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行き止まり道路と令132条

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7月30日土曜日。7月も明日で終わり関東地方は梅雨明け宣言とともに真夏がやってきた。

本日は朝8時からTVの前でイチローの応援。残念ながらヒットは無かったが今だ健在レーザービームでホームタッチアウト。なにか魅せてくれるイチローの野球は楽しい。

 途中でブログネタを書きながらの観戦になった。今週も報告したい内容が盛りだくさん。
まずは昨日のTP-PLANNERユーザー会東京開催の様子から
会場は青山にある第一法規様会議室を利用させて頂いた。まずはこの眺め

神宮外苑が一望で反対の窓には六本木ヒルズが

眺めがよすぎるので発表中はブラインドをおろして頂いた。まずは比嘉から始めた

 天空率施行からの審査方式の変遷からはじまり関東地域の行政のJCBA方式および「一の隣地」の対応状況のリサーチ報告から。適用事例集効果かJCBA方式が審査の基本とするところがほとんどとなっている。「一の隣地方式」に対する理解度も前回のリサーチから大きく向上し認知度が確実に上昇している事を報告した。

 次はサポートセンター部家(へや)から新天空率エンジン(T-Space)基本操作法を解説。

その後、休憩終了後には第一法規株式会社様から提供いただいた「建築法規PRO2016」を抽選で3名の方に引き当てて頂いた。女性の方が3名、大阪会同様女性の方へ・・・。

そして後半は森本が天空光の解説と天空光実践操作解説。天空率と再開発地区運用基準で適用可能な天空光の違いを理解して頂いた。

 そして鈴木は企画段階の情報モデル、建築確認のための情報モデルと検定制度を解説しTP-PLANNERがIFC検定に合格した事を報告した。TP-Rlinkを使ってREVITとTP-PLANNERのBIM連動を実践解説。BIMの醍醐味をご理解頂いた。

最後に部家が、サポートセンターに寄せられるQAから申請資料の確認法を解説。

長時間のお付き合いありがとうございました。お疲れさまでした。


さて今週は火曜日から企業ユーザーの新人研修が朝9時半から午後5じまで3日続いたその様子をお伝えしたい。講座が進むにつれ各人の顔つきが変わる様子がわかる。
まずは火曜日

形態制限の入り口、日影規制、斜線規制を理論、実践を繰り返しやっと終了ホットした表情。時刻日影を見ただけでNG箇所が分かる様になり逆日影チャートが使える。

この日は天空率講座をこなしプランニングを行いながら昨日の日影規制に加え天空率をかわす方法を実践解説。だんだん表情がしまり自信が芽生えている事が伺える。

そして最終日は最後に仕上げたBIMモデル構造パースを背景に皆いっぱしの顔つきになってきた。イイゾ!。あとは実践でガンバレ!今週も最終日はちょっとさみしいカナ。



天空率講座を開始したい。
今週のテーマは、「行き止まり道路と令132条」と題して解説したい。
今週新人研修の講座、最終日で行き止まり道路部分が詳細の解説ができなかったので補講として解説したい。

講座で解説したのが

この3方向道路は、比嘉ブログでも

3方向道路132条とNGの解決法1

の回で詳細解説した昨年の11月だ。まずはこの回の復習をお勧めしたい。


その講座の終了間際に上図を行き止まり道路にアレンジし解説したが時間切れで別途レポート解説すると約束したのが下図の例。さらに東側に7m道路も追加した。



西側道路が11.5mの行き止まり道路北側に屈曲した8m道路があり東側に7mの行き止まり道路がある、行き止まり道路の限りをつくした変則3方向道路。


本日は入力方法から天空率計算までの流れをを解説したい。

まずは西側最大幅員11.5m道路の入力は「入力」「敷地」から


行き止まり道路の場合は、道路幅11.5mを入力後、「行き止まり部分」の設定を行い「現在の値適用」で確定する。その事でこの道路境界線に平行な11.5mの位置にみなしの道路反対側の位置が確定する。


 次に北側屈曲8m道路側は

道路境界線にはベクトル表示される様に「始点」「終点」があるこの場合は「終点側行き止まり」の情報を付加する。となりの屈曲した道路8mとの関係は道路中心線が120度を超えると自動判断され「一の道路」で設定される。

 東側7m道路の場合は始点側が行き止まりだ。

 その他用途地域では「商業地域」の設定

本例は商業地域。「用途地域自動設定」で用途地域のエリアが自動配置される。

 この場合建物入力は終了している。「図法」「断面図」道路斜線断面を確認しよう。まずは西側11.5m最大幅員側に面した部分「設定」ボタンをクリック後、道路境界線をクリックし発生した断面位置を移動し(ドラッグではなくマウスの位置を移動する)再度クリックで断面図が表示される。


NGである事を確認。尚この場合断面図と重ねて表示しているのは解説の都合で図面レイアウトと重ね表示するテクニックを駆使。

北側屈曲道路8m側は

この場合、最大幅員11.5mの境界線からから2倍以内の範囲ゆえ最大幅員が適用されているがNGだ。

 次に最大幅員から2倍を超えた区域は

8m道路中心10m部が大きくNG、それを超えた45m高部は適用距離を超える為問題なし。

最後に7m道路側の断面は

このエリア道路中心10mの区域は8m道路の2倍の範囲内にあり8m道路が適用されるが大きくNG。それを超えた区域は最大幅員11.5mが適用されるが適用距離内にある45m建築物が大きくNGとなる。

 高さ制限NGゆえ天空率計算を行うわけだがまず高さ制限適合建築物および算定基準線を設定発生させる必要がある。

 今回は「入力」「新天空率」のメニューで実行するとする。

新天空率ダイアログボックスでは、道路境界線が敷地形状で正確に入力できない場合左側にある「新天空率」のボタンをクリックするがこの場合の道路境界線情報は敷地に接する境界側の情報で確定する為、自動発生の「道路境界」をクリックするだけ。

 するとさんざん解説した令132条の区分により区域区分されそれぞれ算定基準線が自動発生する。なにはともあれ解析して結果を確認する場合は「計算モード」に移動後、「計算」「天空率」で解析すると

 

どうやらNGの様だ。以上が入力から解析までの流れ。長くなった本日はここまでにしよう。次回はそれぞれの区域を令第132条の条文に照らして確認していきたい。

 では次回までお元気で!

比嘉ブログ



行き止まり道路と令132条 2

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8月6日土曜日
リオオリンピックが開幕した。オリンピックファンの比嘉としてはロンドンから4年・・・長かったという感じだが財政難、治安、ジカ熱といろいろ騒がれたが無事開幕してくれてやれやれが正直な感想。

しかしなにもそこまで派手に花火をあげなくてもと他国の事ながら心配になってくる。

東京は原点回帰で1964年東京同様地味にささやかな開幕式にしてほしいものだ。


 本日8月6日は広島原爆投下の日。松井市長の切々とした話しぶりに核全面廃絶の思いが伝わり感動した。長崎の田上市長にも同様の感想を毎年思う。長崎は8月9日。

 昨日のサッカー、ナイジェリア戦には若干がっかりした・・がめげている場合ではない。次のコロンビア戦必勝できびしい戦いだ。なんとか比嘉の希望をつなけてほしい。お願いします。

 イチロー本日も足踏み。残念だが待つこととする。明日かな
 

これは近くの公園のミソハギ。熱い最中可憐に咲いてなごましてくれる。

 さて今晩から競技観戦の為、睡眠調整し観戦に努めたい。本日は、開幕式を横目のブログ。そんな事情も有りで今月の比嘉ブログはコンパクトに徹したい。オリンピック第一です。

 


天空率講座を開始したい。
今週も新人講習の補講として先週に引き続き最大幅員が行き止まり道路で他の道路も片側でいき止まる3方向道路の解説を行っている。





前回は、TP-PLANNERによる入力設定法から解析に至る手順を解説した。
その結果




この様に令132条で区域区分され、天空率解析結果は赤表示で示される様にNG算定位置を含む結果となった。今回はこの各区域の区分検証とクリアーする為の解決法を解説したい。

区域区分の解説の前に行き止まり道路の道路斜線の適用法を通達集から確認すると



行き止まり道路の隅部の設定法と道路幅員の設定法が解説されている。これが行き止まり道路の基本。



 そして毎度おなじみの令第132条も確認。

(二以上の前面道路がある場合)
第一三二条 建築物の前面道路が二以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の二倍以内で、かつ、三十五メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が十メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

2 前項の区域外の区域のうち、二以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の二倍(幅員が四メートル未満の前面道路にあつては、十メートルからその幅員の二分の一を減じた数値)以内で、かつ、三十五メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

3 前二項の区域外の区域については、その接する前面道路のみを前面道路とする。



まずは1項最大幅員の区域から
最大幅員の区域のみを表示すると


接道3道路にそれぞれ最大幅員11.5mが適用されている。NGは無い様だ。
まずは西側11.5mの最大幅員の区域の検証から





通達集に示す様に道路幅員11.5mの反対側の境界線はみなし道路幅員として設定され後退距離2402がその境界線の反対側から適用距離20mが適用される。上下の隅部には後退距離が円弧状に適用されさらに最大幅員の境界線から適用距離までの距離6098は円弧部の適用距離として円弧状状に適用される。アイソメ図でさらに明確に

円弧状の計画建築物が高さ制限を超えているが空地の緑部が大きい事より天空率は問題なし。



次に北側8m道路に面する部分の最大幅員11.5mの区域は


最大幅員11.5mの北側隅部から円弧状に2Aつまり最大幅員11.5mの2倍23mまででさらにその他の道路幅員8m、7mの道路幅員から10mをこえた区域に最大幅員11.5mが適用される。

この区域も最大幅員11.5mからの高さ制限を超えた部分はわずかだ。


次に東側7m道路に面する部分の最大幅員11.5mの区域は


この区域は薄く狭い区域だが最大幅員から2倍を超えている。その為、道路中心10mを超えた区域で最大幅員11.5mに後退距離1559を加算した道路反対側から適用距離20mまでが7m道路に最大幅員11.5mが適用される区域。

 算定位置は現況の道路の反対側ゆえ行き止まり端部までだが適合建築物は行き止まり部から円弧状に道路中心10mの区域6500を超えた6948までが円弧状に適用される。

幅の狭い最大幅員11.5mの区域だが計画建築物最高高45m部が含まれた為その部分が大きく高さ制限を超えたが緑部の空地の面積が大きくクリアーしている。

以上が最大幅員11.5mが適用される区域。


次に令132条2,3項によるその他の道路に面した道路中心10mまでの区域の全体から確認。

西側最大幅員11.5mから2倍23mを超えそれぞれの道路中心10mまでで区分される区域。どうやら2区域の様だ。それぞれの区域で確認したい。


まずは北側8m道路に面した道路中心10mの区域は


最大幅員11.5mの区域を超えそれぞれの道路幅員から道路中心10mの区域にある。ここでのポイントは令132条2項を確認すると

2 前項の区域外の区域のうち、二以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の二倍(*)以内で、かつ、三十五メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

東側7m道路に面した区域は「それぞれその前面道路の幅員の二倍」ゆえ8m×2=16mまで延長されるはずだが10.947mと中途半端な数値となっている。

 検証しよう。8m道路に面した区域の後退距離は1053、8m道路に後退距離を加算した位置からの適用距離20m。8m道路境界線からの距離は20-(8+1.053)=10.947mこの数値だつまり8m道路の2倍16mより適用距離20mまでの距離10,947mの方が狭い。道路斜線は適用距離を超えた部分まで適用される事は無い。その為だ。

23mの計画建築物の部分が大きく高さ制限を超え上図右側には空地がまるでない。全ての算定位置でNGである事に納得。



 次に7m道路に面した区域だ・・


・・・・と思ったがこの暑さの為、我がPCがおかしい。これより調整し残りは明日早朝観戦しながら続きとしたい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8月7日早朝
昨晩深夜よりいろいろあったがまずは講座を完成させる事に徹する。


次に7m道路に面した区域だ・・がこの場合「これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。 」より8m道路が7m道路に面した部分にも2倍16mの区域まで適用される。確認しよう。



これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。 」より8m道路が7m道路に面した部分にも2倍16mの区域までが7m道路に面した区域に適用されている。

東側8m道路に面した区域は「それぞれその前面道路の幅員の二倍」ゆえ7m×2=14mまで延長されるはずだがやはり10.441mと中途半端な数値となっている。

これも8m道路に面した区域同様に7m道路に面した区域の後退距離は1559、7m道路に後退距離を加算した位置からの適用距離20m。7m道路境界線からの距離は広い8m道路が適用され

20-(8+1.559)=10.441mこの数値だつまり7m道路の2倍14mより適用距離20mまでの距離10.441mの方が狭い。

 道路中心10mの区域の奥行の区域は適用距離を超えられないここが最大のポイントとなる。

NGの算定位置側には区域が8m道路から2倍で区分された為その前面に空地が無くNGになった事がわかる。

 さて以上が令132条2項の区域となる。

問題は3項の
3 前二項の区域外の区域については、その接する前面道路のみを前面道路とする。
行き止まり道路の考え方から2項による8m道路の2倍を超えた部分は

いき止まり道路の通達集に順ずると道路中心線までの距離3.5mを10mから差し引きした6.5mの円弧の部分が存在する事になる。が「その接する前面道路のみを前面道路とする 」接する前面道路が無い為にこの区域は無しと判断した。その区域が存在するとした場合、算定位置をどこまで延長するか審査側と協議する必要がある。

 算定位置を規定する施行令は

第一三五条の九 法第五十六条第七項第一号の政令で定める位置は、前面道路の路面の中心の高さにある次に掲げる位置とする。
一 当該建築物の敷地(道路高さ制限が適用される範囲内の部分に限る。)の前面道路に面する部分の両端から最も近い当該前面道路の反対側の境界線上の位置

前面道路に面する部分の両端の判断がこの場合困難だ。

思わず長くなってしまった。オリンピック応援だ。NG算定位置の解決法そして隣地天空率も解析してみたい。このシリーズ次週も続くとしたい。

 では皆さん睡眠不足にならない程度に応援しましょう・・・hi
次回までお元気で!


比嘉ブログ


行き止まり道路と令132条 3 逆天空率

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8月13日土曜日、今週はいろいろ語りたい事がある。まずは、夏休みらしくこの一枚から

 先週夏休みを先取りし猛暑の東京から脱出していた。そしてひたすらイチローの3000本安打を山で待ち続けてきた。が・・何のことはない東京に戻った8日早朝とうとうやってくれた。イチローらしい3塁打。(最もイチローならジャンプ一番キャッチしていたかもしれないきわどい当たりだったが)オリンピック中継が始まり関心がそこに移る前の記録達成はさすがだ。そして本日も代打で登場ながら右翼線2塁打。4000本が待ち遠しい。

 

 これは、女神湖の近くにあるカレーのおいしい喫茶店その店主が教えてくれたこの花は「ヤナギラン」。

 東京に戻った3日間は会社全体夏休み前のご奉公。その事は後でお伝えするとして今週はなんといってもオリンピック。体内時計はすでにブラジルで何時に寝付いても早朝4時には目が覚める。慢性の寝不足状態だが今回の日本人選手の活躍はすばらしい。


 まずは、男子体操日本復活の金。これは比較的安心モードだったが個人総合の大逆転金には感動の極致。ウクライナのオレグ・ベルニャエフが素晴らしいできで終盤には比嘉もあきらめモードで内村が負けた際にいかに自分を納得させ気持ちを落ち着かせるかを考え始めていたのだが・・・とんでもない最終の鉄棒を完璧な演技で大逆転。
 ベルニャエフが劣悪な環境下でどれだけスポーツマンシップにあふれ内村をリスペクトしてきた素晴らし選手であるかは皆が知っている事ゆえ言わずもがな。

 水泳日本も素晴らしかった。萩野公介の活躍だけでなく全体の底上げがすばらしい。若手の活躍は東京への期待を高めてくれた。

 そして柔道だ。柔道はこれまでそのルールにより演技力がある選手が勝ってきた感があ、柔道と、別物を見る思いがあった。
 が今回からルール改正でだいぶ柔道らしくなった。オリンピック競技ではめずらしく柔道マナーを徹底する事もすばらしく日本発の競技らしくなった。これまた東京は期待がもてる。一つだけ不満を言うと金メダル奪取を選手に強いている感じが頂けない・・3位立派じやないかもっと喜んでほしい。こちらまで喜んではいけない感じになる。ともに喜んではじけたい。

 そしてこれはまだ最中だが本日の錦織・・・素晴らしい!。フランスのモンフィス戦の事だが。これも内村同様、負けを覚悟した・・・「・・その分早く休んでレギュラーツアーで勝ち続けてランクアップしてほしい・・・東京オリンピックの金でいいじゃないか・・・ブツブツブツ」
 が見事な逆転。・・・・・そんなアスリートに私ももなりたかった。感動してナンモイエナイ。

これは「フジクロセンノウ」らしい。やはり高山植物。


 今週の講座から月曜日はこの3人の皆さんが来社された。

導入直後だが実案件を題材に道路天空率、隣地天空率を検証確認した。ヘビーユーザーへの道間違いなし。

そして夏休み前の水曜日は鈴木とともに出前講習


長いお付き合いのこの会社ではTP-PLANNERの達人が多く。質疑応答が真剣勝負となり楽しい。Ver16の内容とBIM連携をじっくり確認して頂いた。


さて夏休みだが軽く天空率講座を行いたい。
新人研修の補講シリーズで下図の行き止まりの3方向道路の検証を行っている。


前回は、自動発生した区分区域の検証を行った。その中でNGになる区域が道路中心10mの2区域。


今回は、それらのNGの原因を確認し解決してみたい。

 この場合8m道路側のNGがクリアーされれば7m道路側もクリアーされると思われる。
「図法」「天空率算定チャート図」で8m道路に面した算定位置でNG差分が最大のP29の算定位置を指定しアイソメ図で高さ制限適合建築物と計画建築物を比較すると

 

8m道路に面した部分で大きく高さ制限を超えている。その分に相当する空地がほとんど無い事が分かる。さらに天空図の比較図で確認すると

「図法」「天空率比較図」で「重ね表示」でNO29の算定位置を指定すると


魚眼レンズに投影された左右の緑部が空地それに対して高さ制限を超えた計画建築物が大きい事が容易に確認される。逆天空率で北西側の隅部の計画建築物をカットしてみたい。
「計算」「天空率チャート」で行う。

北西部の隅部を赤線で示すカット幅で計画建築物を「建物切断」でカットすると

 

解析すると

まだNG部が残る屈曲した道路の場合はあくまで指定した算定位置をクリアーする事を目的とする為に1回の逆天空率ですべてクリアーする事はむつかしい。


 指定した8m道路側算定位置と中央部さらに7m道路側に面した区域はすべてクリアーした。残るは3算定位置。同様に左端部の算定位置P31でさらにカットすると

カット幅により建築物の変形度が大きくなる。

 今回はこの当初のカットされた角度を参考に壁面位置を平行にカットする事により解決してみたい。この手法はトライアンドエラーを繰り返しながらクリアーする手法だが最初のカット幅の1/4程度のカット位置から計画建築物に水平にカットする事で始める事をお勧めしたい。

つまり

上図壁面位置の線分で元の建築物をカットしてみる。


この条件で高さ制限適合建築物を発生し解析してみると

左端で若干NGになるがこの若干NGになるところが壁面位置として最適地に近づいた事を意味する。その若干NG部はわずかだが再度逆天率チャートでカットし再計算すると

どうやら変形度も当初の計画建築物同様にわずかにカットされただけでおさまった様だ。


 本日は夏休みゆえここまでとしよう。夏休みをお楽しみ下さい!



