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隣地天空率再考 3敷地区分方式とその問題点 2

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 9月8日土曜日

 毎週のように自然災害に見舞われている。関西での地震、台風21号上陸から北海道での震度7大地震・・・過去に例がないのでは・・・。

 ただ、30年以内にM7程度の首都直下型地震が起きる確率は内閣府によると70%。

 公園でみつけた赤花・・・八重のムクゲのようだ。沖縄の赤花とルーツは同一らしい。

 昨日は、大阪でグラフィソフトさんの新製品発表会に参加してきた。

 

 BIM6社連合の仲間と隣あったブースで楽しく展示解説をしてきた。

トモデータサービスさんとソフトウエアセンターの皆さんとパチリ。

 この秋口恒例の発表会には、毎年のように参加しているが、この場所で毎年のように再会する仲間もいたりで楽しみな会だ。

 

 今週は、講座も多くこなした。

火曜日の天空率講座は、設計事務所、ゼネコン、コンサルの皆さんが参加され熱心にお聴きいただいた。

 ちなみに毎回、延長講座になる為、次回から1時半から5時半まで1時間、時間延長する事を決定。

 

 水曜日は、導入まもないデべさんの設計の皆さん。やはり台風の影響で九州からの帰京が遅れた都合1時間延長。初日は日影規制から次回は天空率頑張ろう。

木曜日は、不動産鑑定士の皆さんの3回講習の最終回。

無事、土地情報の入力から逆日影、建物想定、面積表まで作成。お疲れ様でした。またお会いしましょう。

 

 さて本日は、沖縄の仲間との呑み会がある。 

早めに天空率講座を始めたい。

 

 敷地区分方式とその問題点の指摘と題して、検証を開始した。

前回は、敷地区分方式の不合理な事例として「平成14年建築基準法改正の解説」で敷地区分方式の設定法の根拠とされるこの挿絵で

右側の敷地で北側隣地境界線以外は、すべて道路境界の事例

 この事例を使って敷地区分方式の手法を検証した。この事例の場合、隣地境界線のみが出隅ゆえ垂直切断される。

 

 

 

 隣地境界線に垂直方向に切断区分する敷地区分法ではA側の建築物は隣地適合建築物の対象にならない事になる。

 

 法文に照らすと

基準法56条

二 当該部分から隣地境界線までの水平距離に**が一.二五とされている建築物で高さが二十メートルを超える部分を有するもの又は*数値が二.五とされている建築物**で高さが三十一メートルを超える部分を有するものにあつては、それぞれその部分から隣地境界線までの水平距離のうち最小のものに相当する距離を加えたもの

 

(建築物の)それぞれの部分から隣地境界線までの水平距離は、全ての建築物は隣地境界線からの高さ制限が適用される。もちろんA部分も対象となる。

 

 Aの建築物の部分が無視された事も有り、この事例では、隣地天空率比較は、クリアーした。

 

 A側部も円弧状に作成した隣地高さ制限適合建築物(一隣地方式)で作成するとA側の空地の有無が適正に評価され

 

NGとなる。

 

 敷地区分方式の不合理な事例は、実事案では多く存在する。

今回はかつて比嘉ブログでも解説したこの事例

 

 赤破線枠で囲まれた隣地境界線の部分を対象に検証する。

 

 隣地天空率検証の前に住居系においても東京では400%指定の都市計画がある事の確認から。

 

東京都では「用途地域等に関する指定方針及び指定基準」

Ⅰ 「東京の新しい都市づくりビジョン」を踏まえた土地利用の方針
「東京の新しい都市づくりビジョン」(以下、「都市づくりビジョン」という。)では、社会経済の大きな変化と首都機能を担う東京圏が国内外で果たすべき役割を踏まえ、東京圏全体を視野に入れた、集積のメリットを生かす多機能集約型の都市構造である、環状メガロポリス構造の構築をめざすこととしている。

住宅地の都市計画は以下の基本方針で策定される様だ

(1) 住宅地 都心居住の推進・・・道路の沿道において自動車関連施設などの立地を誘導し、これと調和した住環境の保護を図る区域は準住居地域を指定する

・・・・・

特に、ゾーンの特性に応じためざすべき市街地像に誘導するため、・・特に、良好な環境の形成を誘導する区域においては環境形成型地区計画等を定め、一定の環境水準が確保される場合には、これに応じた容積率を設定する。・・・

(2) 高層住居誘導地区おおむねセンター・コア再生ゾーン内で、居住機能の適正な配置を図るため、高層住宅の立地を誘導すべき区域において、住宅と非住宅の混在を前提とした用途地域(第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域及び準工業地域)で 400%の容積率が指定された区域について、別に定める基準に基づき指定する。


 
2.容積率(1) おおむね環状7号線の外側の区域は200%以下とし、高度利用を図る区域は300%とする。(2) おおむね環状7号線の内側の区域は300%とし、高度利用を図る区域は400%とする。ただし、センター・コア再生ゾーン内で、都心居住を推進するため高度利用を図ることが必要な区域は400%又は500%とすることができる。


環状7号線の内側では300%以上が可能の様だ。

 今回は400%で1.25勾配で隣地高さ制限のみを検証したい。

 本物件は容積率400%を確保すると14階が必須となる。14階の隣地高さ制限をチェックすると

 

 

 9階から高さ制限の対象となり都市計画400%が達成されない。都市計画に準じた土地の有効活用を考えると天空率利用が不可欠となる。

  敷地区分方式で天空率計算を行うと

道路側の端部がNGとなった。

  NGの原因は下図の様に敷地区分された隣地高さ制限適合建築物が敷地内空地のA,B部が含まれない事にある。その分空地不足となり通風採光が確保できないとするがA,B部は現に存在する。

 


  今回は、空地A、Bの評価をしない事の不合理を、上図の元敷地を変形した3事例を通じて検証していきたい。


 
①南側の隣地に屈曲した境界点が無い場合

 

 

 

東側の屈曲した隣地境界線が無い事、出隅ゆえ敷地区分法では、隣地境界線に垂直区分する。

 

解析すると

クリアーした。

 南側の敷地が広くなったわけではない、むしろ直線化された分A部分の空地が狭くなった。

 その分通風採光は低下するはずだが、境界線が直線になり長くなった結果、赤線からした側の空地が広がりクリアーした。

 

 敷地内空地が減少したのに、通風採光が上昇するという現実的にはあり得ない。(天空率の基本的な考え方と異なる:空地の分だけ高さ制限を越えられるのが基本の考え方。)

 

ところが「敷地区分方式」ではありうると判断される。
 

 

 

 

 赤表示した分が元の敷地に比較し8.483㎡少ない。敷地内の空地が少ない方がクリアーする不合理。


 この場合、対処として1m程度の屈曲度なら直線化しまとめる等を可とする指導があったりするが、法文に基づかない付け焼刃的対処では不合理を助長するだけだ。

 赤部分が1m以上の屈曲度の場合、空地が大きい事になるが1mを超えるという判断で天空率計算上無視される。

 

 ではその赤表示の空地がさらに広い場合の不合理が次。

 

②屈曲部が十分広い場合でタワーパーキングを設置した事例

 今度は、赤円弧でしめした部分が158㎡、30mのタワーパーキングを設置した。

 タワーパーキングゆえ天空率比較の対象となる。

 

 ①の例の敷地と比較しタワーパーキングが設置された分通風採光に加えて開放性も悪くなる。

 敷地区分方式でもNGになるだろうと思い解析をしてみると

 

 クリアーした。

原因は屈曲境界点が元事例と比較し下側に移動した事。

 

 その分、南側空地部分を広く天空率対象としているが「敷地区分方式」では入隅角の半分、出隅は垂直切断し区分する為、タワーパーキングがまったく天空率解析の対象外となっている。

 

 これはその境界点間のみがクリアーかと思いきや

すべての隣地境界線で問題なし。

30mのタワーパーキングの影響まるでなしとなる。

 

 この場合、Aの敷地境界点間(隣地境界点間)の算定位置が隣地ではなく当該敷地内しかも建築物の下側に配置される。

 算定位置には通風採光の測定比較をする魚眼レンズいわば環境測定器を配置するイメージだ。

 ところが当該敷地内にある建築物の床下に配置して隣地の環境がわかるのか?・・・敷地区分方式の場合、算定位置もこの様に不合理が発生する。


 天空率をまじめに検証してきた方には、ばかばかしくてやってられないかもしれない・・・・今一度気を取り直して「一の隣地方式」で解析すると

 元の事例でクリアーした「一の隣地方式」は、空地に建築物が配置されると今度は通風採光を阻害する要因となりNGとなる。

当然だ、空地が高層のタワーパーキングでほぼ空地がない状態ゆえその右側の隣地境界の環境は低下すると考えるのが合理的だ。

 

 JCBAが「一の隣地方式」を最も安全側とするのはこの事を意味する。

 

 さらにこれが大事だが「算定基準線がすべての隣地境界線から16m外側にある。」敷地区分方式ではこの事が屈曲隣地では実現できない。


最後にもう一例

③微小な入隅状の屈曲部を有する敷地

微小な入隅状の屈曲部を有するとはなんだろうと思うだろうまずは敷地形状から

おや?これは元敷地と同一じゃないかい?と思う方の為に元敷地での天空率計算は

 敷地区分方式ではNGとなる。


 タイトルの「微小な屈曲部を有する」という事がポイントだが解析すると

見事にクリアーしてしまう。もうお気づきだろうが空地Bの大きさが元敷地より広がっている。
しつこい様だが元敷地は

 B側階段室の上部で道路に面した空地の大きさがちがう。なぜだ?

その微小な屈曲部を拡大すると

 境界点7が追加され赤線で示す元敷地の境界線より内側に100mm程欠け込む。その追加された端部7は出隅から入隅へかわり「敷地区分方式」では入隅の場合はその角度の半分の位置で区分された分道路面した側の空地が広がったその為クリアーした事になる。


 これって有りですか?といわれてもこれが「敷地区分方式」の区分法。

 

この敷地を「一の隣地」で解析すると当然クリアーする。
 

 元の敷地(欠け込み無し)がP5(差1.340%,斜89.681%,計91.021% )が欠け込みありがP5(差1.279%,斜89.742%,計91.021% )で欠け込んだ分空地が少なくなり適合建築物の天空率(斜)が0.061%低下している事がわかる。空地が少なくなれば通風採光は低下するきわめて合理的な結果だ。

 

 この様に敷地区分方式では敷地境界点の有無のみで天空率の結果がドラスティックに変化する。

 

つまり隣地境界点のわずかな変更で隣地天空率の結果が異なる事。

この事を脱法的い利用されかねない。

JCBAでは適用事例集で道路の場合脱法的行為の警告として
 

 隣地越え部L2に関して「形式的な脱法的行為を防ぐ為、道路と隣地の間の空地が同一敷地である道路斜線制限を適用するのが妥当と考えられる」と記述されている。

 道路天空率においても境界点間で区分すると「他の敷地」を超えた部分の適用距離で区分される部分がチェックされない事になる。その「他の敷地」部分が意図的に設置したりしなかったりで結果が異なる事があってはいけない事が記述されている。

 

 

 天空率を正しく理解する事は土地有効活用するうえで重要だ。

JCBAでは、今回のこれらの敷地区分方式における不合理な状態を解決する手法として「一隣地方式」を提唱している。

 

次回は一隣地方式の考え方を解説したい。

次回までお元気で!

