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令132条2項「それぞれその前面道路の幅員の二倍」を解釈

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 4月21日土曜日

いよいよ本格的な夏到来の様だ。

今年の冬の寒さから一変・・夏は今年も暑いらしい。

年々記録破りの寒さ、暑さの繰り返しになってきた。

いよいよ温暖化が加速してきたか?

ヤマツツジもはや暑そうにしている。

これはアヤメ。

  さて本日は朝から日大不動産鑑定士実務修習の天空率の補講を行っていた。これからラッパ仲間との会早く書き上げなきゃ・・・。

 今週の報告から

まずは朝から先ほどまで講座を受けていただいた日大不動産鑑定士実務修習の皆さんから

 画地割講座に続いて天空率理論さらに土地情報から建物想定面積表までお疲れ様でした。皆打たれ強い。終了後のこの余裕の表情は、なんだ!

 月曜日、火曜日の新人研修+α講座

新人の方2名にリハビリ講習の方をまじえて行われた。 

 初日は例により日影規制の考え方から逆日影、屋根伏せ図により申請図の作成、NG建物の「3D日影チャート」によるクリアー法を解説した後建物プランから面積表まで

 2日めは発散規制ライン作成法など初日の復習後、斜線規制の理論と問題点の指摘そして天空率を学習。さらに3方向道路の困難な事例の実践解説。仕上げはプランから面積表そして構造連携で躯体発生後建具を配置したBIMモデルの完成まで

 完成したBIMモデルを背景に終了の記念撮影。あとは実践で活躍していただこう!頑張りましょう。

 

 

 さて今週の比嘉ブログのテーマは令132条2項「それぞれその前面道路の幅員の二倍」の意図する事を検証してみたい。

 例題は商業地域で3方向道路のこの事例

 

図1

 

 商業地域400%ゆえ土地を有効活用しなければならない場所の事案。

 形態制限は高さ制限のみ。令132条による天空率区域区分の解釈で建物の規模が本来の可能空間より制限されてしまう事のないようにしたい。

 

 解説の前に令132条の目的を確認したい。過去の比嘉ブログで詳細な解説を続けてきたのでそれらの挿絵を利用する。

 

まず道路高さ制限の原則は、基準法第56条1項一号から

一 別表第三(い)欄及び(ろ)欄に掲げる地域、地区又は区域及び容積率の限度の区分に応じ、前面道路の反対側の境界線からの水平距離が同表(は)欄に掲げる距離以下の範囲内においては、当該部分から前面道路の反対側の境界線までの水平距離に、同表(に)欄に掲げる数値を乗じて得たもの
 

とある事より、道路の反対側の境界線から適用距離間で別表第3による勾配で高さが制限される。10m幅の道路の場合

図2

住居系の場合、道路に面した位置で10×1.25=12.5mとなる。

 

4m道路に面した場合

図3

 

4m道路際では4×1.25=5mと低く抑えられる。これが道路高さ制限の原則。

 

問題は2方向の道路の場合で北側10m東側4m道路の場合
図4

 

第1項の記述のみではが10m道路からの高さ制限と4m道路からの高さ制限が重なる事になる。その結果

図4

その低い面で制限されるとすると

図5

 法56条第1項の規定のみで複数道路に高さ制限を適用するとこの様に道幅の狭い道路の高さ制限を受け建物が低層に抑えられてしまう。 

 その結果土地の有効活用ならずとなる。土地が有効活用されないと社会インフラに少なからず損失を与えてしまう。

したがってこの様な記述のままで良いわけはなく法第56条第6項で

 

6 建築物の敷地が二以上の道路に接し、又は公園、広場、川若しくは海その他これらに類するものに接する場合、建築物の敷地とこれに接する道路若しくは隣地との高低の差が著しい場合その他特別の事情がある場合における前各項の規定の適用の緩和に関する措置は、政令で定める。

「建築物の敷地が二以上の道路に接し・・政令で定める。」とする。この政令が第132条となる。

令132条の目的は

原則どうりの高さ制限の適用では図5の様に不合理な結果となってしまう為に

 

図6

 それぞれの道路に面した敷地の区域を令132条は3項にわたる条文でその区域を区分しその区分法に基づき確定した道路幅員を適用する。

従って4m道路に面した区域でも(青枠)4m道路の反対側を起点とした高さ制限勾配を適用するわけではない。

 

 事例に戻り、さっそく令132条の記述とともに区分されるそれぞの道路に面した区分法を確認してみよう。

図7

 

 この場合最大幅員は東側12.8m道路となる。(この事例が商業地域ゆえ関係ないが住居系の場合は前回解説したように12m以上の前面道路が接道する場合令132条以外に

法56条第3項

3 第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域又は準住居地域内における前面道路の幅員が十二メートル以上である建築物に対する別表第三の規定の適用については、同表(に)欄中「一.二五」とあるのは、「一.二五(前面道路の反対側の境界線からの水平距離が前面道路の幅員に一.二五を乗じて得たもの以上の区域内においては、一.五)」とする

 

この条文でも勾配区分しなければならない。幸いにも今回は商業地域だ令132条のみの検証でよい。)

 

改めて令132条は

 

(二以上の前面道路がある場合)

第一三二条 建築物の前面道路が二以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の二倍以内で、かつ、三十五メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が十メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

 前項の区域外の区域のうち、二以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の二倍(幅員が四メートル未満の前面道路にあつては、十メートルからその幅員の二分の一を減じた数値)以内で、かつ、三十五メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

 前二項の区域外の区域については、その接する前面道路のみを前面道路とする。

 

まずは、一項の最大幅員の区域から

図8

 

 敷地内の緑の面状の区域が最大幅員12.8mの高さ制限が適用される区域。この区域は最大幅員ゆえその法56条の1項に基づき高さ制限を適用するだけだ。

 

最大幅員は「最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の二倍以内で*その他の前面道路の中心線からの水平距離が十メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

 

 その他の前面道路全てに最大幅員12.8mの道路幅員が適用される。

ではそのとなり南側7.2m側には

図9

 

「最大な前面道路の境界線」は12.8m道路に接する赤破線で囲われた境界線。その境界線から2倍 12.8m×2=25.6mまでが7.2m道路に面した区域でも最大幅員12.8mが適用される。

 この事の意味する事は、広い道路12.8mの道路上空は道路ゆえ建築物がなく通風採光が極めて良好であると考えられる。

 その効果を2倍まであるとするのがこの考え方。

 かつ35m以内の意図する事は35m以上の区域まで広い道路による通風採光の効果はないとする。

 

 では西側7.4mに面する区域は

図10

 

 広い道路の通風採光の効果は隣り合う道路に面した区域にのみ影響があるわけではない。「最大な前面道路の境界線」から水平距離で適用されるわけで敷地内も最大幅員の2倍の範囲内となる。

最大幅員から2倍をこえさらにその他の前面道路中心から10mを超えた区域に最大幅員が西側7.4m道路に面した最大幅員12.8mが適用距離20mまで最大幅員勾配が適用される。

 

 ただしこの場合、最大幅員の2倍が25.6mの位置までゆえ西側の道路中心10mの区域は図11で示すように敷地幅から2A分25.6mをさし引いた3.58m幅となりそれを超えた部分に最大幅員が適用される。

 

図10の2

それぞれの道路の全てに最大幅員12.8m道路があるとして高さ制限が適用される。

 

 余談だが水平距離ゆえ最大幅員が行き止まり道路の場合は円弧状に2Aが適用される。

 結果的に全ての前面道路に最大幅員12.8mの道路幅員が適用されるのが上記3区域。(後退距離が十分広い場合、最大幅員が十分広く適用距離が道路中心10m内までの場合、最大幅員の区域は存在しない。)

 

 敷地の部分で道路幅員が指定されてないのは、西側7.4m道路の最大幅員から2倍を超えた区域と同様に南側の西端のわずかな区域。

 

 この区域は令132条2項が適用される。

まずは西側7.4m道路側から

図11

 アイソメ図では

図11-2 7.4m道路が適用される。

まずは条文の確認から

 前項の区域外の区域のうち、二以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の二倍(幅員が四メートル未満の前面道路にあつては、十メートルからその幅員の二分の一を減じた数値)以内で、かつ、三十五メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

 

 

 前項の区域外の区域とは、最大幅員の2倍を超えた区域の事。その部分には、面する道路が7.4mと7.2mも南側で面しており「二以上の前面道路

ゆえ132条2項の対象となる。(2方向道路の場合は2項は存在しない。)

 さらに最大幅員から2倍を超えた区域は西側7.4m道路中心から10mの区域まで延長される為、本来の道路中心幅10mまでは無い。

 

 その狭い区域でも前面道路の大小が比較される。

西側7.4mと南側7.2mの広さが比較され広い7.4m道路が適用される。

 

 その際に 「それぞれその前面道路の幅員の二倍 」とは、それぞれの前面道路7.4m道路側であれば7.2m側に2倍まで延長される。ただしこの例では最大幅員12.8mの2倍を超えられない為、図11の25.6mmでとなる。

 

 さらにその区域は、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

 

 とあり南側7.2mより広い7.4mゆえ7.4m道路に面した部分は全て7.4m道路が適用される。

 

 

 そして南側7.2m道路側に面した道路幅員を検証してみると

図12

アイソメ図では

図12

 7.2m側に面している最大幅員12.8mの2倍25.6mを超えた区域だが

・・・それぞれその前面道路の幅員の二倍(幅員が四メートル未満の前面道路にあつては、十メートルからその幅員の二分の一を減じた数値)以内で、かつ、三十五メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

 それぞれの前面道路の2倍とはそれぞれ面した方向の奥行方向を意味する。

 それぞれ奥行を2倍まで延長するが比較し幅員の小さい前面道路7.2mは幅員の大きい7.4mと同じ幅員を有するとみなすとありこの区域は7.4mの道路幅員が適用される。

 この際7.2mの2倍14.4mより7.4m幅による適用距離20mが内側になる為、7.4m道路がまわりこんだ適用距離20mで打ち切りとなり区分される。

 

 これで各道路に面した区域は全て埋められた為、この場合、令132条の3項は存在しない事になる。

 

 さて問題は令132条の2項でなぜ 「それぞれその前面道路の幅員の二倍」と記述したのか・・・それぞれその2倍の記述の意図する事は

 

 最大幅員以外の道路中心10mに面した道路が2以上ある場合は、まずその条文どおりにそれぞれの2倍で区分する。ただし面する左右方向ではなく奥行の事。そうして区分した後、道路幅員を比較し幅員が狭い道路は幅員が広い道路を適用する。

 左右方向を区分しないのは道路中心10mの区域に面した道路幅員幅が同一の場合には左右方向は区分しない事でもわかる。ただしそれぞれの奥行はその2倍までとする。この様に道路中心10m内で同一幅員の場合でも同様に適用できる事を意図する。 

 下図に3方向道路で最大が6m他が5mの道路中心10mの区域の同一幅員の区分法を示す。それぞれのその2倍(それぞれの5m×2倍10mの方向)が奥行方向だという事が理解できる。

 

図13

 それぞれの2倍は、けして西側に南側7.2mの2倍を超えた部分を区分する事ではない。その部分の道路幅員はすでに7.4m幅が適用済みだ。同じ道路に面した同じ勾配分は区分されない。

 

 JCBAの天空率分科会でもこのような間違った区分を安全側と称して細かく区分する事に対して、警鐘してはどうかと提案した事があった。・・が、行政サイドから「そもそも令132条は緩和規定ゆえ狭い道路が回りこむという事は常識的にあり得ないので常識として判断してもらいましょう」という結論になった。

 今思えば、やはり明確に記述すべきであったと思う。

      

さて本日も長くなった。来週は名古屋でのセミナーがあります。

座席も若干あるようですのでお申込み下さい。名古屋でお会いしましょう。

 では次回までお元気で!

 

 

比嘉ブログ

 

 


名古屋市セミナーから 補足解説(名古屋市安全差分の確認と対処)

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4月28日土曜日

 今週、残念な知らせ・・キヌさん。衣笠祥雄氏の訃報。

 キヌさんがカープに入ったころ広島カープは今では考えられない弱小球団。沖縄出身の安仁屋がいたので広島カープファン。キヌさんは、全力プレイに笑顔と笑い声の素敵な大好きな選手。

 沖縄に帰省する際の飛行機内でキャンプ地取材のキヌさんをみかけた。ダッフルコートを着こなし人柄がしのばれるキヌさんスマイルを直接おがめたのが良い思い出。合掌。

 

 この季節、近くの公園の池にはカルガモ親子がやってくる。

 今年も無事成長し飛び立っておくれ。

飛び立つといえば新人研修が続く・・ついでに、たんぽぽのわたぼうし飛んでけ!

 

 

 今週木曜日は、名古屋市で6社合同BIMセミナーを開催した。

広い会場いっぱいに参加していただいた皆さんには熱心に受講していただいた。

 

 比嘉もいつになく身振り手振りで企画BIMTP-PLANNERで8階のマンションをBIMデータで作成した。さらにArchCADアドインの解説を加えて次の構造計算ユニオンシステム酒井氏にバトンタッチ。

 

 講演終了後も各ベンダーに熱心に質問をいただいた。

BIMの本格的な始まりを予感したセミナーとなったのでは・・と・参加メンバーで終了後の反省会で乾杯で終了。

 

 さて今週の講座は日影規制、逆日影計算の会。

 

 日影規制を徹底学習。今回のブログ講座でも解説した3D日影チャートまで頑張っていただいた。このメンバーはほぼそのまま天空率講座も受講していただく。

 

 

 昨日、名古屋市のセミナーで解説した事の補足を行いたい。

まず名古屋市の天空率の安全差分は

法第56 条第7 項(天空率)の確認申請について

 

で以下の様に記述されている。

 

 図1

以下途中省略し

図1-2

7の項に天空率の差は0.2%とする。

と記述されている。

 JCBAの適用事例集では

図3

【内容】の「高さ近接点・・・天空率算定表」を作成する際に、以下による算出方法により算定された・・・

 

 とあり、以下による算出法は、三斜求積の際、適合建築物を積分法などより大きめに評価し計画建築物は小さく評価する。

 

による手法で算出された結果は、数値による安全率0.02%の有無も設計、審査双方が理解した上で適宜判断するとありその0.02%ですら不要な事も有り得る事を意味する。

 

 名古屋市の例規ではその0.02%の10倍の0.2%の安全率が要求される事になる。

 その事を大阪市の事例と名古屋市の事例で比較してみると

図4大阪市の事例

 

図5名古屋市の事例

 

いずれも3方向道路で水路が接し道路幅員および計画建築物も同じで道路の接道条件はまったく同様となる。異なるのは西側隣地の形状と水路付きの隣地の形状が違うだけだ。

 

 それぞれの結果は

大阪では

図6 

 

しかも結果は三斜求積後の0.02%の安全差分まで確保されている。

一方、名古屋の安全差分を考慮すると

 

図7

 

 

この場合の差分は0.056%とある。たしかに0.2%の名古屋市指定の安全差分には至らない。

 天空図重ね図で確認すると

図8

 

 

 高さ制限を超過した部分赤表示部の面積が14.99に対して空地16.129と高さ制限を超えた部分に対して十分な空地があるが0.2%の指定差分には足りない為にNGの判断。

 

 では対策だ。

逆天空率で幅をカットしてみる方法では

図9

 円弧で示す西側バルコニーの隅部を斜にカットするガイド。「建物自動切断」ボタンをクリックし切断後、天空率計算を行うと

図10

三斜求積後の安全差分0.2%を確保してクリアーしている事がわかる。

 

 クリアーする手法その2は

建物を可能な限り天空率をクリアーすべく東側に500mm、北側に100mm移動しバルコニー隅部をカットしないでクリアーしたい。

 図11

 

建物の移動は「入力」「建物」で建物を選択後「移動」コマンドを選択し任意の点でクリック後、移動方向にマウスで移動後「Enter」を押しダイアログで移動距離をX,Yで数値を直接入力し「OK」で移動する。

 

 その結果

図12

 

バルコニーをカットせずにクリアーしたやれやれ・・・・

ところが北側に100mm移動した分、日影規制が厳しくなる。これも確認すると

図13

北側隣地境界線からの5mラインが5:06分で6分NG

どこがNGか半天空図で確認すると

図14

これは建物全体の幅で6分オーバー高さを低くしてもダメだ。可能性があるのが右側階段部の幅か・・・ではどの程度かというと「3D日影チャート」で確認すると

階段室を横にするか位置を移動すると良いのだが採光が不利になる。ってな事を順繰り考えていかなければならない。タイムリーに早く結果がでるっていいな~。と自画自賛したところで本日はお終い。

 

 連休が始まります。連休をお楽しみ下さい。

 

 

比嘉ブログ

 

 

ゴールデンウィーク:過去記事からその1 

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 5月5日 今年のゴールデンウィーク休みも明日で終わり。

 今年は恒例の蓼科山での体力作りをとりやめもっぱらジムで泳いだり走ったりで間に合わせている。

 これは会社近くの神田川でおよぐ鯉のぼり。

 昨日・・また残念なニュース、イチローの今季出場がないとのマリナーズ球団発表。どうやら契約のオプションでレギュラーが戻った際に協議する事になっていたらしい。・・

生涯契約は名誉な事だと思いたい。・・・がイチローならまだやれると信じているだけに・・・残念だ。来年の現役復帰の可能性を残す・・期待したい。

 

 カワラナデシコを久々に発見。去年は咲きが少なかったようで見つける事ができなかったが今年は、早くも登場。そういえばサッカー、ナデシコもアジア大会を制したいつのまにやら復活の様子。期待したい。

 

 さて今週は連休中ゆえ、講座はお休みにして過去記事から人気の高い回を紹介する事としたい。

 アメバのアクセス解析に毎日更新される内容だが根強く常に上位を占める回がある。それなりに問題意識に的を得ているのかもしれない。

 

 まず最初はやはり天空率関連から

2011年04月22日

「東京JCBA事情:3方向道路と2方向道路の区域区分の違い」から

これは、天空率施行から9年めで2以上の道路が接道する際の令132条による区域区分法を2方向道路と3方向道路で比較検証している。

 

 これは前々回でも記述したが審査の現場では、相変わらず令132条の解釈を間違える事が多い。ここでの記述は令132条の解釈の基本的な事が記述されている。

8mの最大幅員が適用される6m道路側の区域は

比嘉ブログ

 このように区分されるが、さらに南側に4.5mの道路が接道した3方向道路の場合、6m道路側に回りこんだ区域は

比嘉ブログ

 

 面する幅が狭くなる。最大幅員8m側から2倍16mを超えた4.5m側の道路中心10mには4.5m幅員で区分される。

 その為6m道路側に面した空地が減少する事になり天空率的には不利になる事を解説している。

 令132条の2項の解説はこの回に加えて前々回の

「令132条2項「そのれぞれの前面道路の二倍」を解釈

の回の解説を参照していただきたい。

 

 2011年4月は、東日本大震災から1月後のブログゆえ「日本再生の時、皆さん出番ですヨ!」とありリーマンショックが癒える間もなく発生した大地震、津波に負けないように、自分を鼓舞している。

 

続いても天空率関連で

2014年11月

 後退距離で大きく変わる天空率の可否

 

 これも、サポートセンターに多く寄せられる質問でもあるが道路高さ制限ではクリアーするのだが天空率計算を行うとNGになるのはなぜ?