比嘉ブログ






行き止まり道路と隣地天空率

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8月20日 外は、久々の大雨。
今週は月曜日、旧暦7月13日ご先祖の霊をお迎えの為(ウンケー)沖縄にでかけた。ご先祖様をおもてなし後旧暦7月15日無事送り届け(ウウクイ)後木曜日に帰京。全国的にメジャーになったエイサーはそのウウクイの日に華やかにご先祖をお送りするイベント。

東京でも熱帯化しこの時期、暑さは沖縄も東京もほとんど変わらない。しかしこの海の碧さよ・・・。


 今朝も早朝からのオリンピック観戦。さすがに2週目の本日、慢性の寝不足感がある。が今朝もシンクロ、レスリング男子、競歩50KMそして男子400mリレー。
 思えば体操の内村の大逆転から始まり今回は逆転勝ちが多く勝負強い。

 今回のメダル数は金メダルこそ東京、アテネの16個に届かない12個(土曜日現在)だがメダル総数では過去最多のロンドン大会の38個を超えて41個。連日力が入るわけだ。
 

 日本選手の勝負どころで委縮する事ないのびのびとした闘いぶりがたのもしい。卓球の伊藤 美誠、女子レスリングの若手メダリスト・・・・・その他多数・・日本人もたくましく進化している様だ。
 ところで50Km競歩の銅メダルは日本の陸上競技に希望を与えてくれた。かつてのお家芸マラソンはアフリカ勢の2位時間4分台の時代ではもはや手が届きそうもない。・・が競歩は根性、技術の日本人に向いている感じがした。東京オリンピックに向け強化の為に箱根往復競歩駅伝大会を提案したい。

 そしてなんといっても本日の男子400mリレーは凄かった。ボルトのいるジャマイカと0.33秒差は東京では金を期待してもバチはあたるまい。

 これは沖縄の高速道路の脇、公園の庭などに多くみられる花で「アラマンダ」別名「オオバナアリアケカズラ」熱帯地方が原産らしい。子供の頃はあまり見なかった思いがあり名前をたずねど当方のまわりではいい加減な回答ばかり。ホテルで聞いたら「ハイビスカスの黄色い種類」などと言われてこれゃだめだと例のGooGLE画像検索で確認。スッキリした。アラマンダより和風の「ありあけかずら」と呼ぶ事にする。



天空率講座を開始したい。この3週程



 新人研修で使用したこの事例で道路天空率を解説してきた。行き止まり道路が3方に接道する場合の道路天空率からNGに対する対処として逆天空率の手法を解説した。

 今回は隣地天空率を解説したい。まずは隣地斜線のチェックから

まずは隣地斜線の断面図を確認してみよう「図法」「断面図」でダイアログが「道路、隣地」にチェックマークがついている事を確認後「設定ボタン」をクリックし任意の隣地境界線をクリックする。まずは東側の隣地境界線の南面をクリックし南北方向の隣地斜線は


NGとなる。この場合、道路天空率の為低層におさえられた23m高のブロックの部分は31mの可能高に対して空地と同様に考えられNGに対する空地は十分だ。

 やはり東側の入隅を構成する隣地境界線は

NG断面は同程度だが南側には約4.5mの空地がありやはりその分で十分天空率はsクリアーする事が想定される。

 最後に南北方向の断面を確認すると


さて隣地天空率を行う場合、JCBA方式の隣地の天空率の考え方を確認しておきたい。
現状の隣地天空率計算は「適用事例集」でも詳細が記載されておらずJCBA天空率分科会によるレポート参照する必要がある。「天空率の運用と検討について」
を参照するとP104 に隣地天空率計算を行う手法として

おむね隣地の境界点間事に隣地天空率を比較する「敷地区分方式」と道路以外の連続した隣地境界線をひとまとめに天空率比較する「一の隣地方式」がある。

 「敷地区分方式」はその隣地境界線の部分が出隅、入隅により設定法が異なる。残念ながら詳細の解説をされたものはないが慣習的に以下の方法による。
出隅に面した部分は

➊ 出隅に面した部分の適合建築物は、法第56 条第7 項第二号の政令で定める基準線に垂直方
向に適合建築物を作成する。その際他の隣地境界線からの高さ制限は考慮しない。
❷ 出隅、入り隅の判断は当該隣地境界点間で確定する。

入隅部は

❸入隅に面した部分の適合建築物は当該の隣地境界線に垂直に区分される部分と入り隅角の半
分の部分までを一体の区域とする。
❹入隅部を有する隣地境の他の端部が出隅の場合は端部から垂直に区分する。

敷地区分方式では境界点間で比較される為上記解説の敷地では4隣地境界がありその分天空率比較を行う。


一方「一の隣地方式」では


➊後退距離は、一の隣地境界線で近接する幅を最大としその間の任意の値を採用する。
❷ 連続した一の隣地境界線の隣地高さ制限適合建築物は全ての隣地境界線からの隣地高さ制限に適合する寄せ棟状に作成する。
❸隣地斜線に対して天空率を適用する場合の算定点を設定する基準線は、法第56条第7項第2号「隣地境界線からの水平距離が、~だけ外側の線上の政令で定める位置」に則して設定される。「屈曲した隣地境界線を一の隣地境界線」としてこの法文を適用すると、円弧部分も基準線と考えるべきである。(日影規制の測定線と同様の法文の記述)
❹連続した一の隣地境界線が入り隅状でさらに境界点間が狭い場合など面する位置に基準線を配置する事が困難な場合、隣合う道路境界線端部に垂直な位置まで延長する。

以上は講座で用いた手法だ。この解説例ではまさに隣地境界線は敷地区分方式が4に対して1になる。

 では今回の例題に戻ろう。適合建築物の作成および基準線の自動発生は「入力」「新天空率算定領域」で行う。

まずは敷地区分方式は
ダイアログで「敷地区分方式」をクリックすると

この例では境界線が8ゆえ8区域、8基準線が発生する。境界線ごとに形状を確認するには画面右側の「天空率表示」をクリックし境界毎に確認する事が可能だが今回は一気に解析する。「入力」「計算モードへ」から「計算」「天空率」で表示したダイアログボックス内で「均等発生」で算定位置を自動発生後、「計算開始」で天空率計算を実行する。

結果は

区域ごとに対数グラフで近接する算定位置を表示した天空率計算結果は全て青表示のクリアーである事がわかる。この解析結果は確認申請時に三斜求積による差分がクリアーする様に差分が確保されている。

 代表的区域をピックアップし検証してみる。
まずは東側入り隅部から

まず面した隣地境界線に片流れに加えて入り隅角の半分までが区域として区分される。

出隅部は

出隅部の境界線に基準線から垂直に区分する。この例では空地が殆どないがアイソメ図でわかる様に高さ制限内におさまっている為、天空率でもクリアーしているだけだ。ついでだが同様に隅部は


境界線の幅での比較となる為にこの様に狭い境界点間の場合、敷地内の空地が考慮されない。この例では高さ制限を超えてない為にクリアーしており、「敷地内の空地の分高さ制限を超える事ができる。」天空率計算の基本的な考え方に対して反する事がわかる。

 この様な問題を解決する為の仕様が「一の隣地方式」だこの場合は道路で区分された北西部と南部2の区域が発生する。

区域ごとに解析結果とアイソメで確認すると

南部は


道路で区分された北西部も南側の境界戦の端部から円弧状に高さ制限がある為にすり鉢状に適合建築物が作成される。後退距離は最も近接する東側入り隅部の値が適用される。その分安全側といえる。

 残る区域の北西部は



この場合北西部の円弧状の建築物は30mゆえ高さ制限は商業地域ゆえ31mからになる。後退距離の位置に着目。この区域は全て高さ制限内にある。
以上が一の隣地方式。「一の隣地方式」事前にその利用の可否を審査側に確認する事が肝要。

以上で隣地天空率の補足解説も無事終了。あとは配属された部所で戦力になれる様頑張れ!応援します。


比嘉ブログ







REVITで企画設計を行う手法TP-Rlinkの話

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8月27日土曜日8月も残りわずか・・・・相変わらずの暑い毎日・・迷走台風10号はどこへ向かうのやら・・。今週は吉田タクロー祭りの後のさみしさ状態。相変わらず朝の挨拶はボンジーヤ。と呑気な事を言ってられない・・。9月1日ワールドカップサッカーアジア最終予選、そしてリオパラリンピックは9月8日開幕、オリンピックの勢いそのままに活躍が期待できる。得に復活した競泳成田真由美選手には期待している。車いすテニスの国枝慎吾、上地結衣、陸上に柔道・・・みのがせない・・・また体内時計が早起きのブラジルタイムにシフトされる。

 9月はセミナーのイベントも多くこちらも闘いだ。

 

 

この花は、会社玄関脇に咲くプルンバーゴ・インペリアルブルー。昨年も比嘉ブログに登場してもらったが昨日の強烈な日差しの中、ヘロヘロになり会社到着すると玄関でキラキラ輝き元気を与えてくれた。南アフリカ原産。

 

 まず今週の報告から今週は個人講習2回目の天空率講座

 

斜線規制の始まりから天空率審査の変遷を確認しながらつい時間オーバー。お疲れさまでした。

 

 今週は9月に多く開催されるBIMメーカーとのジョイントセミナー用資料作りに追われた。パネルパンフを作成しなければならない。実はこの仕事が楽しいい。企画設計の流れにそったBIM連携の手順を考え、各社BIMソフトとの連携を確認する。

 

 まだ途中だがとりあえずの流れができた。今週の講座はTP-PLANNERをBIMソフトとして利用する手法を解説したい。もとよりTP-PLANNERは企画BIMの登録商標を取得しておりBIM

(建築設計)最上流のBIM構築が可能なソフトとしての位置づけにある。

 

 

 今回は、オートデスク社のREVITTP-PLANNERがシームレスに連携するTP-Rlinkリリースされた事よりREVITの連携を解説したい。

 

 REVITは特に生産設計において有力なソフトとしてゼネコン中心に広く利用されている。今回は企画BIM TP-PLANNERとの連携により企画設計においても有効に機能する事を紹介したい。

 

 始まりはREVIT、TP-PLANNERいずれから開始しても問題ない。

今回の例題は

 

 

用途地域は路線から30mまでの西側が準住居で容積率300%日影規制が4/2.5 東京3種高度、東側が一種住居で容積率200%で日影規制が3/2規制、東京2種高度の形態制限が厳しく発散規制ラインおよび天空率を利用しないと厳しい。さらに北東側の地盤が5m高く日影の 受 影面の緩和として利用したい。

 

 解説開始!

 

 今回は上記エスキスを参考にREVITで建築物がすでに作成されている状態から開始する。

 

 

TP-PLANNERでは、事前にプロジェクトメニューで、物件枠のプロジェクトのみを登録しておくこれがリンクするプロジェクト枠となる。

 

 REVITのデータがTP-PLANNERで利用される為にデータ領域の共通化を行う。この事を紐づけなどとも称する。

 

 

 REVIT内にあるTP-PLANNERメニューの環境設定で事前に登録したプロジェクトを指定する。この事によりこれからREVIT内で行う形態制限の解析がすべてTP-PLANNERの高速エンジンで実行される。

 

 まず最初は、方位、敷地形状、用途地域などの土地情報をREVIT内のTP-PLANNERメニューから「斜線・日影」をクリックすると画面はTP-PLANNERに切り替わり通常どおりの詳細な土地情報を入力する。その際、基礎情報はREVITで入力したエスキスを利用する事で座標が共通化される。

 

 

 行き止まり道路、屈曲道路、発散規制ラインの指定などを行う。今回は2週住居地域の北側の道路反対側の地盤が5m高い為、「近隣地盤」の入力も行う。TP-PLANNERの土地情報の情報量は一般社団法人IAI日本が実施する「IFC出力検定(建築確認モデルビュー定義2015)」に唯一合格しておりそれらの情報はTP-PLANNERで保持される。

入力終了するとREVIT画面に切り替わる。

 

 

 REVITでは、早速、日影規制のチェックから行う。REVIT内のメニューから時刻日影、等時間日影、指定点日影を指定し一気に日影の解析を行うと

 

 

 西側の変形道路内に2時間半の等時間線が発生したが発散規制ラインでクリアーしている。ただし北側で数ポイントNGがある様だ拡大して確認すると

 

 

 

このNG部が2:30時間規制に対し2:31分、2時間規制に対して2時間3分わずかだがオーバーしている。まずは左側の指定点赤表示のNG位置をチャートで原因を確認してみると

 

どうやら高層部の幅がわずかに広い様だ拡大しチャートのカット幅と建物幅の環礁チェックしてみると

 

このとおりでどうやら幅を狭める必要様がある。

 

左側のNG部も確認しよう

 

 

この原因は階段室の庇が太陽高度を超えている様だ。

 

 場所は特定できた。この様にREVITがTP-PLANNERの様に機能するのが TP-Rlink

ここまで原因が特定できればREVITの機能で形状を収めるべく変更す。

 

 今回はNG手順が前後する感もあるが逆日影、逆斜線も強力だ逆日影計算を行うとそのNG箇所がさらに明確になる。

 

高層幅の部分が若干飛び出ている。階段上部では太陽高度からわずかに上側にでている事がわかる。詳細は後ほど等高線で表示したい。

 

ブロック図ではさらに可能空間を建物イメージとし重ねて確認される。

階段室が上がらなくなる為その部分は7階まで。(メゾネットなら可能である事もわかる)

 

 

ブロック図と建築物の環礁チェックは分かり良い。

 

等高線は

 

 

紺色で示される高層幅の右側がオーバーする事、階段ひさしがわずかに抵触する。

アイソメ図と重ねた立体表示の等高線

 

斜線規制も確認しよう現況建物の後退距離を考慮した鳥かご図では赤表示される。

 

 東、南側道路に面した道路中心10mの区域で斜線規制を超えている。南西側隣地斜線もNGの様だ。天空率計算の必要有。その前に鳥かご図を逆日影結果と複合すると

 

 

さて天空率計算だ。

道路天空率はREVITのTP-PLANNERメニューから「道路」をクリックすると難解な132条を解釈し適合建築物、算定位置を自動発生し解析してくれる結果は

 

 

行き止まり道路では道路中心およびおよび最大幅員10mが円弧状に区分されているが7m道路側で3と4m道路側で1のNG。

 

 念の為確認だがこれらの操作画面はすべてREVIT内のTP-PLANNERメニューで実行される。

 

 

 REVITメニューから「天空率」ボタンでTP-PLANNERに移動し天空率で逆天空率などで解決する事も可能でシームレスな操作体系が実現されている。BIMの醍醐味をぜひ味わって頂きたい。

 

 さて今回はREVITで建築物を作成を開始した、工場あるいは東京オリンピックを控えての公共建築などはこの手順が順当だと思われる。ただし共同住宅などビルディングタイプはやはりTP-PLANNERから始める事が効率的だ。次回はその手法を解説したい。

 

 9月になると多少暑さも和らぐ・・カナ。今しばらくの頑張りです。次回までお元気で!

 

 

 

比嘉ブログ

 

 

 

 

 

 

 

REVITで企画設計を行う手法TP-Rlinkの話 2

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2016年9月3日土曜日

今年も早・・9月突入。

これは先週日曜、会社のある高田馬場のおみこしが数基担がれていてにぎやか・・・これで夏も終わりかな?

 

今週もいろいろありました。

 迷走台風は東北、北海道直撃で甚大な被害を与えた様だ。

これまで台風といえば沖縄、発生地点もフィリピン沖が常識だったのが八丈島あたりでの発生など異常気象はなはだしい。沖縄は台風がこない為、海水温が上昇しサンゴが白化する現象が起きている様で心配だ。

 心配といえば2020年の東京オリンピックも7月24日の開催日が決定したが暑さ対策は大丈夫だろうか?開催日は大口スポンサーのアメリカの都合らしいが運動会は秋がこれまた常識だったのだが・・・。オリンピックの日程はアスリートファーストで決めてほしい。

 

 サッカーのことにはまわりの皆もふれたがらない様なので・・・やめとこ。このスリル感がたまらないと思いたい。

 

 さて昨日はグラフィーソフト社のArchCADVer20製品発表大阪セミナーに参加してきた。

 

毎回楽しみなのが大阪のソフトベンダーの皆さんとの再会。積算のトモデータサービスさんと構造計算のユニオンシステムさんと早速当社ブース前で記念写真から始まった。

 

 この会はまじめな会で1時から6時まで発表が続く・・。

終了後のレセプションで軽くいっぱいがまた楽しみで

積算の日積サーベイさんとNTTファシリティー総研さんも加わり最後までにぎやかでした。盛り上がったのが中央の女性が広島出身でカープ優勝間違いない話題。以外と安仁屋など知っていて広島県民のカープファン教育は徹底浸透している事がわかった。もちろんBIMの話題は・・・なかったナ~。

 

来週はオートデスクユニバーシティーが週末東京品川であり当方も展示予定だ。BIMばやりの今日このごろです。

 

 さて比嘉ブログ講座でも企画BIMを解説している。先週作成したTP-Rlink内容は当方のHPで早速掲載された様だ。

 

 今週はBIMによる建物の日影規制をクリアーする方法と天空率チェックを解説する。日影は基礎的かわし方を参考にしていただきたい。講座開始!