 

比嘉ブログ

 

 


隣地天空率再考 4 一隣地方式 1

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9月15日。

今週は大阪ナオミの全米オープンの優勝に日本中が沸いた

ブーイング騒動など、病んでるアメリカにゲンナリだったが大阪なおみのキュートさを際立たせたようで結果オーライか?。次のメジャー大会が待ち遠しい。

 稀勢の里無難に5連勝でやれやれと思った矢先に・・黒星・・なんとか優勝圏内に踏みとどまってほしいものだが・・・どうだろう⁈。

 

 3連休のはじまりが雨の東京。これはミソハギ。秋の季語で使われるらしのだが猛暑の夏もやっと終わりかな。

 今年残り1/3を切ったと前回お伝えしたとたんに早くも年末までスケジュールが組まれてしまった。この連休で体調を整えてそなえなきゃ。

 

 早速今週の講座報告から

今週火曜日はデべの設計の3人さん

今回は、3D日影チャートを利用した日影NG事案の解決法と天空率理論から実践。ひとまず今回の講習シリーズは今回まで後は実践で頑張ろう!

 

 水曜日と金曜日は不動産鑑定の3人の皆さん

水曜日は

前回の逆日影、逆斜線の限界ラインを参照しながら建物想定の手順を解説。面積表作成まで無事終了。

 

昨日金曜日は

天空率理論の解説をおこなったのち建物想定で道路NG事案を天空率で解決。今回の自慢の作品をバックに侍ジャパンのポーズで記念撮影。

 

 さあ、連休だ早く天空率講座を始めて出かける事としよう。

天空率講座開始!

 

 前回は、下図の様に屈曲部を含む隣地境界線を敷地区分方式で天空率解析を行う場合、不合理になる事を同敷地を3種に変形して検証した。

 


  まず、この元敷地では、境界点間に適合建築物が設定される為に空地A,Bからの通風採光が無視される。その為NGになる。

 

①南側の隣地に屈曲した境界点が無い場合

 

 

クリアーした。

敷地内の空地が少ない方がクリアーする不合理。

 

②屈曲部が十分広い場合でタワーパーキングを設置した事例

 

 

 クリアーした。

全ての敷地を対象にしていない為、右側の出っ張った敷地にあるタワーパーキング等による通風採光の低減は、無視するという不合理。

 

 さらに

敷地境界線Aでは、算定位置が隣地ではなく当該敷地内しかも建築物の下側に配置される不合理。

 

③微小な入隅状の屈曲部を有する敷地

その微小な屈曲部を拡大すると

 

 この敷地の場合一転してクリアーする。

 隣地境界点のわずかな変更で隣地天空率の結果が異なる事。この事を脱法的行為に利用されかねない不合理。

以上が全回記述した敷地区分方式の問題点。

 

 

 

 このように敷地区分方式には、不合理になる事例が多くみられる。敷地区分方式が合理的に適用できる敷地形状としては

 左側の整形敷地程度と考えられる。右側の敷地形状の不合理も前回解説した。

 

 今回、さらに別事例を示し「一隣地方式」を解説したい。

下記の事例は、第一法規「建築法規PRO2018」天空率のコーナーでも詳細を解説している。

上図の隣地境界線天空率を敷地区分方式で解析する際に下記の不合理がある。

敷地区分方式を適用する事が著しく困難な場合

 

隣地境界点間がせまく敷地内空地が天空図に適切に反映されない場合。

*隣地境界線は同様に微小に屈曲する敷地境界点が多い。その際上図のNGは、青枠で示す敷地内空地に近接しており、通風採光の環境としては良好と思われるが、その空地は、解析対象外となりNG。

 

凹状の隣地境界線で基準線が当該敷地内に発生し隣地境界線から外側の規定幅(12.4mもしくは16m)の位置に設置できない場合。

 

*この場合は、算定基準線の配置位置の不合理。

そもそも隣地天空率は、隣地における通風採光を測定判断する目的だが、自分の敷地内で算定する不合理がこの様に狭い凹型隣地境界の場合にみられる。

 魚眼レンズを配置する基準線当該建築物の直下に配置された場合・・・天空率で通風採光を確認する目的に適合しない。

 

 この様な敷地区分方式の問題点を解決すべくJCBAでは「一の隣地方式」を提唱している。

 

 「一隣地方式」を解説する前にJCBAホームページにある

「天空率の運用の検討について2010.4.20更新」

の103Pにで質疑応答集で記述された「隣地が不整形な場合」のレポートを確認していただきたい。

 

 屈曲点が多く不整形な敷地で隣地高さ制限を解析する場合、不整形な敷地境界線を「内接近似している多角形にみなして隣地斜線制限を適用する事が適切と考えられる。」と解説している。

以下P101から

3)取扱いに至る考え方

 ・・・・・質疑応答集 P5056(参考1)では、隣地境界線が不整形な場合の隣地斜線制限の適用を示して いるが、図のような曲線状の隣地境界線は、「1つの連続した隣地境界線」として捉えること が妥当であると考えられる。 ・一方、多角形による隣地境界線は、辺の数が限りなく多くなると、曲線状の隣地境界線に限り なく近くなることから、曲線状の隣地境界線と多角形による隣地境界線とで考え方を別にする 必要性もなくなると考えられる。したがって、多角形による隣地境界線についても、曲線状の 境界線と同様に、1つの連続した隣地境界線として捉えることも不合理ではないと考えられる。・・

 

P113では「隣地境界線の定義について」と題して

■隣地境界線の定義について 
・隣地境界線:敷地境界線のうち、連接する土地との境界線のこと。 慣習的、または、敷地 測量の都合上、測量点間を境界線というが、実状は全体として折れ曲がった一の 隣地境界線が存在することになる

 

と記述され隣地境界線は、全体として折れ曲がった一の隣地境界線が存在するともある。

 

 そしてP104では

 

検証結果として

「一の隣地方式」を採用し、算定位置も一つにまとめると、最も安全側となる。」

 

 と記述されている。

 

結果的に、JCBAでは、「適用事例集には掲載がないが「天空率の運用の検討について2010.4.20更新」で記述されているからそれを参照してほしいとの見解。

 

 「一の隣地方式」の適合建築物および算定基準線の設定法は、上記「・・運用の検討‥」に詳細が解説されてる。要約したのが下図

 

適合建築物

① 後退距離は計画建築物からすべての隣地境界までの最短の距離以内で一の後退距離を採用する事で安全側かつ検証を容易にする事ができる。

② 寄せ棟状に作成する。

 

算定基準線

①基準線端部が出隅側の場合

隣地境界線端部から垂直な位置まで延長する。

②基準線端部が入隅側の場合

隣あう道路境界線端部に垂直な位置まで延長する。

*出隅同様に

*出隅同様に隣地境界線端部から垂直な位置までの延長とした場合、P12~P17 の算定位置がなくなり赤線で示したDの隣地境界線に面した算定位置が存在しない事になる。

 

 

 算定基準線に関しては「天空率の運用の検討について2010.4.20更新」P108から詳細な解説がされており

 

 

法文の書きぶりが、日影規制と同様に記述されている事より日影規制ラインと同様に作図されるとある。

 

 以上「天空率の運用の検討について2010.4.20更新」においては、「一の隣地の合理性および適法性について記述されているが一方で

 

 

「敷地区分方式」などの他の運用方法を妨げるものではない。

と記述されいずれの方式でも問題ないとする。

 

 さらに近似方式での利用も可能である事が記述されている。

今回も長くなった近似方式に関しては次回解説したい。

 では、次回までお元気で!

 

 

比嘉ブログ

 

 

隣地天空率再考 5 一隣地方式 1

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 今週は、雨の1週間。

今回の3連休も雨で始まった。

今朝の公園は、雨のせいかひんやりとした。

モミジの木もうっすら赤みを帯び冬に向かい始めたようだ。

 秋らしくススキでも撮ろうかと思ったら猫じゃらし・・・いやムラサキエノコロ。名前の由来は犬のしっぽに似てる事よりイヌコロから変化した解説有り。

 秋が近づくと夏を惜しみたくなる。この連休は渓谷を散策する予定。

 

 3連休・・・前回もあっという間に終わってしまったゆえ、早めの活動開始で目いっぱい楽しむ事としたい。

 

今週の講座から

 

 今週は土地情報発生からプランニング面積表までの流れをベテランバリバリの企画設計者とマンツーマンの勉強会。

 さすがにテンポが良い。適時日影、天空率をチェックしながら容積率ほぼ消化で終了。お疲れ様でした。

 

 天空率講座開始!