 

 この様な事例だ

この様な2方向道路で南側8m道路側が後退距離が狭い為に道路高さ制限を超えてしまう。

 

一方、東側7m道路側は

 

後退距離が十分広くクリアーしている。

8m道路側が道路高さ制限を越えている為、全ての道路境界を天空率計算でクリアーすべく解析をするのだが

 

 

 道路斜線NGの8m道路側はクリアーしているのになぜ?となったわけだ。落ちたデータを確認すると7m道路の後退距離最大値を採用すると7m道路上側道路中心10mの区域には、隣地沿いの塀のみが残り適合建築物が存在しない事になる。

 

 

すると、適合建築物が存在しない為、天空率は100%。計画建築物は塀のみとはいえわずかでも天空を遮蔽する為100%以下となり安全差分も加味されるとNGとなる。

 

 この様な事例に遭遇する事は多いと思うのだがここでは解決策まで解説している。

 近々では先月の大阪セミナーで採用した事例の解説でやはり同様にNGになる事案

2018年4月14日版

関西地区検証事例:4外壁後退距離で変わる天空率計算結果

 

 

でも同様の解説を行っている。

 この回の場合は住居系12m以上の道路が絡まり1.5勾配区分と合わさりかなり高度な区分法の解釈になる。合わせて確認していただきたい。

 

天空率関連ではいろいろあるが令132条関連以外では

2017年03月11日

道路面が地盤面より低い時の天空率計算 1

道路中心高が地盤面より低い場合の天空率計算の考え方と天空率計算の進め方を解説している。

 

 

地面と地盤面を混同する勘違いが多いのも現状。天空率計算は建築物に加えて地盤も天空率に加算する事をよく理解してないケースが多い。地盤を天空率計算に加味する事の意図も合わせて参考にしていただきたい。

 

 

 

といったところで今回の紹介はこの程度にしておこう。

次回は、日影、逆日影関連の回からアクセス数上位の回を案内したい。では次回までお元気で!

 

 

比嘉ブログ

 

 

過去記事からその2:沖縄帰省

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5月12日土曜日

 法事の為、沖縄に帰っていた。これは東シナ海に面した恩納村の恩納岳からの日の出。

 沖縄は梅雨入り宣言したようだが一度スコールにはあったが晴天続きで冷たい風も吹き心地よい。

 庭のバナナに実はついておらずだが

 夏の花ニチニチソウが咲き

全国区になったシークワーサーも実をつけ

手入れをしてくれている家族に感謝。

 これから東京に戻る為、のんびりブログを書いているわけにはいかない。那覇まで高速に乗り約1時間半・・久々の車社会を過ごした。

 そんな事で今週の報告、水曜日から沖縄ゆえ火曜日の講座。

 天空率講座は定員いっぱいの10人で受講していただいた、その為、予定時間を1時間オーバーの6時まで要した。

 理論から実践操作まで・・・でもまだ語りつくせない。足らずは比嘉ブログで補講する様にお伝えした。

 

 早速だが講座を開始したい。

比嘉ブログと言えば天空率解説ブログと思われている読者が多いと思われる。

が・・アクセス数のトップは「日影規制の話」のシリーズ。

 日影規制がある地域では、まず天空率による可能空間算出の前に日影規制で可能な空間を把握する必要がある。ところが残念な事に日影規制の事を理解してない設計者は多い。

 就職まもない新人の方のみならず一定のキャリアの設計者でも同様だ。

原因はさまざま考えられるが概ね下記の2点に集約されるのではと考えている。

 

 まず一つめの理由としては建築設計が幅広い知識が要求されるためか?学生の頃、日影規制の事を学習する時間が足りてない。教育機関が日影規制をそれほど重要と思われてないのでは?

 

 二つめの理由としてソフト利用の弊害。ソフトを提供する側として口幅ったく恐縮だが・・日影規制はコンピュータで等時間線と規制ラインを比較し収まっているか否かの判断すれば良いと考える設計者が多い事。時刻日影(あるいは日影チャート図)から等時間線をイメージできないとNGの原因が特定できない。

 

 これらの事が日影規制を正しく理解しない主な、理由だと考えている。

 「逆日影計算」ソフトを利用してあらかじめ可能空間を算出すれば良いのでは?と思われている設計者も多い・・・がその場合でも、日影規制を正しく理解しないと逆日影計算も正しく算出できない。

 日影規制が建物高のみならず幅、さらにそれらの複合となる為、それらを考慮できるソフトを正しく利用する事が必要となる。つまり逆日影計算を行う時こそ日影規制を正しく理解して行う必要がある。

 

 今回は、過去記事でもっと読んでいただいたシリーズで「日影規制の話」のシリーズがある。5回シリーズ。

1月10日土曜日 「日影規制の話 1」

この回は、日影規制の法文、基準法56条の2の読み解きから始まる。

まずは別表4

別表4の(に)の欄に5mラインの事が記述されていない理由の解説から始まる。

 

2015 1月17日

日影規制の話2逆日影と等時間日影」回では

逆日影チャートでなにしろ逆日影計算を行う。

 

そして得られた結果を

 

 

を半天空図で確認し太陽の軌跡と日影時間の関係を理解していただく。

Aゾーンの高さで決まる建物形状は

 

 

太陽の軌跡と建物が重なる部分が日影の時間。

 

 Cの高さできまるゾーンは

 P17では、日影時間が2時間58分、8時から10時58分まで日影となる。ぎりぎり11時から太陽が見える様に建物高を低く設定している事がわかる。

建物幅および高さできまる事を解説。

 

 その後、1週おいて

2015年1月31日

「日影規制の話3:3時間影になるとは?」

では、別表4(に)の欄にある3時間日影の意味する事を

 

日常生活のなかで「3時間影だったナ」との比較で解説が始まる。

そして、時刻日影の解説が始まる。なぜ時刻日影図で時間毎に描かれた日影図を重ねて表現するのか?

 

8時の時刻線に対して9時の時刻線は6割程度と影の長さが短くなる。16時に対して15時も同様である事より8時と16時の時間線の枠内にある部分が影の時間線が最も長くなる事を理解する。

 

その他

日影規制がなぜ真太陽時でなければいけないのか?

 

を解説する。

2015年2月07日

「日影規制の話4:3時間影になるとは2?」

回では具体的に影の時間を測定するイメージでA,B、Cのポイントにいる測定員にストップウォッチを持ち各ポイントが影になった瞬間にストップウォッチを押し太陽が時間とともに移動する事よりさらに日向になった瞬間にストップウォッチを押す。その間の時間が日影時間だときわめて当たり前の話を語るがこれが日影規制時間であり難解と考える必要がない事を解説。

 


そしてそその重なりから影の時間線つまり等時間線は容易に確認できる事を解説。

 

 

これが人工的な工作物である建築物が太陽の軌跡を遮る事により生じた影の時間線。この影の時間線(等時間線)と基準法56条の2に記述された規制ラインと重ねる事によりその可否が確定する。

8時枠では

8時と11時の重なりで確認できる3時間線が10mラインを大きく超える。

16時枠では

 

 

16時枠内の13時線の重なり部で3時間線が10mラインを超えた部分がNGとなる事を理解する。

 

そしてその収め方手、手計算による逆日影計算の手法を解説したのが

 

日影規制の話5:手計算で逆日影計算を行う方法

 

影の長さの公式を解説し高さカットによる逆日影計算を理解する。

 

NG幅分を10mラインまでの可能距離(影の長さ)から可能高さhを逆計算する。

 

15.255m=(H-4)×1.813からHは 約12.144、階高を各階3mとすると、4階が可能でカット幅9m分を4階にすればおさまりそうだ。

 

16時側は

16時側は
21.041m=(H-4)×1.813からHは 約15.6m、5階が可能でカット幅は3.5m分を5階にすればおさまりそうだ。

 

建物高さをカットする事による逆日影計算を理解する。ただし日影規制をクリアーする方法はそれだけではない

 建物幅をカットする事により可能空間はさらに拡大する。

その結果

高さのみのカットに比較し建物幅を考慮するとさらに可能空間が広がる事を解説。

 

 以上が日影規制の話シリーズ。今回改めて読み直したが確かに日影初心者が日影規制を勉強する為の手順として最適なシリーズになっている事がわかる。

 

 そして次に人気なのがやはり日影規制関連で「平均GLの効率的な設定法とその意義」「発散方式による違法判断検証」などやはり日影規制に関連する。この際、次回もアクセス数トップのシリーズを紹介を行いたい。

 

 これから本格的な夏が始まります。暑さとの闘い今年も大変だと思いますが頑張ろう! hi

 

 

比嘉ブログ

 

 

天空率基礎1:魚眼レンズで見え係を表現するとは?

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5月19日土曜日

 

テイカカヅラ・・藤原定家に由来するらしい・・・。

 今週は先週末からの気候の変動と沖縄帰省の疲れもでたのか喉の調子が悪く講座を受講していただいた皆様にはお聞き苦しくて申し訳ない事をしてしまった。この時期年々講座が増加している。

体調管理はしっかりせないかんと反省の巻。

 さっそく月曜日の講座

新人の皆さんとともに(一部ベテランも参加)日影規制の基礎、手動逆日影計算から始まった朝9時半から休憩をはさみ5時まで

 終盤、声がだんだんかすれだした・・。

そして2日めは

天空率理論からプランニング、ブロックプランを作成しながら日影チェック、天空率チェック、容積率チェックボリューム算出の基礎を繰り返し行う。

だんだん自信を持ちだした新人の皆さんが後方のベテランを押しのけベテラン写らず・・・こら先輩に気をつかわなきゃ!

 

 そして最終日は建具配置から構造発生でBIMモデルの作成。・・をさすがに声が不調著しく午前中はBIM専門の鈴木に代わってもらったが午後は再び復活で実事案を午後半日でBIMモデルまで作成し福井コンピュータGloobe講習にバトンタッチ。

 なんとか声をからしながらも無事終了と思いきや2名補講希望者がいてさらに1時間延長講習。悪声でお聞き苦しい講座になってしまい大変申し訳ない気持ちでいっぱい。その分、わからない事があれば対応しますので連絡下さい・・と日記には書いておこう。

 

 これはドクダミ。名前は、毒おえる意味らしい丈夫で可愛い花。

木曜日は講座お休みで喉を養生。金曜日は大阪に出かけての午後半日出張講習。

 

 講座が始まると教えたい事がいっぱいで早口になり申し訳なかった。 声は多少かすれがあったけどそれなりに聴けたのではと・・。再会を楽しみにしてます。実物件頑張れ!

 

 かくて講習三昧の1週間でした来週も同じく講習が続く。今日は自宅で養生といいたいところだが講座ネタが書けてない。もうひと頑張りするか!

 

 では天空率講座開始!

 さて天空率の基礎的な事だが新人研修も始まったところで新ためて天空率関連で確認していただきたい事を語りたい。今回は「魚眼レンズで見え係を表現するとは?」で魚眼レンズと天空図の関係を解説および解説本を紹介したい。

 

 天空率は魚眼レンズに写り込んだ高さ制限適合建築物、計画建築物のいわゆる影の大小を比較する。

 つまり魚眼レンズに写りこんだ影の大小を比較しそれぞれの絶対的なサイズはではなく、いわゆる見え係を比較する。

 その為、建築規模が変わらなくても魚眼レンズから遠くに配置されると影は小さく写り込み天空率は大きくなる。

 

 本題に入る前に天空図の書き方つまり見え係をどのように作図するのか復習する事からはじめよう。

 

 

 天空図は建築物および地盤が投影された魚眼レンズを真上つまり天頂方向からみた2次元の図で表現する。

 

 その作図法はまず天頂(目の位置)から建物の範囲を天頂側から左右の方位線で表現する。

 これが天空図の幅で建物幅が狭い時あるいは算定位置が建物から遠くになると左右の方位核による幅は狭まる。これが目に映る建物左右の見え係を表現。

 

 次に建物を見上げた角度、仰角は

赤丸で表現する目の位置から建物方向に10度ごとに見上げた角度事に輪切りの線(左側に角度を表示)をやはり天頂側から見た同心円で表現する。

 

つまり高層建築物の近くに魚眼レンズを配置すると限りなく天頂側に近づくが天頂に重なる事はない。建物Aの高さは仰角としA”の位置に天空図上で表現される。この場合仰角60度を越えたあたりにプロットされる事になる。

 

 この天空図の作図法からもわかる様に建物幅が広い場合には、天空図にダイレクトに反映され、高層建築物の場合天頂を越えられない事より天空図への影響は制限される。

 これらの見え係はすべて魚眼レンズに移りこむ特性からそのように表現される。

 では通風採光を評価する指標として魚眼レンズを採用する意図は?。

「平成14年改正基準法等の解説 新日本法規」に明確にしるされているので紹介したい。

 

 

 魚眼レンズにより人間の目そのものの見え係を表現する事を実現しており敷地の空地を天空図に反映する事により従来の高さ制限(H/D)による通風採光の評価法の問題点が改善できるとされる。

 

 この事は「天空率により通風採光を評価する事により街並みがばらばらになるのでは?」の項の回答と合わせ読むことにより天空率に求められる事が明確に記述されている。

 

 

 天空率は、街並みの形態の不統一は否めないが敷地単位で考えるつまり敷地内の空地を通風採光の指標として合理的であるとする。

 

 この事から、天空率の法規解釈でローカルルールで敷地内空地を正しく評価しない方式が時折みられるが天空率利用の目的に反する。

 

 さて次は最適後退居を考える事で天空率の特性を考えてみたい。事例

 

適用距離25m商業地域の事例この事案で後退距離を変化させる事により天空率が異なり、後退距離最大を採用する事がかならずしも天空率計算において設計有利にならない事を解説したい。

たとえば最大後退距離5mを採用すると

 

 

NGになる事案が建物形状を変えずに「最適後退距離」を逆算し適用すると

クリアーする。では後退距離を0mにするとさらに設計有利になるかと解析すると

 

 

NGになってしまう。

この事を解説する事で天空図の作図法をおよび天空率の考え方が明確になる。・・・・では始めようといいたいところだがさすがに今週は疲れた。次回にしよう

 

 次回までお元気で! hi

 

比嘉ブログ

 

 

天空率基礎2:最適後退距離とは?