 

先週のおさらいから始めたい。オートデスク社のRevitと当社企画BIMTP=PLANNERとの連携ソフトTP-Rlinkを利用する事により

 

 

Revitの建物データとTP-PLANNERが連携し土地情報が共有される。その結果Revit内でまるでTP-PLANNERを操作するがごとく

 

 

日影規制が解析され

 

チャートや逆日影計算

 

の解析結果との干渉確認により日影規制を収める事が可能になる。天空率においてもRevit内の天空率ボタンをクリックするだけで

 

適合建築物、算定位置が自動発生しさらに解析まで一気に行う事が可能になる事などを解説した。

 建築物をRevitマスモデルなどを利用して作成する事も良いがやはり共同住宅などビルディングタイプの計画はTP-PLANNERによるプランニングツールはさらに強力だ。今回は、日影規制をクリアーすべく作成済み建物のスパン割り変更、容積率等も意識した計画作業をTP-PLANNERで行う方法で解説したい。もちろんその結果再生成された建物形状は、再度Revitデータとして構築される。

 

 尚、これから解説するプランニング部分は、前回行った逆日影、日影、天空率の解析部分同様にRevitと双方向連携する事はできない。その為プランから建具配置、構造連携部はTP-PLANNERからRevitへの一方向となる。

 

 今回はTP-PLANNERによるプラン作成により日影規制、天空率、スパン割変更および容積率UPを行う手法までを解説したい。

 

 まずRevitでTP-PLANNERメニューから「躯体モデル」をクリックする。

 

 

 するとTP-PLANNERプランニングツールが表示される。今回はあらかじめ作成した情報を利用する為に「座標系単位読み込み」を実行する。

 

 

座標系とは、階数階高:建物回転軸等が異なる建物を座標系単位としてTP-PLANNERでは複数同時作成が可能になる。その際どの座標系を連動したいのか事前に保存した座標系を読み込む事によりRevitに転送可能な建物データが読み込まれる。

 

 日影、と天空率がNGである事は確認できたが容積率を確認すると

 

 

 法定容積率241.84%に対して現況が225.61% 利用率93.28%ながら残り459.95%が未消化となっている。土地有効活用の為には容積率の消化率は100%にかぎりなく接近したい。

 

 まず日影規制から対策すると逆日影計算を逆日影チャートで高層巾にねらいを定めて設定すると

逆日影チャートの2時間半の角度に囲われた部分が高層巾。任意に設定が可能な為右端の円個部をカットすべく設定し逆日影計算を行うと

 

 

 これは、10階の高層部の等高線と日影チャートを重ねて表示しているがいずれも高層部の右端を等高線のラインまで狭める事で解決する事を表示している。

 

 

 

この部分は階段室の庇が太陽高度を超えている事は前回解説ずみ。対策はと・・・規制ラインとの関係をながめると道路が屈曲しており階段室を左側に移動する事で解決する事がわかった。作成済みの階段室を並行移動したい。

 

 さて問題および見所はここからだ。すでにアイソメ図で確認できる様に建物は全階作成されているしかも法的属性を持つ事と住戸単位のサイズも考慮しながら日影規制をクリアーしなければならない。

 

 高層棟の幅を全体で500mm狭める事にする高層部の各住戸面積のバランスを取る為に左端Eタイプを300mm,中央部Fタイプを200mm狭める都合右端Gtypeはそのままの面積で500mm左端に移動する。もちろん上下階同時に移動する。

 

 まず、「串刺し変種指定」で全階を選択後、移動したい範囲をドラッグ指定で選択する。(部分包洛指定で行いブロック中途の指定が可能)

 

 選択マークがONの状態の境界線が移動および変形可能となる階段室およびEVは全て選択されているので変形せず移動する。左端のEタイプはFタイプとの境界壁のみがONとなっている為、変形の対象である事がわかる。Eタイプの面積は現在92.88㎡、移動モードで左方向に300mm移動すると

 

 

Eタイプが89.01㎡でF,Gタイプが左方向に300移動した事になる。Fタイプの幅を200mm同様に狭めてGタイプを200mm移動すると

 

 

Fタイプ90.3㎡が87.72㎡と変わる。これで高層巾対策は万全。日影チェックを行うと

 

 

かなりきわどい結果になった為に申請図を作成するTP-LANDで1秒単位の精度で解析すると

 


左側の幅でNG部は2時間30分の規制に対して2時間29分36秒となりクリアー

 

 右棟の7階部を左に移動し、階段室を高層棟との境界位置まで移動すると

 さらに階段室も移動し日影計算を行うと

 

 

日影計算クリアーとなる。この場合高層部は日影規制の時間幅内にあり容積調整として利用可能なエリアとなる。さらに西側の変形道路への等時間線は発散方式でクリアーしている事に着目したい!この事例では発散方式により土地の有効活用が促進される事がわかる。

 

 さて天空率だ右側7.5mの道路中心10mの区域でNGであったが建物右側部が左方向に500mm移動した為に天空率にも有効に機能すると思われる。

 

 なにはともあれ天空率計算実行!

4ポイントのNGが1に減少したができるだけ本体に影響が無き様に解決したい。

 

さて今度は天空率だ・・・おや本日も長くなった天空率のクリアーの手法と容積率追求は来週行う事とにしよう。来週までお疲れ様でした。!

 

 

比嘉ブログ

 

 

REVITで企画設計を行う手法TP-Rlinkの話 3

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9月10日土曜日

今週まずはこの一枚から

大阪のセミナーの翌日立ち寄った京都大原。まさに日本の原風景。

 

 今朝は、早朝からリオパラ、陸上に水泳、柔道を応援。バタフライ日本の小山が片手、片足のみでバタフライに挑んだがこれがまるでその様に感じさせない力泳でスピードも速い。残念ながら5位に終わったが世界のレベルも高い。陸上車いすの5000mは、スピードは勿論、駆け引きが面白い。この競技は自転車と同様で健常者との境はない。樋口は決勝進出で期待したい。柔道は組み合って始まる為、ポイント差で逃げる事なく気持ちよい戦いが続いた。パラリンピック・・・見逃せない闘いが続く。

 

 錦織の全米オープン、Wowowのみの放送ゆえ見る事ができない。結局ブログネタを書きながら、Yahoo速報で5分おきに更新しながら応援。残念ながら負けってしまったが映像をみてないだけに当方の敗戦ショックも軽減された様だ。

 連敗はいかん勝ってほしい。1点のみでは不安だナ・・・。

 

 

 これは松葉ボタン越しの稲穂。稲の香りが懐かしいいなかの田圃のにおい。久々にのんびりした。

 

 さて今週の報告は火曜日に企業研修の1回目

 

 

朝9時半から6時までびっしり。長時間にも関わらず皆元気。土地情報から逆日影、プランニングからパース面積表まで終了。

 

翌日2日は午後1時半から天空率中心に実践解説。

終了は6時40分頃。皆自信のドヤ顔でパチリ。

 

木曜日にはオートデスクユニバーシティーに展示参加している為に状況を確認に出かけた。

 

 

大勢の参加でにぎやかな会で当方のブースでもまじめに応対している事を確認。

 

いかんダルビッシュが打たれた。7回95球で交代。まだいけるのに・・・ブツブツ。明日の田中マー君に期待しよう。おやイチローの試合は?イチローには今年100安打にもうすぐ到達期待している。

 

講座開始!

 

RevitとTP-PLANNERのシームレスな連携を可能にするTP-Rlinkによる企画設計の進め方を解説している。

 

 前回は、日影規制をかわすべくプランニング済みの建物ブロックを「串刺し編集」機能で上下階を一気にスパン割りを変更する方法を解説した。さらに右側の階段室を西側に移動し太陽高度内に収めて日影規制に関してはなんとか収める事ができた。

 

 

 さらに天空率を確認すると

 

 

東側部分の建築物がスパン割り変更により全体的に西側に60mm程移動した為にNG算定位置は4から1に減少した。

 

 今回はそのNG部分をクリアーする事から始める。

逆天空率など詳細に天空率をクリアーしたい場合天空率のエキスパートツール、SKY移動し行う。

 

 

 これは、日影規制、天空率の申請図を作成する場合の同様で「ファイル」「エクスポート」「TP-LAND/SKY転送」で行う。TP-SKYを起動し「ファイル」「TP-専用データ転送」から「TP-LIGHT建物インポート」を行いまず解析を行うと申請図のレベルで上図と同様にNG表示される。

 

 

 

NG区域のみを確認し検証すると

 

 

施行令第132条2項の区域で道路中心10mの区域で上側9m道路から2倍を超えた7.5m道路に面した区域である事が確認されるが敷地内空地は4m道路に面した部分となる。

 

 アイソメ図で確認すると

 

 

NG算定位置の正面部分が道路高さ制限を大きく超えている事がわかる。天空図を重ねてどの程度NGであるかを確認すると

 

 

破線で示した4m道路側の部分を逆天空率チャートでカットすると

 

 

右下角部(4画赤破線部)が大きく斜にカットされた。

さてその様にカットすると構造的に不都合がある。そもそも採光を考慮した為に段差状の専有室にした為に構造連携で柱割りを確認すると

 

 

右端の通り軸を考えると右下部を斜にカットするのは厳しい

 

 

 この様に右下隅部の柱位置は上下の通り軸を考慮したい。そこで右端のブロック全体をさらに左側に600移動する事により、後退距離を有利にし天空率をクリアーしたい。

 

 

赤表示された壁面位置を串刺し編集で西側に600移動し天空率計算を行うと

 

 

見事にクリアーした。

 

 さてスパン割りを上下階で狭めた為に容積率がかなり低下したと思われる。容積率を確認すると

 

 

 628㎡が未消化となっている。

日影規制の高層可能幅の専有の面積を確認すると(専有部を選択後「数」ボタンで確認)

 254.43㎡より高層部を11階から14階に3層加し北東部の1階部を駐車場に変えさらにスパン調整を行う。

 

残り可能面積0.41㎡、利用率99%。OK

 

念の為、日影チェックを行うと

 

高層幅ゆえ問題無し。高層部をあげた分隣地斜線がさらに厳しくなった

 

 

この通りだ。この敷地は地盤面が設計GLから2.5m上がっているが9階からNGだ。

隣地天空率の解析ボタンをクリックする。今回は「一の隣地方式」

 

 

問題なし。これでプラン確定!

 

・・・・と思い例題とはいえ条件を確認すると・・・あろう事か東京3種高度の対象地域である事を確認・・。マズイ!

 

 チェックするまでもないが

 

 

  逆斜線等高線および斜線断面図で確認すると 左下隅部がNG、さらに9m道路を起点とする高度斜線で12階以上は不可能である事がわかる。それで前回は11階どまりとしていたわけだ。

 

・・・・ いささか調子よい話だが 比嘉ブログ的には高度斜線を無視すると大変な事になるとの警告いましめとして受け止めて頂きたい。今回は北に面した道路が変形した3方向道路ゆえ高度斜線には注意を要する。この事の設定方法は解説に値する。 次回解説するとして今回は高度斜線は、無かった事として解説を進めたい。

 

 日影、天空率、そして容積率を可能範囲まで同時進行でクリアーできた。・・としょう。

さらにExcelマクロで面積表も同時進行で作成される。

 

 

今回は、Revit部が登場しなかったが次回はさらに構造連携により躯体を発生し建具配置を行うとRevit建物が作成される事を確認したい。もちろん特殊な高度斜線の起点の入力方法も解説したい。次回までお元気で!。

 

比嘉ブログ

Revitで企画設計:高度斜線 TP-Rlink 4

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9月17日土曜日 曇り

 

 本日から3連休。

今週、東京では曇りと雨のぐずついた天気。秋の長雨か?いよいよ夏も終わりかなと公園を散策すると

芙蓉の花が・・・

たしか・・さだまさしが「追伸」で

「撫子の花が咲きました。芙蓉の花は枯れたけどあなたがとても無口になった秋・・・」と歌っていたナ。芙蓉が満開に咲いているという事はまだ夏は続くのかナ。

夏は終わりかけるともったいない感じがする。ちょっと喜んだりして。

 

 今週も早朝からボンジーヤ。なんといっても本日ラスト水泳の木村敬一選手。メダル4個の力泳今朝の200mメドレに至るまでの全力力泳は「ナンモイエネ・・」。感動の極み。

 今回よりパラリンピック放送枠が拡大された事、比嘉が朝型人間である事が合わさりじっくり観戦できている。それぞれオリンピックゲームと異なるルール枠の中でレベルの高い競技力、ボッチャ、ラグビーもちろんテニスなどチームゲームの駆け引き、頭脳戦はルールがわかってくるとオリンピック同様・・面白い。今さらだがスポーツ観戦おたくの比嘉としては、4年ごとの観戦の楽しみが増えた事を喜んでいる。かつて日本はパラリンピックでは金メダル大国だったが他国の競技力が急激に上がっている事に危機感も覚えた。オリンピック同様に国をあげて強化して頂きたい。・・・・・金メダルがほしい!思わず本音が・・。

 

・・・大相撲が始まった・・・やめておこう。早く講座をすまして遊びにでかけるとしよう。

 

 

 今週の活動報告から

今週月曜日はまず3回講習の最終日で来社されたTPユーザー個人教授から

 

 

最終日ゆえすべての疑問点を確認する事を行った。屈曲した路線からの用途堺を効率的に作成し複数用途を設定する方法。2項道路の設定の為の道路中心から2m幅で敷地形状を効率的に切断設定する方法などかなり実践的内容となった。このテクニックは比嘉ブログでも解説する事にしたい。

 

木曜日は、日影基礎講座。日程が通常の火曜日から変更になった事もあり参加者は1名。

 

 

 計画系の情報収集、そしてリハビリを兼ねて再学習との事。この様な状況(どの様な?)では、力がはいった講座になる。手計算で逆日影を行う方法から逆日影チャートを使った効率的に日影規制による可能空間の算出方法をじっくり解説した。

 比嘉ブログは天空率の情報で利用される方が多いと思われるが以外と「日影規制の話」の回から始まるシリーズが繰り返しクリックされている参照して頂きたい。ぜひ本講座にも参加あれ!

 

 次回は天空率での参加おまちしております!。

 

 

 TP-RlinkでRevitとTP-PLANNERを連携し企画設計を行う解説も4回目となった。前回、日影規制および天空率をかわす為に作成済みのプランデータを「串刺し編集機能」によりスパン長変更、および右棟屋の移動などを行なった。

 さらに低下した容積率をUPする為に高層部を11階から14階に拡張し容積率は利用率99%まで上昇した。残り可能面積はわずかに0.41㎡。

その結果の日影規制は

 

問題なくクリアーした。高層幅には無限の高さが可能になる。(容積率制限内だが)

しかし西側入隅隣地斜線が大きくNG

 

隣地天空率でチェックを行うと

 

問題なくクリアーしている。

 

 

 

この場合、そもそも南側高層部に面した部分が隣地境界ゆえ採光斜線を考慮しなければならない。

採光斜線断面を表示してみると

 

 

住居系ゆえ有効採光距離7mを確保している。有効採光距離による空地は隣地天空率に有効に機能する。

 

隣地天空率は、敷地区分方式でもチェックしてみるが

 

 

この方式でも問題無し。クリアーしている事がわかる。

 

 問題は、高度斜線がNGである事。高度斜線は条例ゆえ天空率による適用除外の対象にならない。今回は高度斜線の起点位置、敷地の北面の道路の反対側の形状が変則的な3方向道路になっており単に敷地境界情報では高度斜線の起点位置は、特定されない。

 

 今回はこの様な場合の入力方法を解説したい。その結果はRevitにもそのまま反映される為にその連携状況も解説したい。

 

 

 

赤表示が高度斜線の起点位置となる。比嘉ブログではかつて「ロータリー交差点:高度斜線の入力法」

でも解説した。確認して頂きたい。

 

 まずは、Revit内のTP-PLANNER連携メニューから「斜線・日影」をクリックすると

 

 

TP-PLANNERの入力画面に切り替わる。TP-PLANNERを終了した直後にはRevitに切り替わり同じデータおよび解析結果が共有される。

 

 「入力」「共通データ」「属性線」で「斜線高度道路側線」を選択後連続線入力により高度斜線の起点をクリックし確定していく。

 

 

 

赤で表示された部分が高度斜線の対象となる。

 

 

計算種類を高度斜線のみチェックし道路、隣地は天空率で緩和する事とする。そして「北側/高度斜線属性線の「使用」チェックボックスをチェック後解析すると属性線入力された基線のみが高度斜線の起点対象となる。

 

 結果は一瞬で出力される。TP-PLANNERおよびRevit両者の出力表現を比較してみよう。

 

まず鳥かご図、TP-PLANNERでは

建物と重ねると(3Dビュワーによる表現)

 

 

Revitに戻ると

 この様に表現される。等高線は

 

 

Revitでは

さらに立体で等高線を表示する事も可能になる。

 

ブロック図は

3Dビュワーで建築物と重ねると

 

Revitでは

 

いずれも同等の表現を可能にしている。

これらの結果、高度斜線で完全にNGでありこの物件の高層部は11階が限度である事がわかる。

 

 今回、講座開始より発散規制による逆日影、変形4方向道路の天空率そしてRevit連携などテーマが盛りだくさんになり高度斜線のチェックがおざなりになってしまった。

 

 その様なミスをなくす為に計画の始めにボリュームを算出する際には「逆日影+高度斜線」の限界を確認したい。

 

まず先に高度斜線のみの限界ラインを算出しその等高線をガイドに日影規制において高層建築物が可能な位置を逆日影チャートで指定する。

 

 

 逆日影チャートで高層可能幅を確認しているところだがその時点で高度斜線が厳しい事に気づくだろう。合成した結果の等高線は

 

逆日影による高層幅を北側9.5mの左端の隅切部からの高度斜線で高さ制限を受けている事がわかる。

 

 鳥かご図では

 

この解析を事前に行うとプラン作成の際に表示可能な限界ラインを参照すると

11階では

 左下部が高度斜線でNGとなる。この程度なら右端のGタイプにバルコニー位置を揃える事でなんとかなる。ただしその上階12階から3種高度斜線の影響で不可となる。設定した最上階14階では

  

 

構造的にも困難となる。

 

 もっとも各高さ制限は斜線断面図で確認する事が重要で東京3種高度断面図を確認すると

 

 

 12階以上が不可である事がわかる。

 

 

 

 

 

この事例は3年ほど前に作成した企画BIMガイドを参考に再度作成した。条件を多少変えているが、やはり3種高度で決まり11階どまりの計画である事がわかる。

 

参照して頂きたい。今回も長くなった、次回は今回変わったスパン割で「構造連携」により柱割のシミュレーションを行いその後、建具配置を行いRevit建物を作成する手法を解説したい。

 

 次回までお元気で!3連休をお楽しみ下さい!。

 

 

比嘉ブログ

 

 

 

 

 

 

 


Revitで企画設計5:建具配置構造連携でRevit建物作成

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9月24日土曜日

今週1週間雨続きの東京でした。

本日はちょっと事情によりこの一枚から

 

 

これは赤坂Bb(ビーフラット)トランペットの仲間とのライブの日でして終了後にBIM講座を書こうと段取りしておりましたが演奏後の開放感からアルコールがすすんでしまいもはや講座どころではありません。

 

 仲間との連絡はLineでやりとりしているのですが比嘉としては土曜日はブログの日と決めている事もあり演奏日は日曜日と思い込んでおりまして・・・。

 

 その顛末を記録しておきます。金曜日の事です。

 

A氏「明日は1年で一番緊張する日ですができる限り楽しみたいと思います。皆さん楽しみましょう」。

B女史「練習したことが当日も出来る様に頑張ります。明日よろしくお願いします。」

C氏「明日は、早めにいってピアノの発表も聞きたいと思います。」

 

と明日(土曜日)との書き込みが多いので焦ってしまい、確認の為

 

比嘉「あの~みんな演奏会「明日頑張ろう・・」との書き込みがあるけど日曜日じゃなかったけ?気になり仕事どころでなくなっています。誰か確認の一報ちょうだい!」

と書き込んだら。

 

D氏「土曜日が正解」

E氏「明日は衝撃の「本番に比嘉さんいないないよぉ事件か?」

F女史「明日きて下さいネ譜面も忘れないで!」

 

かくて比嘉も間違いに気づき

「ドヒャー。えらいこっちゃ。でも大丈夫。皆さんありがとう。安心して仕事にお戻りください!」

と返信。感謝

で事無きをえました。昨年は譜面を忘れ騒動をひきおこしており仲間に助けてもらっています。・・・・・ライン便利に利用しております。

 

 演奏の事はお気遣いなきよう・・・無事終了した事だけ報告しておきます。本日はここまでで宴会にもどります。

 

・・・・・11時過ぎに帰宅。先ほど宴会の途中アップしたのだがやはり長年の習性、講座の無い土曜日はクリープのない・・(最近みないコマーシャルだが)時間までできるだけ書いてみよう。

 

本日は企画BIM講座の最終回。

今回のシリーズは来週9月27日BIMセミナー「現場志向BIMを考えよう!」

で当方鈴木が実演解説を行う。まだ入場可能です。ぜひ早めのお申込みを頂ければと思います。基調講演は

施工BIMから生産性の向上を考える     講演者:前田建設工業株式会社
          建築事業本部 建築技術部 TPM推進グループ グループ長
             兼 技術研究所 ITシステム研究室 室長 曽根 巨充 氏

 

 

では企画BIM講座開始!

