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道路面が地盤面より低い時の天空率計算

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3月11日 土曜日 東京は快晴。

6年前の本日が東日本大震災。

あの日、社の講座室でTP-PLANNERを紹介でデモの最中の強烈な地震。

 とうとう関東大震災がおきてしまったと、様々な事が頭をよぎり驚愕した事を思い出す。

 強烈な余震のあとTVに移った東北の津波に言葉をうしなった。犠牲者は関連死も含めて約2万人。

6年たち復興の様子も伝えられるが今だ原発まわりの復興は、遅々として進まない。取返しのつかない事をしてしまった。

 

 70年以上たったが3月10日は、東京大空襲、死者10万人、罹災者100万人忘れてはいけないこれも人災。

 

 

 

 先週お伝えした数輪のゆきやなぎが花開きらしくなってきた。

桜は・・・・・

 

 

先週とほぼ変わらず。

 

 本日は夕方より仲間とラッパ合戦がある。今回は負けない様早速準備にかかりたいがその前にブログを仕上げなきゃ。

 

 まずは今週の講座から

今週の講座は企画設計者が1名で来社講習。

日影図を手書きしていた世代だ。この世代にTP-PLANNERの逆日影チャート

の操作を理解していただくと鬼に金棒。

一気にプランから面積表まで解説が進んだ。

二人でプラン作りを楽しんでいたらいつのまにやら6時半、来週は天空率。楽しみにお待ちしております。

 

 さて講座にとりかかるとするか

 

 このところ、日影規制の話が続いたので今回は、天空率解説。

道路面が地盤面より低い場合で極めて基本的な天空率計算法だ。

 これは過去、比嘉ブログでも何度か解説してきたのだが今だに基本的な考え方で間違った処理法が今だ散見されるので改めて解説したい。

 

 まず基本的な考え方として推奨したいのが当社、鈴木剛が書いたレポート「傾斜地と道路高さ制限の天空率」は用語と法的根拠など基本的な記述から傾斜道路の天空率を解説している。

 

たとえば「建築基準法の用語と用語が定義・引用されている条文を確認しておきましょう。」では、

 

用語および引用条文の関係を解説している。

 ポイントをまとめると

その1

 道路面が地盤面より低い場合地盤を設定しなければならない事。

(天空率)
第135条の5 この章において「天空率」とは、次の式によつて計算した数値をいう。
Rs=(As-Ab)/(As)
この式において、Rs、As及びAbは、それぞれ次の数値を表すものとする。
Rs 天空率
As 地上のある位置を中心としてその水平面上に想定する半球(以下この章にお
いて「想定半球」という。)の水平投影面積
Ab
建築物及びその敷地の地盤をAsの想定半球と同一の想定半球に投影した投
影面の水平投影面積

 

 

 地面と地盤を混同してはいけない。地盤は敷地の地盤面(2 前項第二号、第六号又は第七号の「地盤面」とは、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面)以下の部分で有り第135条の5 より計画建築物、適合建築物いずれも算定位置が地盤面より低い場合は地盤も含めて天空率計算を行い地盤は、省略できない。

 

では、なんの為に「地盤」も含めて天空率計算を行うのか?その意図する事は?

 

  地盤を設置しないと天空図が建物下側から空が見える不合理な状態表示され天空図が適正に表現されてないことになる。

 

その2

 

第一三五条の九(法第五十六条第七項第一号の政令で定める位置)

4 当該建築物の敷地の地盤面が前面道路の路面の中心の高さより一メートル以上高い場合においては、第一項に規定する前面道路の路面の中心は、当該高低差から一メートルを減じたものの二分の一だけ高い位置にあるものとみなす。

5 第百三十五条の二第二項の規則で前面道路の位置の高さが別に定められている場合にあつては、前項の規定にかかわらず、当該高さを第一項に規定する前面道路の路面の中心の高さとみなす。

 

 道路面が傾斜して地盤面より低い場合、適合建築物に関しては高さ制限の起点は最も低い位置を基点とし作成する事で高さ制限に適合するが、算定位置に関しては上記4項で当該高低差から一メートルを減じたものの二分の一だけ高い位置にあるものとみなす。

 

と記述され、みなさなければならず算定位置を安全側と勘違いしてもっとも低い位置に設定する事は間違い。

上記第一三五条の九4項の準じて設定した場合、計画建築物の天空図は一般的により高い算定位置になる為、高さ制限を越えた計画建築物に接近する事より大きく投影される。その分計画建築物の天空率は低下する。

その事を無視し、一律最下点に設定する事はその分危険側となる。

 

 

 

 

 今回は傾斜地で道路面も傾斜している事例をTP-PLANNERにより天空率計算を行う操作手順を通じて解説したい。

 

  

 事例は

 

 

道路中心高が0mから-1mに傾斜した道路。0mの位置をBMとし入力はBMを基準に入力を行う。

 

建物外周高さもBM=0を原点とした高さ。

 

まずは

①道路境界線の高低差を入力する

 

敷地入力から「敷地境界条件入力」ダイアログで

 

 

道路面の高低差はBMを基準に入力を行う。BMを基準にそれ以下であればマイナスを付加して入力。TP-PLANNERでは敷地を左回りで境界線の始点、終点でそれぞれ高さを入力する。

 

 ②用途地域を入力する。

用途地域そして容積率を設定する事により斜線勾配、適用距離がパラメーターに自動設定される。用途地域は日影規制、高度斜線も同時に設定され敷地の内外関係なく複数用途地域が設定される。

 

 ③建物入力

 