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 5月26日土曜日

東京はどんよりとした曇り空。

ツツジの花もそろそろ終わりかなという感じだが・・。生垣のつつじがピンクできれいな季節。

  

 このところのスポーツ界では若手の伸び伸びとした姿がみられる様になった、柔道、体操、水泳、大谷翔平、海外で活躍するサッカー選手等々・・音楽、芸術等々に至るまで昔型日本人としては、眩しいくらいで頼もしい思いを持っている。

 ひと頃の肝心なところで力を発揮できないかつての日本人型スポーツ選手から脱却ができて感心していただけに、今回の件は残念だ。

 この傲慢無責任な流れは、早くとめないといかん。東京オリンピックにまで影響しそうだ。オリンピックオタクとしては心配している。

 

 さて今週の報告から

今週も講座三昧の1週間。

月曜日には全国組織の不動産鑑定社の皆さん恒例の勉強会。今年もはじまった。

 初日はまだおとなしげに記念撮影。比嘉も喉の調子も回復し語りまくった。

 二日目になるとレベルの高い建物想定(プランニング)を千本ノックのように繰り返し行い自信をつけてもらったのがこの表情。来月まだ講習後半がある。解説ムービーで復習をばっちりお願いしたい。

 

 一日おいて日本建設業経営協会の皆さんとBIM勉強会に招いていただいてユニオンシステムさんと語らせていただいた。

 ユーザーの皆さんに加えて比嘉ブログをみてますよと言っていただいた方たちと共に楽しく勉強会をさせていただいた。

今度は天空率の最新事情のテーマでもいただければまた語りに参上しますのでよろくお願いします。

 

 天空率講座を開始したい。

 さて今週は「最適後退距離とは?」と題して高さ制限適合建築物の後退距離を変える事により天空率の可否が変わる事を解説したい。過去にも何度か解説したがこの事の質問も今だ多い。

 この事を解説する事により天空図の作図法を理解する事ができる。

 

事例はAが

商業地域の道路斜線で考えたい。さらに敷地幅が広くなりそれにともない建物幅も広くなったこの事案をBとしよう。

との比較で解説するとさらに理解が深まると思う。

道路、用途地区および適用距離は25mで同じ。

建物高も同一で道路斜線を確認すると建物高41mも同一で

A,Bいずれも同じ断面図で表現され道路高さ制限を超える事がわかる。

 

 さて、ではまず幅狭のAの事例を検証する事から始めよう。

算定位置端部P1とP5でNGで左右の空地が同じで建物もフラット屋根41mゆえ同じ数値となっている。

P1(差-0.038%,斜90.251%,計90.213%  )

 

高さ制限適合建築物が-0.038%天空率が大きい為NGとなる。

ところが後退距離を2.359m(最適後退距離機能で逆算した結果)では

 

クリアーする。

P1(差0.143%,斜89.997%,計90.140%  )

今度は差分が+0.143%プラスに転じた。建物形状は全く変えてない。変えたのは高さ制限適合建築物の後退距離だけだ。

NG結果と並べて比較すると

P1(差-0.038%,斜90.251%,計90.213%  )

P1(差0.143%,斜89.997%,計90.140%  )

クリアーした青P1ではいずれも天空率が低下(小さくなる)している事がわかる。ただし適合は斜90.251%斜89.997%,で0.254%の低下に対して計画建築物は,計90.213%,計90.140% に0.073%低下している。

適合建築物の低下率が著しい。まずは適合建築物の低下から検証してみたい。

 

 適合建築物の天空率が低下したという事は適合建築物の投影面積つまり天空図上の影の面積が大きくなった事を意味するなぜ大きくなったのだろうか?から考えてみよう

 

 まず後退距離が変化した事による適合建築物の高さの変化による面積変化は

 

後退距離5mの面積が535.5㎡に対して最適後退距離2.359mでは400.809㎡で134.691㎡大きい事がわかるところが天空率が小さくなったという事は後退距離2.359mの天空図が大きく投影されたという事だ。

 天空図を表示し確認し比較すると

 

 

特に注目していただきたいのが下側の緑で表示される適合建築物の天空図の変化。・・・たしかに絶対的な面積は小さいが見え係(天空図)では大きく投影されている感じがする。

 その両者をさらに拡大し比較検証を続けると

 

 

右側が最適後退距離。

なぜ右側が天空率が減少したのか?つまり投影面積が大きくなったかの解説だが

1)方位角が適合建築物が後退位置が前面に移動した為に算定位置P1からの見え係は、方位角が右側に広がる効果が得られた。その分投影面積が大きくなる。

 

2)後退距離が5mの左側は高さが31.5mで高くなる為に右側高さ23.577mに対して天空図の天頂方向に延び面積が大きくなる要素となるはずだが?

 

青丸で囲った位置の仰角を確認すると左側最大後退距離の場合仰角60度を十分超えた位置に対して右側は60度ちょうど程で左側最大後退距離部がより天頂に近い事がわかる。ただし天頂に近くになるにつれ方位角が狭まる為にその面積の増減はそれほど影響しない事がわかる。

 天空図が見え係を表現しており算定位置(視点位置からの遠近)で見え係の大きさが表現されている事がよく理解できる。

 つまり右側方位角方向の増減は視点位置から18.651mの位置にあり左側天頂方向への高さ31.5mより近く天空図に大きく投影されている。

 

 天空図は、まさに見え係そのものを表現している事がこの事でよく理解できる。

 

 ところでこの解説をすると計画建築物は後退距離は変わらないのに右側で,計90.213%から計90.140% に0.073%低下しているのはなぜ?の質問を受けるこの事も解説してみよう。

 

今度は計画建築物天空図をそれぞれ算定位置に配置すると

 

計画建築物の天空図の位置は移動しないわけで右側方位角、そして仰角は変わらない。ただし左側の方位角を確認していただくと厚みが増している。その分天空率が低下したわけだがなぜ?

 

 後退距離が5mから2.359mで2.641m狭くなった分、適用距離は奥行方向に延長される。

 その延長された部分が算定位置から極めて薄い幅だが計画建築物の影として投影される。(赤破線円弧)

 その分天空図の投影面積が広くなり0.073%低下した事がわかる。質問者は天空図を重ねてみたけど図の大きさに大小があるようには見えないとの事を記入されていたが天空率0.073%鉛筆の太さ分もない程でも低下分として繁栄される。見え係とはいえ見た目では判断できない投影図の変化といえる。

 

 さてではさらに検証を進めて後退距離を0mにするとさらに有利になるのか?敷地幅が広い場合も同じ事がいえるか?を検証したいところだが本日も長くなった次回にしよう。!

次回までお元気で! hi

 

 

比嘉ブログ

 

 

天空率基礎3:最適後退距離とは?2

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 6月2日土曜日

 早くも6月ですヨ。本日の東京は太陽がいっぱいで暑くなりそうだ。

今朝も大谷2塁打を確認しブログタイム。

今週、週中雨でいよいよ梅雨の季節。

 ロシアワールドカップまであと20日ほどか。

西野ジャパンがメンバー発表。23人の選出メンバーは史上最高齢らしいがそれでも平均28.26才、十分若い。選ばれてほしい選手がほぼ入っておりまずは良しかな。久保、浅野などみたい若手もいるが次回のお楽しみとしよう。

 西野ジャパン・・選手を信頼し言い訳がましい事を言わない感じがイイネ。今回1次リーグは夜9時以降、決勝トーナメントも深夜でほぼ仕事と被らず、が睡眠不足必須。

 

 これは八重のドクダミの花の群生。昨年まで別の花と思っていた。

 

今週は、久々講座のない落ち着いた1週間、ひたすら解説書を書いていた。ほぼ書き終えたので近々ご披露できそうだ。

 

 

 さて今週の講座の報告も特別ない事より早速天空率講座を始めたい。

 

天空率の基礎講座を始めて今週は、3回目。

 後退距離変化による天空率の可否のを通じて天空率と見え係の関係を検証している。

 

まずは先週のおさらいから

この事例で

 

 

後退距離を最大に設定した場合、

算定位置の両端部でNGとなる。

 

ところが後退距離を2.359m(最適後退距離機能で逆算した結果)では

 

クリアーする。

これは絶対的な大きさでいえば後退距離最大のケースが大きくなるのだが

天空率は魚眼レンズに投影された見え係の大きさで決定される。

 

 

 

 

 天空図は、まさに見え係そのものを表現している事がこの事でよく理解できる。

 

 後退距離が5mと十分に広い事、敷地幅が17mと狭い事の条件が重なるとこのような結果になる。

 

 

 今回はこの検証をさらに進めて後退距離0mの事例でNGポイント1からの適合建築物の間口幅がさらに広がる事例を解析する事からはじめたい。

 

 その前に後退距離を計画建築物の後退距離を最大としそれ以内であれば適合建築物の後退距離はどの位置に設定しても良い事の法的根拠は

 

(前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限を適用しない建築物の基準等)
第一三五条の六 法第五十六条第七項の政令で定める基準で同項第一号に掲げる規定を適用しない建築物に係るものは、次のとおりとする。
一 当該建築物(*「道路高さ制限」という。)が適用される範囲内の部分に限る。)の第百三十五条の九に定める位置を想定半球の中心として算定する天空率が、当該建築物と同一の敷地内において道路高さ制限に適合するものとして想定する建築物(*「道路高さ制限適合建築物」という。)の当該位置を想定半球の中心として算定する天空率以上であること。
二 
当該建築物の前面道路の境界線からの後退距離(*)が、前号の道路高さ制限適合建築物と同一の道路高さ制限適合建築物の前面道路の境界線からの後退距離以上であること

 

 当該建築物つまり計画建築物の後退距離は高さ制限適合建築物の後退距離以上である事より。適合建築物の後退距離は計画建築物の後退距離の範囲内であれば任意の位置に設定できる。

 

 この後退距離が0mの場合だ。

まずは結果から

 

 適合建築物の間口がさらに広がった為にさらにクリアー幅が広がるかと思ったのだが結果はNG。

 アイソメ図で確認すると

 

赤部の計画建築物は適合建築物を大きく超えている。

この時の適合建築物敷地側道路境界線上の立ち上がり高さは

11m×1.5(商業地域)=16.5m

 

まずはクリアした最適後退距離の場合と横並びで比較してみよう。

 

 

まずNG右側のそれぞれの天空率は

適合90.398%-計画天空率90.090=-0.308となっている。

クリアーしている最適後退距離の事例と比較すると

 

適合建築物が 最適 89.997%-後退なし90.398%=0.401%

大きくなっている天空率が大きいという事は天空図が小さく投影された事になる。つまり影の大きさが減少した事になる。その事から検証しよう

まずは後退距離なしの三斜求積図による面積表から

 

 

G三斜建物面積は3014.29

 

これに対して左側、最適後退距離の適合建築物の面積は

G3141.59で後退距離無し3014.29に対して127.34大きい。

後退距離なしの場合その分天空率が大きくなっている事がわかる。

 

 原因として後退距離なしの場合

①方位角が57.094度で最適後退距離の場合51.838度で右側に広く見えその分、後退距離なしの場合の天空図は横方向には広くなる。

ところがその位置までの距離が

 

20.248mと適合建築物の立ち上がり16.5mに対して視点位置から遠い事になる。高さは天空図の仰角として表現され

 

 

左側56度から右側39度

 

これに対して最適後退距離の場合は

左側60.度から47度のあたりで後退距離が無い場合は、天頂方向の投影面積は小さくなる。その分天空率が大きくなった。

 

 原因その2

②計画建築物の後退距離が0の場合、最適後退距離2.359mの分計画建築物が見え係の範囲にある。その分計画建築物の天空率は低下する。

確認しよう

最適後退距離の計画建築物天空率 90.14%

後退距離0mの場合           90.09%

 

後退距離0mの計画建築物が低下した。

 

以上の事より後退距離0mの場合NGになった原因は

①適合建築物の天空率増加②計画建築物の低下により

 

適合90.398%-計画天空率90.090=-0.308となる事がわかる。

 

 天空図はこのように見え係を横方向の方位角、天頂方向の仰角を投影する事により天空率で数値化される。その事により通風、採光の良否が決まる。

 

 さて次に

 

道路幅員、計画建築物高、後退距離が同じで敷地幅が広い場合を検証してみよう・・・・と思ったが出かける時間だ次回にしよう!

 

次回をお楽しみに!

 

 

比嘉ブログ

 

 

天空率基礎4:幅広敷地で最適後退距離適用は有効か?

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 6月9日土曜日。東京の今日は雨の予報ではなかったかと思ったが今のところ強烈な日差しの真夏日になりそう。

 今日も朝から大リーグ観戦。田中マー君が力投していたのだが太もも裏を痛めたとかで降板。大谷は故障者リスト入りで大リーグファンとしてはどうしたもんだか・・。

 昨晩サッカー、スイス戦は見てない・・が・・厳しい結果のようだ。南アフリカ大会の際も事前試合は悪かったと事を思いだした。

本番に勝てば良いわけで・・今は疲労のピークと考え良しとしよう。

 

これはヒメジオンかな風に吹かれてブレてしまった。

 さて今週からまた講座がはじまった。

 ベテラン建築士のお二人と天空率勉強会。熱心に参加していただいた。さらに追加講習を約束。再会を楽しみにしてます。

 

 木曜日は静岡浜松に出かけてBIM勉強会を鈴木とともに行った 

 

7月から本格的に勉強会が始まります。頑張りましょう。

そして昨日がハウスメーカーの3人組の天空率講座

 次回は、日影規制の勉強会をぜひ行いたい。逆日影チャート、3D日影チャートの使い方をマスターし日影規制にも備えていただきたい。

再会を楽しみにしてます。

 

 天空率講座を開始しよう

今回も前回までの解説のおさらいから始めたい。

高さ制限適合建築物は、計画建築物の後退距離の範囲内で任意の位置に設定する事が可能だ。

 

(前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限を適用しない建築物の基準等)
第一三五条の六 法第五十六条第七項の政令で定める基準で同項第一号に掲げる規定を適用しない建築物に係るものは、次のとおりとする。
一 当該建築物・・・
二 
当該建築物の前面道路の境界線からの後退距離(*)が、前号の道路高さ制限適合建築物と同一の道路高さ制限適合建築物の前面道路の境界線からの後退距離以上であること。

 

 計画建築物の後退距離内であれば道路高さ制限適合物が従来の道路斜線を超える事がない。その範囲内に設定した高さ制限適合建築物と計画建築物の天空率の大小を比較し計画建築物の天空率が大きい場合に従来の道路高さ制限(道路斜線)は適用しなくて良とするのが天空率の考え方。

 とはいえ後退距離が広い場合、道路斜線の立ち上がり部が高くなる為、道路高さ制限適合建築物の投影面積が大きくなり天空率は低くなる。広い後退距離を採用する方が天空率がクリアーしやすいと考えるのが通常。

 ただし必ずしもそうとも限らない。

例えば

 

 後退距離を計画建築物の後退距離と同一の最大幅で採用した結果がNGになる事案でも

 後退距離を変更すると(最適後退距離を適用)

 

 

 計画建築物の形状を変形する事なくクリアーする事が可能になる。

では後退距離を0mにするとさらにクリアー差分が広がるか確認したのが前回。

今度は、適合建築物の仰角方向の投影面積が小さくなり適合建築物の天空率が増大しNGになった。詳細の検証は前回分を確認していただきたい。

 

 今回は、この検証をさらに進めて敷地奥行幅は同一だが敷地幅が54mと広くなった事例を検証したい。

 計画建築物高、後退距離は前回と同じ下図の様な事例の場合を検証してみたい。

 

 

道路高さ制限(道路斜線)を確認すると

 

これは、前回の敷地幅狭の事例とまったく同様の斜線断面形状になり道路斜線NG。

早速天空率計算を実行してみよう。

 

 

適合建築物と計画建築物のアイソメ図は

 

 赤部分の道路高さ制限を超えた部分が大きいように思える。

適合建築物の前面の立ち上がり高は

((4.999×2)+11m)×1.5=31.47m

 

天空図で投影面積を比較すると

 高さ制限を超えた部分の投影面積(赤部分)が51.614にたいして空地部分(緑)の投影面積46.75で小さい。その為天空率差分は-0.243%のNGとなる。計画建築物天空率76.008%で高さ制限適合建築物が76.251%。

 

 では、最適後退距離計算を算出し建物をカットせずにクリアーするか否かを確認すると

 

 現在の後退距離4.999mに対して計算された後退距離も4.999mで変わり無し。つまり後退距離の調整ではクリアーしない事がわかる。

 

 では強制的に前回幅狭敷地の最適後退距離2.359mを適用して解析すると

 

最大のNG幅が-0.795%と2倍以上に広がりNG数も2から4に増加した。

アイソメ図では

 

適合建築物の後退距離が2.359mに狭まった為に

適合建築物の前面の立ち上がり高は

((2.359×2)+11m)×1.5=23.577mに低くなった分、計画建築物の高さ制限を超えた投影部分赤部分がさらに増大した感じだ。

 天空図の重ね表示で比較確認すると明確になる。

 高さ制限を超えた部分の面積(赤部分)が51.614から77.226に増大、て空地部分(緑)の面積46.75も61.25に増大している。

 いずれも増大したが計画建築物のNG幅投影面積赤部分の増大率が高い。その為。天空率差分は-0.243%から-0.795%NG幅が増大する。

 計画建築物天空率は見え係部に変化なしゆえ76.008%で変わらずだが高さ制限適合建築物が76.803%で後退距離が4.999mの場合の76.251%に比較し0.552%NG幅が増大した。その分高さ制限適合建築物の全体の投影面積は小さくなった事になる。

 

 なぜ高さ制限適合建築物の投影面積が減少したのか・・?

原因を明確にしておきたい。

 チェックのポイントは天空図は見え係ゆえ算定位置(目)に近い部分の変化が天空率に大きく影響する事。

 算定位置からの距離の比較で確認すると

方位角方向の距離が

約28m。それに対して後退距離減少による適合建築物の高さが

 

約26mと2mほど近いしたがって方位角:横方向の増大率より仰角方向が低くなった分の低下率の方が大きく結果に反映される。

 

 後退距離2.359mの高さ制限適合建築物天空図(緑)と後退距離4.999m(青部)の高さ制限適合建築物に対する投影面積の減少を天空図を重ね表示する事で確認すると

 

後退距離が前面に近づいた分、左右方向には広がったがそれ以上に算定位置に近い青部分の高さが低くなった部分の面積が大きく減少した為に天空図投影面積が減少し天空率が増大する事となったようだ。

 

 この様に敷地が幅広の場合は最適後退距離は計画建築物の後退距離の位置と一致する事がほとんどとなる。

 また敷地の幅が狭い場合でも、計画建築物の後退距離が狭い場合、最適後退距離はその狭い後退距離幅と同一となる。

 つまり最適後退距離計算が機能するには一定幅の後退距離を有する必要がある。

 

 ただし幅広の敷地で後退距離が5m近くある場合で2以上の道路で令132条で区分された区域が幅が狭くなる場合もある、その場合は最適後退距離が有効に機能する。

 

 結論から敷地幅に対して計画建築物の後退距離が十分広い場合、その中間程度の位置が最適後退距離になり得る事を確認する必要がある。

 

 幅広の敷地で令132条で区分された結果、最適後退距離が機能する事例の解説は次回にしよう。

 次回までお元気で。

 

 

 

比嘉ブログ

 

 


天空率基礎5:令132条と最適後退距離適用

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6月16日

曇天の東京は気温が20度弱らしい・・寒い。外出するにはジャケットが必須だ。

 我が家にもアジサイがちょこっと。梅雨時はこの花が楽しみ。

今週はまず米朝首脳会談・・・拍子抜け。やっぱトランプはトランプでしたってところかな・・。

 ワールドカップが始まった。コロンビアにはなんとかブラジル大会の借りを返してほしいものだ・・・ロドリゲスをなんとか封じてほしいと期待している。

 

 ちょと早めだが今週の活動報告から始めたい。

今週は火曜日、水曜日福岡に出かけてデべ設計部の皆さんに納入時講習を行った。火曜日は2時開始で6時まで

 

翌朝は9時から30分の補講の後、9時半開始から5時40分までTP-PLANNER操作しながらの講座。講座終了とともに走って空港に駆けつけセーフ。博多は空港に近くて便利だ。

 

 若手から中堅、ベテランとバランスのとれた皆さんと大騒ぎしながらの講座で天空率実物件までこなした。まずは解説ムービーをご覧いただき復習からよろしく!再会の時を楽しみにしてます。若手の皆さん頑張れ!先輩に負けるな!