前回は変形敷地における高度斜線の入力法お計画時においてまず確認したい高度斜線と日影規制の可能空間。

 

 高度斜線も日影規制も適用除外できない規制。道路と隣地は天空率でクリアーする事を前提に計画を進める事が土地の有効活用には効率的だ。

 その結果は

 さて今回の講座は、ブロックプランが作成された状態から建具配置、そして構造連携を行いRevit建物が作成されるまでを解説する。

 

 尚、プランニングは前回解説した様に専用システムTP-PLANNERで行っている。

プランニングの際の階段室だが

 

各パラメータを入力する事により階段室の形状が自動作成される。

 

これが、躯体発生以後は、通常の階段室そして壁柱も自動配置される。プランの段階では日影あるいは天空率計算の際には保有する壁厚、仕上げ厚が考慮され解析される。

 

 さてこれらのプランデータから躯体を構造を考慮した仮定断面を自動発生する事を解説したい。

構造連携部材の項で「構造考慮発生」ボタンをクリックすると

 

通り心が自動配置されるなど、設定された仮定断面算出法にもとづき構造仮定断面が自動発生する。

 

この様に自動発生するわけだが今回は、この発生の手順および編集方法を解説後、その仮定断面を考慮し建具配置しRevit建物が仕上がっていく手順で解説を進める。

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 あと数分で土曜日も終わる。本日はここまでで続きは明日。

 

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9月25日日曜日早朝講座再開。

昨晩「構造考慮発生」ボタンをクリックする事で躯体が自動判断され上図のごとく配置される。

 

 自動配置ゆえ上図のごとく構造設計者の判断が必要になるとおもわれる。自動発生した内容の変更法、などの解説を行う。

 

発生の際の積載荷重、コンクリート強度など構造計算に必要な初期値が設定されておりこれは連動するユニオンシステム社のSSシリーズ(現在3で順次7にも対応予定)に連動する。

壁厚、床厚それぞれの仕上げ厚なども設定されている。

 

操作の手順は自動発生でない場合は「梁間方向別領域」「通り心候補」「構造体領域」の項目を設定する事で躯体を発生配置する。発生後任意の部材を指定しその部分のみ壁柱状に変更するなども可能だが今回は自動処理のみの解説を行う。

 

 まずは「梁間方向別領域」

 プランから梁間方向を判断し上図の様に色分けされその区域が表示される。この判断がまず基本となる。

自動発生した柱位置を上図で確認すると南側棟バルコニー側で数の多い7層までの専有室の内側に配置されている事がわかる。

 

今回は

①高層棟のバルコニー側の位置で通り心を配置したい。凹んだ7層までの部分ではバルコニーの先端に柱位置を設定したい。

②①の設定の結果梁間方向が長くなるので途中に柱を配置したい事と西側棟との連動を考慮したい。

とすると下図の様に領域を拡大設定する。

そしてそれぞれの梁間方向別の位置により柱符号、梁符号が設定される。その際発生方法が指定あるいは自動配置する柱サイズ、梁サイズの増加加減値が設定される。この部分は構造設計者のノウハウだと思われるが事前に構造設計者に設定してもらう必要があるだろう。

 

 次に通り心だが

 

通り心は自動配置されるが今回は西棟と南等を横断する位置に通り心を配置している。棟屋をまたぐ通り心を配置する際は「梁間方向」を重ねた位置に配置する事で両棟屋に設定が連動される。

 

 柱の寄りは棟屋際外部の位置の柱は内側に自動で寄り設定される。任意に設定する際は「寄り設定」により任意設定する。このデータもSSシリーズに連動する。編集設定した内容で躯体を再発生すると

 この様に

①南棟バルコニー側の柱配置変更

②西棟の外廊下の外側の位置に柱が配置

③東棟縦長ブロックの中央部に通り心を設定し柱梁位置を設定。

 

躯体が決定したこの躯体位置を参考に建具を配置する事で建具と躯体の干渉をチェックしながら入力する事ができる。

 

 

補助線化された赤表示の躯体を確認しながら入力する(目視だが)。壁位置でクリックすると壁心から開口面までの位置が数字で表示され配置変更が容易だ。

 

これらの建具はrevit建物の建具となる。

 

上下の躯体位置を気にしなければならないのが1階のエントランス部だ

 

容積調整で移動した壁位置により管理室の柱位置が窮屈にも思える。これらの事を事前に確認できる事は重要だ。建具配置の結果

 

 

 

ほぼ建物データが完成する。このデータを今回は構造連携でSuperBuildSS3に連動する方法も解説すると構造連携でCSVもしくはSTB出力されたデータはSS3で変換読み込みする事により面倒な開口位置も建具位置から躯体とともに自動配置される。階段室の壁柱もラーメン外に配置されている。

 

 

SS3データ化される。SS3で追加配置された小梁、片持ち梁そして解析された断面は柱符号とともにTP-PLANNERに再配置する事が可能になる。TP-PLANNERを企画設計時から意匠、構造担当者のコミュニケーションツールとして利用していただきたい。

 

 そして再度TP-PLANNERに戻されたデータはそのままRevit建物として変換される。

変換されたRevit建物を確認しよう

 

 

建具、躯体別にデータ連動を確認すると

 

 

Revitの建具オブジェクトとして詳細な建具と化する。躯体は階段が作成される。

確認しよう。

 

 

当然その結果でさらに日影計算

 

 

そして天空率

と解析が可能となる。念の為、解析の際建物形状は

仕上げ部で包絡処理される。

 

これで企画BIMが完結される。これらの情報から概算積算を行う事うための詳細なデータなど従来より精度を高めた情報を得る事が可能となるだろう。ただし各社の仕様を盛り込むにはやはりカスタマイズが必要になりそれを可能にするのも企画BIMの役目。

 

 以上5週にわたり解説してきた企画BIMシリーズもひとまず終了。

TP-PLANNERが日影、天空率などの解析ソフトのみではない事がおわかりいただければ幸い。

 

 朝7時半となり無事終了。やれやれ来週から天空率で書きたい情報もでてきた。次回から再開したい。

 

 どうやら昨日地区優勝を決めたレンジャーズのダルビッシュも勝ちそうだ。ホットしたところで眠気が・・・次回までお元気で!

 

 

 

比嘉ブログ

屈曲道路の判断と適合建築物の作成法

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10月1日日曜日

とうとう10月今年もあと3か月。

 

 

これは近所の公園で見つけたムラサキシキブ。6月頃に小花が咲くらしいのだが気づかずだった、秋のあざやかな紫の実で存在をアピールゆえパチリ。

 

 本日は久々にのんびりの土曜日、東京は雨模様。

今朝も大リーグ観戦でダルビッシュの応援。・・今シーズン最多12の三振奪取。どうやら勝ちそうだ。

 

 今週大リーグファンには悲しい事がおきた。イチローのチームメイトで若きエースのホセフェルナンデスが24才の若さで亡くなった。ボート事故だ。
愛嬌のある選手で剛速球でガンガン三振をとる一方、降板後もチームメイトからコーチまで全員と肩を組んだりふざけたりではしゃぎまくる一方、救援投手が突然打たれだしたりすると、おとなしくなりつめを噛むしぐさを見せたりで実に楽しい選手だった。イチローの打席に入るしぐさ帽子をかぶるしぐさをまねるなどにくめないナイスガイだった。大リーガーになる夢を諦めずにキューバから3回の亡命失敗を経験し、これからさらに活躍が期待されただけに残念。冥福を祈りたい。

 

 今週中国では、万里の長城がコンクリートで真っ平に補修された様だ。・・・歩きやすくなって良かったテカ?。・・・東京では・・・やめとこ。

 

 どうやらダルビッシュも今年最後の登板勝利を飾った様だ。

 

さて今週の報告から始めよう。
今週は水曜日に天空率講座に2名参加で頑張って頂いた。

 

天空率講座はお伝えしたい事がいっぱいで時間ぎりぎりまで語り実践するのが特長。この様な少人数の回はより情報量が多くなる。しかし終了後のこの笑顔はまだ余裕ありの様だ。恐るべし。

唐突だが天空率講座を開始しよう。PCの電源を会社に忘れたのでバッテリーが心配だ。

 今週サポートセンターに寄せられた質問で屈曲度から2の道路と判断された道路天空率の適合建築物の設定法の質問が寄せられた。

 

 屈曲した道路天空率における道路の区域の取り扱いは、一般財団法人建築行政情報センター(ICBA)発行の「基準総則集団規定の適用事例」編集日本建築行政会議(JCBA)編集の一の道路の取り扱い。」で記述されている。

 

P203で

 

図2-6-31では「屈曲した道路で、敷地側からみた屈曲角度が120度をこえる場合となりあう道路は連続した一の道路とする。そして120度以内の場合、図2-6-32で示す様に「ここで区分する」とした位置でそれぞれの道路として適合建築物をそれぞれ発生する。

 

 ここで勘違いしてはいけない。それぞれの道路として適合建築物を作成するとは

 

 

この様に95度で交差する場合と同様に、A,Bに面した2方向の道路があるとする。その際にA,Bの道路幅員が異なる場合は、令132条により道路幅員が規定される。この場合A,Bともに6m道路ゆえ令132条の対象ではない。これらの図で上側を北とした場合、西側道路、南側道路の2の区域の道路天空率計算を行う。

 

 図2-6-3の道路の場合はいずれも南方向に向いているが「ここで区分する」の位置から西側と東側の2の区域で天空率比較を行う。この場合も道路幅員が同一の場合2の区域の道路天空率を比較する。したがって面する方向が同じ方向であるか否かは問題ではない。

 

 

 さて今回はまずこの屈曲角度120度の法的根拠から確認したい。

 

まずは道路の定義法42条から

 

(道路の定義)
第四二条 この章の規定において「道路」とは、次の各号の一に該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。
一・・・二 ・・三 ・・・四 
五 土地を建築物の敷地として利用するため、道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの

 

政令で定める基準に適合する道とは

 

(道に関する基準)
第一四四条の四 法第四十二条第一項第五号の規定により政令で定める基準は、次の各号に掲げるものとする。
一 両端が他の道路に接続したものであること。*
イ 延長(*)が三十五メートル以下の場合
ロ 終端が公園、広場その他これらに類するもので自動車の転回に支障がないものに接続している場合
ハ 延長が三十五メートルを超える場合で、*自動車の転回広場が設けられている場合
ニ 幅員が六メートル以上の場合
ホ イからニまでに準ずる場合で、特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認めた場合
二 道が同一平面で交差し、若しくは接続し、又は屈曲する箇所(交差、接続又は屈曲により生ずる内角が百二十度以上の場合を除く。)は、角地の隅角をはさむ辺の長さ二メートルの二等辺三角形の部分を道に含むすみ切りを設けたものであること。ただし、特定行政庁が周囲の状況によりやむを得ないと認め、又はその必要がないと認めた場合においては、この限りでない。

 

つまり交差角が120度以内までの道を道路として定義するとある。

 

これゆえJCBA方式「一の道路」の取り扱いは適法とされる。

 

 ローカルルールで1m以内の屈曲した道路等で道路の区域を判断する指定法などは、法的根拠に基づかない。

 

 具体的事例で検証を進めよう。まずは屈曲度が120を超え1の道路とされるこの事例から

 

 

すべての屈曲角度が120度を超えている為、南側に面した6m道路は一の道路として区分しなければならない。

 

 まずはこれは7Fの目的不明の建築物だがともあれ道路斜線を確認してみよう

 

まずこの断面では

 

バルコニーからパラペット部および最上階壁もNG。南側基準線からはさらに厳しい

 

 

2層ともNGだということがわかる。天空率計算でもこの部分に面する算定位置が厳しくなることは間違いない。

 

早速適合建築物:算定位置を発生し解析すると(ほとんど待ち時間なし:ちょっと自慢)

一の道路の場合後退距離も一でもっとも道路境界線に近接する位置が採用される。左右の算定位置は適合建築物に面する道路反対側の位置(直角に交差する位置)まで延長される。

 

 結果は、やはり南側斜線断面がNGの位置で大きくNG。

アイソメ図で適合建築物を確認すると

 

 

左右に空地がかなりある、こんなに空地が多くてNGになるのかな?

 

と疑問を持った際には適合建築物と計画建築物の天空図を重ねて表図すると明確になる。

 

「図法」「天空率比較図」で確認すると

 

A、Bで示す緑部が空地だ。その合計とC部分の高さ制限を越えた部分の面積を比較する。

 

平面的にあれだけの空地がありながら以外と天空図では大きくない。その理由はA部分は敷地西側で段差状に遠くにありその分面積が少ない。遠い分その空地から得ることができる通風採光の量は少ないと判断される。これが天空率の考え方。

 

 

 建物の高さを低く変更したくない場合左右の空地を増加させる必要がある。

逆天空率チャートで確認してみると

 

 

円弧で示す部分をカットしなければならない事がわかる。その量は解析しなければわからない。その結果は

 

比較的空地に近い東側をカットすることが効率的と判断され上図のごとく自動切断された。設計者の意向を反映した箇所を指定することも可能だ。

 

 次に2の道路と判断されたケースを確認してみよう。

この例題はほぼ適用事例集を模した敷地に計画建築物を配置しているために屈曲角度も同様になる。すると道路中心線の屈曲角度117度の位置で例題同様にA側とB側に区分された2の道路と判断される。

 

 2の道路の場合の算定位置が適用事例でも記載され

 

この様に算定位置が示す様に2に区分されている。適合建築物の形状が図示されてないのは道路幅員および適用距離で区域のイメージが異なる為、適時適法に判断しなければならない。繰り返すがこの場合同じ南側にめんしているが

 

 

この事例と同様にA、B2の道路それぞれに面した道路天空率計算を行う。

 

西側をA道路で右端が行き止まり道路として適合建築物を作成する。

 

東側は

同様にB道路があるものとし左端が行き止まり道路と同様に区分される。

 

P191では行き止まり道路の場合の適合建築物の作成法も掲載されている。

 

 

行き止まり道路の場合のポイントは道路が行き止まる部分で道路斜線の影響がないとしない。行き止まり道路の反対側には道路幅の分のみなしの道路幅員が設定される。そして行き止まり隅部から円弧状に適用距離の範囲まで適合建築物を作成しなければならない。つまり行き止まり道路に面した部分の正面のみならず左右方向も円弧状に適合建築物が設定されなければならない。

道路斜線の断面は

 

南側の後退距離を一致させており同様にNGとなる。

 

 

 行き止まり道路の設定は「入力」「敷地」の項でA側は

最端部の境界線を選択後、左まわりゆえ「終点側行き止まり」のチェックボタンをクリックし「現在の値を適用」で設定。

 

B側も同様に設定する。

 

 設定はこれだけだ一気に適合建築物を発生させ解析すると

A側が

 

B側は

 

 

やはり同様にNGとなる。

 

以上が屈曲道路の適合建築物の想定法。次回は今回の区域の検証と、2の道路の一部で隣地が挟まる事例も解説することとしたい。

 

 長くなった本日はここまで!次回までお元気で!