 前回は一の隣地方式の適合建築物および算定基準線(算定位置)の設定法を解説した。

 

 今回は前々回敷地区分方式の不合理を解説する際に使用したこの事例

図1

 

アイソメ図では

図2

この事例を敷地区分方式、近似方式、一隣地方式の3種の作成法で天空率計算を行いそれらを比較し合理性の有無を確認したい。

 

 この例は、第1種住居地域で計画建築階高35m。

A,Bそれぞれの断面で隣地斜線を確認すると

図3

 

いずれも高さ制限を大幅に超えており天空率計算を行う事となった。紺色で示す断面は道路斜線も含む全ての高さ制限を表示している。

 

 早速、天空率計算をそれぞれの手法で解析してみたい。

1)敷地区分方式

   

まずは全体の結果から

図4

隣地境界点間が8ゆえ8区域に区分し天空率比較を行う。円弧部がNGになった区域で2区域。

 それぞれの区域を確認してみたい。

右端から順々に確認したい

図5

 

この右端の境界線は出隅ゆえ面する方向に垂直切断した区域となる。

図6

 

 

 この場合、左、入隅側は、入隅角の半分まで右、出隅側は垂直切断された区域でNGとなった。

 前々回の解説の繰り返しになるが、水色で示す空地に近接する算定位置でNGになる不合理。

 この細幅区域で天空率比較をする事は、天空率計算の基本的な考え方「敷地内空地分が高さ制限を超える事ができる」に合致しない。

この手法では、D/H比の従来の高さ制限と変わらず。

図7

 

 

この区域は水色で示す空地に面した位置にありクリアー。

ところでクリアーしたこの区域と、右側の入隅部に面したNGになった図6の算定位置を比較してみると(図7の区域を水色で表現)

図8

 

赤丸で示す敷地内空地にNGになった細幅入隅部P1からの距離が18.876m、クリアーしたP18からの距離が21.561m。

NGになった算定位置が空地に近く面する不合理が確認された。

天空率は高さ制限を超えた分の空地の有無が問われなければならない。

 

図9

 

この区域は、出隅ゆえ境界線に垂直に区分される。

この区域は後退距離が広く高さ制限内にある為、クリアーする。

図10

 

さて、この区域は問題大有り。

まず算定位置が当該敷地内に設置されており、隣地側に設定されてない事。

 

(法第五十六条第七項第二号の政令で定める位置)
第一三五条の一〇 法第五十六条第七項第二号の政令で定める位置は、当該建築物の敷地の地盤面の高さにある次に掲げる位置とする。
 
一 法第五十六条第七項第二号に規定する外側の線(*)の当該建築物の敷地(*)に面する部分の両端上の位置
 
法第五十六条第七項第二号
二 第一項第二号、第五項及び前項(*)
 隣地境界線からの水平距離が、第一項第二号イ又はニに定める数値が一.二五とされている建築物にあつては十六メートル・・・・だけ外側の線上の政令で定める位置

 

この場合、勾配が1.25ゆえ隣地境界線からの水平距離16m外側とある。

上記の算定位置は、「当該敷地に面した位置」ではなく当該敷地内にある事の不合理。

 

図11

 この場合の問題は、水色の空地に近接しているのだがNGとなっている。

図9を参照していただきたい。図9は、全ての算定位置でクリアーしているのだがそのうえ端部の算定位置から水色の空地までの距離は、、このNGになった算定位置の方が近い。

 

 適用事例集で行き止まり道路の適合建築物の想定法P228を確認してみると

図12

 

 

基準法56条7項天空率を適用する場合の目的が道路、隣地ともに通風採光で同じだ。上図は、行き止まり道路の事例を掲載しているが敷地内には「斜線のまわり込み」部分に適合建築物が設定されており隣地も同様に回り込みが設定されるのが従来の隣地斜線。

 

図13

 

これは、図10の例と同様だが隣地境界線から16m外側にない事が不合理。

 

最後の区間が

図14

この区間は、出隅の境界線ゆえ垂直切断される。前面の十分な空地がある事よりクリアー。

 下端部の算定位置は、図11に比較しその前面空地に遠い。

近くの図11の事例がNGで図12がクリアーになるのも通風採光の見地から不合理。空地に近い方が明かるく風通しもよいはずだ。

 

 このように敷地区分方式は、屈曲した隣地境界線を有する場合は、この様に不合理な結果になる事が多い。

 

 敷地区分方式の根拠が

図15

「平成14年建築基準法改正の解説」のこの挿絵にあるとするなら

面する方向毎に適合建築物、算定位置を設定する「近似方式」の方が実践的だ。

 

2)近似方式

 

近似方式は

図16

水色枠の境界線の方向、赤枠の境界線方向毎に適合建築物を作成し面する方向毎に算定位置を配置し作成する方法だ。

 

結果から

図17

まずは、南側隣地境界線に面した区域からの確認。

面する側の隣地境界線の後退距離は1となりいずれの断面も隣地高さ制限に適合するように作成する。その結果上図の様に寄棟状に作成される。

図18

 

1m以内の屈曲度で処理する等の法的根拠を欠いた設定法と異なり合理的だ。

 

 西側に面した結果は

図19

この区域の後退距離は、中央部の凹部でその両側には、すり鉢状に隣地高さ制限が適用される。

図20

さて近似方式の検証といきたいところだが、敷地区分で時間がかかってしまった。近似方式の検証および入力設定法そして「一隣地」方式での設定法は、次回としよう。

 3連休をお楽しみ下さい。

次回までお元気で!

 

 

比嘉ブログ

 

 

隣地天空率再考 6 近似方式検証

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 9月29日土曜日9月最後の土曜日

3連休明けの今週の東京は、雨続き。

台風24号接近中の東京は、昨日の快晴で快適な秋の気候から一転した今にも降りだしそうな空。

 まずはこの一枚から

 連休中の晴れ間に秋川渓谷は、大勢の人が河原に繰り出していた。

かつて、山形の仲間の縁でこの季節には、芋煮会で盛り上がった。

 

いつもの公園のススキと

萩の花は、秋はじまる。

 今週の講座から始めよう。

昨日、金曜日は、横浜からデべの設計のお二人

 3回目の今回は、天空率理論を確認しプランニングを行いながら天空率計算および逆天空率計算でクリアーする方法を解説。

実践をしばらく行った後、勉強会をさらに開催する事とした。再会を楽しみにしてます。

 

水曜日は、名古屋で朝から不動産鑑定の皆さんと勉強会。

 

PDF情報から土地情報の入力⇒逆日影⇒建物想定⇒道路斜線NG⇒天空率で解決⇒面積表作成までをおこなった。長時間の講座のわりに皆さんにこやかに元気そう?またお会いしましょう。

 

 火曜日にはデべの設計の皆さんと天空率の勉強会

次回は、逆日影チャート、日影チャートの利用法を解説する。

天空率の復習もお忘れなく・・・次回を楽しみにしてます。

 

 さて天空率講座を始めよう!

隣地天空率の解析手法を下図の事例を用いて解説している。

図1

敷地区分方式の場合、上図のように屈曲した隣地境界線を有する場合にきわめて不合理な解析法になる事を前回解説した。

 

 その解決策として近似方式で解説した。

図2

 近似方式は、境界線方向毎に適合建築物を作成し面する方向毎に算定位置を配置し作成する方法だ。

 

結果は前回お伝えしたが南側に面した区域では

図3

 西側に面した区域では

図4

 

 近似方式に関する記述はJCBAのサイトから

天空率の運用の検討について2010.4.20更新 

P101に下記「一の隣地境界線の取り扱い」の中で記述されている。

 


中断の「複雑な隣地境界線の任意の部分を内接した線分で・・近似元の隣地境界線を「連続した一の隣地境界線」として・・・
・・・・一の隣地の取り扱いとともに任意の線分を内接した線分で近似する手法も可能とする。


今回は前回結果を示した近似方式を検証解説したい。

近似方式に関する記述は上記サイトP115で解説されている。

 

 敷地区分方式と比較している。この解説では敷地区分と比較する為、算定基準線を敷地区分方式と同様に記述しているが近似した区間は同一の燐境界線ゆえ

基準法第56条7項後半の「隣地境界線からの水平距離・・外側の線上の政令で定める位置」に記述される隣地境界線から外側になければならない。従って敷地内に算定基準線が発生する事はありえない。「一の隣地方式」同様に基準線をそれぞれの区域に面する位置に配置する。

 この近似方式を採用する際に重要な事は、面する方向を審査サイドと確認した上でその区間を「連続した一の隣地境界線」として適合建築物を作成する事にある。

 

 図5の挿絵によると隣地境界線を内接した近似線で直線化しているが、直線化する目的は、隣地高さ制限に確実に適合した制限建築物を想定する事にある。

図3同様に南側に面した方向は直線近似すると

図5

 、図3とほぼ同様の結果となる事がわかるが、赤円弧で示す直線化で除外された部分が敷地内空地として正しく評価されない事がわかる。

 

 敷地内空地の分高さ制限を超える事ができるのが天空率の基本的な考え方。

 繰り返しになるが、国交省が監修した資料を掲載する。

通風採光を確保する手段として「H/D比の増減(*追記 従来高さ制限の事)による延長方向の増減の度合いよりむしろ建築物周辺の空地による増減の度合いの方が大きく・・

 とありさらに通風採光を評価する手段として、人間の視野角、仰角と同様の見え係的表現が可能な天空図が合理的であると記述している。

以上確認まで

 

 さらに図4の西側方向の場合、大きな凹状の隣地境界線を有する為直線近似する事は不可となる。

 西側からの隣地斜線勾配に適合する制限建築物は寄棟状に作成する。

また、この様に面する方向毎に近似する方式の場合、敷地区分方式で問題となった算定基準線が当該敷地内に発生する不合理は、生じない。

結論として近似方式は、

「平成14年建築基準法改正の解説」編集国交小住宅局市街地建築課

の面する方向毎に区分すると解釈するなら直線近似にこだわる事なく

方向別に寄棟状に作成する事で法的齟齬は生じない。

 

 この「近似方式」の設定法は、「敷地」入力で同一区間設定を行う事で容易に解析が可能になる。

今回は、最後に近似方式の設定法を解説したい。

 

1)「敷地」の面する隣地境界線事に「同一区間設定」を行う。

図6

 

この場合南側の隣地境界線を選択し「同一区間設定」「設定」ボタンをクリックすると選択された境界線の始点側端部の境界点番号を設定した同一区間番号が自動設定される。

 

 同様に西側も同一区間設定を行う。

図6

2)新天空率算定領域で適合建築物算定基準線を発生する。

図7

 

近似方式は「一の隣地」の機能を利用して作成する。

「道路・一の隣地」ボタンをクリックする。

 

図8

 

 「基礎情報」で「発生」ボタンをクリックすると「敷地」で入力した情報にしたがい方向別に隣地境界線がグループ化される。

図9 

「高さ制限種類」の項で「隣地」を選択し「発生」ボタンをクリックすると適合建築物が方向別に隣地高さ制限に適合した寄棟状の高さ制限適合建築物が作成される。

さらに「出力」ボタンをクリックすると算定基準線が発生する。

図10 

 

画面右側の「天空率表示」で「全領域」のチェックをOFF設定後、「同時計算グループ」をチェック後NO指定で面する方向毎に表示し不要な基準線の部分を選択し「Del」キーで削除する。

 

図11

面する方向の算定基準線が設定された。算定位置は基準線に均等に配置される。

図12

 

同時計算グループのNOを変更し西側に面した区域の基準線の延長を確定する。

 

 これで設定完了。

「計算モードへ」で

3)天空率計算を実行する。

図13

天空率計算を選択し「計算実行」で方向別の「近似方式」で解析される。

 面する方向別に隣地天空率を解析する場合にはこの手法を推奨したい。

 

 次回は一隣地を解説したいが

 

この事例を近似方式でも解析した事例も紹介したい。

今回も長くなった次回にしよう。

台風が日本を縦断する予報です。

くれぐれもお気をつけて・・hi

次回までお元気で!