 

 さて天空率講座を開始したい。今回は仕上げの講座で若干長くなるかな・・・。

 まずはサクッと前回のおさらいから

前回は、幅広敷地における「指摘後退距離」の有効性を検証した。

結果は

 

 

 後退距離を計画建築物の後退距離と同じ最大幅を採用する方が天空率マイナス(NG)差分が少ない事がわかった。

 

理由は

左右方向の幅が広く方位角方向の距離が28m。

それに対して後退距離減少による適合建築物の高さまでの算定位置までの距離が約26mと近い。

 

 

後退距離が前面に近づいた分、左右方向には広がったがそれ以上に算定位置に近い青部分の高さが低くなった部分の面積が大きく減少した為に天空図投影面積が減少し天空率が増大する事となったようだ。

 今回はまず逆天空率でNGをクリアーする事から始めてみよう。

 

 まずは計画建築物の高さをカットし計画建築物の天空率を増大させクリアーする方法から

 「逆天空率チャート」を指示し

 

設定ダイアログボックスの「計算手法」から「建物高(斜面カット)」を選択し「建物自動切断」をクリックすると

 

計画建築物の前面の上部が斜にカットされる。

断面図で確認すると

高さ1402 の立ち上がりから幅566の斜面でカットされている。

次に幅でカットしてみると

計算手法を「建物幅」を選択しカットする側を右手側、左手側、自動から選択する。初期値の自動で「建物自動切断」ボタンをクリックすると

この場合NGポイント6,7で同様の操作を行うと(2回逆天空率計算)

両端で対象に幅568で奥行424で斜カットされている。

パースでは

 

いずれの手法を採用するかは建築物の目的によるのだが平面幅カットの場合カットした部分がバルコニー端部だとすると建物に与える影響は少ない。

 

 さていずれにしても今回、間口が広い場合には、最適後退距離が機能しない事がわかった。

 

 では2方向道路の場合で令132条が適用されるとその条件が変わってくる事を解説したい。

 

 事案は講座では3方向道路でおなじみだが今回は2方向道路に変更したこの事例

 

建物最大高が30mで今回ポイントとなる南側6m道路に面する幅は25mでやや幅広。

最大幅員8.4m側の道路高さ制限は

NGとなり南側の道路中心10m側は

いずれもNGの事例

まずは天空率計算を実行すると

最大幅員から2倍を超えた6m道路中心から10mまでの区域でNGのようだ。

 すると本来25m幅が道路中心10mの区域に限ると

25-16.8=8.2mで後退距離が4.999mおや?最適後退距離が有効になりそうな感じ!?

 

 早速その天空率算定チャートで可能性を確認すると

後退距離4.999mが1.629mの最適後退距離と算出された早速適用して解析すると

見事に全区域クリアーとなった。

道路中心10mのみの表示をすると

高さ制限を大きく超えている事はわかるが近接点での差分は0.284%と余裕の結果となった。

 天空図を重ね表示すると

緑部の空地面積が高さ制限を超えた赤表示部面積より大きい事がわかる。この場合、後退距離が4.999mと十分幅があり132条で区分された結果間口が8.2mとせまくなった為、最適後退距離が有効に機能した。

 

 この様に一見、道路に面する区域の間口が広い場合でも2以上の道路で132条で区分され狭くなる事も有り得る。その際には最適後退距離の利用をお勧めしたい。

 

 本日はここまで次回からの天空率講座は新シリーズを行いたい。

返す返すもコロンビア戦・・・応援しなきゃ

では次回までお元気で!。

 

 

 

比嘉ブログ

 

 

変形道路の天空率取り扱い法 1

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6月23日土曜日,沖縄慰霊の日。今週末も東京は曇り空。

今週はいろんな事が

 月曜日には、大阪北部地震・・塀倒壊による圧死。東北地震直後に比嘉の近所でも塀の見直しが行われ古いブロック塀は改修された。今回は建築基準法違反であろう事か学校の塀が倒壊・・・言葉にならない。

 火曜日には、ワールドカップサッカーコロンビア戦勝利。

見事に前回の借りを返してくれた。・・・・でも気持ちはすでに明日のセネガル戦。マネ、サールなど危険な選手がいっぱいらしい。長友が抑えてくれると信じたい。

通勤途中の街路樹として植わっている多分アベリア。真夏でも可憐な花で楽しませてくれる。

 さて今週は講座なしでひたすらレポートの作成と来週からの講座の用意。

 明日のセネガル戦に備えるために早めに天空率講座を開始したい。

 

 今週の講座は得する内容だ。

 

 天空率講座開始!

このところ当方のサポートセンターに寄せられる質問の中で多いのが変形した道路形状の天空率の取り扱い方の質問だ。

 道路適合建築物の想定方法で道路天空率がNGになったりOKになったりがある。

 前回解説した最適後退距離の適用と同様に今回とりあげる事案もNG事案が計画建築物を変形する事なく道路天空率がクリアーできる。

 

 

 事例は

 

 直角に折れ曲がった道路。

こんな道路あるのかな?と思いながら過去解説を書いてきたが実際にこの様な道路の質問だった。(道路が直交している事のみで他道路幅員および敷地形状は比嘉の想定ですが・・)

 

 適合建築物の想定法の違いにより異なる結論を提示する事からはじめたい。

 まずは道路高さ制限がNGになる事を確認すると

 建物の半分以上がNGとなっている事がわかる、天空率ではそのNG分をリカバリーするだけの空地が存在するか否かとなる。早速解析を開始してみよう。

 

 まずは、NGになる道路高さ制限適合建築物の例

 

P6

P6(差-0.324%,斜71.879%,計71.555%  天空率近接点)

でNGとなっている。

 

計画建築物を変えずに道路高さ制限適合建築物の想定法を変更すると

 

 なんとクリアーした。

NG例と同様P6が近接点となるがその差分は

P6(差0.204%,斜71.351%,計71.555%  天空率近接点) 

差分が+で十分余裕のクリアーとなっている。

両者の違いにお気づきだろうか?

 

 なぜその様な事がおこるのか今回はこの事を検証してたい。

 

まずクリアーした道路高さ制限適合建築物の想定法から解説したい。

 

この場合、後退距離が1m、道路反対側から1mの位置を起点として適用距離20mまで1.25勾配の適合建築物が想定されている。

基準法56条第1項道路高さ制限の原則に照らすと

建築物の各部分の高さ)

第五六条 建築物の各部分の高さは、次に掲げるもの以下としなければならない。

一 別表第三(い)欄及び(ろ)欄に掲げる地域、地区又は区域及び容積率の限度の区分に応じ、前面道路の反対側の境界線からの水平距離が同表(は)欄に掲げる距離以下の範囲内においては、当該部分から前面道路の反対側の境界線までの水平距離に、同表(に)欄に掲げる数値を乗じて得たもの

2 前面道路の境界線から後退した建築物に対する前項第一号の規定の適用については、同号中「前面道路の反対側の境界線」とあるのは、「前面道路の反対側の境界線から当該建築物の後退距離(当該建築物(地盤面下の部分その他政令で定める部分を除く。)から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものをいう。)に相当する距離だけ外側の線」とする。

 

道路高さ制限は後退距離を考慮した道路反対側の位置から適用距離までを高さ制限される。

 この手法では、入隅側も道路反対側の入隅部を頂点として後退距離分円弧状で示した位置を起点として適用距離までを制限する。

 

 いきなり結論だが適合建築物の想定法としてはこの手法が適法といえる。

 この事は建築基準法関係通達集 一般編(2)P1141 の解説でも下図の様に示された公からの通達に適合している事がわかる。

 

 

さらに反対側の入隅部が隅切りされている場合も

この様に道路反対側を起点としている事がわかる。

したがってこの方式でクリアーしている事に問題はない。

 

 ではNGになった道路高さ制限の適合法は

 

 この手法は、敷地側の入隅部では、適用距離を入隅部以外と同様に敷地側の適用距離20mを敷地側入隅の頂点上から円弧状に作成する高さ制限の起点は

 適用距離20m-(道路幅7+後退距離1m)=8m

敷地側入隅部頂点から8mの円弧状の位置を高さ制限の起点として適合建築物を作成する・・・これは簡便法。

簡便法ゆえ間違いとされ不可とするかというとそうでもない

・・・適用事例集P248 で確認するろと

 

 右側のパースを確認していただくとわかるように敷地入隅頂点を起点に適合建築物を作成している。

これは法56条1項に照らすと適用距離など間違っている事になるがJCBAでは簡便法として可としている。

 その理由は

天空率の施行直後の各行政の道路天空率の適合建築物の想定法が境界点間で作成するなど適合建築物の想定法が下図の様に行政事に異なった事に起因する。

 横浜市と大阪市が入隅は同一の区間でまとめるとなっていたがその他の行政の指導は入隅角の半分で区分し2の道路として扱う内容だった。・・・つまり入隅は2の道路として扱う想定法。

 2の道路ならそれぞれ行き止まり道路として区域を作成しなければならない。その場合の適合建築物の取り扱いも

建築基準法関係通達集 一般編(2)で記載されており比嘉ブログではおなじみだが

 

 

 この様入隅頂点を起点とする作成法になる。

これがNGになった適合建築物の作成法だ。

 

・・・ダブルスタンダード良いのか?

JCBA天空率分科会においても入隅道路部の作成法で種々検討をした。

 法文どおりに道路反対側を起点とする手法でなければならないという意見もあったのだが・・・かたや境界点間で対応する行政がもともと多かった事と、道路反対側を起点とした場合反対側の形状が敷地側の道路境界線と平行でない場合に煩雑になる事より簡便法でも可とする事になった。

 したがって法的には問題あるが簡便法として本来の高さ制限適合建築物より建物規模が小になり天空率が比較し大になるならこれでも良しとしようとなった。

 当事者としてソフト開発の立場でその時の経緯は明確に覚えている。法的に問題があるのは、適用距離。明確に間違いである事がわかる・・・が安全側なら良しとしようとする考えでまとまった。

 

 その結果どの様になったかというと

 

 青丸で示す入隅部緑の高さ制限適合建築物の高さが左側道路反対側起点の場合、距離がもっとも長くなる入隅部で最大高となっている事がわかる。

 一方簡便法では入隅頂点まで一律の高さとなっている事がわかる。

その分左側道路反対側起点の場合は適合建築物の天空率が低下しクリアーする事になる。

 

 天空図の重ね表示で比較すると

 

 天空図上の適合建築物の高さの寸法表示に注目していただきたいが道路反対側起点の場合2.48に対して入隅頂点を基準にしている場合2.15と低いその分高さ制限を超える部分の面積が広くなっている事わかる。

 

 結論から入隅を含む道路の場合道路反対側を起点とした高さ制限適合建築物の方が可さ制限の立ち上がりが高くなる。ただし算定位置はいずれも同じ位置ゆえ、適合建築物の高い壁は大きく投影され天空率が低下する。設計有利には間違いない。

 

 道路反対側を起点とする道路高さ制限適合建築物の想定法が正しい事は次回以降の変形した道路形状を解説する事でさらに明確になる。

 さて本日も長くなった次回にしよう。次回までお元気で!

 

 

 

比嘉ブログ

 

 

変形道路の天空率取り扱い法 2

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 6月30日土曜日

昨日、関東地方は梅雨明け宣言された。観測史上最も早い梅雨明けらしい。今年の梅雨の始まりは、ここ数年来なかった梅雨らしい雨が多い毎日だったが急速に収束してしまったようだ。

 

これが本日の東京の空。真夏の空で暑くなりそうだ。

 

 ワールドサッカー予選突破よかったネ・。いろいろ批判もあったようだけど結果論だが確実に決勝トーナメント進出を決める究極の作戦には肝を冷やした。・・・・・西野さん・・・たいした魂げたお方です。

 初戦でコロンビアに勝ったJapanが順当に予選を突破できたとも言える。・・次ベルギーのルカクってすごいよネ。・・・だれかが止めてくれ!昌子源に期待。

 

 さて本日は暑い最中、ラッパ会もある。早めに書き上げたい。

 

まずは今週の報告から

火曜日は画地割講座から

デべにぎやかな女子会組にデべベテランと不動産鑑定士のたまごのみなさん。無事面倒な事案の作成完了!。

 

 木曜日からはF研の建物想定講座3日目天空率中心の建物想定を前回の復習と合わせて特訓。

なんと前方に座敷童が?

そして昨日金曜日は最終日、オフィスビル天空率想定に画地割講座

皆さん無事カリキュラムを全消化。最終日は毎回お名残り惜しやの気分・・・・またお会いしましょう。

 

 さて天空率講座を開始したい。

 

前回は入隅道路の適合建築物の想定法を解説した。

道路高さ制限は基準法56条1項に

建築物の各部分の高さ)

第五六条 建築物の各部分の高さは、次に掲げるもの以下としなければならない。

一 別表第三(い)欄及び(ろ)欄に掲げる地域、地区又は区域及び容積率の限度の区分に応じ、前面道路の反対側の境界線からの水平距離が同表(は)欄に掲げる距離以下の範囲内においては、当該部分から前面道路の反対側の境界線までの水平距離に、同表(に)欄に掲げる数値を乗じて得たもの

とあり道路反対側を起点(2項では後退距離がある場合はさらにその分後退した位置が起点)に作成すると記述されている事より

この様に適合建築物を作成する。

ただし、従来の行政の審査方式を考慮し

 

入隅部頂点を起点に簡便法で

入隅部頂点を起点に円弧で適合建築物を作成する方法でも可とする。その際入隅部の適用距離は長くなる。

簡便法の場合入隅部の頂点高が低く設定されてしまう為、

 天空率計算では不利となる事もお伝えした。

尚参考の為にTP-SKY(TP-PLANNER天空率)では

 

「新天空率算定領域」においてダイアログボックス内で「自動発生」の場合は、敷地境界条件で入力した敷地側道路幅員から判断した「簡便法」で作成され「新天空率」ではCAD的に入力された道路反対側の形状を直接反対側の道路境界線として設定できる為、「道路反対側

」起点、適合建築物が作成される。

 

 CAD的に入力しなければならない道路反対側の入力および解析法を今回は解説したい。

 事例は

 

 この場合4方向道路になり施行令132条で区分しなければならないその際最大幅員をいかに考えるか!

 

 まずこの事から考える

最大幅員は9mのようだが接道する5m道路との交差する側を考えると21.297と20mを超える。

その幅が最大幅員か?・・・と都合の良い事を考えてはいけない。

 審査サイドの考え方も最大幅員は9mその5m道路と交差する側の敷地側境界を考えると

交差する側が最大になる位置までを9m道路としそれ以下の部分は5m道路とする。青部分は、例132条1項最大幅員の境界線を示す。

その位置の確定は重要だ。

 青部分の下側の位置が最も敷地内側に近い為にその下端から円弧状に2A=2×9m=18mの最大幅員の区域が区分される。

 

 TP-PLANNERの入力で解説しよう

「敷地」境界条件設定ダイアログで

 選択されている最大幅員に接道する側の幅員は9mで入力し「同一区間設定」を行う。この場合境界線の角度120度超である事より同一区間を自動設定してしまうと5m道路の下側が2Aの起点となり最大幅員も9mと比較し狭い5mが採用されてしまう。その為、任意に指定する事がポイント。

 最大幅員の始まりの位置は「始点側行き止まり」設定をする事で例132条2Aの区域を円弧状に区分する事が可能になる。

 

 後の入力設定は「用途地区」「建物」と通常どおり行い。

新天空率算定領域の入力を行う

「新天空率」を選択するとCAD入力された線分に道路情報を設定する事が可能になる。

 新天空率(T-space)の左枠メニュー「基礎情報」上段ホームの「発生」ボタンをクリックすると敷地境界線で入力された数値情報から道路幅員が自動発生する。

 問題は東側の道路幅員。9m道路と5m道路が自動で適当な位置(高さ制限が適用される範囲)敷地に面する幅まで延長される。

その形状を現況に合わせるべく修正する。詳細の解説は解説書を参照していただくこととして今回はポイントのみの解説とする。

 

 

「前面道路編集」で対象を「反対側境界線」を選択し表示された反対側の境界点を移動し不要な頂点は削除機能で削除し現況の反対側の境界線と一致させる。

 反対側の情報としては「現況反対側境界線(算定基準線)」がある。これは道路反対側にさらに公園がある場合、道路斜線の立ち上がり起点は公園分緩和される、ただし算定位置は現況の道路幅員上に設定する為、反対側境界線と異なる設定が必要になる。

したがって公園もしくは素面等がある場合にはその設定する必要があるが設定しないと当初自動発生した状態に設定される。

 その為「反対側境界線」で今回の様に修正を行った場合には「連続線複製」ボタンをクリックする事により反対側と同じ位置に設定される。

この操作は必ず行う事。

 さらに対象を「境界線」に変更し同様に9m道路の敷地側の境界線を修正する。この境界線が2Aが適用される位置になる。

 

 その結果

 

 同様に5m道路の形状もCAD線分に合わせて変更する

 

 これで現況の道路の形状を示す道路反対側、敷地境界線側の形状が設定された。

 高さ制限種類「道路」を選択し「発生」ボタンをクリックすると変形4方向道路の区域が令132条区分される。

 

 「出力」ボタンをクリックするとTP-SKYに移動し算定基準線が作成される。

 

 

4m道路側にまわりこんだ最大幅員と4m道路側に面した道路中心10mの3区域に区分されたようだ。

 まずは解析してみよう。

 

赤表示のNGが数点確認できたまずは区域毎に検証しよう。

まずは最大幅員の区域から

 

 

高さ制限を大きく超えている事がわかる。区域の根拠は

 

 まず東側変形9m道路側からは後退距離8.263mを起点とした適用距離20mは敷地内に達しない。その為狭い道路南4m道路側に2A=9×2=18mまでの区域。最大幅員9m道路に面する道路の南端から円弧状に適用される。

西側端部はそれぞれ4m道路中心から10mまでで区分されている。したがって最大幅員の区域は1区域。

 

 続いて道路中心10mの区域まずは南側から

大きく高さ制限を超えておりNG3点。区域を検証すると。

東側9m道路の南端を起点とした円弧状(多角近似)の2Aを超えた区域で4m道路中心から10mまでが4m道路が適用される区域。

 

 最後に西側4m道路に面した道路中心10mまでの区域は

この区域はちょと面白い

見落としそうだが屈曲した9m道路側から2A=18mを超えた区域が西側道路中心10mの区域だがこの屈曲した位置は見落としかねないの要注意。

 北側で屈曲した最大幅員の境界線の影響を受けている事がわかる。

 道路形状が敷地と接してない側で建物形状に影響を与える事例はこのところ多く質問を受ける新天空率で道路形状のCAD入力を利用しマスターしていただきたい。

 

 本日も長くなったベルギー戦の勝利を祈願しながら次回まで

お元気で!