比嘉ブログ

 

 

敷地外の屈曲道路と適合建築物:算定位置の想定法 1

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10月8日土曜日、3連休初日の土曜日。東京は朝から雨。

これは、先週日曜日、近くの公園で

ひまわりが最後の頑張り、蜂との2ショット。思わぬシャッターチャンスに寄りすぎてピンボケ。

 

 

 今週は月曜日ノーベル生理学・医学賞大隅良典氏が単独で授賞される快挙から始まった。日本人受賞は、自分まで誇らしい気になるから不思議だ。日本人総じて気持ちの良い思いをさせて頂いた・・・感謝。お酒がお好きらしい。受賞後の一杯は至福の時・・だろな・・おっと、今晩こちらも仲間と飲み会だ、それなりに至福になれます。

 

 嬉しい事といえばサッカーか?イラク強かった・・劣悪な環境の国民を勇気づける為の戦いには胸を打たれた。でも勝てて良かった。オーストラリアに勝つまでは喜ぶまいと思ったが、翌朝までスポーツニュースを欠かさずみてしまった。蛍はやってくれると思っていたゾ。

 

 さて3連休初日。早めにブログを書いて遊ぶぞ。

 

 早速だが今週の報告から始めたい。

今週は火曜日に名古屋まで出かけた。

これは新幹線定番富士山ショット。・・おきまりですので。

 

不動産鑑定士2名の集中講座。

 

 遠方ゆえできるだけ多くの情報をお伝えしたく1時から始まった講座は気がつくと夜の8時前。

日影規制基礎から建物想定、天空率理論から実践、最後に画地割まで行った。

お二人ともしぶとく頑張って頂き音を上げない。

 終了後、最寄りの駅まで送っていただいた。記念撮影忘れを、はたと思いだし自撮でパチリ。さてだれの手による撮影でしょうか?お疲れ様でした。またお会いする時を楽しみにしてます。

 

 木曜日は、都内で出向きの講座。13名ほど対象に企画BIM講座を行ってきた。若手のバリバリの設計者に事例2案を通じてTP-PLANNERとRevitとの連携および天空率など午前半日ながら濃密な講座を行った。他社内ゆえ撮影は遠慮したが沖縄出身のナイスガイもおりこれからのおつき合いが楽しみだ。

 

 

 

 さて天空率講座を開始したい。

 

前回は適用事例集に記載された屈曲道路における「一の道路」の考え方を補足解説した。

 

 

今回は、その屈曲道路の一部が敷地と接していない場合を解説したい。2例解説する予定だ。いずれも関西地区のユーザーからの問い合わせを参考にモデルを作成した。

 

事例は一の道路と判断された下記の事例

 

と2の道路と判断された

 

 この場合、道路中心線が明確でなかったが円弧で示す位置で道路がクランクしておりその審査機関では2の道路と判断された。「1の道路」の判断基準は道路中心線の敷地側からの屈曲角度が120を超えるか否かがJCBA方式による判断。道路中心線を確認し納得して区分する必要がある。1と2では天空率の計算結果は大きく異なる。

 

 まずは,一の道路と判断されたこの事例から

 

この場合東側部は隣地越えの道路斜線が適用される。この事も適用事例集のP181に解説されている。

 

 隣地の有無にかかわらず道路反対側から適用距離内にある当該敷地は道路斜線の影響をうける。

今回の事例と同様である。今回の場合、敷地外にある道路が変形しておりその形状を正しく認識させる必要がある。

 

 解説はTP-PLANNERユーザーの為に新天空率を利用した入力法で行う。

まず敷地、用途地域等の基本入力後、「新天空率」を選択し

この様な敷地外の道路の条件を正確に入力する為には、「新天空率」ダイアログからいずれのボタンをクリックしても良い。それらの違いは隣地天空率の区域を発生させる為に「一の隣地」「完全適合」「敷地区分方式」の3種が選択できる意味で道路天空率の場合いずれの場合も同様の操作で結果も同一となる。

 

 

 

 

左側メニュー作業種類の項で「基礎情報」で上部リボンメニューの「発生」ボタンをクリックすると入力基礎情報から道路形状が発生する。基礎情報の入力は敷地の境界線に対して行う為今回の様な敷地外の道路形状は不明ゆえ単純に延長方向に道路形状が発生する。

 

 

 

 

道路形状を変更する為にはリボンメニュー「前面道路編集」を選択後、道路をクリックし選択すると選択された道路形状に対して「境界線」「中心線」「反対側境界線」「・・公園」「・・北側」など公園および北側の起点も直接入力編集が可能となる。公園、北側の情報は「反対側境界線」の情報と同様であれば「連続線複製」で同一設定が可能ゆえ再入力する必要はない。

 

 

 

 

形状を補助線で作図された(あるいは他のcadからインポートされた線分にスナップし作成を終了すると「高さ制限種」メニューから「道路」を選択し「発生」ボタンをクリックすると

 

 

 一気に適合建築物が作成される。これらの新機能は名前を「TP-Space]と読んでいる。この結果は「出力」でSKY状に算定位置の発生とともに連動される。

 

 

 

算定位置が屈曲した道路の反対側で適合建築物に面した位置まで発生している。あとは通常どおり解析を行う。

 

 

解析結果を検証してみる。「「図法」「天空率算定チャート図」では

 

この様に敷地に接するか否かは関係なく道路適合建築物が発生している。この場合空地が多く問題なくクリアーする。区域の作成法の検証をしてみよう。

 

 

「一の道路」では、後退距離は一律1.898が適用されており道路の反対側に後退距離1.898を加えた位置から20mの適用が適用される。この場合、仮に道路に面した隣地が当該敷地に取り込まれた場合も同様な適合建築となり合理的な判断といえる。

 

 円弧で示した部分は反対側道路の隅部から円弧状に適用距離が適用される。従来は敷地の隅部から発生した位置を起点としたがJCBAでは敷地側道路反対側いずれを起点に作成しても問題ないとされる。

 

 

 次に2の道路と判断されたこの事例

 

と思ったがこの部分を解説すると長くなりそうだ。今回は体育の日の3連休。お勉強をしている場合ではない。雨だが外に出て体を鍛える事にしよう。続きは次回!お元気で!

 

 

 

比嘉ブログ

 

 

 

敷地外の屈曲道路と適合建築物:算定位置の想定法 2

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10月15日東京は快晴の土曜日。

 

雑草に埋もれながらもドッコイ可憐。

 

 今朝は、大リーグのポストシリーズで唯一勝ち残った日本人選手前田健太ドジャースの試合もない。こんな朝はYouTubeでJAZZライブを聞きながらのブログタイム。最近はチェットベイカーを繰り返し聞いている。

 今週・・過労死労災認定の報道があった。頑張り屋さんの性格があだになったのだろうか?痛ましい。比嘉の新人の頃のいやな事の一つがやはり終業時間に帰れない事だった。モーレツ社員時代、新入社員の中でも仕事の覚えが遅い我が身としては「終業時間ですのでこれで失礼します。」と言えなかった。

 そんな落ちこぼれの比嘉だったが生きてりゃなんとかなる。 

 20代終わりの頃、独立した事で、勤務時間外拘束から開放された。設立直後は締め切りに追われる設計者がお相手ゆえ、遅くなる事もあったが、基本的に残業はゼロ、しない方針でやってこれた。「晩飯は家族と共に」が合言葉。皆がなんとか食べられているから良しだろう。

 

 今月は31期目の決算。今年も可もなく不可もない中庸決算でささやかだが国税に貢献できそうでほっと一息ついているところ。

 

 

 

 さて今週の報告から今週は企業ユーザーが一人で来社3回シリーズが始まった。

 

 

 そして金曜日は出向きの講座で30人ほどを対象にTP-PLANNER基礎講座。日影規制の基礎的な話から手動による逆日影計算の方法をTP-PLANNERの操作と連動して解説した。

 時間がタイトで早口になってしまったかもしれないが忙しい皆さんゆえやむなし。終了後も熱心に質問をもらうなど歯ごたえのあるメンバーだ。次回はチャートで日影NG部を特定しカットする「3D日影チャート」でおさらいの後、天空率基本を行う。楽しみにしてます、実物件の質問大歓迎ゆえご持参あれ!写真撮影は遠慮した。

 

 

 

前回から敷地外の屈曲道路適合建築物のシリーズを開始した。

前回は、

 

道路中心線の屈曲角度が敷地側から120度を超えている為に敷地外も含めた一の道路として一体で区分し解析する事を解説した。

 

結果は

 

敷地の内外関係なく適用距離内に高さ制限適合建築物を想定し天空率比較する事を解説した。敷地外の道路の形状を特定する為に新天空率では敷地に接しない道路反対側等を直接入力する手法を解説した。

 

 

 今回は2の道路と審査機関から判断された下図の設定法を解説したい。

 

 

 この様に敷地側の境界線あるいは道路の反対側が段差状になっている場合でも本来判断すべきは道路中心線の屈曲度が120度を超えるか否かで「一の道路」から否かも判断されるべきだ。・・が、今回、道路中心線の情報がない為に審査機関の指定による2の道路の区域区分法を解析したい。

 

 尚前々回の講座では2の道路とされる際のJCBAの考え方を適用事例集の解説の補足として解説しておりその分も参照して頂きたい。

 

その際のポイントは2の道路のそれぞれの端部を行き止まり道路の場合と同様に解析する。

 

この事例と同様にA、B2の道路それぞれに面した道路天空率計算を行う。

 

西側をA道路で右端が行き止まり道路として適合建築物を作成する。

 

東側は

同様にB道路があるものとし左端が行き止まり道路と同様に区分される。

 

今回もTP-PLANNERユーザーの皆さんの為に入力操作の解説から行う。

 

 まずそれぞれの端部に行き止まり設定をする必要がある。「敷地」の項で

 

 

道路境界線をクリックし選択後、接して行き止まる為「終点側行き止まり」のチェック設定を行う。

 敷地外に面した道路の端部には

 

 

「行き止まり部分」の設定。

 

 そして「新天空率算定領域」で前回同様(前回解説済みの為前回参照)T-Spacsに移動し「発生」ボタンをクリックすると

 

 

道路に接した部分のみが道路形状とし発生し東側道路は行き止まり部分のみが道路として発生している。この部分は「道路削除」で削除し新たに設定する道路で再設定する。

 

 まずは左側の修正から、前回同様に敷地境界線側の端部から垂直に発生した道路の端部を下図の様に延長する。

 

 さらにこの場合行き止まり境界線も適時行き止まる位置に移動する必要がある。

 

 

道路を追加する前に「道路削除」を選択し行き止まり線のみで道路設定された行き止まり部分をクリックし削除する。 そして「道路追加」を選択後「道路幅員」を6mに道路に設定し敷地側の境界線をクリックし道路を作成する。最初の屈曲点でクリックする事により上図の様に道路が1追加される。追加された道路は円弧で示す様にNOが付加される。その際にNO2になっている事を確認する。なってない場合は行き止まり道路などが線分状に設定されたままになっている。

 

 追加された道路を編集追加を行う事でNO2の道路を作成する。

 

「対象」を「境界線」「反対側境界線」「道路中心線」を「頂点追加」モードで編集修正し、さらに「後退距離」、「最大幅員」の覧にチェックを入れる事により令132条によるまわり込みがおきない設定が可能となる。

 

さらに「行き止まり追加」ボタンを選択後、行き止まり部分を2点ドラッグ入力する。その際線分の入力手順はクリックをした右側に対象道路の端部があるとする場合手前、奥行きの順に入力する。上図の場合は行き止まり部分の右側に道路がある為

 

 

A,Bの順に入力する。

 

入力設定はここまで。「算定領域」で「道路」をクリックすると適合建築物が自動作生される。

 

まずは左側道路は

 

 

 

右側の道路は

 

 

この様に発生する。その際左右の道路は別道路ゆえ後退距離はそれぞれ異なって良い。

 

解析後検証を行いたい。

 

円弧で示した行き止まり部分から円弧状に適合建築物が作成されている。

 

右側道路の場合も

 

 

同様に行き止まり部分隅部から円弧状に作成されている。

 

さてその根拠は?やはり適用事例集を参照すると行き止まり道路の適合建築物の作成法が例示されている。ポイントは行き止まり部分からさらに奥の部分は隅部Aから円弧状に作成されている事がわかる。

 

 

 

左側の「両側敷地有りが」が下図の様に

 

この方式に準じた処理法と成っている事がわかる。

 

あるいは

この場合も同様で行き止まり端で円弧状に作成している事がわかる。

 

 

 さて最後に審査機関で指定された内容で明らかに間違った指導をされているケースがあったので問題点を検証したい。

 

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この様に通達集にも円弧状に道路斜線が適用されてきた。簡単な事例で間違いが指摘可能ゆえ最後にその事を解説したい。

 

 接して行き止まる6m道路の事例で

この様な場合、これまでの解説に基づくと

 

この様に行き止まった位置から右側もみなしの道路境界から円弧状に適用距離までは道路斜線が適用される。その部分を無視すると隣地を越えた道路斜線を無視する事にもなる。

道路の接道条件を変え計画建築物を配置したこの例では

 

 

この様に設定する。これを垂直切断すると

 

 

クリアーしてしまうどころか建物配置位置をさらに右に移動すると道路天空率は無視して良いとなりかねない。適法でない事は明白で上記例では極めて危険側の結果となる。気をつけたい。

 

 この様な指導された場合はこのレポートを提示して頂いて問題ありません。ご利用下さい。

 

本日も長くなった今週はここまでお疲れ様でした。

比嘉ブログ

 

 

逆日影計算2棟高層の可能性検証 1

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10月22日

東京はうす曇の土曜日、夜になると寒くなるらしい。

小さい秋をさがしに公園にでかけた。

 

紅葉の山といいたいところだが背丈50cmほどのドウダンツツジをアップで撮ってみた。

 

 

 本日から日本シリーズ。大谷正平の剛速球も魅力だがやはり広島を応援したい。 

今やカープもカープ女子も有りの人気球団となった。なんでも赤いユニフォームが可愛いと広島県民以外、関東でも人気・・と昨晩のNHK首都圏TVの話。無名の若手を一流に鍛え上げる一生懸命さは昔から変わらずの雑草球団さが良い。 ・・・がもっぱら大リーグ観戦が中心にある野球ファンの比嘉としては、今さら広島ファンですとも言いがたく遠くからそっと応援する事にしたい。

 

 今週、ラグビーの平尾誠二の訃報があった。明治松尾雄二に始まったラグビー人気を平尾は絶頂に仕上げた。

 王者松尾の釜石に果敢に挑む同志社平尾のラグビーは見ごたえがあった。

ラグビー人気実力の再燃とともにワールドカップラグビー2019では日本側のトップで仕切ってほしかっただけに残念だ。ご冥福をお祈りしたい。

 

 

 さて今週の報告から

今週は火曜日、不動産鑑定事務所から2名来社講習。

朝9時半から夕方6時まで頑張って頂いた。

 

画像から敷地入力面積補正などを行いながら日影規制を徹底解説。逆日影計算が終わったらサクサクと建物想定を行った、モニターに映るマンションがそれ。お疲れ様でした。

 

 翌日は長いおつきあいの社長も参戦でいっそうの盛り上がり、斜線規制から天空率、最後に画地割2例。

 

 さすがに2日間、朝から夕まではきつくなってきたナ。比嘉だけ疲れた感じで皆元気。しごきが足りなかった様だ。明日からは実物件で頑張ってチョウダイ!またお会いしましょう。

 

昨日金曜日は、デベ女史の2回目講習。天空率中心の解説。

 

このところの気温の急激な変化で体調をくずされていたが今回もしっかり頑張って頂いた。次回は最終回、プラン作成まで楽しみましょう。おまちしてます。

 

 

 さて本日も講座の時間だ。今週は、逆日影計算を解説したい。

 

 天空率講座でおなじみの比嘉ブログで以外と思われるかもしれないがこのところ日影規制特に逆日影あるいは発散規制などの比嘉ブログレポートへの再アクセスが多い。

 

 日影規制で建物形状は、大きく左右される。高さ制限は、天空率で緩和されるが日影規制による制限は確実に納めなければならない。

 

 今回は、その中でもこのところ当方のユーザーでも利用の多い2棟高層と1棟高層による比較、さらに発散規制ラインをからめて解説を進めたい。

 

 例題は、近隣商業地域で日影規制がある事例

 

敷地面積は22238.5㎡。上記の平面計画を1棟高層と2棟高層で逆日影計算を行い比較する。

 

 まずは規制ラインは閉鎖方式で1棟高層から開始する。

 

 

 

逆日影計算で方式として「1棟高層」を選択後、敷地内でドラッグすると逆日影チャートが表示される。ドラッグする事で任意の位置の敷地および真北による日影規制の性状を把握する事が可能になる。

 

 上図のポジションは建物の中央部に高層幅が設定され高層のタワーが設定される。

 

*予断だが比嘉の日影規制基礎講座ではこの逆日影チャートの意味するところを徹底解説することから始める。今週も連日解説を行った。

 

 

 設計者の意図する位置に設定が確定したら「計算開始」で一瞬で解析される。

 

結果は

 

 

逆日影チャートで設定した中央部に高層のタワーが設定される。

 

この場合中央部の高層幅以外の両サイドは太陽高度による低層部が設定される。

逆日影ブロックを建物変換し精度チェックを行ってみよう。

 

建物変換は「入力」「建物」で変換アイコンをクリックするとブロック図が建物化される。

 

 

建物化されたら即、時刻、等時間日影を行う

 

 

閉鎖した規制ラインの内側いっぱいに収まっている事がわかる。

 

 

 次に「2棟高層」を行ってみよう。

 

2棟高層の場合、1棟毎に高層の位置を指定する。1棟高層の逆日影チャートと比較していただくと明快だが2棟ゆえ3時間の時間幅が半分程度の幅で表示されている。1棟目の位置が確定したらドラッグを解除(マウスをいったん離す)事でその位置がプラス記号で表示され確定する。

 

 

2棟めは、さらにドラッグし任意の位置に移動し位置が確定したらマウスを解除し「計算開始」ボタンをクリックするとやはり瞬時に解析される。

 

 

 

 

2棟のタワーが想定された。

 

 

この様なツインタワーが逆算出された。

建物変換し精度をチェックしてみる。

 

赤枠で示した「他の入力データ変換」ボタンをクリックするとブロック図が建物に変換され日影計算など解析が可能になる。

 

日影計算を実行すると

 

 

やはり規制ラインいっぱいでおさまっている事がわかる。

 

 結果を1棟と2棟高層の結果並べて比較してみると。

 

 

以上が規制ライン閉鎖方式による比較。逆日影チャートでチェックした際に日影規制の幅などで確定する規制ライン上の位置を確認することが可能となるが特に2棟高層型の場合

 

 

道路内の規制ラインの影響を受けることがわかる。

日影規制は、本来住環境に対する規制であり一般的に道路上は住環境とはみなされない。そのことを適切に表現した規制ラインが発散方式となる。

 

 発散規制ラインでチェックしてみよう。

 

発散規制ラインは「設定」「オプションライセンスの設定」からダイアログ内でチェックするする事により可能となる。

 

 発散規制ラインを作図する際にはどの様な道路形状に発散させるかがポイントであり「入力」「属性線」で道路線分を「道路属性線」に設定する。

 

作図された道路形状により発散ラインが作図される。

 

 

自動作図された発散ラインと不要な規制ラインは道路内で区分されている為、「入力」「規制ライン設定」の項で編集設定する。これは行政区によっては道路内の一部を規制ラインに設定する場合があるための対応となっている。

 

 この「規制ライン設定」では、みなし敷地の直接入力など特殊な緩和の規制ラインも作図的に可能となる。

 

  発散規制ラインで1棟高層から検証してみる

 

 

1棟高層の場合、この設定では中央部に高層設定している為、発散規制ラインのメリットはほとんど無いと思われるが結果をみると

 

 

 

わずかだが端部が延長され有効となっている。

 

2棟高層の場合、メリットが大きい

 

 

これは左側2棟めの時間幅だが、道路内のチェックではなく道路反対側の遠方にチェック位置が設定されている事がわかる。結果は

 

 

発散規制ラインと閉鎖による2棟高層を並べて比較してみよう

 

 

 

赤破線で示す様に発散規制ラインでは上側高層部の幅が広くなっていることがわかる。

 

結果の検証はもちろん

 

 

発散規制ラインいっぱいにおさまっていることがわかる。閉鎖の規制ラインを水色で表示したがそのラインと等時間線との比較で発散規制ラインの有効性がわかる。記述するまでもないが発散規制ラインは東京でも安全条例にはっきり明記されている様に適法だ。土地の有効活用を促進する為にこの方式の利用は必須だ。

 

 2棟高層は発散方式で行うことによりさらに有効に機能する事がわかった。

 

次回はこのシリーズの延長でさらに近隣の日影規制条件の変化にともなう影響を検証してみたい。次回までお元気で!