 

 

比嘉ブログ

 

 

隣地天空率再考 7 一の隣地方式検証

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 12月6日土曜日。

東京は、昨日の大雨がうその様な快晴。

3連休が2週続きあけで1週間の長さを感じた今週だが・・。

今日から3連休だ。

フムフム体育の日ネ。もともと10月10日1964年東京オリンピック開催日。やはりオリンピックやるならこの季節だよネ・・と語りつつ・・一方で台風がやけに多い年だ。

 2週連続で沖縄直撃のようだ・・。台風は、慣れっこゆえ問題ないと高を括っていたのだが実家からの報告では停電が3日以上続き断水も長く続いたようだ。・・今週は、何事もなく通過してほしいと願ったのだが、すでに大きな被害が報告されている・・心配だ。

 ・・・・・

今週のお花から始めよう。 

 

 これは、快晴の火曜日に会社のエントランスに植わってるマンデビラ。メキシコ原産でキョウチクトウ科に属するらしい。

花びらが可愛らしいので思わずパチリ。

 

今週の講座から

今週は、組織事務所の設計メンバーから2名で参加。

水曜日は、日影規制講座。逆日影チャートの利用法を理解していただき土地情報から日影規制可能空間を高精度でスピーディーに算出する方法を解説。チームジャパンのポーズで記念撮影。

 

 翌木曜日は、3D日影チャートを解説。NG建物を3D日影チャートで効率的にクリアーする方法を解説。

 そして天空率理論から実践。3方向道路でNGになる天空率事案を解決。行き止まり道路、隣地天空率を解説いつの間にやら予定時間オーバーだ。4年で日本語完全マスターで時々挟むバカ話にもついてきた欧州出身のF氏と元気なI女史。あとは実践あるのみまたお会いしましょう。!頑張れ!

 

さて天空率講座を始めよう!

隣地天空率の解析手法を下図の事例を用いて解説している。

図1

敷地区分方式の解説から始まったこのシリーズ。

前回は、近似方式を解説した。

近似方式は、敷地区分方式の問題点を解消すべく提唱された「一の隣地方式」を面する方向毎に隣地境界を設定する手法。

図2

 

 隣地境界点間で区分する敷地区分方式の場合、利用が適するのは、正形敷地のみ。

 

 今回は、しつこいようだが、敷地区分方式の解析結果を別角度から検証する事から始めたい。

 

 本例の様な入隅を含む屈曲隣地境界では

図3

 

 敷地内空地の分、高さ制限を超える事が可能になる天空率の基本的な考え方から逸脱する。つまり単に平成14年以前の高さ制限と何ら変わる事がない。上図の区間の場合高さ制限を超えた赤で示す計画建築物は、高さ制限をわずかに超えた

図4

この形状。つまり35mの計画建築物が27.5mまで下げなければおさまらない。

 計画建築物としては

図5

このような残念な建築物と化してしまう。

天空率比較が求めているのは、そのような結果ではない。

斜線なりの建物形状カットを良しとしない、採用された天空率比較の結果がこれでは、納得し難い。

 

さらに算定位置に関して

図5

青枠の部分が敷地内空地だがその空地に最も近い位置あるのがこのNGの算定位置。繰り返しになるが敷地内空地の分、高さ制限を越えられるのが天空率。その空地に面する位置にありながら空地が天空率に反映されない。現実の環境と異なる事になる。

 

 上図算定位置に関しても当該敷地内に設定されている。

算定位置に関しては施行令135条10に記述されている。

 

第一三五条の一〇 法第五十六条第七項第二号の政令で定める位置は、当該建築物の敷地の地盤面の高さにある次に掲げる位置とする。

一 法第五十六条第七項第二号に規定する外側の線(以下この条において「基準線」という。)の当該建築物の敷地(隣地高さ制限が適用される地域、地区又は区域内の部分に限る。)に面する部分の両端上の位置
 
 

「当該建築物の敷地に面する部分」とは、

 

平成14年金地区基準法改正の解説」国交省住宅局市街地建築課編集に

図6

 挿絵で示す様に敷地の外側を示している。
敷地区分方式の正当性が、この挿絵にあるとするなら算定基準線が敷地内に設定される想定法には疑問が残る。
 
 ちなみに第56条7項でも

 

第五六条 七項

二 第一項第二号、第五項及び前項(*) 隣地境界線からの水平距離が、第一項第二号イ又はニに定める数値が一.二五とされている建築物にあつては十六メートル、第一項第二号イからニまでに定める数値が二.五とされている建築物にあつては十二.四メートルだけ外側の線上の政令で定める位置

 

隣地境界線からの水平距離が::だけ外側の線とある。

当該敷地内に算定基準線があるという事は、計画建築物の直下に魚眼レンズを配置するような事もおきてしまう。

たとえば

図7

算定位置の真上に計画建築があるにも関わらず魚眼レンズには凹側入隅側の敷地境界線に面した部分のみが天空率比較の対象となる。

 

 天空率が施行されて以来、感心したのが道路天空率に関しては、現実的な法解釈で魚眼レンズを配置する。

例えば

図8

適合建築物の後退距離は計画建築物の後退距離内であれば自由に設定する事が可能だ。

ところが算定位置に関しては

 

法第五十六条第七項第一号の政令で定める位置)
第一三五条の九 法第五十六条第七項第一号の政令で定める位置は、前面道路の路面の中心の高さにある次に掲げる位置とする。
一 当該建築物の敷地(道路高さ制限が適用される範囲内の部分に限る。)の前面道路に面する部分の両端から最も近い
当該前面道路の反対側の境界線上の位置

後退距離に関係なく当該前面道路の反対側の境界線状の位置とする。天空率施行直後に行政サイドでも間違いがあったように後退距離とリンクしその分道路の反対側から移動しそうだがさにあらず道路の反対側に限る。

 この事は、仮に5mの後退距離だとした場合道路の反対側からさらに5m移動した位置には建築物が配置されている可能性が高い。

床下の環境を測定しても意味がなく、天空が広がる位置としては道路の反対側の境界線以外は考えられない。極めて現実的な方式だ。

 さらにいえば天空率を規定する施行令135条の5では

 

(天空率)
第一三五条の五 この章において「天空率」とは、次の式によつて計算した数値をいう。
Rs=(As-Ab)/(As)
この式において、Rs、As及びAbは、それぞれ次の数値を表すものとする。
Rs 天空率
As 地上のある位置を中心としてその水平面上に想定する半球(以下この章において「想定半球」という。)の水平投影面積
Ab 
建築物及びその敷地の地盤をAsの想定半球と同一の想定半球に投影した投影面の水平投影面積

 

天空図に投影するのは、「建築物およびその敷地の地盤」とある。

地盤とは道路中心高が敷地の地盤面より低い場合

図9

建築物の外周の地面(地表面)の平均高さを敷地の地盤面とするがその地盤面以下の部分を地盤として含めなければならない。

 

敷地の地盤も含めて天空図を作図し解析するのは

図10

 

 

 地盤を含めないと建築物が宙に浮いた状態となり、ありえない見え係となる。また天空率計算を行う場合に解析が煩雑になる事もあるだろう。

 

 事程左様に天空率の仕様は現実的だ。

隣地天空率だけあり得ない位置、見え係を採用するとは思えない。

 

 それらの事を解決する為に日本建築行政会議(JCBA)で策定したのが「一隣地方式」。

「一隣地方式」の設定法の解説は

隣地天空率再考4 一隣地方式で解説したので再度参照していただく敷地区分方式で生じた問題点が解消されている事を確認したい。

 

図11

結果円弧部が、NGとなった。

NGになった原因の特定は後半に行うとして「一の隣地」の想定法の検証を「外壁後退」と算定基準線から検証する。

図12

 

JCBAで適用事例集で隣地の後退距離の設定法が解説されている。

「2017年度版 建築確認の為の基準総則 集団規定の適用事例」

編集日本建築行政会議

 

これは敷地区分方式の後退距離の取扱を記述しているが区分された区域毎に一の後退距離を採用すると解釈する。

 

 今回一の隣地ゆえ後退距離も一となり南側の1.376mが採用されている。⇒適法

 

次に算定基準線(算定位置)

これは、隣地境界隅部から円弧状の基準線で発生した算定位置。

JCBAのサイトでは

基準線の作図法に関して

http://www.jcba-net.jp/news/tenkuritu20100420.pdf

*日影規制ラインの作図法56条の2

日影による中高層の建築物の高さの制限)
第五六条の二 
二*隣地境界線からの水平距離が、*7定める数値が一.二五とされている建築物にあつては
十六メートル*だけ外側の線上の政令で定める位置
 
建築物の各部分の高さ)
第五六条
7 **
二 *隣地境界線からの水平距離が、*数値が一.二五とされている建築物にあつては
十六メートル外側の線上の政令で定める位置

 

 天空率基準線の作図法法第56条7項二号において16m外側。

同じ書きぶりゆえ同じように作図する。

図13

 

 

 西側の凹状の隣地境界線から外側の算定基準線は端部の位置から水平距離16m外側に設定されている。

 

 おなじみの日影の規制ラインと比較してみよう

図14

 

凹部の隣地境界線から水平距離10m(5m)外側に作図される。この作図法で問題になる事はない。⇒適法

 

 次に全ての隣地境界線からの隣地高さ制限に適合するか否かをチェックすると

まず東西方向

図15

 

右側の斜線断面線以下に緑の隣地高さ制限適合建築物が設定されている事がわかる。

南北方向は

図16

斜線断面内に設定されている事がわかる。

寄棟状に設定されている為、全ての隣地境界線からの高さ制限に適合する為に、「敷地区分方式」「近似方式」いずれの方式と比較しても低く設定される。その事からJCBAでは「一隣地方式」を最も安全側とする。 

 

第3章 天空率に係る検討 P101

 

 最後に今回NGとなった算定位置の合理性を検証してみたい。

 

 

隅部から発生した円弧状の算定位置でNGになっている。

この算定位置から視界にある適合建築物は、隅部ゆえ寄棟で両側から高さ制限を受ける為、適合建築物が低くなり赤表示の計画建築物が大きく高さ制限を超えている事がわかる。(従来の隣地斜線でもこのようにチェックされている為、常識的な話にすぎないが・・)

 その為正面の緑部の空地より高さ制限を超えた部分の面積が天空図に大きく投影される事になる。

 

 天空率比較図で確認すると

図17

 

前面の空地の20mを超えた部分に赤表示の計画建築物が確認される。

 赤表示の高さ制限を超えた部分の面積が42.576に対して左右の空地は22.024と2倍近く高さ制限を超えた部分の面積が大きい。

したがって天空率がNGとなる。従来の高さ制限に忠実に適合建築物を作成するこの様に極めて安全側の処理が行わる。JCBAでもっとも安全側とするのはこの事を意味する。

 

 次に

この事案もチェックといきたいところだが、今回も長くなった次回にしよう。

 3連休をお楽しみ下さい。次回までお元気で!hi

 

 

比嘉ブログ

 