 

 

 

比嘉ブログ

 

 

変形道路の天空率取り扱い法 3

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7月7日土曜日

どうやら東京は雨もあがり日差しも見えてきた。

本日は明海大学不動産研究センターの皆さんに天空率講座がある。

その為に早めのブログ。

 

 今週は西日本中心に大雨の被害が報告されており、今だ豪雨が続いている。これ以上被害拡大しない事を願いたいが・・かなりの広範囲にわたている。油断できない。

 

 比嘉も木曜日の夕方、大雨に降られたが大阪府不動産鑑定士協会の皆さんに「CAD建物想定手順と建築基準法実演解説」と題して

講座をやらせていただいた。

 5時から7時までの2時間、天空率概論も含めて時間の限り語った。

終了後は幹事の皆さんと懇談会をしばし・・終了後の外は大雨。

 翌日ホテル近くにかねてよりいってみたかった緒方洪庵の適塾を発見・・見学。

雨の中庭

 見学を終えて新大阪に向かったら新幹線に乗る人で大混雑。昼飯を食する間もなくなんとか帰京。

 

 明海大研修センターの皆さんの報告は後ほどするとして早速天空率講座を開始して出かけなきゃ。

 

 

 天空率講座開始!

 

前回は

 このような屈曲道路の適合建築物の想定法を解説した。区域区分の方法は前回を確認していただくとして結果が

 

NGが各区域で数点。 

 

 

 

 

 それぞれの区域で高さ制限を大きく超えている事がわかる。今回はこれらのNGを逆天空率で解決する事から始めたい。

 

  まずは最大幅員9mが回りこんだ4m道路側の区域

 

円弧で示す計画建築物右端角をカットする指定で

極めて微小なカットでおさまったようだ。

 

次に道路中心10mの区域南側4m道路に面する区域では

今度は左側本体部も含めて大幅カットしなければならないようだ。

結果は

 大幅カットだが右端の算定位置では限界差分一杯の値でクリアー。その為、左端のNG算定位置もクリアーした。

 

 最後に西側に面した4m道路中心10mの区域。

南側に面した区域をクリアーする為にカットして発生した空地の為NGは南端の1点のみに変わった。カットすると

逆天空率計算の結果カットされた計画建築物とカット前をアイソメ図で比較すると

 

左がカット前の計画建築物だがボリューム感としてはそれほど変わらない感じもする。天空率の威力は大きいネ。

 さて次の変形道路課題の事案は

 

北側に8m道路が行き止まるがその生き止まり端に5m道路が接道するケース。

この変形道路の場合は下図で示す行き止まり部分をどのに設定するかがポイント。

 

今回も長くなったこの事例の詳細解説は次回にしよう。

本日の研修終了後書き込みをいれるとしよう。

ひとまず次回までお元気で。!

 

比嘉ブログ

 

 

変形道路の天空率取り扱い法 4

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7月14日土曜日

 先週、これ以上大雨の被害が拡大しないよう願いたいと記したのだが・・今週9日月曜日には、「平成30年7月豪雨」と名付けられるほどの被害の拡大の様は言葉にならない。東日本大震災でもそうだったが水の被害は恐ろしい。

 罹災された方々の早期の物心両面の復旧を願いたい。

 

 昼顔の花言葉は「絆」。昨年ブログに掲載した朝撮りの昼顔が夕には刈り取られてしまった。・・が、地下の茎ではどっこい生き抜いて今年も可憐な笑顔をみせてくれた。

 

 さて昨日は大阪でのユーザー会。

このところの関西地区では地震、大雨と災害が続いたが駆けつけていただいた皆様に感謝したい。

 



 基調講演は、(株)日積算サーベイの西村氏による『NCS/HELIOS BIM概算の可能性』と題してBIMによる企画時の積算システムの精度および利用法の紹介。日積サーベイ社は当社を含むBIM6社連合で積算部門を担当する。昨年からBIM連合6社による全国セミナーは、沖縄、札幌、福岡、大阪、名古屋と続き東京、東北が次の予定とされている。


さらに当社鈴木による『BIMによる建築確認の現状と建築基準法改正案の取り組み』2題の基調講演で始まった。


一般財団法人BuildingSmart Japan IFC検定で「建築確認モデルビュー定義(出力)」で唯一合格し認定を受けているTP-PLANNERの企画BIMとしての位置づけを語ってもらった。

 TP-PLANNERで入力されたIFCデータには認定された敷地、用途地区、面積モデル情報を有する事が認定された事は手前みそながら意義深い。

また大幅に改良バージョンアップされたTP-PLANNER ver18全体概要に引き続き、天空率申請図の新機能、作成法および注意点を坂口から詳細な解説が行われた。


東京は2週後の7月27日ほぼ満席近い状況だが椅子席を用意できますのでまだまだ受付てます。

 

 ユーザー会ではこのところ恒例になった比嘉が天空率、日影部分で執筆に参加している第一法規様から「建築法規PRO2018」を来場の皆さまに抽選で2名様に贈呈。

 皆様、最後まで熱心に聴いていただきあらためて感謝。

 さて暑い日が続きますが天空率講座のお休みはありません。

今日も元気いっぱい天空率講座開始!

 今週の変形道路課題の事案は先週予告のこの事例

 

北側に8m道路が行き止まるがその生き止まり端に5m道路が接道するケース。

この変形道路の場合は下図で示す行き止まり部分をどのように設定するかがポイント。

 

さらに最大幅員が行きど止まる8m道路ゆえ令132条が適用される。その区分法がポイント。この場合入力は「新天空率」TP-SKYでないと行止まり部の設定が困難になる。

 

 入力設定法の解説から始めたい。

 

行き止まり部を下図のように補助線等で作図しTP-SKYでその位置を特定する。

「敷地」入力の境界条件の編集での行き止まりの設定は

 行き止り部を選択後「行き止り部分」の設定を行う。ただし境界で指定できるのは敷地線の幅だけになる為、TP-SKYで作図された位置まで延長する必要がある。その事はTP-SKYの操作解説で行いたい。

 5m道路側も行き止まりの設定を行う

終点側が行き止まる為に境界線を選択後「終点側行き止り」をチェックする。

 用途地区を設定する。

近隣商業地域、容積率300%ゆえ適用距離は20m。

 最後に計画建築物を「建物」の項で入力する。

本体階高25mゆえ8階相当の計画建築物だ。

ここまでが基本条件入力。

 

 天空率計算の前に道路斜線のチェック。

「図法」「断面図」で断面図表示設定ダイアログで断面位置を指定する。

行き止り道路側は

 

道路高さ制限を大きく超えているようだ。

 天空率解析はここから始まる。適合建築物と算定位置の設定。

まずはT-SPACEを起動し行き止まり部分等を修正する。

T-SPACEの起動は「新天空率算定領域」で指定する。

T-SPACEを起動し「基礎情報」で「発生」ボタンをクリックすると基礎情報で入力されたデータから判断され道路形状が発生する。

 

行き止り道路の場合は行き止まり部の位置が表示されるのみ。(グレーで面塗されない)。

 敷地境界条件で入力した行き止まり部は境界線幅の長さ分となる為、補助線で作図された位置まで延長する必要がある。

「前面道路編集」をクリックし行き止まり部を編集する。

 行き止まり線をクリックし最大幅員道路を選択後、対象を「行き止まり境界線」に設定しA端部をドラッグし作図されたB端部まで延長する。

 次に5m道路側も編集修正の必要がある。

 5m道路側に平行な位置まで延長された反対側を「反対側境界線」を指定し反対側の境界線分を直接ドラッグし延長する。

 この部分は適合建築物の起点だがさらに公園等がある場合は、算定位置と起点が異なる場合がある、(公園等がある場合道路高さ制限の起点は公園の緩和が考慮されるが算定位置は道路の反対側となる。

 このように緩和があり高さ制限の起点と算定位置の基準線が異なる場合の入力設定が可能となっている。

 この場合は、公園などない為、道路反対側と同じ位置になる。

その場合は対象を「現況反対側境界線(算定基準線)」を選択後「連続線複製」ボタンをクリックする事で反対側境界線の位置まで自動延長される。

 

以上で設定は完了。

 

「高さ制限種類」で「道路」ボタンをクリックすると行き止ま道路を考慮した令132条区分された区域が自動発生する。

 

 

「出力」でTP-SKYに戻り算定位置が自動発生する。

 

まずは一気に解析し結果を確認してみよう。

 どうやら全てクリアーしたようだ。

では各区域の検証を法文に照らして検証してみよう・・かな。

令132条による区域は

まず最大幅員8mの区域は

さらに5m道路側にまわりこんだ最大幅員8mの区域は

最後に5m道路中心10mの区域が

詳細な距離確認といきたいところだが、本日も長くなった詳細検証は次回にしよう。

来週までお元気で!

TP-PLANNNER関東地区ユーザーの皆さま7月27日ユーザー会でお会いしましょう。

 

比嘉ブログ

 

 

変形道路の天空率取り扱い法 5

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7月21日土曜日

連日猛暑が続き本日の東京も35度。

クーラーつけっぱなしの就寝は疲れがとれてない感じと土曜日で気もゆるんだか・・・眠い。

 こう暑いとやはりプールにでも出かけたいところだが・・。

不要不急の外出はやめた方がいいらしい。しばらくブログタイム。

自宅でいただきもののスイカをかじりながら大リーグエンゼルスの大谷翔平TV観戦。本日アストロズのピッチャー左Pが良すぎる・・・今のところ3三振・・ますますストレスたまりそうだ。

今年の公園はカワラナデシコが多い。この暑さがよいのだろうか?群生している。

 

 さて今週の講座報告から始めるとしよう

今週は火曜日からだが浜松からゼネコン設計部の3人の皆さんが来社。

暑い最中1回めの今回は逆日影、日影規制徹底解説。時間いっぱいまで頑張っていただいた。来週明けは天空率だ頑張ろう。

 

 そしてデべさんからは新人研修の若手設計女史が来社

 初日はやはり手計算で逆日影そして逆日影チャートによる逆日影算出法など日影規制中心の学習。

そして2日めの昨日金曜日は日影復習と天空率理論および操作解説

来週は最終3日めでプランニンング講座。頑張ろう。 

 

 

さて早めに講座を始めるとしよう。

 

前回は、下図の様な変形した行き止り道路の事例の入力法を中心に解説した。

 

今週はこの事例の応用編として

変形した行き止まり道路を含む3方向道路の解説を行いたい。

 

その前に前回の結果の検証から・・

今回は最大幅員が行き止り道路ゆえ通達集の取り扱い方が区分法の根拠となる。

 

行きどまった正面には道路幅aの位置にみなしの道路反対側境界線を設定する。

 

まず最大幅員8mの区域から区分法の検証を行いたい。

 まずは検証図から

この区域は8m道路で最大幅員の区域。敷地境界線側から水平距離8mの位置にみなしの道路反対側の境界線があるとする。

 

 後退距離が2m、みなしの反対側の道路境界線8mの位置に後退距離加算した位置を起点として適用居20mで区分されている事がわかる。

 

 行き止まりの端部は行き止道路敷地側境界線端部(この場合左端)の位置から10m半径の円弧(適用距離20m-(道路幅8m+後退距離2m)=10m)で区分される区域が最大幅員。

 

 次に5m道路側にまわり込んだ最大幅員8m道路の区域は

 

行き止り道路の境界線から2倍(8m×2)16mまでが最大幅員8m道路が適用される。後退距離が1.225mゆえ屈曲した東側道路な面した8m道路を設定し後退距離1.225mを加算した位置が高さ制限の起点となり適用距離20mでが最大幅員8m適用される。

 

最後に令132条3項の区域。5m道路中心10mの区域が

 

 

最大幅員8mから2倍=16mを超えた5m道路の中心線から10mまでは面する5m道路の高さ制限が適用される。高さ制限の起点は後退距離1.225m後退した位置が起点となる。

 

以上ここまでが前回の事案の検証。

 

次に本日のお題、この区分法の入力設定法を基本的な考え方として

さらに道路付きが変形した行き止まりを含む3方向道路の事例の解説を開始したい。

再度事例を確認すると。

 

 

 この場合一見すると6m道路と7.88m~8.489mの2方向道路で考えてしまいそうだが垂直方向に10m道路がある。この10道路がある分6m道路と右側7.88m~8.489m道路の反対側にも通風採光の効果が得られると考えられる。なぜなら10m道路内には建物が建てられない為だ。その道路上の空地の影響範囲を区分し規定したのが令132条。

 

 この場合の行き止まり部分をどの様に考えるかが設定のポイントとなる。

 

設定ポイント1

 最大幅員10mの行き止まりの位置を10m道路の境界線を延長した位置と敷地が接する位置で垂直に設定したい。

 

設定ポイント2

右側7.88m~8.489m道路は敷地境界線と接していないが隣地越えの敷地側に面した適用距離までは高さ制限を受けなければならない為区域区分の必要がある。その際のその道路をいかに認識させるか?

 設定ポイント3 

6m道路の右端が斜の道路境界線上で行止まる設定が必要になる。どの様にその行き止まりの設定を行うのか?

 

以上の3点に焦点をしぼり解説を行いたい。

 

 これらの入力は「敷地」の入力で粗々でも入力可能な部分は入力設定し足らずの情報はT-SPACEでCAD的入力補足編集を行う。

 

「敷地」入力では

 

まず最大幅員側

本来行き止まり部は作図で示すように斜の道路境界線に左端が接するだけだがここでは行き止まり位置を発生させる目的で「行き止まり部分」の設定を行う。T-SPACEで自動発生した行き止まり部を変形し垂直な位置に変更する。

 次に6m側は最大幅員にせっする側で道路が区分される為右端部に「始点側行止り」設定を行う。ただし行きど止まる位置は境界線の端部ではなく最大幅員が延長された斜の道路境界線までとなる。この行きとまり部分はやはりT-SPACEで編集移動する。

 

さらに

 

東側の7.88mから8.489mの道路は敷地境界線に接してない為境界線線を選択する境界条件の変更では入力できない。したがってT-SPACEで追加入力設定を行う。

 

 「敷地」で上記の様に可能な限りの条件設定を行い、「用途地区」「建物」を登録したら道路条件を変更修正し適合建築物を発生させる為にT-SPACEを起動する。

 

 

 

「新天空率」から「道路・一の隣地」をクリックし起動。

*この場合隣地は対象でない為左上3段いずれを選択しても道路天空率の扱いは同じ。

 

「確認」ダイアログでは同一区間の設定の確認を聴いてくるが3方向道路として取り扱う為に「いいえ」を選択する。

T-SPACE起動後に「基礎情報」「発生」ボタンをクリックすると「敷地」入力で設定された条件等から道路形状が自動発生する。

 

 10m最大幅員に設定した「行止」部は斜全体となる為、その位置を作図された行き止まり位置に変更修正する必要がある。

6m道路右端部も変更修正し東側の道路は追加する必要がある。

 まずは最大幅員「行き止まり境界線」部の修正から。

 

行き止まり部をクリックし選択後、「前面道路編集」「対象を「行き止まり境界線」を選択後行き止まり部の端部のそれぞれドラッグし修正編集する。

 

 6m道路側も同様に行う

 

そして東側の敷地と接してない7.88mから8.489mの道路を追加入力する。

 

「道路追加」で幅員を9mに設定後敷地境界側をクリックし9m幅の道路を作成する。その後、「境界線」「反対側境界線」等を適時ドラッグし修正し現況の道路境界線を再現する。

 入力編集は以上の操作で終了。尚今回後退距離は斜の最大幅員の行き止まり部の後退距離「1.065m」を各境界線に設定している。

 

 設定は以上。作図された現況の道路境界線を再現し法的適合を実する。

高さ制限種類を「道路」に変更し「発生」ボタンをクリックすると

最大幅員10mの変形行き止ま3方向道路の適合建築物が発生する。

「出力」で算定基準線を表示する。TP-SKYに戻る。

 

算定基準線は適時修正可能だが今回は6m道路の反対側の位置

け端部まで延長する為修正する。

 交差した道路に面する算定位置の延長に関しては審査期間と協議確認する必要がある。

 解析してみよう。

すべての区域でクリアーしているようだ。

最大幅員は

 

6m道路側にまわりこんだ最大幅員10mの区域は

東側7.88mから8.489mの道路側にまわりこんだ最大幅員10mの区域は

そして最後に6m道路中心10mの区域は

 以上が全区分区域。今回も長くなった各区域の検証は来週にしよう。

 

 お知らせです。東京ユーザー会お申込みまだの方は早めにお申込み下さい。

 では来週までお元気で!東京ユーザーの皆さんに再会できる事を楽しみにしてます!。

 

 

 

比嘉ブログ

 

 

変形道路の天空率取り扱い法 6

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7月28日土曜日
 東京は嵐の前の静けさか・・昨夜来の雨はまだ激しくないが止む様子もない。
かつてない急カーブで豪雨被害をうけたばからの西日本に向かいそうだ。今日の台風の動きには注視したい・・・ラッパバンド練習の予定も気になるもんで・・・。
 
 さて今回は昨日ユーザー会、その後の打ち上げ会の様子など比嘉ブログにめずらしいインスタ映えする景色を中心にお伝えしたい。
 昨日は、東京ユーザー会を開催した。
比嘉が天空率、日影規制の執筆を担当する「建築法規PRO2018」の第一法規様の会議室をお借りしてユーザーの皆さまにお集まりいただいた。緑の奥に新国立競技場がみえる。もうすぐお目見えら予定らしいが工事は順調に進捗している様子。
 その逆側は
 六本木の方向・・東京もそれなりに緑が多い。
この様な絶好の眺めの中開催されたTP-PLANNERユーザー会、内容は大阪の回と重なるので画像で簡単に紹介。
 
 今回比嘉は最初と最後の挨拶だけ。
 
日積サーベイ西村さんにはBIMと積算精度を語って頂いた。
 
 鈴木はTP-PLANNER:BIMの取り組みと現況。そしてVer18バージョンアップ内容全体概要を解説。
 
森本は今回特に強化された天空率申請図の概要と申請図作成時のポイントを解説した。
次回も元気にお会いしましょう。
 
 終了後は暑気払いを兼ねて高田馬場会社近くビアガーデンで打ち上げ会。
昨夕、6時半は台風の影響は猛暑を回避してくれた絶好のコンデション。眺めが良い。
 まいどおなじみ西松建設山岸氏と日積サーベイ生島ジュンペイ氏が参戦。
 
 台風の影響か横に伸びた夕焼け雲。
 夜も更けて
呑み放題も終了。
 
 いきなりだが今週の講座からはじめよう
今週、月曜日はゼネコン設計の皆さん3人2回目の講習。今回は天空率を中心に理論、実践を解説
 次回、プランニングからBIMデータ作成は現地浜松に比嘉が直接出向く事とした。近々の再会を楽しみにしてます。
 
 水曜日は先週から続くデべ新人研修最終日。土地情報入力から逆日影そして今回のテーマのプランニング、面積表まで解説。
後は実践だ頑張れ!
 