 

 

 

比嘉ブログ

 

 

 

 

 

逆日影計算2棟高層の可能性検証 2

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10月29日土曜日、東京では昨日の雨もあがり今週もうす曇り寒い。今月は5回の土曜日でブログタイムが増加・・・12月も5回だ。

 

これは通勤途中の生垣のサザンカ。山茶花と書き「サンサカ」と読めるのだが音意変換しサザンカとなったとwikipeからの情報。

結果音韻、響きの良さから童謡「たきび」では、「たき火だたき火だ落ち葉たき」のリズムの良い繰り返しになったのかナとどうでも良い事まで考えてしまった。芋煮会の季節となったが薪を燃しても自然にたきびだたきばだと歌が出る好きな童謡だ。「サザンカの宿」演歌・・歌えるぞ。

 

  28日、NHKニュースから・・・「核兵器を法的に禁止する初めての条約の制定を目指す決議案が国連総会の委員会で採決にかけられ、123か国の賛成多数で採択されましたが、アメリカなどの核兵器の保有国に加え、アメリカの核の傘に守られ、段階的な核軍縮を主張している日本も反対に回りました。」

 

 唯一の被爆国、日本がロシア、アメリカとともに反対にまわった・・?。日本の核廃絶の立場が決議文に受け入れられなかった事を反対の理由としたが・・・国民を情けなく、恥ずかしく腹立たしい思いにさせた。詭弁を弄され危険な方向に向かわない様注視したい。

 

今週の報告から

月曜日には、昨年から比嘉が天空率部分の執筆に参戦した第一法規社の「建築法規PRO」の編集打ち合わせで編集者N氏が来社。

来年は天空率日影規制部の補足セミナーを企画したいなど作戦会議終了後のパチリ。

 

 

そして午後からは3回講習の最終回で来社の企画女史。

 

最終回はプランから天空率、日影規制から面積表作成のフルコースを一気に通し

終了。これでTP-PLANNER女史誕生。実践で頑張って下さいまたお会いしましょう。

 

 そして木曜日は出張講習シリーズの2回目で3D日影チャートと天空率基礎で得意の自主製作魚眼レンズを駆使し天空図をリアルに表現し理解して頂いた。この魚眼レンズは毎回好評。次回は隣地天空率と天空率の仕様の変遷を語りたい次回またお会いしましょう。

 

 

 さて今週末は久々のツーリングを予定している本日はチャリのチューンナップをしなければならない。早めの講座開始。今週も日影規制シリーズ。

 

 前回は発散規制ラインと閉鎖型による逆天空率を解説した。結論から2棟高層型による逆日影でツィンタワーを計画した場合、発散規制ラインにより算出されたボリューム算出がより効果的である事もわかった。

 

 

 

今回は、発散規制ラインでさらに北側に用途地域が区分され日影規制時間および受影面が異なる場合に日影規制によるボリュームがどの様に変化するのか検証してみたい。

 

 事例は北側にある道路境界線から20m以北に一種低層住居専用地域の場合で検証をすすめたい。

 

 今回はTP-PLANNERユーザーの皆さんの為に敷地外で用途地域条件が異なる場合の操作から解説したい。

 

 その前に日影規制時間が異なる場合の法的記述から確認すると

 

(日影による中高層の建築物の高さの制限)
第五六条の二 

5 建築物が第一項の規定による日影時間の制限の異なる区域の内外にわたる場合又は建築物が、冬至日において、対象区域のうち当該建築物がある区域外の土地に日影を生じさせる場合における同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
 


(建築物が日影時間の制限の異なる区域の内外にわたる場合等の措置)
第一三五条の一三 法第五十六条の二第一項に規定する対象区域(*)である第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域若しくは用途地域の指定のない区域内にある部分の軒の高さが七メートルを超える建築物若しくは当該部分の地階を除く階数が三以上である建築物又は高さが十メートルを超える建築物(以下この条において「対象建築物」という。)が同項の規定による日影時間の制限の異なる区域の内外にわたる場合には当該対象建築物がある各区域内に、対象建築物が、冬至日において、対象区域のうち当該対象建築物がある区域外の土地に日影を生じさせる場合には当該対象建築物が日影を生じさせる各区域内に、それぞれ当該対象建築物があるものとして、同項の規定を適用する。

 

つまり今回の事例の場合、対象建築物がある区域は近隣商業地域であるが区域外の土地一種低層住居専用地域に日影を生じさせる場合、建築物が一種低層住居専用地域にあるものとして規定を適用する。

 

 この場合一種低層住居専用地域が10mラインを超えている為、10mラインから外側の規制時間2時間が適用される。

 

 

 まず上記用途境界線を補助線機能の平行線で作図するか汎用CADで作成したその線分のみをインポートする事で追加する。(追加する際に「上書き」にチェックするとすでに入力済みのデータが消去されるので注意:上書きは最初に「敷地」を自動変換する場合のみ)

 

 

 

操作は「入力」「用途地域」で行う。

すでに前回入力設定された近隣商業地域が設定済みの為、そのエリアをクリックし選択(赤表示)後、上図で示すショートカットメニュー「単線切断」のアイコンをクリックするか右ボタンで選択後、作図された用途境界線をクリックすると近隣商業地域の区域が2分される。

 

 

 

そして1種低層地域に設定したい地域をクリック選択後、ダイアログボックスに表示された近隣商業の入力情報を「1種低層住居専用地域」に設定し日影規制を3/2を選択し1.5m(自動設定)を確認後「現在の値適用」ボタンをクリックする事で1種専用住居地域の区域が設定される。

 

 用途地域の区分は敷地の内外問わず最初に広く自動設定された区域を切断の為の線分で切断しそれぞれの区域を変更する。この操作は汎用CADで面レイヤを区分しレイヤ変更する操作と同様に考えて良い。

 

 用途境界線が連続線の場合、切断も「連続線切断」を選択する事により連続線の端部の延長ベクトルで切断される。

 

 

 早速、逆日影計算を行ってみようまずは1棟高層から

 

 

前回の逆日影チャートと比較していただくと円弧で示した用途境界線からの3/2の10mを超えた部分は2時間が対象ゆえ2時間幅が追加表示されている事がわかる。

前回の逆日影チャートは下図。

 

 

 解析してみよう。

 

円弧で示した部分が敷地外の規制2時間幅の影響を受けている事がわかる。

前回は

 

建物幅としては前回より狭くなる。

建物変換し日影規制で検証すると

 

円弧でしめしたのが近隣商業側の3時間ほ幅で確定している部分、上側の赤四角部分は2時間1.5mの部分からの高さで確定する部分。一見余裕がある様に思えるが2時間の等時間線を作図しているのは4m受影面の為。2時間の規制時間は近隣商業側にない為に「計算」「等時間線」の項で2時間線を追加する必要がある。この項で追加する事により規制ライン以外の任意の等時間線が追加可能となる。

 

念の為2時間の用途堺上を指定点日影でチェックすると

端部で1時間58分P15からの半天空図で確認すると

 

 

高層幅の2時間分が確保され左右の低層部が若干でも高く設定されるとこのポイントで5分のクリアランスがなくなりNGとなる。その為限界いっぱいである事がわかる。

 

 同様に2棟高層で確認。

逆日影チャートと解析結果の等高線を重ねるとわかり良い。

 

赤丸が発散規制ライン上の3時間の時間幅を示す。青丸は用途境界線上の2時間の時間幅を示す。ブロック図で確認すると

先週の事例に比較しブロック幅が狭めだ。日影でさらに検証をするめる。

 

 

赤円弧で示した発散規制ライン上の3時間に対して用途堺の左端では2時間に対して1時間58分。そのポイントから半天空図で確認すると

 

 

中央部が高くならない理由がよくわかる。手前みそだがお見事!。

 

 当該敷地外の用途地域による日影規制が今回の様に一種低層の場合の様に当該区域より日影規制が厳しい場合、十分に距離が離れている場合でもその影響を大きく受ける事がわかった。注意したい。

 

 

調子づいたところでもう2例と言いたいところだが長くなった本日はここまで!

 

次回はさらに用途地域が区分され

 

このように3区域に区分された場合、さらに近隣商業部を商業地域に変更し日影規制がなくなるとどうなるかを検証してみたい。

 

 次回までお元気で!

 

 

比嘉ブログ

 

 

 

逆日影計算2棟高層の可能性検証 3

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11月5日土曜日 東京は今にもふりだしそうな曇り空の朝から一転、お昼前には陽が燦々とさしてきた。今日は暖かい一日になりそうだ。

 

今年も残り2月となりました。

 

今週始めの日曜日、渡良瀬渓谷に行ってきまして・・まずはその報告から

恒例のツーリングで今年は渡良瀬渓谷鉄道トロッコ電車で山まで輪行し颯爽と下ってくる予定であったが・・・

 

 

 

 このところ全国の山間地域で熊目撃情報、でかける直前に青梅ではなんと冷蔵庫を開ける熊が撮影された。鳴り物鈴程度ではごまかせそうもなく熊と戦う空手マンでもないゆえ電車は乗るだけで観光を楽しむ事とした。

 

これはすれ違ったトロッコ電車。当方が乗車したのはこれほどの迫力はない。

 

 

まさに渓谷そして

 

紅葉には若干、早かったが日本の里山原風景が広がる。・・・熊まちがいなくいる感じ。

 

終点駅で10分程停車。窓がなくフルオープンの座席もあったがもうさぶい。団体のお年寄りたちがはしゃいでフルオープン座席に乗り込んできたが5分程で一斉に窓有車両に移動してきた。事前の予約が必要だが温かいお酒に、するめで観光するにはお勧め。鉄道鉄ちゃん達のフラッシュを浴びるなど気分も良い。

 

 翌日・・・月曜日だが快晴のチャリ日和。寒さを心配したが気温は前日の真冬並み気温から絶好のチャリ日より。そして全域サイクリングロードの楽勝コース。

 

 

桐生から古河までの約60Km、距離はまあまだがなにせフラットなんとかなる。

 

 

一泊した桐生町中か渡良瀬川に到着するとサイクリングロードが始まる。いざ出発

 

 

いけどもいけども真っ直ぐで平坦道が続く。もはやチャリはこれに限るネ。

 

 

気温17度快晴。もう雨男と呼ばせない。ルンルンだがまだ真っ直ぐ。

 

 

渡良瀬遊水地のススキが風にゆれる。チャリもあきてしばらくススキの中をお散歩。

 

残り2k程でタイヤがパンクくさい。空気をいれると30分程は持つのでだましだましで古河駅無事到着。東北本線古河から小山、両毛線に乗り換え桐生に到着。愛車で一路東京へ。今年も無事終了。そろそろ輪行もしんどくなってきた、来年からは遠方に送り付けて観光ツーリングに変更だ。

 

 

 そして明けて火曜日からまじめにお仕事。行政の方と天空率研究会を2時から5時まで行った。これも恒例でもう5年程続いたかな

 

 従来申請された図をスキャンしチェックしていた事をCADデータからTP-PLANNERデータに変換しチェックする方式に変更。より精度の高いチェックを実現している。するどいまなざしで正確な審査が行われる。・・・らしい。

 

 

 

 さて疲れも残る今週末だが講座を開始したい。日影規制とくに逆日影の実証実験も3回目となる。

 前回は北側の用途地域が1種低層住居地域で日影規制が3/2、受影面が1.5mで区分される場合を検証した。やはり発散方式が土地の有効活用には有効で2棟高層の場合、発散規制ラインの場合閉鎖型と比較しより規制位置が遠くになる為さらに有効に機能する事がわかった。

 

 

 

今回は、北側の用途地域がさらに区分され

 

この様に3区域に区分された。事案の検証を行ってみたい。今回検証の為用途区分線が単線で区分されているが下図の様な曲線あるいは屈曲した線分で区分される場合、その線分を連続線(ポリライン)で作図し上側の用途地域を「連続線切断」する事で前回解説した単線同様に区分され区分される。

 

 

JWCADなど連続線が作図できないCADデータの場合、TP-PLANNER補助線読み込み後、補助線モードで連続線にしたい線分すべてを選択(ドラッグなど)後「合成」を実行する事により連続線にする事が可能になる。

 

 区分された北側の用途地域を選択後、右ボタンめぬいーから「切断」「連続線切断」でさらに北側を2区域に切断する。連続線の端部のベクトルで選択された区域が区分される。区分後はその区域を選択し用途地域を変更後「現在の値適用」で他の区域を設定する。

 

 この屈曲用途堺の方がおもしろそうなのでそのまま検証を続けたい。

まずは1棟高層で解析

 

 

 ダイアログボックス内の「規制ラインポイント間隔」の「発生」ボタンをクリックすると規制時間の幅から対象となる規制ライン上で規制の影響を受ける部分にチェックポイントが発生する。この機能で事前にチェックポイントを発生する事により影響を受ける規制ライン上の部分を把握する事が可能になる。そして「1棟高層型」を指定後、画面内をドラッグし逆日影チャート図をドラッグしながら高層位置を確定後「計算開始」する。

 

 この図でわかるのがそれぞれの規制の時間幅がどの様に建物形状に影響を与えるかを逆日影計算を行う前に把握する事が可能となる。計算は一瞬だ検証しよう。

 

 

前回用途地域北側がすべて一種低層の場合は

 

前回は、カットされた西側円弧側が今回可能幅が広がった様だ。東側のボリュームは変わらない。西側のみ条件が良くなった効果はある様だ。

 

 等時間線で確認しよう

 

 

北西の赤破線分が2時間線でその部分は2時間30分まで可能な為問題なし。発散規制ライン上は3時間の規制ラインいっぱいである事がわかる。用途堺で指定点日影時間が受影面1.5mで2時間規制に対して1時間56分。その位置から半天空図で眺めてみると

 

1時間56分の時間幅による高層棟とその東西赤破線部が1.5mの受影面で確定しておりその高さを若干でも超えると規制時間オーバーとなる事がわかる。

 

 

 今度は2棟高層でチェックしてみよう

これは解析結果の等高線と逆日影チャートを重ねているがやはり西側の可能幅が広くなっている。結果は

 

等時間線と指定点日影では

 

やはり円弧で示す発散規制ライン上の3時間規制が厳しい北側の用途堺は1時間50分で10分のクリアランスを半天空図で確認すると

円弧で示す部分が受影面1.5mの高さ制限で確定するゾーンでその高さを若干でも超えると10分のクリアランスは消滅する事がわかる。

 

 さて本日は最後にさらに近隣商業地域が商業地域で日影規制がない場合も検証しておこう。

 

 

この場合の日影規制は北西側 1種低層 受影面1.5mの2時間、第2種中高層 受影面4mの2時間30分により商業地域のボリュームが確定する。2棟高層でチェックしてみよう。

 

 

結果はほぼ同じ結果となった。がブロック図を確認すると中央部円弧で示す部分のボリュームが前回の結果と比較すると増加している事がわかる。

 

発散規制ライン上の3時間とそれより遠い位置にある用途堺の2時間および2時間30分の時間幅の可能空間がほぼ同じ幅を有していた事よりそれぞれの高層幅はほぼ同形状だが中央部が発散規制ライン上の規制で制限されていた様だ。今回の結果で日影チェックすると

 

 

発散規制ラインと重ねてみたが、日影規制が無い事より無視されている事がわかる。さらにその北西側は2時間30分のラインが用途境界線に近接している事が確認された。

 

念の為一棟高層では

商業地域側は規制ラインを無視しており北西側は2時間30分の規制時間内におさめている事がわかった。

 

 用途地域が異なる場合には、日影チャートの達人でも可能範囲を算出するには容易ではないが今回これらの各逆影計算は一瞬で解析される。

 

CMがはいったところで本日はここまでとしよう。

 

次回は北側の地盤が上がった場合、受影面が高くなった場合にどの程度緩和されるのかなど逆日影計算の能力検証を続けたい。では次回までお元気で!

 

比嘉ブログ

 

 

 


逆日影計算の可能性検証4近隣地盤高低差

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11月12日土曜日。東京は昨日の氷雨もあがり気温も20度近くに上昇するらしい。
早速近くの公園でパチリこれはえのき。
 

 
東京でも紅葉がそろそろ始まる。武道館の先にある北の丸公園の紅葉は・・・みごとです。取材にいかなきゃ。
 
 さて今週は激動の1週間。

まずは世論調査がまたもやあてにならなかった事。

イギリスEU離脱に続いたクリントン勝利予想のハズレ。韓国の大統領支持率5%もあやしい数字だ・・・。低すぎる。

 

 トランプの勝因のひとつにレーガンと自らをオーバーラップさせる作戦があった様だ。レーガンは読書家で知性的でトランプとはかなりギャップがあるらしいのだが。それにしてもトランプの選挙後のおとなしさが不気味だ。
 
 おとなり韓国の騒動も先鋭化した儒教の国の悪い部分が露呈してしまったのかなと司馬遼太郎を久々読み返してみた。オリンピックファンとしては冬期オリンピックが無事開催されるのかも気になるところだ。
 
 翻って我が国、先日の核兵器禁止文書賛同せずに続きパリ協定の批准も間に合わず、ほめられたものではない。東京オリンピックは・・・・やめとこ。会場等の決定も近々の様だ注視し見守りたい。
 
 さて今週の報告から始めよう。
今週は年明け早々に発売される「建設ITガイド」のユーザー事例の原稿書きで2日程自宅にこもり書き続けた。今回は長年(四半世紀を超える)おつき合いの長谷工コーポレーションさんオリジナルBIM『長谷工版BIM』とTP-PLANNER 形態制限の連携部をテーマに作成している。長いおつき合いゆえ当方の思い入れもあるがほぼ完成。来週のチェックに間に合いそうだ。ご期待下さい。
 
 そんな中でも、今週も講座有り。月曜日にはハウスメーカの3人組への天空率講座。今年も追加購入頂き1時から6時まで頑張っていただいた。
 

 
 終了後のパチリだがA氏がかざしているのは講座で使用した「天空率基礎講座」これで考え方を確認し実践を繰り返す。A氏は日影規制、逆日影の講座も受けたいとの昨日の連絡。望むところだ・・早々の再会をお待ちしています。
 
 金曜日には飯田橋の大手設計事務所で3回目のTP-PLANNER講座

今回は3方向道路、行き止まり道路、敷地外屈曲道路に加えて隣地天空率、敷地区分方式公園緩和位置複雑系の入力方法を解説。これは同行した鈴木と開始前の講座の仕込みをしているところ。
 
 
 
  さて本日も講座の時間です。今週も日影規制を徹底研究で今週のテーマは近隣の地盤面が高い場合の事例で検証を進めたい。NHKブラタモリで都市における高低差が脚光を浴びているが日影規制では受影面が当該地盤面より高い場合に政令第135条の12(後述)で緩和法が規定され当該建物のボリュームもその分アップする。
 
事例は前回没案の北側が単線で区分された
 
この事例の北側の道路境界線から北方向の平均GLが(当該敷地の平均GLとの差が)5m高い事例、反対側の道路境界線から20mを超えた位置で用途地域が2区域。

 

 東側の第一種低層住居地域の受影面は、1.5mの区域であり地盤高低差と複合され日影計算が煩雑になるのでこの事の検証と考え方を整理したい。後半は、確認申請で義務づけられる「日影形状算定図」による検証も行いたい。
 

