12月24日
クリスマスイブの東京は気温が平年並みに戻る予報だったが陽が燦々とさし本日もやや暖か。
数年前に百円ショップで買ったらしいハイビスカスが突然赤い花をつけた。
あわてて今朝パチリとしたが・・気づきが遅い!とばかりに下を向かれてしまった。
大変失礼しました。
今週はずっと、あったかで絶好の・・・・忘年会日和。
いつの間にやら紅葉も終わりの時を迎え
そして冬至を越え・・・また日が長くなる。・・なんだかベニシアさん風に始まってしまった。
今週月曜日はいわゆるBIM仲間(ソフト会社5社)の忘年会。
今回はわが社のある高田馬場にお集まりいただいた。
一次会から流れて琉球料理の次郎亭。みんなのお顔ももみじ色。
このメンバーで1月には沖縄でBIMセミナーを開く事になった。ついでに早めの通知。
沖縄TP-PLANNERユーザーの皆様全員集合ですヨ。連絡します。
そして連休前の木曜日は30年来の構造設計の仲間との忘年会。皆元気でなによりだ。連休前ゆえちょっと飲みがすぎたかナ。腹痛からは完全回復を確認。
連休の最中、年賀状書きなどお忙しいところで恐縮ですが本日も天空率講座有り。
講座開始!
令132条区分と適用距離の関連のレポートも3週目となった。前回は最大幅員以外が2で前面道路幅員が同じ幅の3方向道路の2項の区域の区分法を解説した。
最大幅員以外の前面道路に面した部分の高さ制限は、道路中心10m内においてそれぞれの道路幅員は4.5m(上図例)が適用される。奥行きはその2倍9mまでとなる。令132条区分を超えた適用距離の位置まで延長されることはない事も解説した。
前回は最大幅員以外が4mの場合、あるいは4.5mの場合で同じ幅員の場合で解説してきたが今回は、幅員が異なる場合の区分法を解説したい。
この区域の区分法に関してJCBAでは
http://www.jcba-net.jp/news/20090507shigaichi-houkokusyo.pdf
で注意を喚起している。
「狭い道路側から2Cのような区域区分は行わない。」
との解説が提示されている。2009年の当時は緩和の考えを取り違えて狭い前面道路側からまわり込みを行う間違った設計者が多かったのだろう・・・と呑気な事を言っている場合ではない。あろう事か今だ2Cで区分した残り部、(D,B)の狭い赤部を単独の区域として解析する間違いがある。審査機関まで頓珍漢な指摘をされる様で・・こまったものだ。
今回はこの事を解説してみたい。
ちなみに20090507shigaichi-houkokusyo.pdfで検索をかけたらかつて比嘉が検証したページが多くリストアップされた。時間があったらそれも読みかえしてみると参考になるのではと思う。
今回は以下の3方向道路2例で検証してみたい。
これは解説書でよく例示されるケースで東側道路幅員が南側より広い場合、
そして南側道路幅員が5mで東側より広い場合
最大幅員以外の前面道路が異なる場合に接道位置で令132条の区分の変化を確認したい。
まずは東側5m道路の場合。
最大幅員の区域は3で前回とほぼ同様で重ねると
最大幅員6m側の段差状の奥行き側は南側4.5m道路中心10mまでと最大幅員の境界線から2倍12mで区分される。この左端の区域が最大幅員が適用される最大面積の区域。
他2区域は、奥行きが、後退距離を考慮した適用距離で区分されている。その2区域で後退距離それぞれ5m側から2.5m、4.5m側4.5mの後退距離内であれば任意に設定する事が可能だ。仮に後退距離を0mとするとさらに奥まで延長された区域となる。
さてここからが本日の本題、令132条2項道路中心10mの区域の区分法だ。
最大幅員の境界線から2倍を超えたその他の前面道路中心10mの区域(赤枠)。それぞれその5m、4.5m道路に面した部分の高さ制限を適用する道路幅員を決定する。
2項に照らして具体的に区分してみよう。
2 前項の区域外の区域のうち、二以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の二倍(*)以内で、かつ、三十五メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。
前項の区域外の区域