 さて今回の天空率講座は前回の問題点の指摘から始める為に長くなる。早めに始めたい・・
 
 前回は道路付きが変形した行き止まりを含む3方向道路の事例の天空率の設定法および解析を解説した。
今回は前回設定した方法の問題点を確認しそれを解消する設定法を解説したい。(前回の解説には今回の掲載事項を確認する事を追記載しました7月26日
 
 問題点は行き止まり道路部の設定法の事だ。
前回、最大幅員の行き止まり部分は、下図の様に行き止まり部分を設定し解析する方法を解説した。

この場合の問題点は行き止まり部分が敷地境界線と1点で接する事より行き止まり道路の部分の後退距離が

 行き止まり部分に水平距離で区分される。その為本来の斜の行き止まり道路に平行に区分されない。
基準法56条
2 前面道路の境界線から後退した建築物に対する前項第一号の規定の適用については、同号中「前面道路の反対側の境界線」とあるのは、「前面道路の反対側の境界線から当該建築物の後退距離(当該建築物(*)から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものをいう。)に相当する距離だけ外側の線」とする。
令135条の6
二 当該建築物の前面道路の境界線からの後退距離(*)が、前号の道路高さ制限適合建築物と同一の道路高さ制限適合建築物の前面道路の境界線からの後退距離以上であること。
 
 みなしの行き止まり道路境界線を上図のように設定した為に後退距離も前面道路の境界線(行き止まり境界線)に水平距離ゆえ垂直にカットされるがこの場合後退距離の区域は既存の斜の境界線に水平距離ゆえ任意に編集修正する必要がある。
 
 また接する位置で行き止まり道路に垂直に設定した場合、みなしの道路幅員は行き止まり道路から10m部になる。本来斜になる為に道路高さ制限の起点が本来の位置より一部長く設定されてしまう事になる。

 では行き止まり道路部をどのように設定するのか?
上記の問題点をクリアーする為に斜の部分はそのまま設定し行き止まり部分を本来の道路に垂直に付加する。下図で解説
 
前回①で設定した行き止まり道路部をAの様に斜と垂直な屈曲した行き止まり部を設定する。
残り青表示したCの部分の道路高さ制限の起点はDの反対側ゆえその位置を設定する。
 算定基準線は前回②で示したがAに平行なみなし反対側境界線10mの位置を屈曲した起点および算定位置(基準線)とする。
改めてT-SPACEを起動し

「敷地」で入力されたデータから自動発生した斜部分の行き止まり道路部を下図のように「行き止まり道路」頂点を追加入力する。

 次に斜部分に面した垂直道路の反対側部分を認識させる為に道路を追加入力する。
「敷地」で道路境界線種に「行き止まり部分」が設定されている場合
T-SPASEでは行き止まり部分のみが設定される。そのさい道路反対側は自動で行き止まり部に平行な位置にみなしの道路反対側境界線が設定される。
 本例のように行き止まり部が斜になっている場合で敷地にわずかでも本来の道路反対側に面した部分がある場合、道路を追加する必要がありその方法は、 行き止まり部が選択されている状態で


 最大幅員側は以上の設定で完了
6m道路に面した部分は
 
道路反対側、境界線、行き止まり道路部をドラッグ移動またはポイント追加で
 
このように設定変更し最大幅員10m道路に接した6m道路を設定する。
 さらに最大幅員の東側道路を追加する。
この部分は当該の敷地境界線に接していない為に「敷地」入力では認識させられない。
 
その為、T-SPASEで「道路追加」、および「行止追加」を行う。
 

以上で入力完了。
道路適合建築物を令132条で自動区分するには高さ制限種を「道路」に設定し「発生」ボタンをクリックする。

 
そして「出力」でTP-SKYに戻り算定基準線を自動発生させる。

 各区域に面した算定基準線が発生する。このような事例の場合は審査サイドと協議の上算定位置を発生させる基準線は適時修正する。この場合最大幅員部を修正している事と不要と思われる基準線は削除した。
 解析し各区分の法的根拠を確認しよう。
まずは天空率計算を実行。
 
前回同様今回も全区域青表示のクリアー表示。
さて各区域の検証を始めたい。
まずは行きどまり10m最大幅員の区域は
斜の行き止まり道路部から10mに後退距離1.065mを加算した道路高さ制限の起点から20mの位置までで区分される。行き止まり隅部◎部を起点に(20m-10m+1.065)=8.935mの半径で円弧すり鉢状に区分される。
 尚最大幅員を追加入力した為に最大幅員10m道路反対側がで延長されたA部分が6m道路側に面したB部分の高さ適合建築物の起点となる。
 
 
次に6m道路側に回りこんだ最大幅員10mの区域。

 斜の行き止まり道路部端部を起点に円弧状に最大幅員10mの2倍20mまでが最大幅員10mの区域となる。
 6m道路に面した部分に10m道路が適用されさらに後退距離1.065mを加算した道路反対側を起点に適用距離20mが適用される。
最大幅員10mの2倍20mを超えた部分は6m道路のの中心から10mを超えた部分を除き最大幅員10mが適用される。
 
 

さらに右側道路にまわりこんだ最大幅員10mの区域は

斜の道路右端が右側道路の行き止まり端としその位置を起点にすり鉢状に(20m-10m+1.065)=8.935mの半径で区分され道路に面した部分は敷地側の境界線から最大幅員10mさらに後退距離1.065mの位置を起点に適用距離で区分される。
 
 
 この区域のように敷地境界に直接接してない場合でも道路反対側から適用距離内にある場合、天空率比較をしなければならない。
この区域の自動発生はT-SPACEならではの機能だ。
 最後に西側6m道路中心10mの区域は

最大幅員行き止まり部から円弧状に設定された2倍20mの部分を超えた道路中心10mまでの部分が6m道路が適用される区域。
後退距離1,065mを起点として道路中心10mまで6m道路の高さ制限が適用される。
 
 
 高さ制限をかなり超えているようだが近接点でも1.462%の差分でクリアーいている。
以上で天空率有効活用の巻・・・終了。
 今回の事例は行き止まり部が斜になり混乱したが高さ制限に適合する事を念頭に入力設定をする事で解決は可能となる。
 
 ながくなった本日はこのあたりで終了しよう。変形した行き止まり道路シリーズはとりあえず今回で終了し次回は敷地と接しない道変形道路の入力法の事例をとりあげ解説したい。
 
比嘉ブログ
 
 

変形道路の天空率取り扱い法 7

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8月4日土曜日
今週の暑さもすざまじい。
仲間うちからのささやきでは「なんだ沖縄の方がまだ涼しいじゃないかい?」
 沖縄に避暑で帰るなんてそんなばかな・・・。しかし沖縄の直射日光は半端じゃない。うっかり浜辺で寝そべって・・やけどで救急車搬送される・・・よくある夏の観光客のパターン。
 今日は、大谷が早い回からホームラン続けて2本にレフト前ヒットと猛打賞・・盗塁まで決めた。おっと次の打者のタイムリーで勝ち越しだ・・気分いい。
 この暑い最中、夏の高校野球も始まる。100回大会らしい。沖縄興南旋風が50回大会ゆえ甲子園も50年以上見続けた事になる。
その時の主将が今年の代表興南高校我喜屋監督。すでに春夏連覇しているだけに沖縄では3度目の興南旋風をと期待しているらしい。
近くの公園の花もこの暑さのせいか一様にくたっとしているがキキョウが元気がいい。この暑さの中、凛とした表情が良い。
カマキリも木陰で涼んでいる様子。・・・ん?比嘉の影だ。
 
 さて今週の講座から始めたい。横浜からデべのお二人が来社された3回コースの初日。テンポよく難関日影逆日影講座をこなしていただいた。
 次回近々次は天空率だ頑張ろう!
来週はゼネコンさんの新人研修も3日間朝から夕までの特訓が始まる。この暑さの中だが無事倒れる事なく務めたい。
 
天空率講座を開始しよう
このところ変形道路天空率のT-SPACEによる入力から解析検証を解説してきた。前回までは6回にわたり変形した行き止り道路を解説しが 今回は、
 
①敷地側道路境界線と道路反対側境界線が平行でない場合。
 この場合、敷地境界側の境界線入力で反対側の道路境界線の位置を特定するには屈曲した境界点から水平距離を入力し反対側の境界線を特定する事が可能だが入力が煩雑になるのでT-SPACEで簡便に入力する方法を解説したい..。
 
②道路境界線が敷地と接してない場合。
 
 
従来は天空率敷地を利用し道路に面した位置を仮想の敷地を設定する方法で敷地と接しない道路反対側を特定してきたが煩雑になる為にT-SPACEで簡便に入力する方法を解説したい。
 
③①②の事案が複合され2の道路となる場合の令132条の適用法と結果の検証を行いたい。
 
まずは①の事例から
まずは道路境界線の中央部を南北に斜線断面で確認すると
南側道路斜線、北側隣地斜線ともにNGとなっている。
まずは道路高さ制限を天空率でクリアーする事から
 
 
道路天空率で算定位置が配置される基準線は現況の道路反対側に設定される。その為現況の反対側をいかに特定し入力するかが入力のポイントとなる。
 「敷地」の入力では、道路反対側の境界線を特定する為に
道路境界点から最短距離(垂直に延長した距離)を測「道路幅」の項で入力する事で反対側の境界線を特定する事が可能だ・・・・が
この方法では境界点が多い場合、煩雑になる。
 T-SPACEでは道路反対側を事前にCAD作図しそのCAD線分を道路反対側とする事が可能だ。
その為「敷地」入力では
 
 全ての道路境界線を選択し、道路幅は認定された道路幅員を入力する。(本例では8mを道路幅の欄に設定)そしてこれらの道路の中心線の角度は敷地側から120度を超える為「一の道路」として設定する。
 
道路高さ制限は道路反対側の境界線を起点として高さ制限が適用される。その反対位置を明確に規定する事がポイント。この項で入力された「道路幅員」複数の道路が接する場合、令132条が適用される場合の道路幅員に適用される。一の道路であれば「道路幅員」も一であり任意に設定するか指定しない場合は道路幅の狭い値が自動適用される。
 
 同一区間の設定をする事で1の道路として認識されるがこのままでは敷地側の道路境界線に平行な8m道路が自動発生する。
 
 その道路幅員をT-SPACEでCAD線分に修正入力する。
用途地区、建物入力の手順は省略し「新天空率算定領域」でT-SPACEを起動する。
今回は道路天空率計算のみで隣地天空率は行わない為、
ダイアログボックス左側「算定種類」はいずれを選択しても以下の操作可となる。
 
 起動直後選択されている「作業種類」で「発生」ボタンをクリックすると「敷地」の項で入力された条件に基づき「道路反対側」「道路中心線」「算定基準線」などが自動発生する。
 
 自動発生したこれらの道路情報を「前面道路編集」を選択しCAD線分頂点をドラッグあるいは移動、削除等で現況の条件に変更する。
 道路反対側はこの場合右端部をドラッグし移動後、「頂点削除」を選択後不要な頂点をクリックする。今回公園等がない為、道路反対側と
「現況反対側境界線(算定基準線)」は同一になる為「連続線複製」ボタンをクリックする事で道路反対側と同一の位置に設定される。
 「境界線」は敷地側の道路境界線だが右端の端の位置と左側端部もドラッグし延長する。
 
 編集修正したデータが下図。
入力編集はここまでの操作で完了。
 
「高さ制限種類」を「道路」を選択し「発生」ボタンをクリックするとCAD編集された条件から道路高さ制限の区域が自動発生する。
さらに「出力」で算定基準線を自動発生し解析が可能になる。
まずは解析し区域区分を検証してみよう。
 
青枠が自動発生した高さ制限適合建築物その区域内にある計画建築物と高さ制限適合建築物の天空率が比較される。
 算定位置は高さ制限適合建築物に面した赤枠で示す基準線が表示される。
 解析すると
 
中央部のP5近接点となる。
その前に後退距離の法文を確認すると
 
(建築物の各部分の高さ)
第五六条
2 前面道路の境界線から後退した建築物に対する前項第一号の規定の適用については、同号中「前面道路の反対側の境界線」とあるのは、「前面道路の反対側の境界線から
当該建築物の後退距離当該建築物(地盤面下の部分その他政令で定める部分を除く。)から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものをいう。)に相当する距離だけ外側の線」とする。
 
 
 
適合建築物を検証すると
 
この場合当該建築物からもっとも近接した位置の後退距離が2m。後退距離は前面道路に面する敷地側の境界線が屈曲しているが全ての後退距離が2mを越えられず道路境界線に平行に2mの位置に設定され後退距離の区域も屈曲する。
 
 道路高さ制限の起点は反対側道路境界線に加えて後退距離分が加算された位置を起点として適用距離20mが適用される。
 道路反対側の高さ制限の起点は直線ゆえ水平距離2mが加算された位置を起点に道路高さ制限適合建築物が作成される。
 
 アイソメ図では
 
 さて北側の隣地高さ制限もNGゆえ天空率計算を行ってみる。
隣地天空率はJCBAでは境界点間で比較する「敷地区分方式」と道路以外の境界線は連続した一の隣地とする「一の隣地方式」の2とおりの方式がある。
まずは敷地区分
この事例ではクリアーするが敷地境界点間が極めてせまい場合敷地全体で天空率比較を行わない為極めて不合理な結果となる。
本来天空率は高さ制限を超えた部分を敷地内の空地による通風採光効果でリカバリーするのが天空率の基本的な考え方。
 アイソメ図では
敷地区分方式は法文にない区分法になる為、慣習的に出隅部は境界線に対して垂直に切断、入隅部は入隅角の半分まで当該境界点間に加えて区分する。
 一の隣地方式は
法56条
二 当該部分から隣地境界線までの水平距離に、次に掲げる区分に従い、イ若しくはニに定める数値が一.二五とされている建築物で高さが二十メートルを超える部分を有するもの又はイからニまでに定める数値が二.五とされている建築物(*)で高さが三十一メートルを超える部分を有するものにあつてはそれぞれその部分から隣地境界線までの水平距離のうち最小のものに相当する距離を加えたものに、イからニまでに定める数値を乗じて得たものに、イ又はニに定める数値が一.二五とされている建築物にあつては二十メートルを、イからニまでに定める数値が二.五とされている建築物にあつては三十一メートルを加えたもの
 
従来の隣地斜線のチェックがそうであったように
それぞれその部分から隣地境界線までの水平距離
から隣地境界線から寄棟状隣地高さ制限適合建築物で比較される
アイソメ図では
この手法を利用する場合、勾配が異なる場合、地盤面高が3mを超える場合などさらに区域が区分される場合でも合理的な区域の設定法が可能になる。
 
 久々に隣地天空率まで解説した事も有り本日も長くなった。
②の事案の解説は次回行う事としたい。
 暑い夏はまだ続きそうですがとりあえず夏休みまでなんとか乗り切りましょう!
あれ大谷またうっちゃったよ。応援しよう比嘉ブログ終了!
次回までお元気で!
 