 

 

 

 

 

 

隣地天空率再考 8 一実践検証敷地区分方式

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 10月13日土曜日

東京は、冬到来を思わせるひんやりとした土曜日。

公園を散策すると 

ムラサキシキブの実。聡明、上品が花言葉・・朝から勝手に高貴な気分・・・てか?。

今週は天空率講座で語りが長くなりそうなので早々に始めたい。

 

 まずは今週の講習から

今回は昨日金曜日、福岡の不動産鑑定士の皆さんに建物想定講座

 朝9時半から夕方6時近くまで頑張っていただいた。かつて日大の不動産鑑定士の為のCAD実務修習を受けていただいたH氏との8年ぶり再会ありで皆さんとワイワイいいながら楽しい1日でした。

また勉強会しましょう。お疲れ様でした。

 

 天空率講座を開始しよう。

 前回まで、下図の事例で「敷地区分方式」「近似方式」「一の隣地方式」による隣地天空率計算の手法の比較を行ってきた。

図1

 

 結論として隣地境界点間が狭い場合、あるい凹型の敷地形状を有する敷地において「敷地区分方式」は、法的整合性に欠ける事を解説した。

 敷地区分方式は、基準法56条7項の天空率の目的が6項までに記載された高さ制限を超えた場合でも、敷地内空地が十分であれば高さ制限は不要とする基本的な考え方に・・・・基づかない。これが結論。

 

 法的不整合では、本来隣地境界線の外側に配置されなければならない算定位置が凹型隣地境界線を有した場合、敷地内に配置される。

 

 これらの事より敷地区分方式で隣地天空率計算が合理的に適用されるのは、整形敷地で境界点間が敷地全体に面する場合に限られ

まさに

この左側の敷地に限定される。

 

 今回は、さらに境界点間が狭くさらに数が多い(36境界)場合、その傾向がさらに顕著になる事を解説したい。

 

 事例は

図2

第1種住居地域のこの事例。南側、東側に凹型隣地境界線を有する。A側に高層棟、B側に低層棟の事例。

 

A側隣地斜線は

図3

隣地高さ制限を大きく超えている。B側の低層棟では

図4

高さ制限内に収まっている事がわかる。

 

 この事例を「敷地区分方式」でまず解析してみたい。

まずは計算結果から

図5

 算定位置が配置される基準線が、隣地境界線の数分36区域解析しなければならないのが、敷地区分方式。

 円弧で囲った基準線が当該敷地内もしくは隣地境界線から16m外側にないケースが6存在した。

 

 この様な敷地形状は、けして特殊でない。この事案も当社に質問として寄せられた事案をアレンジしたものだ。

 

 これを実際に計算するとこの様な事になるという事、その不合理をお伝えしたい。

 

 まずは、南西側広い道路脇の隣地境界線から

図6

 ほぼ道路に面したこの区域には、計画建築物が存在しない。

天空率は高さ制限を超えた計画建築物と高さ制限適合建築物の比較だ。

 計画建築物のないこのエリアでは、空地の有無の比較の意味がない。無駄な検討をしなければならない。

図7

 

 

次の区域は、高さ制限を超えた大幅に超えた区域だが境界点間で区分すると本来図6のエリアからの通風採光が得られるのだが無視するのが敷地区分方式。魚眼レンズには敷地内の天空が全て投影される。その中で比較するべきだ。

図8

 

 この区域も同様。東側の低層部は、高さ制限以下の建物ゆえその上空からも通風採光が得られるのだが敷地区分方式では無視される。

 

 図9

 

 

 

 

 この場合算定位置に着目して頂きたい。結果はNGとなっているが低層部に近接しているこの算定位置で通風採光がNGになる事は、現実の隣地環境では、あり得ない。敷地区分方式の魚眼レンズの投影法に問題がある事は明白。

 

図10

この部分は低層部に面している為、結果としてクリアーになっている。そこで図9のNG算定位置と比較していただきたい。高層部から遠くにある図9でNGになる事は合理性に欠ける。

 

 図11

 

 この場合は円弧で示す位置に算定位置を配置するのが敷地区分方式。当該敷地内のしかも建物の直下の天空図は本来真っ暗になるはずでこれも現実と異なる.

 

図12

この幅狭の区分は、H/D比の斜線断面図と同程度の判断となり天空率比較を行う意味がない。

 

図13

 

この区域は、

図14

  この様に片側が入隅になっているこの8の隣地境界線が赤線で示す線分以下でカットされなくなった場合、この区域の検討は不要となる。敷地をわずかに変更するだけで天空率の結果が大きく異なる事。

 この事は、JCBAの適用事例で解説する

図15

 形式的な敷地分割による脱法的行為を防ぐ為とある。この場合も同様だ。

図16

 

この区域は、西側の高層部がわずかにかする程度でほぼ全域高さ制限内にある、その上空から通風採光が高層部に面した隣地にどの程度、寄与するのかを確認したいのが天空率の基本的な考え方。

 

図17

この区域も単に高さ制限のチェックと変わりない、たまたま低層部で高さ制限内の計画建築物ゆえクリアーするのは従来どおり・・天空率計算の意味がない。

ここまでが概ね南側のそれぞれの隣地境界線とする区域で10区域。

さらに東側をみるとぞっとするが実践ゆえ敷地区分ですすめてみたい。

 

図18

図19

図20

図21

図22

 

図23

 

 まだまだある。東側で22区区域ある。もちろんこれまで記述したとおりで、そもそも高さ制限におさまっているエリア。知りたいのは、その分の上空の空地が他の高さ制限を超えた区域に、どれだけ寄与するのか。

残り東側は省略します。

 ところで

図24

 

 隣地天空率は隣地境界線から16m(住居系)外側の位置でチェックするのだがこの様に境界が湾曲している場合、上図青円で示す様に同じ場所の算定位置(環境)を何度もチェックする事になる。

 本来、隣地境界に面した位置で均等に8m以内に通風採光を確認しなければいけないと思うのだが・・実現されてない。隣地環境のチェック位置が偏ってしまう事も天空率算定位置の目的に基づかない。

 

次に北側でこの区域もほぼ低層部に面している為、東側と同様になる。隣地境界線端部の道路と隣り合う隣地境界線も低層部に面している事、幅狭の為、

図25

 

高層部に近接しながらその影響をほとんど受けないという不合理。

 

 さて問題はさらに用途地域で区分されている場合

図26

用途地域(制限勾配)が異なる場合、その勾配区分ごとにさらに区分しなければならない。すると36境界ある隣地境界線の場合、勾配区分が2になるとその2倍にさらに区分される。

 

 区域の区分はさらに敷地内高低差が3m以上ある場合、高低差区分ごとに区分されなければならい。

図27

高低差が2種あればさらに2倍の区域で区分されると約140区域。

実際そのような物件の場合、審査期間も制限日数内にチェックは不可となり一の隣地方式でなければチェック不可となった。

 

 では「一の隣地方式」で本例はどのように区分されるのか?

・・・・次回にしよう。敷地区分の今回の問題点が解消されているのかがポイント。

次回までお元気で!

 

比嘉ブログ

 

 

 

 

 

 

 

隣地天空率再考 9 一実践検証一の隣地方式

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10月20日土曜日

 東京の今朝は、昨日までの雨まじりの寒さから一変、秋晴れ。

しかし、今週は一段と寒さが増し、まずは、寝具の冬支度から・・。

冬を感じるさせてくれるのが・・・やはりこの花

さざんか・・・恒例によりハイ「山茶花山茶花さいた道・♪・・」みんなちゃんと歌えたかな?!

 今年も歌の兄さんならぬおじさんをやってしまった。

 

 木曜日に講座で語りが多かった事もあり、ワインを軽くいただくかと、高田馬場から地獄坂を登り雑司ヶ谷に到着したらいつもの安くてうまいイタリアンが臨時休業・・残念に思いながら鬼子母神方面に向かうと騒がしい・・。

いなせな若集がまといをもって出立寸前

鬼子母神の入り口までくると・・屋台がいっぱい。

御会式(おえしき)だ。

鬼子母神の公式サイトによると

御会式(おえしき)は、もともと日蓮聖人の忌日の法会で、法明寺では10月13日に宗祖御会式を行っていますが、これとは別に毎年10月16日~18日に鬼子母神御会式を営み、江戸時代から伝わる年中行事としていまも地域全体の人々が待ちわびる大祭となっています。たくさんの人々が一緒になって供養のお練りをするその3日間は、静かな雑司ヶ谷の街一帯に、太鼓が響き渡り、参道は露店で大にぎわいとなります。

 

らしい。

とりあえず、御会式はさておき予定変更で和食屋さんで焼酎お湯割り(芋)に変更し満足で家路に明治通りを歩くと

高張り提灯のまわりでは、まといをかついで太鼓を打ち鳴らしの大騒ぎ。・・・これは沖縄のエイサーといっしょだ。

 

 今週の講座から

今週火曜日は、大阪から日帰りで講習に参加していただいた不動産鑑定のお二人。

今回は画地割講座への参加。これから画地割作業があるので早速使いたいとの事。頑張れ・・・次回は1泊2日の特訓で建物想定講座を希望。楽しみにお待ちしてます。

 

 水曜日は、ハウスメーカーのお二人でまずは、逆日影、日影勉強会

 手計算で逆日影計算をマスターしドヤ顔の二人。

翌水曜日は、天空率講座。1名追加参戦。

自社オリジナルソフトのから出力された配置図から敷地等を入力し建物は3次元データから一気にTP-PLANNERの建物データに変換し天空率計算を繰り返す実践学習。

行き止まり道路、3方方向道路など実践を繰り返した。あとは社で実践あるのみ。頑張れ!

