6間。
始点側終点側ともに「入隅」をチェックします。
隣地境界点4~5間も同様に設定解析します。
入隅端と出隅端の場合
隣地境界点3~4間。
始点側「側面切断」「垂直切断」
終点側「入隅」を設定
隣地境界点6~7間も同様に設定します。
*これらの2区域はいずれも敷地内に算定基準線が発生します。
この事を可とするか否かがこの手法を採用するか否かのポイントです。法第56条7項では隣地境界線から外側線上記述されています。
法第56条7項
二 第1項第二号、第5項及び前項(同号の規定の適用の緩和に係る部分に限る。)
隣地境界線からの水平距離が、第1項第二号イ又はニに定める数値が1.25とされている建築物にあつては16m、第1項第二号イからニまでに定める数値が2.5とされている建築物にあつては12.4mだけ外側線上の政令で定める位置
敷地内に設定された基準線が上記に適合するか否かの確認が必要です。
*参考
基準線の端部条件設定を行わない場合、面する隣地境界線を起点とする高さ制限に適合する隣地高さ制限適合建築物が下図のように設定されます。
2)入隅角でA,Bの2区域に区分し同一区間を「敷地区分方式」で解析する手法
*手法2)3)が本事案に関しては最も適法で合理的解析法です。ぜひマスターしてください。
①入力「敷地」で面する方向ごとに同一区間の設定を行う
②新天空率算定領域で「自動発生方式詳細」条件設定を行う
この設定は前項敷地区分方式と同様です。
③敷地区分方式で自動発生を行う
④領域ごとに基準線の編集および区分法を指定します。
-1)不要な円弧部を選択し削除します。
-2)始点側端部を指定し始点:終点条件設定をおこないます。
追加補足
*「新天空率詳細設定」ダイアログ内「算定線追加操作」
の項で「端部削除」をチェックすると端部の円弧部は発生しません。
A側
B側
条件設定は前項の「敷地区分方式」と同様です。同一区間が面する方向ごとに隣地境界線をまとめます。
⑤天空率解析結果
天空率解析を行いA,Bの区域ごとに結果を表示します。
A区域
B区域
同一区間すべての隣地境界線から外側に16mの位置に基準線が作図されています。
3)道路以外の連続した隣地境界線を同一の隣地境界線とし解析する手法(一隣地方式)
①入力「敷地」で同一区間の項で「一の隣地自動設定」同一区間の設定を行う
入力「敷地」で敷地内を押下し選択後「一の隣地自動設定」7ボタンを押下すると道路境界線以外の連続した隣地境界線が同一区間設定されます。
②「一隣地方式」で自動発生を行う
「新天空率自動算定領域」「一の隣地」ボタンを押下すると一隣地高さ制限適合建築物と基準線が自動発生します。
*本例のように入隅の場合は入隅隣地境界線から外側に水平距離16mで作図した円弧状に作図されます。
③天空率解析結果
すべての隣地境界線から外側に水平距離16mは日影規制ラインと同様に解釈され作図されます。
第56条の2 日影による中高層の建築物の高さの制限
別表第4****敷地境界線からの水平距離が5mを超える範囲において、
以上一般的に3種の解析法があります。
それらの中から審査サイドと協議し確定して下さい。
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次回も屈曲隣地補講をおこないます。
次回までお元気で!