 
比嘉ブログ
 
 

変形道路の天空率取り扱い法 8

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8月11日土曜日
   今日から夏休みだ。だれもそうだろうけど夏休みの始まりの頃はわくわくもので計画を立てるが後半になると・・いろいろ後悔するものだ。
今年こそは充実したものにするぞと思うのも毎年の事・・。
 今週は台風騒動などあったがおかげで若干猛暑がしのげたかもしれない。
 今年の猛暑でクーラーが壊れたという話が聞こえてきて・・・クーラーも壊れるものだと他人事として聞いていたら我が家のクーラーもダウン。このところはNHKでも夜間でもクーラーは切らずにとの放送ゆえ忠実に稼働を続けてきたら一気にいってしまった。18年物は部品もないとの事で買い替えだ。おまけに給湯器まで壊れて交換…サザンの胸騒ぎの夏ならぬ 出費の夏♪~。
 
 今週は新人研修をしてるまに沖縄興南高校が初戦突破したようだ。
沖縄代表の試合は、何年もかかさず、ある時は、仕事中こっそり(バレバレだが)観戦していたものだがさすがに新人研修をほってみるわけにもいかずだ。
 勝ってよかった。次戦はしっかり応援したい。
 
 さて今週の講座から早く始めて夏休みを始めるぞ~。
 
今週は毎年恒例の西松建設さんの新人研修。設計部の新人から精鋭5人が先発されてやってきた。3日間特訓をおこなった。
初日の皆さんの様子から
 初日、だいぶなれてきた感じだが日影規制を理解し手計算で逆日影計算ができたところで早くもドヤ顔・・・ドヤ顔には早い・・まだまだ・・。
 
 2日めは天空率中心に解説し敷地入力からプラン、らBIMモデルまで各人無事作成。台風騒動があり会社からはひとまず3日目は延期の連絡。ちょっと残念な気分もありだったが・・・
 
 翌朝台風がそれ、始業前の早い時間に連絡が入り3日めも予定どおり開催する事となった。・・・ないと思ってのんびりの朝からスイッチの入れ直しに多少時間を要したが、皆元気にやってきてくれた。
 隣地天空率、発散法作図、平均地盤計算など細かい技を講習後、鈴木によるBIM概論を挟み、最後に土地情報から一気にプラン作成まで自力で作成。あっという間の3日間でした。あとは実践で頑張れ!またお会いしましょう。
 
 
 
前回は
①敷地側道路境界線と道路反対側境界線が平行でない場合を解説した。
 この場合のポイントは後退距離は敷地側の道路境界線に平行に同一幅で設定しなければならない事。
さらに高さ制限適合建築物の起点は反対側の道路境界線に後退距離分加算した位置を起点とし反対側の道路境界線に平行に適用される。その結果
 
この様に高さ制限適合建築物および算定位置が設定された。
 
 さて今回は、
②道路境界線が敷地と接してない場合。
 円弧で示す隣地境界線に面した屈曲道路がある事例。
従来は天空率敷地を利用し道路に面した位置を仮想の敷地を設定する方法で敷地と接しない道路反対側を特定してきた
 4角で囲んだ部分を本来の敷地に加えて天空率敷地として屈曲した道路の反対側の位置を特定してきた。
 当該敷地に適合建築物が設定される為、この手法でも問題ない。た入力が煩雑になる為にT-SPACEで簡便に入力する方法を解説したい。
その結果はNGのようだが結果のアイソメ図は
 さて「新天空率T-SPACE」による設定法を解説したい・
まず敷地入力では
 
 
 道路の形状をCAD読み込みまたは「補助線」で正確に作図後、敷地入力では敷地境界線に接する道路境界線を「道路幅」として入力する。
「道路幅員」の項目は「一の道路」において幅員幅が異なる場合で最大幅員幅として指定したい場合に入力する。入力しない場合はもっとも狭い道路幅が一の道路の「道路幅員」として自動認識される。
 
 敷地の入力は以上で入力可能な敷地境界線情報を入力する。
その他、通常どおり用途地域、建物の入力を行い
天空率計算の前には「図法」「断面図」で道路斜線断面を確認する。
敷地側道路境界線をクリック後、計画建築物と近接する境界線の方向に断面線をカーソル移動後クリックで道路断面が表示される。
 
 道路斜線は大幅に高さ制限を超えている。天空率計算ではどうだろうかと天空率設定を解決する。
 
高さ制限適合建築物は「新天空率算定領域」の項で行う。
「新天空率」の欄の「道路・一の隣地」をクリックし選択する。
*隣地も同時に解析できるが隣地天空率の処理法により「敷地区分方式」「一の隣地方式」いずれかで選択する。道路天空率はいずれを選択しも同様となる。
 道路境界線の中心線の角度を自動判断し敷地側から120度を超える場合同一区間設定可能なJCBA方式にしたがい「・・同一区間設定・・」の設定を確認してくるので「はい」を選択。
*隣地の同一区間(一の隣地の場合)の設定確認があるが今回は道路天空率のみゆえ無視する。
 
「発生」ボタンをクリックする事により入力された「敷地」情報から境界線情報が発生する。
 上図で示すように道路境界線端部は自動で適時延長される。
自動発生した道路情報を補助線で示す道路情報に変更していく。
 
 
「前面道路編集」をクリック後、「対象」プルダウンメニューから「反対側境界線」を選択し上図の要領で作図された道路反対側の境界線にスナップ設定する。その結果、道路反対側の現況の境界線と一致させる事が可能となる。
 
次に「現況反対側境界線(算定線基準線)」を選択する。
 
 この「現況反対側境界線(算定線基準線)」を入力するには法的解釈を行い解説する必要がある。
 
 先に入力した「反対側境界線」で入力編集した線分は道路高さ制限の起点を意味する。
道路高さ制限の起点は後退距離を加算した道路反対側の境界線を起点とするが
(前面道路の反対側に公園、広場、水面その他これらに類するものがある場合)
第一三四条 前面道路の反対側に公園、広場、水面その他これらに類するものがある場合においては、当該前面道路の反対側の境界線は、当該
公園、広場、水面その他これらに類するものの反対側の境界線にあるものとみなす。
 
公園、広場、水面等が道路反対側にある場合これらに類するものの反対側に高さ制限の起点がなければならない為にこれらを考慮する場合「反対側境界線」でこれらの反対側に属するものの反対側の境界線になければならない。
 
・・・一方道路高さ適合建築物の算定位置は
(法第五十六条第七項第一号の政令で定める位置)
第一三五条の九 法第五十六条第七項第一号の政令で定める位置は、前面道路の路面の中心の高さにある次に掲げる位置とする
 
 つまり公園水面等の有無にかかわらず「前面道路の反対側」に設定しなければならない。
 
 したがって公園水面等がある場合、高さ制限適合建築物の起点と算定位置を発生するいわゆる基準線では位置が異なる事になる。
この位置の異なりを先に入力した 「反対側境界線」と「現況反対側境界線(算定線基準線)」でそれぞれ入力する必要がある為この入力項目が存在する事になる。
 
*ただし公園水面等がない場合同様の操作を2回行わなければならない為に「連続線複製」ボタンをクリックする事により「反対側境界線」で入力変更した高さ制限の起点と一致した位置に算定基準線が発生する。
 
 尚、「現況反対側境界線(算定線基準線)」が設定された線分の延長上に算定位置が発生する為交差した道路内に算定位置を発生させたい場合もこの設定機能を利用して行う。
 
 敷地境界線側の道路境界線も同様に「境界線」で変更する。
その他、道路中心線も作図線と一致させたが道路中心線は2方向道路の狭い道路の中心10mの区域の起点となる為、今回の1本道路の場合、解析には影響しない。
 後退距離なども最近接幅が自動設定されその幅内で設計者が設定する事も可能だ。
 ともあれ以上の操作で設定完了。
設定が完了したら適合建築物は瞬時に作成される。
「高さ制限項目」「道路」を選択後「発生」ボタンで敷地外の道路反対側が考慮された道路適合建築物が自動発生する。
 
道路高さ適合建築物の発生を確認したら「出力」で算定基準線が発生し解析が可能となる。
解析してみよう。
1ポイントを除きすべて赤表示のNG近接点NO5での差分が
 
P5(差-1.679%,斜79.506%,計77.827%  天空率近接点)
「図法」「天空率比較図」重ね図表示でNGぶりを確認すると
赤高さ制限NGの面積が約120、緑空地部が約86で納得。
 
さて高さ制限適合建築物の根拠を確認してみると
 
後退距離986が道路反対側に加算されその位置から適用距離20mで適用されている。算定位置の端部は適合建築物の再端部に垂直に面している事と入隅側の高さ制限は反対側の屈曲点が起点となっている事もポイント。
 
 さてこれの解決方法はと解説を進めたいところだが今回はこの辺りで終わりにしよう。
 次回は前回の事案と合わさったケースとして最大幅員が南側の屈曲道路になった2方向道路を想定し令132条で天空率解析結果がどうなるのだろうか・・・・夏休みのテーマとしよう。
夏休み中は勉強などしないでゆっくりお休み下さい。暑い夏はまだつづきそうですネ。次回までお元気で!
 
比嘉ブログ
 
 

変形道路の天空率取り扱い法 9 変形2方向道路取り扱い

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8月18日土曜日
昨日、金曜日から夏休みを終えて出社している。
東京は、夏休みの終わりとともに猛暑も終わりなのだろうか?湿度も下がり,今朝もひんやり冷たい。
 
この夏も恒例により信州で勝手に夏合宿。
室温19℃。クーラーからも解放され穏やかに寝る事ができた。今年の猛暑分の睡眠不足を7分目取り戻した感じ。
ビールより焼酎でお湯割りが良い。今回は黒霧島。芋焼酎。
 
チャりで今年の島ツーリングに備え・・・(どこの島かはそのうち発表)
 せせらぎに向かってラッパを鳴らしてストレス発散し(鳥獣の皆さまご迷惑をお掛けしました。・・折からの雨による流量でせせらぎ音に圧倒されたけど)
 あとは高校野球で地元沖縄の応援を・・・・やめとこ・・・。
 
 そして道端のコスモス(秋桜)が夏の終わりを告げるかの様に冷たい雨に打たれてさよなら・・・東京に戻り夏休みもおしまい。
 さて天空率講座を始めたい。
変形道路シリーズも9でこのシリーズの最終回。
 
今回の変形道路シリーズ初回は、道路敷地境界線が屈曲した道路
 
の解析法と結果検証。
 
 
前回が敷地北側に隣地境界線越しに屈曲道路がある事例の解説をおこなった。
この場合
高さ制限を大きく超えた計画建築物の部分120(赤)に比較し敷地内の空地86(緑)が少なく、全ての算定位置でNGとなっている。
 
今回の検証はこの2種の変形道路が同一敷地内に存在した場合の事例。
今回の見所は、この様な2の変形道路における令132条あ適用される事により北側の変形道路天空率が緩和されるか否か?のテーマで区分法および結果を検証してみたい。
 
 それぞれの道路境界線は、CAD情報として作図してある事と、
「敷地」入力では、前回までで解説した事と同様道路境界線で入力可能な情報を入力する。
 
「建物」「用途地域」等を入力後「新天空率算定領域」では、「道路・一の隣地」(道路のみの場合はいずれを選択しても可)を選択し
 
 T-SPACEが起動したら「発生」ボタンをクリックする事により入力済み情報から道路形状が発生する。
作図済みのCAD線分をガイドに道路反対側の屈曲した境界線を「反対側境界線」そして公園等がある場合は「現況反対側境界線(算定基準線)」で道路高さ制限建築物の起点と算定基準線が異なる事を設定(本例の場合は同一ゆえ「連続線複製」で「反対側境界線」と同一にする。敷地境界側の道路境界線の屈曲は「境界線」で編集修正する。
 
 これで前面道路の情報は完璧だ。
高さ制限種を「道路」を選択後「発生」ボタンをクリックする事により令132条で区域区分される。
 
さらに「出力」ボタンをクリックする事により算定基準線が発生する。
まずは解析し各区域の検証をしてみよう。計算モードで「天空率」で解析を行うと
個別の天空率計算でNGであった北側に接道した隣地超えの区域が青表時で全ての算定位置でクリアーした事がわかった。
令132条の威力が発揮された事例だ。
早速区域区分を検証しクリアーした要因を確認しよう。
 南側最大幅員8mの区域は前々回と同様ゆえ北側6m道路の最大幅員の区域さらに道路中心10mの区域を検証してみよう。
 
まず近接点の差分を確認すると右端のNO10が近接点で
P10(差1.860%,斜86.749%,計88.609%  天空率近接点)
差分が1.86%で単独区域でNGだった事を考えると大きくクリアーしている事がわかる。
 まずは区域の検証だが南側最大幅員から2倍8m×2=16mまでが最大幅員8mが適用されるくいきで後退距離1021が加算された道路反対側の境界線から適用距離20mまでが北側道路側にも最大幅員があるものとし区分される。北西側青円弧部は最大幅員からの2倍16mを超える区域は、北側6m道路中心線から10mを超えた部分も際幅員の区域と区分されている。

(二以上の前面道路がある場合)

第一三二条 建築物の前面道路が二以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の二倍以内で、かつ、三十五メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が十メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

 
 アイソメ図で確認してみると
 
天空率比較図で確認するとさらに明確になる。
高さ制限を超えた赤部分の面積約39に対して敷地内空地が77で約2倍。空地の面積が高さ制限を超えた面積よろ2倍近く上回っておりクリアーである事は明確。
 前回との違いは
道路高さ制限の道路幅員が6mから8mに変わった事。
最大高25mを有する北側に面した部分が道路中心10mを超えた部分のみが天空率比較の為の区分となる為に前回より道路中済んから10m離れる事になりその分25m高の建築物は算定いちより遠くなり天空率は大きくなる。
 高さ制限適合建築物は東側の6m道路に面した部分から西側隣地を超え、道路中心10mを超えた凹側の面が左右に空地として大きく存在する事になる。
以上が最大幅員8mが適用される区域。
 
次に本来の6m道路が適用される北側6m道路中心10mの区域は
 
 最大高の計画建築物25m高を含むが道路中心10mの区域に単独では、左右に投影された21m高と18m高の計画建築物は、道路中心10mの区域外となる。したがって天空率比較対象が25m高の計画建築物のみとなる。
 したがってアイソメ図で確認すると
 
高さ制限を大きく超えている計画建築物が存在しても天空図を重ねて比較すると
左右の空地緑部が121.9に対して高さ制限を超えた赤部の面積67.7より2倍近く大きい事がわかる。十分な空地が存在しているという事だ。
再度、北側道路のみの場合の天空率区域を確認してみると
最大高25mの左右の18m、20m高建築物が左右の空地を狭めている事がわかる。
 天空率の威力も恐るべしだが令132条が高さ制限の緩和に大きく寄与したケースとして確認しておきたい。
 
 今回のケースで行き止まり道路から始まった「変形道路の天空率取り扱い法」のシリーズはいったん終了し
次回は久々隣地天空率を取り上げて今だ審査の現場で問題になる事を検証解説してみたい。
台風が次々と発生しているようです。お気をつけ下さい。次回までお元気でお会いしましょう。
 
比嘉ブログ
 
 

隣地天空率再考 1

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8月25日土曜日。

今週は、金足農業の甲子園に続きアジア大会、池江の活躍を堪能。

今朝は、

男子マラソン井上の優勝・・あの中山、谷口の1-2フィニッシュ・・我らの世代以来で感慨深い。

 アジア大会とはいえバドミントンなど久しぶりのメダルラッシュはイイね。

唐突ながらスコール明けの虹から。


 夏休み明けの忙しい最中でスタッフには、申し訳ないが、旧盆ゆえウンケー(ご先祖をあの世からお迎え)のため、木曜日から沖縄。

 台風の影響で大揺れのフライトだったが無事トウチャコ。

 度々バケツをひっくり返したようなスコールに遭遇するのが夏の沖縄。


今朝のスコールは、ガジュマルで雨宿り。キジムナーの気分。
アマランダ(アリアケカヅラ)が可憐。
今晩のウウクイで、ご先祖様を無事お送りし早々に東京に戻りだ。
  今年、後半戦頑張ろう❗

 

 今週の講座から夏休み明けの今週火曜日は、日影・逆日影講座

不動産鑑定士、ゼネコン、組織設計事務所のみなさんに参加していただいた。

 時間を多少オーバーしたが皆さんよく頑張りました。

講座終了後の記念写真でオートフォーカスのシャッター音のタイミングで見事にくしゃみのH氏。その前の左側二人はいらずバージョンも添付しよう

 次回は天空率講座です。頑張りましょう!。

 今週から「隣地天空率を再考する」と題して、数回にわたり隣地天空率を解説してみたい。

初日の今回は、隣地高さ制限の起源と目的からはじまり、果たして現況の隣地天空率の仕様が十分機能しているのかを問う事から始めたい。

 

 現在、隣地高さ制限適合建築物の想定法はJCBAでは「敷地区分方式」と「一隣地方式」いずれを利用しても良いとされる。

 例えば「敷地区分方式」とは

 

 基本的に隣地境界点間に面した部分毎に適合建築物を想定しそれぞれの境界点間で比較する。

 想定法は

 出隅に面する境界線側は境界線に垂直区分される。

入隅の場合は当該隣地境界線に加え入隅角の半分までを高さ制限適合建築物として想定する。

 

 今回隣地、天空率を再考するとするのは、この敷地区分方式の場合、天空率比較が困難になる事例が頻発する。その際JCBAでは

「一の隣地方式」を適用する事が合理的であるとサイト内で記述している。

 

 

 隣地境界点間が狭い上図のような隣地境界の場合、「敷地区分方式」では、敷地内の空地を適切に天空率に反映する事ができず本来の天空率比較の目的と異なる。

 

 この事を正しく理解していただくために、数回にわたりシリーズで解説を行いたい。

 今回は、高さ制限のはじまりから解説を始めたい。

  

 高さ制限は、「一般財団法人土地総合研究所」の発表資料によると、大正8年「市街地建築物法」で定められたとあった。

 

大正8年(1919年)・・100年以上前に遡り当時は尺貫法で記述される。住居系が65尺、住居系以外が100尺の絶対高さ制限があった。

目的は、

 ・工法あるいは、昇降機を含む技術的要因

 ・容積率制限がない為の携帯制限として

 ・欧州の100フィート建物高制限に準じた

等々と諸説あるらしい・・・が、どうやら現在目的とされる通風採光の確保の記述はない。

 