 
立体で表現すると

 
この様な事例だ。用途地域は前回検証しかけてやめたシンプルな区分に戻した。
 
 
 今回は、逆日影計算結果を比較する為に、高低差が無い場合で逆日影計算を行いボリュームを算出後、高低差有りで解析し容積率の異なりで日影可能空間の変化を確認したい。
 
 逆日影計算も比較を容易にする為に1棟高層で行う。今回もTP-PLANNERユーザーの為に地盤面設定操作解説も行いたい。
 
 
 まずは高低差区分が無い場合の解析から復習程度に確認してみよう。

 
一棟高層を選択後、逆日影チャートを確認しながら高層ポイントを確定すると
 

 
 等高線で確認だが、この様に日影規制の緩い西側2種中高層の影響で左側の敷地の可能空間が広がっている事は前回の屈曲用途堺と同様だ。
 
 今回は逆日影計算結果のブロック表示による床面積および容積率

各階床面積とすべて容積率対象とした容積率が表示されるがその数値で可能空間の増減を確認する事としたい。
 
ここまでが前回と同様に平均地盤が同一の場合。
 
近隣平均GLが異なる場合、基準法第56条の2では3項に
 
日影による中高層の建築物の高さの制限)
第五六条の二 
3 建築物の敷地が道路、川又は海その他これらに類するものに接する場合、建築物の敷地とこれに接する隣地との高低差が著しい場合その他これらに類する特別の事情がある場合における第一項本文の規定の適用の緩和に関する措置は、政令で定める。
 
政令は第135条の12の2項に
(日影による中高層の建築物の高さの制限の緩和)
第一三五条の一二 法第五十六条の二第三項の規定による同条第一項本文の規定の適用の緩和に関する措置は、次の各号に定めるところによる。
二 建築物の敷地の平均地盤面が隣地又はこれに連接する土地で日影の生ずるものの地盤面(*)より一メートル以上低い場合においては、その建築物の敷地の平均地盤面は、当該高低差から一メートルを減じたものの二分の一だけ高い位置にあるものとみなす。
2 特定行政庁は、前項第二号の場合において、地形の特殊性により同号の規定をそのまま適用することが著しく不適当であると認めるときは、規則で、建築物の敷地の平均地盤面の位置を当該建築物の敷地の平均地盤面の位置と隣地又はこれに連接する土地で日影の生ずるものの地盤面の位置との間において適当と認める高さに定めることができる。

 
今回連接する土地で日影の生ずるもの地盤面がより5m低い場合、(5-1)÷2=2m高い位置にあるとみなす事になる。今回特定行政庁の別途定めはないとして入力開始してみたい。
 
 
 TP-PLANNERで地盤の異なりは「設定」「オプションライセンス」で「傾斜地オプション」にチェックを入れる必要がある。
 
 前回までの入力に加えて「日影・逆日影データ」で「近隣地盤面」の項で入力を行う。
 

 「位置指定ダイアログボックス」内のBMからの高さ、(当該設計GLは、BMからの差を入力するが、今回は平均GL=BM=0mとして当該敷地側の平均GLが設定されている)を基準に高低差5mを入力する。(h-1)/2の緩和計算は自動処理される為に高低差そのもの5mを直接入力する。
 
 当該敷地の地盤面側も同様に入力する。入力範囲は用途地域で設定された広いエリアをガイドにスナップし入力する。日影図を地盤面で作図する都合0m地盤情報も入力する。
 

 
追加の入力はこれだけだ。ただし計算時には「計算条件」のダイアログボックスの「計算対象」で「近隣地盤面」にチェックする必要がある。
 

 
 
あとは前回同様逆日影計算を行いボリューム比較をしてみる事とする。
*余談だがその項の地表面はコンター等から作成された実地形の地表面なりに日影図を作成する際にチェックする。
 
高低差有りの結果は

 
赤枠で示した高さで決まるエリアのボリュームが増加しているが日影時間幅は同じゆえ高層巾の大きさは変わらない事がわかる。
 
高低差なしを再度表示すると

 
ブロック図を並べて比較してみると
 

 
やはり高さで決まる低層部が赤破線枠でボリュームが増加するだけで高層巾は変わらない事がわかる。
 
面積部を拡大すると

 
 
総面積で153.693㎡の差だ。高層部はブロック化の誤差はあるがほぼ同じである事がわかる。
日影図で確認してみよう。

 
 
やはり発散規制ライン上の3時間、北側は2時間規制で確定している事がわかる。赤枠で示した箇所が段差がある区域での日影図の段差となる。
 
 逆日影の結果の建物化ゆえ建物形状が複雑になっているので間引いて3ブロックのみの建物形状にシンプル化し
 

 
なにやらトランプタワーの様だが・・。
 
高低差の異なりによる倍率表(日影形状算定図)を確認してみよう。
 

 
倍率表は任意の位置に書き出しの位置をドラッグし青枠で残した状態で画面左下側にある「倍率表:面積表」アイコンをクリックするとそれぞれの受影面における「日影形状算定図」が作成される。拡大して確認すると

 
受影面高4mの位置では1番のブロック高12mは12-4=8mが計算高となりこの高さに各時間の倍率例えば8時と16時の場合7.221倍されたのが影の長さ57.768mが1番のブロックだ。日律の下側にある方位角午前が8時の真北を基準とする方位角だ。
 

日影図の審査はこの様に日影形状を算定表でチェックされる。
 
さて高低差地盤5mは前述した様に(5-1)÷2=2m高い位置にあるとみなす事になる。
従って受影面4mに2mの緩和が適用された6m受影面、1.5m受影面は3.5mの受影面に緩和される。
 

 
近隣地盤の受影面が異なりさらに地盤高による緩和がある場合は設計有利になるがその分煩雑にもなる。考え方を整理しないと混乱するので注意したい。
 
本日も長時間になった。ここまでとしよう。次回は既存建物が有り別棟を増築する場合の逆日影の想定法を検証したい。
 
 本格的に冬がそこまできてます。風邪などひきませぬ様、まずは来週までお元気で!hi
 
比嘉ブログ
 

逆日影計算検証 5既存建物考慮検証 

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11月19日土曜日。東京は小雨で寒い朝。
まずはこの一枚

 
東京でも紅葉がはじまった。これはニシキギ。真っ赤な色づきがきれいだ。
 
 今週は、火曜日ワールドカップアジア予選サッカー、アラブ戦勝利・・。最後の失点は無駄感ありで若干すっきりしないがやっと振り出しに戻りひとまずやれやれ・・・。
 世代交代の雰囲気も感じられたが久保、小林、そして原口など眼光鋭くバイタリティーあふれる若手の台頭は頼もしい。おっと清武、山口を忘れてはいけない。

 本当に忘れていけないのはタイがオーストラリアと引き分けてくれた事。タイに感謝。
 
 そして今週もう一つ錦織圭ATPファイナル。昨晩バブリンカが負けてくれたので自動的にベスト4進出で今朝のチリッチ戦の応援は朝5時ながらゆったりした気分から・・楽々1セットまではよかったのだがマレー戦同様の逆転負けで今一つこうれもスッキリしない。マレー戦の疲労が出たかなと納得したい。
 
 明日早朝ジョコビッチ戦・・なんとか勝ってほしい。朝が早い比嘉にはちょうど良い時間帯だ。応援するぞ頑張れ!
 
 大相撲豪栄道も応援しているゾ。
 
 本日はテニス観戦の後、ブログ講座のネタ作成。そして年明け恒例のゴルフにそなえて体力作りでジムで軽く汗をながしいつもの様に楽器いじり・・・そして現在晩飯前にあわててブログアップ作業中早く終えて昨晩も飲んだボジョレヌーボとやらを頂く予定だ。
 
 今週は、予定していた講座が来週に変更になるなど久々講座の無い週となった。
 
 今回はブログ講座が長くなるので早速開始したい。
 
今週は逆日影計算の総復習的な解説を行いたい。事例は2000㎡程度の土地ゆえそれなりの規模。土地の日影規制可能空間つまり逆日影計算の算出法と設計目的を連動して解説したい。

この事例の場合ほぼ東西の横長敷地で奥行が限られる為、高層の利用には注意を要する。
 
配置図の様に描かれた青表示は計画したい建物形状を示す。
 
 逆日影計算は太陽高度内に建物高をおさえる「低層建物型」。
 建物幅を日影規制時間幅この場合3時間に限定する事によりタワー状の建物を可能にする「高層型」。
 その高層ポイントが2点設定可能な「2棟高層型」の3種がある。
 
 まずは計画予定屋根伏せを「仮想建物」に設定しそれぞれの結果を検証し比較してみたい。
 
まずは「低層型」から

 
「逆日影計算設定」ダイアログで「低層建物型」を選択する。低層型には3種あるが一般的に規制ラインに平行に太陽高度内におさめる「逆日影基準線」を使用する。この場合はそのまま「計算開始」ボタンで結果が算出される。
 

影の長さL=(h-受影面)×倍率により可能高さhは規制ラインから離れるに従い高くなる。ブロックを建物変換し等時間日影で確認すると
 

 5mライン上がほぼ規制ライン際にあり厳しい事がわかる。左右の端部は10mラインに接近するのもこの方式の特長。
 
中央部の指定点日影4時間39分のP3から半天空図で確認すると
 

 
5時間の規制に対して、太陽が低い時間帯8時側と16時側で時間を消化するため中央部は太陽高度内におさまっている事がわかる。その為低層になるが敷地幅いっぱいに同レベルの高さが南向きに配置可能となる。
 
 次に「1棟高層型」で検証すると

 
「1棟高層」をチェック後敷地内でドラッグし逆日影チャートを高層設定したい箇所に移動後「計算開始」を行う。その際ダイヤ状の無限高の部分が算出されると同時に8時の方位線より東側は高層部による日影時間に影響を与えない様低層に設定される。
 

 
 この場合高層部が可能になる為その部分は10階だが日影規制のみを考える無限高が可能になる。等時間日影は
 

 
3時間幅で確定している為、10mラインが厳しい。これが高層型の特長

西側に高層部を配置した為に16時側から3時間幅が確保されその他の部分が太陽高度を超えない様低層になる。
 
 次に2棟高層の場合

 
高層部を2点(赤円弧部)指示後「計算開始」を行う。
結果は

 
一見、、低層型と同様に思えるが比較くするとわかるが左右に高層巾が確保された分中央部の低層部は、「低層型」の結果よりさらに可能空間が南側に移動し低くなる。
 

等時間線は5mライン、10mラインそれぞれが規制ラインに近接してくる。まさに低層と高層の折衷方式だといえる。
 

 
さてここまでが逆日影計算の基本的な手法と考え方。
 
ここからが本題となるが既存建物を考慮し別棟を増築する際の可能空間を検証してみたい。
 

逆日影低層型の結果でわかる様に6階建てがほぼ可能空間だが既存の建物は5階程度で日影規制は5時間が5mラインにやや近接するが十分余裕がある。その為西側のゾーンにどの程度の規模の建物が可能かを検証してみる。
 
 現況の建物が及ぼす規制ライン上の日影時間が現況建物側で
 

 
最も日影時間が長いのが5mライン上でP3で2時間18分残り5時間の規制に対して残り3時間弱
 

西側は時間が短くなり1時間強、残り4時間時間未消化となる。
 
既存建物を考慮した逆日影計算の場合はその事を考慮しなければならない。
 
西側仮想建物部に既存建物を考慮した建物を高層型で算出してみる。既存建物考慮とは上図で解説した様に既存の建物から日影時間から可能時間を算出しその事を考慮した逆日影計算を自動処理するのがこの方式。
 

 
「指定点チェック」の項に「既存建物考慮」のチェックを行った後は通常操作と同様に指定し「計算開始」すると

 
仮想建物に7階(上限を7階に指定)が可能になった。既存建物を考慮した結果だ。既存ではなくすべてを可能空間(仮想建物)とした最初の結果と比較すると
 

既存建物を配置しない場合に比較し高層巾は広いが東側の建物が5階以下の低層に自動算出されている。
 
 建物化し既存と複合し

日影規制チェックを行うと
 

 
やはり規制ラインいっぱいの可能空間が算出されている。
 
さておもしろくなったゾ。
既存建物が日影規制厳しい場合、あるいは既存不適格(日影規制がない昭和52年以前の建物特に病院、学校などが多い)の場合の解析法などさらに逆日影計算を掘り下げたくなった。次回にしよう。
 
*尚TP-PLANNERユーザーの皆さんにお伝えしなければならないのは最後の「既存建物考慮」はVer16で若干不具合が比嘉の検証中発見され為今回のレポートはVer15で仕上げた。同様の作業を行いたい場合、連絡いただきたく思っております。詳細は来週報告予定です。
 
 季節の変わり目、風邪ひきさんが多くなりました。忘年会もそろそろ始まります。ご自愛下さい。来週までお元気で!
 
 
比嘉ブログ
 
 
 
 
 

逆日影計算検証6 既存建物考慮検証 

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11月26日 土曜日久々小春日和のあったか天気になりそうだ。明日は雨予報、出かけるなら今日でしょう・・・らしい。

 

 今週は火曜日22日朝6時頃、微振動が若干つづいた感じでねぼけたかと思いながらTVをONすると福島沖での地震、津波が心配され宮城で1.4m程の津波がが川を遡上する様子が後で映像になったが大事に至らずよかった・・・がこのところ地震が全国レベルで多い。やはり地震国日本・・原発再稼働は心配だ。

 

 26日、東京では54年ぶりの雪。

 

 ずいぶんまた久々の記録だと思いながらハタと思い出した事に、そういえばその頃沖縄でもあられが落ちてオバーの家の庭のざるであられを集めてしゃぶった覚えがあった・・ゾと。

 

 ・・・・同じ年かどうか気になりwebで検索すると1963年1月20日と記録されている。ほぼ同じ頃だ。子供の頃の記憶は正しく残っている様だ・・。今では昨晩の・・・・・やめとこ。

 

 本日はチェットベイカーの映画「ブルーに生まれてついて」の封切り。新宿あたりにでかけて久々の映画鑑賞の予定。そろそろ割引料金が適用されるかも・・悪い事だけでもないネ。

 

 早速今週の報告から昨日金曜日はハウスメーカーの二人組が来社

 

お二人多忙につき1時から4時半までで終了。ハウスメーカーゆえ道路天空率中心にコンパクトに解説。3方向道路、3の行き止まり道路を実践してもらった。

 

 今週は昨日2017年度版「建設IT」ガイドのユーザーガイドの入稿日。毎年恒例だが今年も無事編集し仕上げた。今回は「長谷工版BIM」とTP-PLANNERの連携処理の内容。参考にしていただければ幸いだ。

 

 編集内容の打ち合わせ中のBIM推進室室長の新屋氏と企画設計室の渋谷さんとの編集会議。長いおつきあいだが今回もお世話になりました。

 

 

さて本日は早めの活動開始ゆえ講座を早速始めたい!

 

 前回の後半から既存建物から発生する日影時間を考慮した逆日影計算を行っている。

前回は既存による等時間日影が緩い場合

 

 

この様な事例の検証で結果

 

 

 

西側の規正ラインいっぱいでおさまり日影が複合された部分の規正ラインも限界に近接する有効な結果が得られた。

 

 このシリーズの既存建物のバリエーションを変化し既存建物考慮の逆日影計算の検証をさらに深化させたい。

 

 本日の第一弾は既存建物が高層巾できまる50m階高の建物の場合。日影規制時間もほぼ消化している場合。

 

解析の手順は

 

「既存建物考慮」をチェック後「1棟高層」にチェックしキャンバス内でドラッグし高層位置を確定する。この場合、既存建物で規制時間を殆ど消化している為、「1棟高層」を選択しても結果は太陽高度による結果と同様になる。「1棟高層」の場合時間幅と太陽高度ともに考慮する都合既存建物考慮の場合は「1棟高層型」で指定する。

 

 結果は

 

 

低層になり5階どまりとなった。円弧で示す部分のえぐりが気になるのでその事を確認してみたい。

 

 まずは結果を建物変換し等時間日影でおさまっているか否かをチェックすると

 

 

問題なし。既存建物のみの場合の等時間日影線が10mラインの中央部でがさらに近接する結果となりどうやら正しい逆日影計算が行われた事がわかる。

 

 ただし中央部5階の部分がなぜえぐられたのか気になる。その部分に5階ブロックを追加し

 

日影チェックし検証すると

 

 

やはりNGになった。10m規制ラインのポイントP4で7分NGとなった。

半天空図で確認すると

 

やはりえぐりを埋めたブロック部がNGの原因である事がわかる。太陽の軌跡と重ならない様にえぐられた事がわかる。

 

 逆日影計算の結果に疑問が生じた場合にはこの様に確認するとその可否がよくわかる。

 

 

 方位を変えてみると結果はドラスティックに変化する。真北が敷地幅の狭い方向に向いている場合を検証してみよう。

 

 

この事例は真北に対して幅狭(東西幅が狭い)ゆえ高層型が有効となる。ところが逆日影チャートによる高層指定は仮想建物のエリアのみとなっている。指定部分は既存建物となっている為だ。ただしこの様な場合既存建物部分にも仮想建物を配置し可能高さを建物ブロックと同様の高さで配置する事により逆日影チャートを配置する事が可能になる。

 

 

 計画したい部分の仮想建物にも希望最大高さを指定するとさらに設計者の意図する逆日影計算を実行してくれる。

 

既存建物部にも逆日影計算結果が表示されるが仮想建物で指定した可能高さをこえない結果となる。その為、日影規制時間余裕分が考慮される。

 

日影で確認すると

 

 

極めて正しい値が得られた様だ。

 

本日最後は

 

 

50m高の既存建物が2棟あり、建てたいエリアが既存建物を凹状に囲んだ事例。

 

 

やはり既存建物にも重ねて仮想建物と既存の高さを設定する。

 

 

既存建物チェックの欄に「既存建物」に加えて「仮想建物」もチェックする。そして「1棟高層」で逆日影チャートを適用した条件下で解析する。

 

結果は

 

以外と高層建物が可能な様だ。日影チェックすると

 

既存のみで緩かった10mラインの3時間日影線が近接している事がわかる。

この場合真北の方向によっては2棟高層が有効になる場合もある。

 

 既存建物を考慮した際の逆日影計算のバリエーションをほぼ紹介できたのでは思う。

本日はこのあたりで終了にしたい。次回は既存建物が日影規制をオーバーしたいわゆる既存不適格である場合の解析事例を解説したい。そのあとは天空率に戻りたい。

 

 インフルエンザが流行のきざしらしいですヨ!お気をつけて hi

 

 

比嘉ブログ

 

 

 

逆日影計算検証 既存不適格事例対処法 7

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12月3日快晴の土曜日。

師走突入、今年も残りわずか・・。比嘉ブログは5回。

 

 11月12日の比嘉ブログで北の丸公園の紅葉も見事だと書いた。が・・雨、はては、雪までふられて取材の時間がとれなかった。昨日金曜日快晴、、ポッコリ時間ができたので3時過ぎに出かけた。この時期冬至より日の入りが早い。(この事は話すと長くなるので省略)4時を超えるとシャッターチャンス無し。東西線に乗り15分、九段下の階段を駆け上がったお濠のあたりは、紅葉も終わった雰囲気。マズイ。

 

 

さらに武道館

を超えて北の丸公園の池を目指すと真っ赤な世界がそこに広がっていた。!