 

 天空率講座を開始したい。隣地天空率再考として事例を通じて「敷地区分方式、一隣地方式の特徴および法的解釈の違いを解説している。

 

 事例は

図1

第1種住居地域のこの事例。南側、東側に凹型隣地境界線を有する。A側に高層棟、B側に低層棟の事例。

 

A側隣地斜線は

図2

隣地高さ制限を大きく超えている。B側の低層棟では

図3

高さ制限内に収まっている事がわかる。

 

 前回「敷地区分方式」の結果が下図

図4

この解析結果は、敷地区分方式がこのような凹型隣地境界線を含む境界点が多く区分されている場合には、法的適合性に欠ける問題点が散見された。詳細は、前回の検証考察を参考にしていただきたい。

今回はそれら問題点が「一隣地方式」により解消されたかを確認していきたい。

 

まずは「一隣地方式」の解析結果から

 

すべての算定位置が敷地の外側(この場合住居系ゆえ16m外側)に算定基準線が設定され。

隣地境界線

(建築物の各部分の高さ)
第五六条
7 次の各号のいずれかに掲げる規定によりその高さが制限された場合にそれぞれ当該各号に定める位置において確保される採光、通風等と同程度以上の採光、通風等が当該位置において確保されるものとして政令で定める基準に適合する建築物については、それぞれ当該各号に掲げる規定は、適用しない。
一 **
二 第一項第二号、第五項及び前項(*) 隣地境界線からの水平距離が、第一項第二号イ又はニに定める
数値が一.二五とされている建築物にあつては十六メートル、第一項第二号イからニまでに定める数値が二.五とされている建築物にあつては十二.四メートルだけ外側の線上の政令で定める位置

 

隣地境界線に面する外側に16mだけ外側に基準線が設定されていおり適法。「敷地区分方式」では、敷地内および外側に16m離れていない基準線が6存在した。

 

 

そして算定位置の間隔は各7.752.24 mが均等に配置されている。これは

 

法第五十六条第七項第二号の政令で定める位置)
第一三五条の一〇 法第五十六条第七項第二号の政令で定める位置は、当該建築物の敷地の地盤面の高さにある次に掲げる位置とする。
一 *
二 前号の位置の間の基準線の延長が、*一.二五とされている建築物にあつては八メートル*以内の間隔で均等に配置した位置

 

7.752.24m ≦8mで均等ゆえ適合している。

そして適合建築物は全ての隣地境界線からの高さ制限に適合している。

 

「敷地区分方式」の場合、当該の隣地境界線から片流れ状に適合するのみで隣の隣地境界線からの制限をうけない。

 

 南側の断面図が

 

 

東側が

 

北側が

全ての隣地境界線からの高さ制限に適合している。

 

さて一の隣地においても南側の断面ではNGとなった。

この道路と隣り合う算定位置端部では、敷地区分方式ではクリアーした。

 

狭い境界点間で区分される為、計画建築物が区域外となり天空率比較にいたらず(天空率計算で比較に至らずの区域が存在する不合理)当該敷地のどこに通風採光確保の空地を設定するかが天空率を使った環境への配慮だ。

 

 ではなにゆえ「一隣地方式」ではNGになったのか天空図比較図で確認すると

 

計画建築物の高層部が目前にあり高さ制限を超えた魚眼レンズ上の面積で約52、それに対する空地が約38で天空率の差分は-0.682%でNG。

 つまり高さ制限を超えた分に相当する分以上の敷地内空地あるいは低層部の上空の空地が足りなかった事がわかる。

極めて合理的な結果で人間の完成と共通する。

 

 さらに4ポイント目の算定位置でも同様にNG、天空率比較図で確認すると

 

高さ制限を超えた魚眼レンズ上の面積で約55、それに対する空地が約53.53天空率の差分は-0.131%空地が足りない事がわかる。

 

 この結果はP1の算定位置より東側に設定されたP4の算定位置では、低層部により近くなり天空率のNG差分も狭まっている事がわかる。

 

 「敷地区分方式」では

 

 

本来、低層部に面した位置にある算定位置でNGになっていたが

「一隣地方式」では

 

クリアーしている事がわかる。

円弧で示すP8で天空図比較を行うと

 

P8の算定位置では左側の高層部の影響を若干受けるが右側から上方向の計画建築物が低層ゆえその分で十分クリアーしている事がわかる。敷地区分方式におけるその近傍の算定位置では

左側、高層部の影響も受けない事と右、上側の低層部の状況は天空率比較には、反映されない。

 

さてNG算定位置が2ある。

これをクリアーする為に、低層棟を50cm北側に移動すると

 

 

まずP4が三斜求積時に安全差分を含みクリアーした結果となる。

P4は低層建物に面している為にその部分をわずかに移動しただけでクリアーした。

 ところがP1はクリアーしない。それだけ高層棟の部分が高さ制限を超えている事がわかる。

 

 移動前のP1からの重ね図表示だが右側低層棟の部分が影響する事がわかる。この場合P1の視界に入らない様に低層棟を移動する必要がある。

 

 計画建築物は北側の隣地境界線からはみ出てしまう為にここまでの移動は不可だが結果としてこれだけの空地が必要となる。

この事はP1においてはほとんど空地が左側(道路境界線側)にない為、右側の低層部に空地を設定するように計画する必要がある。

もしくは高層棟の高さ、あるいは幅をカットし空地を確保する必要がある。

 

 高さを下げてクリアーする場合高層棟41.1mが33.7m、その差7.4m(2層相当)まで低くする必要がある。

 

元の形状が

 

 P1の算定位置に近接する敷地側の空地が少ない事がわかる。

 

 これらの事より一の隣地方式は、隣地天空率計算を行う際には極めて合理的な手法で適法である事がわかる。

 

 この事は勾配区分、さらに高低差区分で区域がさらに細分化される場合顕著になる。

今回も長くなったそれらの検証は次回、近似方式とともに検証してみたい。次回までお元気で!

 

 

 

 

比嘉ブログ

 

 

隣地天空率再考 10 近似方式

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10月27日土曜日東京は、冷たい雨の日。

この頃になると今夏のすざまじい暑さも忘れ、早くも寒さへの警戒が始まる。警戒しすぎて多少の喉の変調も、風邪かと気になっている。

 10月25日は満月の夜(満月の瞬間は、前日の深夜1時45分らしい)

で月が美しい・・・思わずパチリと撮ってはみたもののボケボケ。

月はつくづく地球から眺めるのが良い。

 

 昨日金曜日は、Archi Futureの講演を聴いてきた。

「建物データは無限の資源になる」

スターツさんが取り組むBIMを紹介いただいた。中でも注目したのが社内ストック情報とAIを絡めた土地評価システムArchisim。

1週間ほどかかるプロセスを約15分でできる…

「結果がでるまでに建築士は、いらない」・・・刺激的な語りには衝撃を受けた 。が・・・最終的にはその結果の保証をどのようにするのか?など課題はあるようだ。

 解析ソフトの精度もそうだが、比嘉ブログで解説するように日影、天空率など形態制限の審査の現場では、今だ法解釈で判断がぶれる事も多い。その判断いかんでは結果も大きく異なる。

 

講演後の会場は、大勢の来場者で歩行もままならない。

UsFactoryのブース。

日積サーベイ社では、生島氏のにこやかなヘリオスの解説がわかり良い。

 

 いつも元気なトモデータサービスのお二人とばったり。

 

さて、本日は早朝から予定ありだ。

天空率講座をはじめたい。

隣地天空率再考と題して、隣地天空率高さ制限適合建築物の想定法を比較検証している。今回は10回目の講座

 

 事例は

図1

第1種住居地域のこの事例。南側、東側に凹型隣地境界線を有する。A側に高層棟、B側に低層棟の事例。

 

 前回解説した「一隣地方式」はその前の「敷地区分方式」と比較し本来の天空率利用目的と法的解釈に適合する事がわかった。

 

 解析時の区域を再度比較すると

「敷地区分方式」が

図2

 

隣地境界点間の数36区域で区分される事に対して「一の隣地方式」が道路を除く連続した隣地境界線は1ゆえ区域は1となる。

図3

 

「敷地区分方式」においては

図4

 

 

①のように敷地境界点間で区分された敷地の極めて狭い区域で、しかも計画建築物も無い区域で比較される不合理が、約5区域。

 

②のように当該敷地内の計画建築部の直下に算定位置があるという不合理。天空率は法的に定まった位置で当該隣地境界線から外側の隣地境界の通風採光を観測する事が目的であり当該敷地内の計画建築物の直下の比較をする事が目的ではない。

 

 ③では隣地境界線から外側の環境で満遍なく測定されているかというと、本例の東側の湾曲した隣地境界線の場合、その中央部に算定位置が集中してしまう。

 

 これらの事からこの事例つまり境界点間が多い敷地の場合、「敷地区分方式」は適さない事がわかる。

 

*もっともその敷地区分方式の想定手法そのものを明確公的に示した資料はなく「・・試案」あるいは慣習的示した資料しかない。

それを審査機関等で「敷地区分方式で行うように」との指示その事に問題があると思われる。・・・どうだろう?

 

 一方 「一隣地方式」の想定法はJCBAのホームページ上に記載されている。

 

 

 今回は「近似方式」による隣地高さ制限の区域区分を検証していきたい。

図5

 

今回は、上図のように北側、東側、南側に面する境界線近似する。この場合、本来、通達に基づき、

図6

一の隣地方式が正とする事にたいして、面する方向毎に境界線をまとめる意味で近似しているとする。上図がAB,BC、CD、DE間で近似している事と同様にまとめる。ただし隣地境界線を直線状にまとめる事は行わない。コンピュータ処理で寄棟状に作成する事はそれほど負担にならず、直線化のルールが明確でない事を考え、面する方向別に区分する。

 

 設定法は「入力」「敷地」において

図7

面する境界線を選択後「同一区間設定」「設定」ボタンをクリックし設定する同様に

東側に面した区域は

図8

北側に面した区域は

図9

 

隣地高さ制限適合建築物の発生は「入力」「新天空率算定領域」で

図10

「一の隣地方式」ボタンをクリックし「TSpace」を起動します。

図11

 

「作業種類」「算定領域」から「発生ボタンをクリック。敷地入力で設定した近似した境界の設定が確認され

 

さらに「高さ制限種類」「隣地」をクリックし面した部分毎に近似した隣地高さ制限適合建築物が発生する。

 

 最後に「出力」ボタンでTP--SKYに戻ると同時に面する方向毎に算定基準線が発生する。

図12

一隣地方式同様に不要な延長された基準線端部(出隅)の場合等適時選択し削除をおこない

図13

南側が確定する。

同様に東側は

図14

この場合できるだけ東側の隣地環境を十分チェックすべく上側の基準線は、隅部に面した端部の線分で切断し延長位置を確定した。

 

 北側は

図15

 

審査:設計双方で確認確定するのは、隣地境界線から外側に16m離れた位置に均等に漫勉なく配置されているか否か。

 

 この3区域の基準線を重ねると「一の隣地方式」と同じ位置に設定される。

図16

 

 結果を確認すると

図17

NG箇所が南側の2か所でこの結果は図3で示す一隣地方式と同様の結果となった事がわかる。

方向別に確認すると南側は

図18

 

南側に面したこの区域は「一隣地方式」で採用された後退距離と同一でその結果も同一となりP1で比較すると「一隣地方式」P1では

図19

 

敷地区分方式ではP17で同位置だが結果は

図20

当然、計画建築物は同一になり高さ制限適合建築物で0.001%だけ低下しているだけで結果はほぼ同じだ。同じ算定位置から見える計画建築物の天空率は当然同じ結果となり適合建築物に関しては東側からの勾配制限を受けない分、わずかに低下したと思われる。

 