隣地高さ制限の目的から若干それるが

「1 9 3 1 (昭和 6年)の法改正により、 メートル法 が導入され、 1 0 0 尺制限は3 lm に、 65 尺制限 は20mに変更された。 10 0尺は30.3m、 6 5尺は19.6mであるため、 改正によりわずかに 緩和された。 (1 9 3 1年昭和6年)」

と記述されいずれも切り上げ処理により住居系20m、住居系以外が31mの現在の隣地高さ制限の立ち上がり高となったとある。

中途半端感の高い商業地31m起点は尺貫法の名残である事を確認しておきたい。

 

  隣地斜線の目的に戻る。通常の隣地高さ制限を規定する、基準法56条1項から6項までの記述に、採光通風の文字はみあたらない。

 

 採光通風の記述が登場するのは、天空率利用を目的とする7項が、平成15年に付加されると

 

7 次の各号のいずれかに掲げる規定によりその高さが制限された場合にそれぞれ当該各号に定める位置において確保される採光、通風等と同程度以上の採光、通風等が当該位置において確保されるものとして政令で定める基準に適合する建築物については、それぞれ当該各号に掲げる規定は、適用しない

 

 7項に採光通風の記述が登場する。

 この事は6項までの高さ制限規定では、通風採光を確保する規定として充分ではなかった事が想像される。

 

 その事は、天空率施行前に発刊された国交省住宅局建築指導課等監修の

この本を参照する事で明確になる。

 

 そのQAのコーナーで

「天空率で通風採光が確保できたといえるのですか?」の質問の回答が天空率の基本的な考え方がわかる。

 通風採光を確保する手段として「H/D比の増減(*追記 従来高さ制限の事)による延長方向の増減の度合いよりむしろ建築物周辺の空地による増減の度合いの方が大きく・・

 とありさらに通風採光を評価する手段として、人間の視野角、仰角と同様の見え係的表現が可能な天空図が合理的であると記述している。

 「H/D比の増減では、つまり従来の高さ制限では、通風採光が判断が適切にできない事を下図で解説すると

 

 建物高さが同一でしかも道路高さ制限を超えている場合(H/D)比による判断では右上の挿絵が示すようにいずれも斜線規制では、NGとなるが、敷地内空地の多いB案に面した道路反対側の環境の方が、通風採光は、良好である事がわかる。

 この例では、道路高さ制限で表現しているが、隣地高さ制限でも同様だ。

 

敷地の空地を確保する事が、「開放度」も同時に確保しうるともある。


 つまり単一断面で表現される従来の斜線規制でNGでも、その分に見合う敷地内空地があれば、通風採光はもとより開放度も確保できると記述されている。

 

 この「敷地内空地」記述は、天空率の審査方式を検証する上でキーワードとなる。つまり隣地高さ制限適合建築物に敷地内空地の有無が適切に評価されているか否かがポイントとなる。

 

 その事は、道路高さ制限適合建築物を設定する場合でも同様だ。

道路高さ制限適合建築物は、「一の道路」の考え方の採用により敷地内空地が正しく評価されている。


 「敷地内空地を高さ制限適合建築物に適切に反映させる事。その事を念頭に置いて現況の審査方式を検証していきたい。

 

 天空率審査におけるバイブルとされる適用事例集では前述したように道路天空率に関しては詳細に解説されている。・・が、隣地高さ制限適合建築物の作成法はほとんど記述されていない。

 

 「2017年度版 建築確認の為の基準総則 集団規定の適用事例」

編集日本建築行政会議

も隣地天空率の記述となると、極めて説明不足と言わざるをえない。

 

 驚くなかれ、適用事例集では、隣地天空率に対して記述されたのはわずかに以下の2ページしかない。

 

まず1ぺーじ目は

P230「入り隅隣地における後退距離(隣地斜線制限)」

 

 後退距離の計測位置を表記解説しており、高さ制限適合建築物の作成法を記述するものではない。

 つまり「区分された区域ごとに後退距離を設定(a,b)」とは、隣地区域区分された区域毎に後退距離はa,bの単一の値で確定する事が、記述されているだけだ。

 繰り返すが、適合建築物の作成法は、記述してない。

(*慣習的に冒頭示した敷地区分方式では入隅角の隣地境界線は入隅角の半分までとする。その考え方を解説したものでもない。)

 

次に2回目の記述がP253に

[(2)隣地に高低差がある場合」の項で

 これは3mを超える地盤面が存在する場合、3m以内毎に高低差区分区域を想定しその区分ごとに区域を設定し天空率計算を行う事が書かれているにすぎない。

 どの様に高さ制限適合建築物を作成するかには触れてない。

 

 左側に作図された平面図を確認していただければ明白だが、道路境界線の位置が記述されていない。(その様な敷地はあり得ないはずだが)高低差区分区域も隣地境界線と思われる境界線に直角に区分されている。

 この場合下側のみ隣地境界線で他は道路とすると、「敷地区分方式」「一の隣地」いずれの手法でも同様になる。

 

 いずれも隣地高さ制限適合建築物の作成法を、解説しているわけではない。それに面する算定基準線の設定法も、解説していない。

 

 結論から「**適用事例」では隣地高さ制限適合物の想定法に関する記述はない。

 

 では、適用事例集以前のバイブルとされていた天空率施行直前の公的資料「平成14年建築基準法改正の解説」を確認してみたい。

 

 そのP79の挿絵で陳地天空率の適合建築物の作成法を確認すると解説記述は施行令を解説するもので問題はない。

 問題は途中挟まれた挿絵で極めて意味不明なイメージが掲載されている。

例えば「隣地高さ制限を適用しない建築物の基準(令135条の7関係)

隣地高さ制限適合建築物のイメージとあるがこの挿絵が解釈困難。

 

 

挿絵を見る限り矢印で示された「隣地境界線」とある境界線が隣地境界線である事は明白だがその他の境界線がこちらで書き込んだAの道路境界線を除きB,Cが隣地境界線のかあるいは道路境界線なのか不明だ。

 まずBは敷地内空地とみるのが適切だと思うが、隣地適合建築物が敷地半分ほどで区分されている。その事からするとBは道路と判断した方が合理的とも思える。

 この様に隣地高さ制限を想定する事は、従来の隣地斜線も含めてありえない。C側の境界線も道路なのか隣地なのか明確でない。Cが隣地だとすると従来の隣地高さ制限なら寄棟状に両隣地からの高さ制限が適用される。

 

  次に続くP76の挿絵

 これは隣地高さ制限建築物を断面で表現しており、前述したように敷地内空地を含む屋根布施図で表現してない為、隣地高さ制限適合建築物の解説としては十分でない。

(最も先に提示した「隣地高さ制限適合建築物のイメージ」の表現がそれだとしたいのかもしれないが)

 

 さらに

 

 地盤面が3mを超える場合、高低差区分区域毎に比較するが、この挿絵は、隣地・北側高さ制限適合建築物とあり必ずしも隣地高さ制限適合建築物を示していない。

 

 当初、ローカルルールが各行政で提示されたのは、そこに記述された文章を解釈する事なく、あいまいな参考図を参照して決めた為に混乱を招いたと思われる。

 

 その為に適用事例集が2版まで発刊されたのだが、隣地天空率に関しての記述は、前述のとおりで十分ではない。

 

 当然、コンピュータ処理を前提とする天空率計算ゆえ当方としても明確にしないわけにはいかない。

 

 

 隣地天空率に関して、日本建築行政会議に確認したところ、JCBAホームページで解説している第3章 天空率に係る検討を参照していただきたいとの回答であった。
 
 比嘉ブログではその為、過去数度にわたり第3章 天空率に係る検討
を解説してきた。
 今回もそれらを、再度提示検証しながら解説を加えたい。
 
次回は敷地区分方式の問題点を解説し敷地区分方式を利用する場合に危険側になる問題点を提示解説したい。
 
隣地天空率の停滞感をともに検証解決しましょう。
次回までお元気で!
 
比嘉ブログ

 

 

隣地天空率再考 2敷地区分方式とその問題点1

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 9月1日土曜日

9月になると今年も残り1/3しかない。

しかし今週の暑さもすざまじかった・・・。

完全に沖縄の方が涼しく、特に朝夕の涼しさは気持ちよい。

どうやら沖縄は変わってないが、その他の日本全体が異常気象のようだ。

若干沖縄を思い出し赤花を・・・

 沖縄から東京に戻ると池袋方向に向かってスマホを向けている。

ポケモン騒動かとおもったら

 

 積乱雲の中で雷が連続でピカピカドッカンを撮影しているようだ。

あわててスマホを取り出して負けじとパチリだが今一のでき・・。雷のかけらも写ってないようだ。こちらに向かってきそうなんであわてて家路・・。今週は各地で積乱雲騒動があったようだ。

 

 さて今週から本格的に講座を再開した。

まずは火曜日、不動産鑑定士の皆さん。

若手2名を従えて約、20年ぶりに比嘉の講座に参加していただいた。

後、2回頑張って下さい。

 

木曜日も不動産鑑定士の皆さん。

こちらは、約10年ほど前に集合研修で講座を受けた事がありますとの事。今回は2名で特訓の結果・・・自信のポーズに比嘉も負けじとポーズ。

 

 金曜日には、デべのベテランと若手の講座

最後に侍ジャパンのポーズでパチリ。

 

 さて本日は、「琉球美の宝庫」を見学の予定だ。

早めに天空率講座を開始して出かける事としたい。

 

天空率講座

先週から隣地天空率再考として隣地天空率を解説している。

 

前回はH/D比の増減による高さ制限(従来の斜線規制)では通風採光を確保する手段として適切ではない事を解説した。

今回は前回のその部分の解説を補足する事から始めたい。

 

 H/D比の増減比較においては、同一高で高さ制限を超えたA,B案は、いずれもNGとされる。ところが敷地内空地を多く有するB案の通風採光が、良好である事は一目瞭然。

 敷地内空地を評価する手段として、基準法56条7項に追加されたのが天空率による比較法。

 

  天空率は、高さ制限適合建築物と計画建築物の魚眼レンズに平面投影した面積の大小を比較する。

 

 高さ制限適合建築物は、従来の高さ制限に適合するつまり従来の高さを越えない事が基本。(その他令132条による区分、勾配区分などがある)がいずれもそれらの法規に適合した建築物を想定する。

 

 天空率を比較するとは

天空率は

((想定半球の水平投影面積)-(建築物+地盤の水平投影面積))÷(想定半球の水平投影面積)

 

 建築物等の投影面積が大きいと天空率が小さくなる。

したがって天空率とは、魚眼レンズに投影された水平投影面積を比較する事。

 

 このように文面での天空率比較を理解するには、困難がある。

が・・高さ制限適合建築物(緑)の天空図と計画建築物(灰色)を重ねて表示すると比較が容易になる。

 

 

 

 一般的に建蔽率、避難通路等の制限を受けない高さ制限適合建築物(緑)は区域(この場合敷地と同じ)幅全域に配置される。(道路天空率の場合、奥行は適用距離まで)

 その為、計画建築物(灰色)より区域内空地A,Bが魚眼レンズに投影されたa,b分視野角方向に広くなる傾向にある。

 一方計画建築物の高さ制限を超えたC部分が投影されたcは、計画建築物のみとなる。

 したがって天空率でクリアーする条件としては

a+b≧c

 ① 敷地内空地分のみ高さ制限を超える事ができる。

 ② 区域内で建物幅が狭い場合、相対的に空地a+bが増加する事

   になり高層建築物が可能になる。

 ③ 空地a+bが十分な面積がない場合高さ制限を超えるc部も

   小さくならなければならず高さ制限を大きく超える規模の

   建築物は不可となる。

 

 これが天空率の基本的な考え方。

 

 敷地内空地を正しく評価するとは、適法に高さ制限適合建築物を想定する事に他ならない。

 

 天空率施行直後の天空率審査方式を今一度振り返ってみよう。

 

 

屈曲道路でこのような設定を要求する行政があり混乱した。

 

 

 この場合の適合建築物作成の基本の考え方は、道路、隣地ともに境界点間で区分しその区分内で天空率比較を行うという方式。

 

 当然だが境界点間がせまい場合、その間のみの比較ゆえ十分な空地がない為、NGになり天空率が利用できない事態が続いた。

 

 泥縄的に、さらに法文にない屈曲幅が1mを超えてなければその間は連続した道路とみなしてよい、とする救済方法も試案では示された。がその解釈そのものが、敷地形状により容易ではなく解決にはならない。その為、恣意的解釈も多くみられた。法文にないルールを適用すると恣意的に逆利用されるケースが起こりうる。形態制限には危険だ。

 

さらに危険な設定法として

 

 窓方式という目的不明の解釈まで登場した。

入隅道路の場合は入隅角を半分に区分しさらに境界点間を窓に見立ててその間を通じて見通せる範囲を適合建築物とする。

「窓」・・・法文にまったく存在しない概念を適用した。

 

 これはすぐに問題になった。

入隅を構成する一辺が狭い場合に、円弧で示す部分は、天空率比較されない。

 その部分に高層建築物が存在したとしても、比較する必要がない事になる。

 この方式では、通風採光比較の為の天空率として機能しない。

 

 敷地境界点間で比較する目的は、採光通風には関係なくより厳しく審査したいとの思いで設定したかもしれないが、このように極めて危険側になるケースが多い。

 

 安全側か否かの前に適法に区分されているか否かが問題である事は言うまでもない。

 

 これらの道路天空率関連の多くの問題は、JCBAが適用事例集で「一の道路」を提唱した事により解決した。

 問題は隣地天空率だ。

 今回はなぜ境界点間で適合建築物を作成するという方式を行政が採用したのか検証したい。

 

 原因は、各行政が適合建築物を作成する方法のバイブルとして利用した「平成14年建築基準法の解説」国土交通省住宅局市街地建築課編集の挿絵にあると考えられえる。

 

 挿絵のすべてが出隅敷地でほとんどが整形敷地。

この挿絵は面する部分の概念図にすぎないのだが、この挿絵で境界点間で適合建築物は、区分するものだ・・と判断した事が始まりと思われる。・・・・法文から判断してほしかった。

  

 現況の審査の指針を示すJCBAでは、前回もお伝えしたように隣地天空率に関して、JCBAホームページで解説している第3章 天空率に係る検討を参照していただきたいとの回答であった。適用事例集に記載されているのは区域毎に後退距離を採用するという記述と高低差区分するという記述の2項目で適合建築物の作成法は記述されてない。

ではその

第3章 天空率に係る検討で確認すると

 

P101では
 

 隣地天空率の手法としては「敷地区分方式」と「一の隣地方式」があるが「一の隣地方式が最も安全側であると結論づける。

 

  ところでこのレポートを読み進めると「一の隣地方式」の適法性は、算定位置も含めて十分に記述されている。(一の隣地の解説も順次行いたい)・・一方、敷地区分に関しては明確に記述されていない。

 残念ながら現況の敷地区分方式は慣習的に利用されているにすぎない。慣習的とはいえその区分法を解説する事から始めたい。

 

 これは当方が執筆を担当する「建築法規Pro2018」でも解説している。

 

まずは出隅部

 

➊ 出隅に面した部分の適合建築物は、法第56 条第7 項第二号の政令で定める基準線に垂直方向に適合建築物を作成する。その際他の隣地境界線からの高さ制限は考慮しない。

 

 

❷ 出隅、入り隅の判断は当該隣地境界点間で確定する。

 

次に入隅部

 

 

❸入隅に面した部分の適合建築物は当該の隣地境界線に垂直に区分される部分と入り隅角の半
分の部分までを一体の区域とする。
❹入隅部を有する隣地境の他の端部が出隅の場合は端部から垂直に区分する。
*以上の区分法は天空率施行以来の慣習的設定法で公に明確に記述されていない。

 

 さて敷地区分法を採用する際に不合理な結果になる場合は多い

平成14年~挿絵から解説

 

左側の敷地のみで出隅部で構成された右側の敷地でも慣習的に出隅垂直切断を適用すると

 敷地内空地のA部分が通風採光開放性に関して評価無しとなる。その事は安全側ではなくA部分にのみ超高層建築物が想定されたとしても敷地上側の算定位置からはノーチェックとなりきわめて危険側の区分法となる。

 例えば

上図を基本に北側境界線のみが隣地で建物高100mの事案で隣地天空率だけを検証すると

 

まず敷地区分方式で区分解析すると

 

北側隣地境界線に垂直方向に区分する敷地区分法ではA側の建築物は検証の対象にならない事になる。

 

 法文に照らすと

基準法56条

二 当該部分から隣地境界線までの水平距離に**が一.二五とされている建築物で高さが二十メートルを超える部分を有するもの又は*数値が二.五とされている建築物**で高さが三十一メートルを超える部分を有するものにあつては、それぞれその部分から隣地境界線までの水平距離のうち最小のものに相当する距離を加えたもの

 

(建築物の)それぞれの部分から隣地境界線までの水平距離は、全ての建築物は隣地境界線からの高さ制限が適用される事になる。もちろんA部分も対象となる。

 

その為、この事例では、クリアーすした。

 

 A側部も円弧状に作成した隣地高さ制限適合建築物(一隣地方式)で作成するとA側の空地の有無が適正に評価され

 

NGとなった。

計画建築物の形状によっては、逆のケースも有り得るが敷地区分方式が常に天空率比較が厳しいわけではない事を確認していただきたい。繰り返すようだが重要な事は、法文に適合する高さ制限適合建築物を設定する事が必要になる。

 

 敷地区分方式の不合理な事例は、実事案では数多く存在する。あと2~3例紹介したい。

 

 今回も長くなった次回にしよう。

来週早々に台風がやってくるようです、お気をつけ下さい。

次回までお元気で!

 
比嘉ブログ

 

 

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