前項の区域が最大幅員6mが適用された区域。区域外は最大幅員の区域以外、つまり赤枠で示した道路中心から10mまでの区域。その部分における5mもしくは4.5mの幅員が適用される区域を区分するのがこの項の目的・・「・・幅員を有するものとみなす」。
二以上の前面道路
この例では5mと4.5mの2の道路。そのいずれかの幅員が適用される。
前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれ
それぞれは5mと4.5mをさし
その前面道路の幅員の二倍の区域は
5mの2倍10m、4.5mの2倍は9m
「前項の区域外の区域」で最大幅員5m道路側に面した区域は
赤線が5m道路の境界線。
奥行き方向10m(5m×2)で上図の様に区分される。
これらの前面道路のみを前面道路とし
この場合その区分された区域の道路幅員は5mを前面道路とする。
「これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は」
5m道路は幅員の小さい前面道路ではない為、5m幅員で確定する。その2倍は奥行きだけ2倍10mで区分される。(1項の最大幅員の段差状の奥行きも同儀)
前回解説した道路中心10mに面した道路幅員が同一の場合も同様にその面する間口方向は、区分されず奥行きだけ2倍で区分した。それと同様だ。
そこで冒頭JCBAの「狭い道路側から2Cのような区域区分は行わない。」
広い道路5m側に狭い道路4.5mが2C分回りこんでも通風、採光の緩和にならない。したがって2Cを適用する意味が無く必要無し。第1項でも最大幅員側にせまい道路境界線から2倍で区分されない事と同様だ。
令132条区分の目的は法56条6項で明確に緩和と記述されている。
(建築物の各部分の高さ)
第五六条 建築物の各部分の高さは、次に掲げるもの以下としなければならない。
6 建築物の敷地が二以上の道路に接し、又は公園、広場、川若しくは海その他これらに類するものに接する場合、建築物の敷地とこれに接する道路若しくは隣地との高低の差が著しい場合その他特別の事情がある場合における前各項の規定の適用の緩和に関する措置は、政令で定める。
*令132条とはよくできたもので合理的に記述されている。仮に緩和の事を無視し上図の区分を狭い4.5m側から2倍9mの位置とその延長方向で区分したとしてもいずれも5m幅員が適用される。
これらの前面道路のみを前面道路・・・5mで確定
これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は・・・幅員は5mで大きい為、5mで確定。
令132条は道路幅員が同一で同一勾配の部分は区分しない。結果「狭い道路側から2Cのような区域区分は行わない。」となる。
次は4.5m道路に面した部分だ。
上図で示した幅10mが間口でその前面道路の幅員の二倍の区域は、
奥行きを意味し4.5mの2倍9mまでで区分される。つまり「それぞれその前面道路の2倍」とは、狭い道路に面した区域の広い道路から2倍、さらに狭い道路の2倍までの奥行き方向を意図する。
、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。
4.5m幅員は5mより小さい。結果、広い幅員5mが適用される。
この様に「それぞれその前面道路の幅員の二倍の区域は」は、幅員差がある場合、狭い側の奥行きの区分に適用される。
また先週例示した幅員差のない道路に接道する場合も奥行き方向の区分にそれぞれその前面道路の2倍まで延長され区分される。
以上が令132条2項の区域。
そして3項
3 前二項の区域外の区域については、その接する前面道路のみを前面道路とする。
残り5m道路の境界線から2倍10mを超えた区域は「 その接する前面道路のみを前面道路とする。 」より4.5mの道路幅員が適用される区域。
以上で区分完了となる。
敷地形状は、狭い敷地、広い敷地、変形した敷地など様々だ。接する前面道路も幅員幅が一定出ない場合、高低差がある場合などバラエティーに富む。複数道路が接道する場合は令132条で区分しなければならない。法文を正しく理解する事が重要だ。
さて次は最小幅員が挟まる以下の例の解説
・・・おっと年賀状の締め切りが近い・・・次回にしよう。
忘年会も続くと思いますがご自愛下さい。 hi