 ダイアログの下側に建物高の入力起点の説明があるが「地盤:設計GL」の項で設計GL(建物入力の為の起点)を別途設定した場合、BMと異なる位置からの入力とする事が可能だが今回はBMと同じ位置とする。今回は地盤面高(建物外周平均高)を求める入力をおこなった後「地盤:設計GL」の解説は行うこととしたい。

 

④「天空率データ」「斜線平均地盤高計算領域」で建物外周高を設定する。

建物外周高はコンター入力から傾斜面を生成し傾斜面と建物交点の高さを自動算出する方法の他、「斜線平均地盤高計算領域」で外周高を直接入力する方法がある。

今回は建物外周高の直接入力する方法で解説をすすめる。

 

「他の入力データ変換アイコン」をクリックすると建物の外形上が自動取り込みされる。ドライエリアなど平均高に影響する部分はさらに直接追加入力する。そして境界をクリックし始点、終点の高さを入力する。

 

「計算モード」に移動し「平均地盤高計算」の項で「OK」ボタンクリックで解析を行うと

 

解析した平均高さは「地盤:設計GL」の項に入力配置される。

 

⑤「地盤:設計GL」

 

 平均GLの項に計算された平均GLの項に0.665mが入力されている。「敷地」入力の道路境界に入力した高低差は、この0.665mが加算される。したがって本例では道路の途中から算定位置が平均高さから1m以上下がる事になる為、適合建築物および算定位置の(h-1)/2だけ上側に算定位置は移動しなければならない。

 

*尚、この項で設計Gの値を入力しても建物高さは当初入力した建物は、BMからの高さから変更されずにその後追加入力した建物だけがその対象となる。例えば設計GLを1mに設定すると。

 

 

 ③の項で入力したブロックは設計GLが1mあがるが建物起点は変化しないため設計GLからの高さで表記され「上端高17m」「下端高-1m」の表記に変わる。ただし設計GL変更後に入力した18mの高さは設計GLが変更されている為、元のブロックより1m高い建物高となる。

 

 設計GL変更前に入力したブロックの起点を変更したい場合はそのブロックを選択後「右ボタンメニュー」から「座標変換」の「移動」「Z方向距離」の移動で変更する事が可能。

 

 以上で入力終了。

まずは断面図で確認してみよう

 

⑥道路斜線断面図で高さ制限の可否を「表示」「断面図」確認

まずは高低差が少ない道路左側

 

 

 この位置の道路斜線は

道路斜線はNG。起点は設計GL=BMから274下がりで地盤面高655を加えて-929<1mゆえその位置を起点とする。

続いてさらに下がる右側の断面は

この位置の断面は

設計GLから-870,地盤面655を加えると1525>1mを超える為その位置から(1525-1000)/2=262.5mm上側の位置に移動した斜線断面図だ。

天空率の場合は算定位置でこの対処をしなければならない。

 

 適合建築物を発生すると

 

 

今回は「新天空率」で適合建築物と算定基準線適法に自動発生させる。「道路境界」ボタンをクリックするだけだ。

 そして「計算モードへ」で解析を開始する。

 

「天空率計算設定」ダイアログで「均等発生」ボタンをクリックすると算定位置がBMからの高さで表示される。

 

 今回はここでの表示された数値およびその起点位置を確認してみたい。

まず自動発生した算定位置P1からP13の端部はP1が地盤の端部。

これを適合建築物(緑部)の端部までではないかと勘違いされる設計者が多いが天空図は、建築物および敷地の地盤を含む。P1は地盤の左端ゆえその位置まで。

 P2は、適用距離の端部が適合建築物ゆえその位置まで。適用距離内の隣地の有無は関係ない。

 

そのP1からP13間を道路幅員8mの半分4m以下で均等に設定すると測定間隔は3.85mになった様だ。

 

 算定位置の高さの確認を行ってみる。道路の高低差は「敷地」の入力でBMを基準に入力したその為、ここでの表記もBMが基準で表記される。ただし解析後および申請時は敷地の地盤面(表記はGL+***)で表記される。

 

 今回は0mからー1mに傾斜した道路、敷地の地盤面は0.655mゆえ1m以上の高低差になり(h-1)/2の分算定位置は上側にあるものとみなさなければならない。確認しよう

 

 まずP2はBM-85.66とある。この部分の測定高は「敷地」で入力されたBMからの高低差を直線補完し自動で算出割り当てされる。

 

 P13は、「P13(BM-685.84 緩和前高 -1,026.67)」と表記されている。

根拠を確認するとBMからの緩和前高 -1,026.67となっている。「敷地入力」で設定した-1mが適用距離の位置Bまで延長された為、26.67高低差が低くなっている。

(*高低差は算定位置をドラッグし選択する事によりダイアログ内の「測定高変更」で直接入力変更する事も可能だが今回はそのまま直線補完された数値を使用する。)

 

地盤面からの高さは緩和前高さ-1026.67+に敷地の地盤面高(平均GL=655)が加算され緩和式(h-1)/2を適用すると

(1681.67-1000)/2=340.835

その分緩和前高より高い位置に設定しなければならない為

-1026.67+340.84=685.84(小数点以下3桁切り上げ)

 

地盤面以下1m以上低い算定位置はこの計算式を適用し作成する。TP-PLANNERでは適合建築物の起点もこの高さを起点として自動生成される。ただし簡便化の為、適合建築物を最下位置を基点に一律で作成する事は高さ制限に適合する為、問題ない。問題は算定位置のみ。

 

解析すると

 

 どうやら中央部がNGの様だ。

ながくなった次回にしよう。

次回は問題の解決方法から申請図の作成手順まで順々に解説していきたい。次回までお元気で!

 

 

比嘉ブログ

 

 

 


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