 次に東側に面した区域は

この場合、後退距離は、高さ制限20mを超えた位置で面する方向毎に採用する考えが適用される。その分「一隣地方式」の方が安全側ともいえるが方向毎の判断ゆえ問題になる事はない。

 

 北側も同様だ

 

 高層部側の高さ制限を超えた計画建築物はわずかな部分ゆえクリアーする。

 

 これらの結果から「近似方式」は「一隣地方式」を方向毎にまとめる手法で「一隣地方式」をアレンジした手法ともいえるが

 

面する方向を示した国交省の解説書の面する部分に順じたとすると

近似方式で良いと思われ合理的な結果を得る事ができる。

JCBAが「一の隣地方式」が最も安全側とするのは、後退距離を最もさまい部分を採用する事にもある。

 今回は隣地高さ制限適合建築物の想定法を徹底的に比較していきたい、今度は用途が異なる場合などの勾配区分で比較してみたい。

どの様な条件にも合理的な適合建築物が作成できない場合、その手法はそもそも問題有りと考えなければいけないのだろう・・。

 

 ・・っと思ったが今回も以外と時間がかかった次回にしよう。

寒くなってきました風邪などひきませぬよう、お元気で!  hi

 

 

比嘉ブログ

 

 


隣地天空率再考 11 勾配区分比較

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11月3日文化の日の土曜日:もったいない。

6時20分頃の我が家からの日の出の瞬間。

本日は関東地方曇りの予報だが・・・今のところ快晴。

今日は、ラッパ仲間とのライブがある。

このところ1年を今日の日の為に活動している感じ有り。

毎年反省しきりながら、終わった後の解放感と皆との乾杯の為に今年も頑張りたい。

今年は、デュオ、合奏含めて全8曲。

がんばろ・・。

 昨日、昼休みの公園主。招き猫のポーズが得意技。

 

さてそんな事情も有り、早速始めたい。

天空率講座開始!。

隣地天空率再考と題して、隣地天空率高さ制限適合建築物の想定法を比較検証している。今回は10回目の講座

 

 事例は

図1

第1種住居地域のこの事例。南側、東側に凹型隣地境界線を有する。A側に高層棟、B側に低層棟の事例。

 

今回は、敷地内で用途地域が異なり隣地高さ制限が異なる場合の隣地高さ適合建築物の想定法の比較検証

事例は

図2

 

北西側の屈曲道路から路線20mまでが商業地域で隣地高さ制限勾配は31m超の建築物が1/2.5勾配、

路線から20m超が第一種住居地域で制限勾配は20m超の建築物が1/1.25勾配で区分されている。

 

 隣地天空率では、当該敷地内で異なる制限勾配で区分される場合

(隣地との関係についての建築物の各部分の高さの制限を適用しない建築物の基準等)
第一三五条の七

2 当該建築物の敷地が、隣地高さ制限による高さの限度として水平距離に乗ずべき数値が異なる地域、地区又は区域(*「隣地制限勾配が異なる地域等」*)にわたる場合における前項第一号の規定の適用については、*の隣地制限勾配が異なる地域等ごとの部分の」とする。
 
敷地区分方式では
図3

 

隣地境界点間で区分されさらに勾配区分されると

図4

さらに細かく区分され「隣地天空率再考 8 一実践検証敷地区分方式」

で指摘された問題点がさらに勾配区分される分、先鋭化される。

 

NG箇所を確認すると

図5

 NG差分を確認すると右端の算定位置がNG幅最大となっている。

ところが青枠で示す、低層部あるいは空地に近接している側だ。左端の部分が現実的には、通風採光が悪いのは明白。

近接点の位置確認表がこの場合72ポイント必要になる。区域の殆どが不合理。事前にぜひ協議し合理的な手法を検討したい。

 

 次に「一隣地方式」の場合で検証してみたい。

図6

 

「一隣地方式」の場合、勾配区分の数だけになる為、上図凡例では2。

本事例で確認すると

まずは住居系1.25勾配区分の区域

図7

 

勾配区分しない前回の結果と比較すると

図8

勾配区分しない前回の事例ではNGが2、勾配区分された場合が1ゆえ原因を考察すると

図9

NGP4の視野角内にあった高層部の右側面(青枠表示)が勾配区分により視野角外となりその分、計画建築物の天空率が上昇しクリアーした。

 さらに左端のP1はまだNGだが図7で示すように高層部の左側面が視野角外となり計画建築物の天空率は、上昇した。ただし申請時の三斜求積による安全差分の確保に至らなかった程度のNGとなった。

 さらに2.5勾配の区域は

図10

 

この勾配区分の区域で高さ制限を超えた計画建築物は極めて微小だ。その結果からも全ての算定位置でクリアーしている事に納得。

 

結果、勾配区分の数2近接点の位置確認表を作成すればよい事になる。

 

そして最後に近似方式での検証

全区域(この場合面する方向3区域を勾配区分すると6区域)を重ねた結果)から

図11 

 

「一隣地方式」とまったく同じ算定位置でNG差分もほぼ同じ。

区域毎に確認すると

南側に面した 1.25勾配区域では

図12

これは、図7で解説する「一隣地方式」とまったく同様の結果で合理的。

 東側に面した1.25勾配区域では

図13

 

全て高さ制限内にありクリアー。

続いて北側に面した1.25勾配区分区域は

図14

北側の狭い.25勾配区域に片流れ状の隣地高さ制限適合建築物は、全ての計画建築物の高さを超えておりクリアー

 

 そして2.5勾配の区域南側から

図15

これも図10を参照していただくと後退距離が同一の為「一隣地」と同じ結果である事がわかる。

 

2.5勾配東側に面した区域は

図16

この区域も全て2.5勾配高さ制限内にある事がわかる。

 

そして最後に2.5勾配北側に面する区域

 

近似方式の場合面する方向3区域×勾配区域2=合計6区域の検証となる。

 

 以上が「敷地区分方式」「一隣地方式」「近似方式」の勾配による区分方式の区域比較検証となる。

 

 JCBAではその報告書「天空率の運用の検討」において

屈曲した敷地、整形な敷地いずにおいても「一の隣地方式」がもっとも安全側であると結論ずけている。

 

 今回の検証でもまったく同様の結果である。

一方、その次ページには、「課題も残る」と記述されている。

では、その課題とはなにか、その解決策は?

 

今回も長くなった次回にしよう。

 

 

比嘉ブログ

 

 

 

隣地天空率再考 12 一隣地:「天空率の運用の検討」から1

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11月10日土曜日

とうとう11月も2週目が終わろうとしている。

週末の東京は、先週と同じで雨続きから一変し快晴。

小春日和・インディアンサマーだ。

 

 今週は忘年会の日程調整に時間を取られるなど2018年もお終いのカウントダウンが始まった。

 

 先週ラッパのライブの話をしてしまった都合、こんなんでどうでしょう。

TOKUを気取って歌とラッパで「I could write a book」。

年々場慣れて多少楽しみながら吹けるようになった感じだが・・・まだまだ・・・・・・来年こそうまくなりますようにっと!。

 

これは、キバナコスモスかな

晴れた日の公園には、色鮮やかな黄色がいっぱい。

 

 さて、今週の講座は

毎年恒例の行政の皆さんとの勉強会。

道路天空率から、比嘉ブログ講座でもまとめを行っている隣地天空率を理論そして実践で操作をしながら検証した。

 現在比嘉ブログで解説中の「一隣地」の考え方の適法性を確認していただいた。

 熱心に意見交換をしていただき、勉強会は、予定の5時をまわり5時半過ぎまで続いた。

また勉強会でお会いしましょう。

 

 さて天空率講座を開始したい。今日も盛りだくさんの内容だ。

 

 

前回は、

図1

 用途地域が20m路線で区分され商業地域と第一種住居地域と異なる勾配区分で解説。

 「勾配区分」の隣地高さ制限適合建築物の作成方法を「敷地区分」、「一隣地」、「近似方式」で作成しそれぞれ考察比較した。

 

 結論から、敷地区分方式が屈曲隣地境界を有する敷地形状で内包する問題点がさらに先鋭化、され

隣地天空率再考 4 一隣地方式 1で解説した敷地区分方式の不合理が拡大した。

今一度掲載すると

図2

上図の隣地境界線天空率を敷地区分方式で解析する際に下記の不合理がある。

敷地区分方式を適用する事が著しく困難な場合

 

①隣地境界点間がせまく敷地内空地が天空図に適切に反映されない場合。

*隣地境界線は❶同様に微小に屈曲する敷地境界点が多い。その際上図のNGは、青枠で示す敷地内空地に近接しており、通風採光の環境としては良好と思われるが、その空地は、解析対象外となりNG。

 

②凹状の隣地境界線で基準線が当該敷地内に発生し隣地境界線から外側の規定幅(12.4mもしくは16m)の位置に設置できない場合。

 

*この場合は、算定基準線の配置位置の不合理。

そもそも隣地天空率は、隣地における通風採光を測定判断する目的だが、自分の敷地内で算定する不合理がこの様に狭い凹型隣地境界の場合にみられる。

 魚眼レンズを配置する基準線が当該建築物の直下に配置された場合・・・天空率で通風採光を確認する目的に適合しない。

 

 

「敷地区分方式」は、天空率計算を行う為の本来の目的とかけ離れている事がわかる。(天空率計算の目的は、高さ制限を超えた部分に対して敷地内空地が確保できているか否かが問われる)

 

 

 天空率比較を行う目的は、国土交通省住宅局建築指導課等の監修

「平成14年改正基準法等の解説 新日本法規」に明確にしるされている。

 

 天空率計算は、魚眼レンズにより見え係を表現しており敷地の空地を天空図に反映する事により従来の高さ制限(H/D)による通風採光の評価法の問題点が改善できるとされる。

 

 この事は「天空率により通風採光を評価する事により街並みがばらばらになるのでは?」の項の回答と合わせ読むことにより天空率に求められる事が明確に記述されている。

 

 

 天空率は、街並みの形態の不統一は否めないが敷地単位で考える、つまり敷地内の空地の大小が通風採光の指標として合理的であるとする。

 

 この事から、東京方式試案などローカルルールからはじまった「敷地区分方式」は、天空率利用の目的に反する。なぜなら「敷地区分方式」では、敷地内空地を正しく評価できない。

 

 敷地区分方式の可否を問う前に「敷地区分方式」の最大の問題点はJCBA(日本建築行政会議)で発行された「基準総則・集団規定の適用事例」を含めて、その想定法を記述した公的資料が存在しない事。

 

 適用事例集では隣地天空率再考 1で解説したように「後退距離は、隣地境界線ごとに後退距離を設定する」と記述されているだけだ。適合建築物を境界点間で作成するなどの記述はない

 

 

 

一方「一隣地方式」「近似方式」に関しては、JCBAではその報告書「天空率の運用の検討」において基準線の法的根拠も含めて詳細な記述がされている。

 