 

 

 これが最後見納めかな・・・。激写した。今年残りの比嘉ブログ花シリーズは激写残をチビチビ紹介する事に決定。

 

 

 先週土曜日、ブログをアップ後、チェットベイカーの「ブルーに生まれついて」を角川シネマ新宿で見てきた。ジャンキー・・チェットベイカーが密売人にトランぺッターの命ともいえる前歯とあごの骨を折られるシーンから始まる。血をみるのがいやな当方としては困った・・が恋人に支えられながら復活するまでの葛藤はグッとせまるものだがあった。・・ところが再び薬に依存してしまう・・・最後のマイファニーバレンタインがせつない。イーサン・ホークがチェットベイカーに見えてくる熱演、JAZZファンには、50年代の名曲とともに見ごたえのある映画。・・・その直後のASKA騒動・・・これは悲しい。

 

 今週木曜日こんな事もあるもんだという事がおきた。

会社近くで昼飯を食べながら談笑していると背後に人気を感じ、振り向くと30年来の友人。

 

 日本橋勤務の構造設計者ゆえ高田馬場の飯屋で遭遇するわけはないのだが、午後の高田馬場ビジネスマターの前に食事をせんと店の奥まですすんだら比嘉がいたという事らしい。SNSで近況を確認しているだけに近々の活動は承知しているのだが、食事の間、しばし歓談、正月を前に会えてよかった。日本も狭くなったもんだ。ネタ不足のおり社の方にもご一緒にパチリ、ご協力ありがとうございました。

 

 

 逆日影計算講座を始めよう。毎年天空率講座の合間に日影規制講座のシリーズを入れている。

 天空率施行以来、その仕様、運用等の解釈でなにかと注目が天空率にあったが、形態制限・日影規制を正しく理解しない事には適正なボリューム算出ができない。

 

 前回は、既存建物を考慮した逆日影計算を解説した。

 

 

 

 既存のツインタワーのまわりに逆日影計算で可能建物を算出した。

 

 先週までの事例では既存の建物が日影規制におさまっていたが今回は既存の建物がすでに日影規制をオーバーしている場合を検証したい。

 

 日影規制施行以前の建物で公共建築物:学校、病院、庁舎などに散見される事例だ。

 

 

 

 

 既存の建物が3時間がNG(赤表示部)で5時間規制もNG(黄色表示).その西側に増築部を検討する場合の対処法を解説したい。

 

 既存でNGの日影規制事案のいわゆる既存不適格の場合、解決策の一つで現状の日影時間を超えない事が条件にされる事がある。現状の等時間線を超えない建物を算出する方法・・・これが今回のテーマ。

 

 まずは既存の建物のみで等時間日影計算を行う。

 

 この等時間線と規制ラインと複合した規制ラインを設定する為には汎用CADの機能で行うがその場合には「ファイル」「エクスポート」でDWG,DXF、JWW等でご自分の慣れたCADで操作する。TP-PLANNERの汎用CAD部はマウス右ボタン(コンテキストメニュー)で「図面レイアウト」を選択すると汎用CADに画面が変わる。

 

 

 

赤で示す規制ラインは既存建物によるNG部を規制線とする為に削除する。そして等時間線の規制ラインより敷地側は本来の規制ラインで規制される為、切断等で区分し結果

 

 

 既存不適格によるNG部も含めて規制ラインに見立てた5m、10mラインをそれぞれ作成した。レイヤも区分し「ファイル」「エクスポート」でDWG等のファイル形式で保存する。

 

 保存された新しい規制ラインはさらにファイルでインポートでTP-PLANNERに読み込むと本来の規制ラインと既存考慮の規制ラインが重なって表示される為「表示」「項目別表示設定」で規制ライン関連の表示をOFF設定し敷地情報から自動作成される規制ラインをOFF表示する。その事により自動発生した規制ラインの影響を受けない。

 

 

そして読み込まれた既存NGを考慮した規制線を「共通データ」「属性線」「追加規制線」に規制時間、受影面高等を割り付ける。

 


 属性線とは線分の法的意味合いを設定する事が可能で今回はCAD編集した規制線に法的意味付けを行う。

 規制ラインの場合は5mライン、10mラインを別々に読み込みドラッグで線分を全選択後レイヤを変更するがごとく規制時間、受影面を設定し「現在の値を適用」ボタンで法的属性が設定される。

 

 尚2個目の規制ラインを呼び込む場合は補助線にカットペーストで退避させる事で効率的に設定が可能になる。

 さて入力条件はととのった。早速逆日影計算を行いたい。

 

 操作は前回の既存建物考慮の手順と同様に行う。違うのは上図の様に規制ラインが追加規制線に変わっただけだ。

 

 まずは「既存建物考慮」をチェックし「1棟高層」を選択し逆日影チェーとを表示する。この場合タワー状の高層建物をイメージしているわけではなく8時と16時に囲われた内側に太陽高度、時間幅を考慮した可能範囲をイメージしている。「計算開始」ボタンをクリックし解析開始。

 

 結果は

以外とけずられた結果となっている。建物変換し等時間日影を確認すると

 

既存NGを考慮した規制ラインを超えてない。問題なさそうだが中央部赤枠で示した凹み部が気になる。その可否を検証してみたい、

 

3階部分の凹み部を追加ブロック埋めて日影計算を行ってみる。その状態で設定した規制ラインを越えなければ可となる。

 

 

既存NG考慮の規制ライン上の5時間規制に対して8分オーバーした。半天空図で確認すると

 

 

やはり凹みに追加したブロックが15:52分から16:00までの日影となり8分オーバーした事がわかった。凹み有が正解したがって正解値を得られた。

 

 一方、西側の等時間線が余裕がある様だ。上記追加したブロックを削除し再度等時間日影線を確認すると

 

 

 先ほどのNG箇所はジャスト規制時間5時間を表示している・・・が西側の赤枠部は5時間規制に対して1:51分・・約3時間余裕がある。・・・なぜだろう?

 

 西側に平行にせめて4階部がのらないかと4階高のブロックを追加してみる

 

 

結果は

 

それぞれ3時間19分、5時間14分と規制ラインをそれぞれ超えてNG。つまり西側の等時間線がゆるいのはその部分に建物配置すると北側赤枠部がNGになる為だという事がわかる。

この様な解析法を既存不適格物件の逆日影計算という。

 

 2棟高層と発散規制ラインの効果から始まり既存建物考慮、既存不適格までの逆日影計算を解説してきた。計画時の逆日影計算がいかに有効であるかご理解いただけただろうか?。解析をやりっぱなしにせず疑問がある場合には今回の検証法の様に建物ブロックを追加するなどで確認していただきたい・・逆日影計算機能は天空率同様わが社の自信作です。ぜひご利用頂きたい。

 

 尚、2週ほど前の回に「既存建物逆日影計算」に限りVer16でミスを確認した事をお伝えしたがすでに修正済みで今週アップデート版がリリースされています。お早目にアップデートして下さい。

 

 さて7週にわたり解説を続けてきた逆日影計算シリーズの2016年版はこれで終わりにします。来週から天空率計算の講座に戻ります。相変わらず審査の現場で混乱している様です。事例でじっくり解説します。お楽しみに!

 

 忘年会シーズン突入です。飲みすぎない事、風邪などひきませぬ様ご自愛ください。・・・hi

 

比嘉ブログ

 

 

 

 

 

令132条区域と適用距離の関係:間違った指摘への解答法 1

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12月10日土曜日
 東京は、快晴だが気温はグッと下がった。このところ「But not for me」をなんとかしたれと思い時間があれば練習している。復活してから3年が経過し、このところやっと仲間と楽しめる程度になってきた。今回は歌もいれてみるかと画策している・・・。
 
 昨日金曜日東京は南風が吹き暖か、しかも快晴。午後青山で「建築法規PRO」の編集打ち合わせを終え神宮にフラりと出かけた。
 

イチョウの葉はすでに落ちていたがこの並木はそれでもおしゃれな感じ。中国人の観光客と思われるが激写していた。
 この際ついでに着工が始まったと報じられた新国立競技場も視察、・・さらに歩を進めた。

 早くもスタンドの雰囲気がわかる。東京オリンピックの開会式は観客席に陣取りたいものだが・・・いかにすれば叶うか作戦をたてなきゃ。
 これは高台にある東京体育館からのパチリで千駄ヶ谷経由で帰社。
 
 今週から忘年会が始まった。木曜日は大学OBソフト会社経営者の会に参加、この会は、25年程続いている。
 今年の忘年会は、ほぼ週一ゆえ多い方ではないと思うが、同窓の気安さもあり、ちょっと飲みすぎた感がある。来週は多少上品にすごしたい・・が毎回、気が置けない仲間との会ばかりゆえなかなかl・・・。
 
 さて今週の講座から

 火曜日には設計事務所の皆さん5人で来社。主にプランニングから天空率の流れを繰り返し特訓。ちょっとノリが良すぎで1時半からはじまった講座は気がつくと7時近く・・。それでも語り足りない・・・補講を決定!。これは終了後の写真写りのポーズつけの途中でパチリとなってしまった。次回楽しみにしてます。年明けかな。
 
 
 さて天空率講座を始めたい。前回までは7週にわたり逆日影計算手法を解説してきたが今週から天空率にもどりたい。
 サポートセンターに寄せられる質問の中で今だ2以上の前面道路がある場合の令第132条の区分法の質問が多い。
 
 令132条の区分法は法文のみの場合理解し難いが、日本建築行政会議(JCBA)編集の「集団規定の適用事例」2013年度版で区分区域が図示され詳細に解説されているのでその内容に準じて区分すれば問題無い。
ただし
2013年度版はP200からP202の挿絵の道路幅員が間違っており訂正ページは
 
『建築確認のための基準総則 集団規定の適用事例 2013年度版』正誤表
で公開されている。他の修正部とともに確認していただきたい。天空率関連は
 
4方向道路においてA>C>B>D

 
と記述され区分されている。Cの幅員は最小であることの間違いで
 
A>B>D>C

これが正しい。令第132条は道路幅員差の順列で区分法がまったく異なることになるのでご注意いただきたい。
 
 さてその「集団規定の適用事例」2013年度版のP198で2以上の道路における区分法で最大幅員の区分は2Aの区域を越えられない。との記述がされている。
 

 
 ところが審査の現場でこの解説を無視し区分は必ず適用距離まで延長するとの指摘がされたとの相談を受けた。
 今回はその指摘がいかに間違いであるかを挿絵および解説が意図する事から検証したい。
この事は過去何度が比嘉ブログでも解説してきたが、審査の現場で令第132条が正しく理解できてないケースが今だ多い。審査機関の間違った指摘は、審査の現場を混乱させ無駄に時間が浪費される。この際、明確にしたい。
 
 挿絵の解説の様に適用距離より2Aで区分されるケースは最大幅員が6m以下程度の場合で容積率が大きく適用距離が広い場合に多い。
 最大幅員と適用距離との関係は
 最大幅員×2倍<適用距離-(最大幅員+後退距離)の場合、本例の様に段差状になる。
この事は、比嘉ブログ
http://ameblo.jp/normanhiga/entry-12172913307.html
 の回でも解説した参照していただきたい。
 
今回はこの事例最大幅員が6m程度で狭い場合のケースで検証を進める。
 
 
 
 
まずは高さ制限(道路斜線)適用の原則から始めたい。
 
(建築物の各部分の高さ)
第五六条 建築物の各部分の高さは、次に掲げるもの以下としなければならない。
一 別表第三(い)欄及び(ろ)欄に掲げる地域、地区又は区域及び容積率の限度の区分に応じ、前面道路の反対側の境界線からの水平距離が同表(は)欄に掲げる距離以下の範囲内においては、当該部分から前面道路の反対側の境界線までの水平距離に、同表(に)欄に掲げる数値を乗じて得たもの

 
 となっており要約すると「建築物の高さは、道路の反対側から容積率による適用距離を考慮し道路斜線勾配以下に制限される。」となる。
 
 ところがその原則どおりに適用すると今回の事例では、狭い道路4mの制限で敷地の道路斜線による可能空間が制限され広い道路6mは無視されることによる。
このことはhttp://ameblo.jp/normanhiga/entry-12171236314.html
で詳細の解説をした。(この場合の最大幅員は、10m)

 
 
 狭い道路4m側からの制限が広い道路側からの可能空間まで制限する事になる。あくまで原則どおりに適用した場合だが。
 
 そうなると困るのは地主のみならず土地が有効活用されない為の税収減から国益にまで影響を与えてしまう事は言うまでもない。そのままで良いわけがない。そこで
 
同法の6項で
6 建築物の敷地が二以上の道路に接し、又は公園、広場、川若しくは海その他これらに類するものに接する場合、***における前各項の規定の適用の緩和に関する措置は、政令で定める

 
 つまり2以上の道路が接する場合、政令で緩和が適用されるとあり、比嘉ブログでは、おなじみの令第132条で規定される。
 
(二以上の前面道路がある場合)
第一三二条 建築物の前面道路が二以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の二倍以内で、かつ、三十五メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が十メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。
2 前項の区域外の区域のうち、二以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の二倍(幅員が四メートル未満の前面道路にあつては、十メートルからその幅員の二分の一を減じた数値)以内で、かつ、三十五メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。
3 前二項の区域外の区域については、その接する前面道路のみを前面道路とする。
 
 この法文の意図する事は、2以上の前面道路がある場合、それぞれの道路に面する敷地内の部分は1項1号の原則どおりの道路幅で道路斜線を適用せず令第132条の記述に従い敷地内区域ごとに高さ制限を適用する道路幅員を確定する。その道路幅員による道路高さ制限(道路斜線)を適用する。

 
 令132条で区分される敷地内の部分は前述の比嘉ブログの挿絵を参照していただくと(この場合最大幅員が10m)

青と赤で表示する様に道路に面した部分で道路斜線を適用する道路幅員が規定される。
 
 
そこで再度JCBAの挿絵に戻ると
 

 
 区域②の部分は広い道路Aからの適用距離内にあっても
第一三二条 建築物の前面道路が二以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の二倍以内で、かつ、三十五メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が十メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。
 
 第132条の1項の最大幅員の2倍以内および道路中心10mを超えた部分に最大幅員を最大幅員を適用して良いとする。「すべての前面道路の幅員が・・」とあり4m側にも最大幅員が適用される。
 
 
これを例題で具体的に図示し解説すると

 
 「最大幅員適用外部」は、最大幅員の最大の境界線から2倍を超え、その他の前面道路(この場合4m)中心から10m以内の部分ゆえ、適用距離内にあっても最大幅員は適用されない。
 
 令132条で適用距離まで延長しない理由をさらに1項を読み進め検証をすすめる。後半部だが
 
「すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。」とあり、「すべての前面道路」に着目しなければならない。つまり4m道路側に面した部分も同様に1項が適用される。これも図示すると
 

 
 これが意味する事は、冒頭の趣旨どおり狭い道路4m道路からの勾配が原則どおりに高さ制限を適用すると建築物高が著しく制限される。
 
 一方、広い道路の2倍までは、広い道路上(この場合6m道路)には建物が建たない為、その分、4m道路の反対側でも通風、採光は良いと考えてもよかろう・・と。だからその部分の高さ制限は最大幅員で良いとする。
 
  その効果は、2倍程度の範囲まであると考える。
 
 ただし、35mを超えた部分にはその効果が期待できないので効果無しとしている。したがって最大幅員が20mの場合、その2倍40mまで効果を期待してはだめで35mまでとする。
 
 2倍までと規定する事は、最大幅員が比較的狭い6m道路の場合、2倍12mまでとし適用距離(この例では25m)までは、通風採光の効果はないとする。
最大幅員が6m程度の狭い道路に対する安全側の発想だ。

 
 つまり2倍までを1項に記述する事(適用距離まで延長しない事)により最大幅員が比較的狭い道路における通風採光の効果を適正に適用する意図がある。
 
  たとえば最大幅員が比較的広い10mとなると
 

 その2倍は最大幅員の境界線から20mまでとなり適用距離を越えてしまうがその場合、適用距離が適用される。
 
 適用距離は規定による区分の結果、適用距離を超えた場合に適用距離までとし、適用距離内の場合区域区分法(2倍まで等)で区分しなければならない。
 
 
 比較的狭い最大幅員もすべて適用距離まで単純に延長するという事は本来の高さ制限の目的からも危険側といえる。この事を誤解し適用距離まで常に延長する事は間違いである。この事は、天空率ソフトでもその様に間違った区分をしている場合が有り間違いを助長しかねない。注意したい。
 
 天空率においては、第135条3項で
 
(前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限を適用しない建築物の基準等)
第一三五条の六 法第五十六条第七項の政令で定める基準で同項第一号に掲げる規定を適用しない建築物に係るものは、次のとおりとする。
一 当該建築物***天空率以上であること。
二 当該建築物の前面道路の境界線からの後退距離**
2 当該建築物の敷地が、道路高さ制限による高さの限度として水平距離に乗ずべき数値が異なる地域*:::
道路制限勾配が異なる地域等ごとの部分の」とする


3 当該建築物の前面道路が二以上ある場合における第一項第一号の規定の適用については、同号中「限る。)」とあるのは「限る。)の第百三十二条又は第百三十四条第二項に規定する区域ごとの部分」と、「という。)の」とあるのは「という。)の第百三十二条又は第百三十四条第二項に規定する区域ごとの部分の」とする。
 
第132条又は第134条に規定する区域ごとの部分とする。と記述されており正しく第132条区分が適用されなければならない。
 
 適用距離まで区分しない考え方は令第132条による区分法にかぎらず勾配が異なる区域の場合も勾配区分が優先され、特殊な考え方ではない。
 
 道路制限勾配が異なる際(用途地域が異なる場合:住居系における12m以上の道路制限勾配が異なる時など)には、異なる地域等ごとの部分で天空率計算を行う。
 
政令第135 条の6 第2項
「当該建築物の敷地が。道路高さ制限による高さの限度として水平距離に乗ずべき勾配が異なる地域・・・・適用については・・・勾配が異なる地域ごとの部分の」とする。

 
まずは道路に接する区域が商業系のみ場合

 
適用距離の設定は
令第130 条の11 で適用距離の特例として前面道路に接する敷地の部分の属する地域、とする事
より、上図の例では全て前面道路に接する商業形の適用距離が適用20mが適用され接してない住居系の適用距離が30mだとしても20mまでで区分される。
 
 
 
次に2区域接する場合
 

 
 
住居系に接した適用距離に面した区域はその延長上に商業系がある場合でも接する住居系の適用距離が適用され上図の様に段差状になる。
 
 
 常に容積率による適用距離まで区分される考え方はこの事例でも明らかに間違いだといえる。
 
 
 さてさらに3方向道路の道路中心10m内のいわゆる2Bにおいても同様に常に適用距離までという間違った指摘もある。今回も長くなった次回にしよう。
 
 
 
 
比嘉ブログ
 
 
 
 
 
 
 

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