 天空率の審査の現場で、事程左様に不合理な敷地区分方式など法的適合性に欠ける審査方式を設計者に強いる審査に直面すると愕然とする

 

 「隣地天空率再考」シリーズもまとめに入る今回は、「天空率の運用の検討」を詳細解説する事により隣地天空率のJCBA方式の考え方を検証したい。

 

 隣地天空率の解説は、P101から始まる。

 ポイント1

隣地境界線事に敷地を区分する事が困難「隣地境界線を「連続した隣地境界線」とし、敷地を区分せずに天空率を適用する事ができる。

 

⇒結論から「一隣地方式」を可能とする。

 

ポイント2

の隣地境界線の任意の部分を内接した線分で近似し、「連続した一の 隣地境界線」として敷地を区分せずに天空率を適用することも可能とする。

⇒近似方式も可能とする。

 

ポイント3

特定行政庁の判断に委ねられる事から「敷地区分方式」などの他の運用をさまたげるものではない。

 

⇒現況の敷地区分方式を慣習的に行ってきた、特定行政庁を否定するものではない。ポイント1で記述する様に敷地区分方式では困難な事が多い事より、「一隣地方式」「近似方式」などの適切な想定法がある事を認識してほしい事がその意図。

 

取扱に至る考え方

この部分は隣地境界の定義も含めて隣地天空率を行う場合の基本的な考え方が丁寧に解説されている。以下に転載。

 

(3)取扱いに至る考え方 ・多角形による隣地境界線については、多角形の辺ごとに区分して隣地境界線を捉えるのか、多 角形の全ての辺をまとめて1つの隣地境界線として捉えるのか、法的に明確な規定がない。 ・その要因としては、法 56 条第1項では、隣地境界線の形状なりに連続して斜線を想定すれば よいため、一の隣地境界線の捉え方を敢えて明確にする必要性がないことが考えられる。

 

 ・質疑応答集 P5056(参考1)では、

隣地境界線が不整形な場合の隣地斜線制限の適用を示して いるが、図のような曲線状の隣地境界線は「1つの連続した隣地境界線」として捉えること が妥当であると考えられる

 

 ・一方、多角形による隣地境界線は、辺の数が限りなく多くなると、曲線状の隣地境界線に限り なく近くなることから、曲線状の隣地境界線と多角形による隣地境界線とで考え方を別にする 必要性もなくなると考えられる。したがって、多角形による隣地境界線についても、曲線状の 境界線と同様に、1つの連続した隣地境界線として捉えることも不合理ではないと考えられる。

 

この様にJCBAにおける隣地境界線の考え方が記述されている。

 

・また、「平成 14 年建築基準法改正の解説」P79(参考2)では、「隣地境界線が2以上ある場合」 が示されているが、多角形による隣地境界線を1つの連続した隣地境界線として捉えた場合に おいても、図 21 のとおり、複数の道路境界線によって、敷地境界線が連続しない2つの隣地 境界線に分かれた場合に限り、「隣地境界線が2つある」として捉えることも可能である。 ・隣地境界線を内接した線分で近似する場合、連続する隣地境界線全体ではなく、部分的にまと めて「1つの連続した隣地境界線」と捉える。考え方は、多角形の全ての辺をまとめる場合と 同様である。

P102

 この挿絵で道路境界線以外の隣地境界線を「1つの連続した隣地境界線」と捉える。

⇒一隣地方式の基本的な考え方を図示している。

 

図22では、敷地区分方式が困難になる場合の事例を示し、赤枠で示す「一隣地方式」の合理性を図示。

 

⇒敷地区分方式が利用可能な敷地形状は、境界点間が敷地全体に面した整形敷地に限られる事を解説している事に他ならない。

 

P104では

方式の違いによる比較・検証を行っている。

(4)取扱いに係る検証 以下の審査方法について比較・検証を行った。 
 
(用語解説)この項において使用する用語を以下に示す。 
 
「敷地区分方式」:隣地境界線ごとに敷地を区分して審査する方式 「一の隣地方式」:連続する隣地境界線を「一の隣地境界線」と取扱い審査する方式 「近似方式」 :屈曲する隣地境界線を敷地内で内接した線分で近似し審査する方式 
 

屈曲した敷地、整形な敷地いずにおいても「一の隣地方式」がもっとも安全側であると結論づける。

 

理由はP107から図解している。まずは、整形敷地から解説するとP112から

敷地区分方式の場合

「一の隣地方式」の場合

まず算定位置からから検証を進めると「一の隣地方式」で発生する

P17~P19そしてP24~P26の敷地隅部に面した算定位置が「敷地区分方式」では、天空率比較されない。その隅部が円弧状になっている場合、その方向に面するチェックを行わなければならないわけで

たとえば下図の様に赤丸で示す隅部が多角になった場合、従来の敷地区分方式でも青円弧部にも算定位置が発生しなければならない。

 

敷地の微小な形状変形により、算定位置の有無がドラステッィクに変わる事は、やはり不合理だ。

 

 さらに高さ制限適合建築物から「一の隣地方式」が安全側であることの解説は

一の隣地方式の場合寄棟状に作成される為に、隣地高さ制限適合建築物の空が広くなり天空率が大きい、その為、安全側である事を解説している。

 

 

 屈曲隣地の場合、

敷地区分方式では

 

この事例では、A部にはタワーパ-キング等の高層の建築物が存在するのだが出隅部は垂直切断される為、近接する隣地境界線からの高さ制限を受けないという不合理がおきる。

 

 道路が十分広く道路斜線がチェックされない場合、近接する隣地境界線からの高さ制限を受けない事になる。

 敷地区分方式が危険側になる事を解説しておりこの様な天空率解析は、問題である事を認識しなければならない。

 

 これが「一の隣地方式」では

 

全ての計画建築物の高さ制限を超えた部分と敷地内空地が比較検証される。この事例では円弧で示す隅部がやはり適合建築物が増大する為にNGとなっている。計画建築物が北側に近接しその分、空地も減少する為、NGになるのは、合理的な結果である事を解説している。

 

 さらに直線近似する手法に関する解説

がある。この部分は、補足の解説を要する。

・・・・続けてと思ったが今回も長くなった次回にしよう。

次回は近似方式の考え方と「一の隣地方式」の検討課題が提示されている。これらの課題の解決法を解説したい。

 このシリーズも次回が最終回かな・・。

 

 次回までお元気で!

比嘉ブログ

 

 

 

隣地天空率再考 13一隣地:「天空率の運用の検討」から2

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211月17日快晴の土曜日

今週は、講座と原稿締め切りに追われて、天空率ネタを書く時間がとれず・・。

原稿を書きながら錦織を応援した・・・が・・フェデラーに勝って期待を持たしてくれたのだが・・その後がダメ、・・稀勢の里はあの調子でこまったものだ。

あろうことか、昨晩のサッカー観戦を忘れてしまった。・・・・羽生はしっかり応援した・・素晴らしい・・さらに進化している。

 早朝より「隣地天空率再考」の最終回を書いていた。

すでに時間はお昼を回っている・・・そんな事で早くアップして出かける事にしたい。

 これはツワブキ(沖縄ではチーパップ)黄色が鮮やか。

 

 さて今週の講座から

火曜日の日影規制講座では2名の方が参加

不動産鑑定と設計事務所と異業種の参加。今回から時間も1時間ながい講座に変更した・・でも予定の5時半をちょっとまわってしまった。

 

 水曜日からデべ設計の皆さんに集合していただいた

 

初日の講座を終えホットした表情。ところが2日めになるとリラックスで

こんな感じ。女子に圧倒された男2名が前面に乗り出してパチリ。

またお会いしましょう!。

 

 さて天空率講座開始!

「隣地天空率再考」シリーズのまとめで前回から、「天空率の運用の検討」を解説する事によりCBA方式による隣地天空率の考え方を検証したい。

 

 前回の最後に近似方式を下図で解説しようと思ったが時間切れとなったのでこの事から解説を始める。

 

 その前に「天空率の運用の検討」では、用語の解説で「隣地境界線」をP113で下記の様に定義づけている事の確認から

「 敷地境界線のうち、連接する土地との境界線の事。・・・

・・実情は、折れ曲がった一の隣地境界線が存在する事になる。」

 

と定義づけられており、前回解説した「一隣地」は、極めて常識的な適合建築物の想定法であり、むしろ敷地境界点間で区分する「敷地区分方式」の方が違和感がある。

 

 近似方式を検証する場合も「隣地境界線」の定義を基本に検証をすすめたい。

図1

 これは、上記の回答で「複数の近似線を1つの隣地境界線として扱う事が必ずしも安全側であるとはいえない」

の回答の妥当性を検証する事として解説が始まっている。

 

 結論として

図2

.結果として黒丸で示すNG部が近似方式の方が多い事から近似方式が安全側としている。

この結論の出し方には多少問題があり、上図のA部分の敷地内空地が天空率に反映されていない。当然A部分からの通風採光効果は無視できないはずだ。

 

P116の.結論では

下段の「本例では「近似方式」は過度に安全側(厳しく)なるとされる。

「審査の迅速化につながる事より近似方式による審査方式を可能とする。」と結論づける。

 ここでこの仮想線による近似方式の問題点(過度に安全側(厳しくなる)」点がある事を解説している。

 だとすると近似方式の設定法を仮想線では、なく過度に安全側にならない設定法を採用すれば良い事になる。

 

 近似方式で過度に安全側にならない方法とは?

これを検証する為に図2のA部分に住居系隣地高さ制限の立ち上がり20mを加えたものと図2の右側の過度に安全側を比較検証してみたい。

 

 まずは図2の右側同様に解析すると

図3

 

 この場合、計画建築物に近接する右側の算定位置でNGとなっている事がわかる。このNGが過度の安全側とされるのは、A側が敷地内空地で通風採光が評価されるべきエリアであるにも関わらず適合建築物が設定されてない分その通風採光の評価を無にする事にある。

 この為の対策としてA部分に住居系隣地立ち上がりの20mの適合建築物を付加して解析すると

図4

 

 A部分による通風採光の効果でNG部分がなくなった。

この場合の北側の隣地境界線には充分な空地があり、天空率計算でクリアーしない場合不合理といえる。

 

 敷地区分方式で解析すると

図5

図2の左側敷地区分方式と同様の結果となったが、NG部分より下側の算定位置は、計画建築物にさらに近接する場所でありその部分の通風採光が良くなるという事はありえない。やはり敷地区分方式は、このような屈曲した隣地境界線に適用すべきではない事がわかる。

 一方仮想線による近似方式にも問題がある。

 

例えば

図6

赤で示す仮想線が計画建築物をまたぐような場合、近似できない事になる。図4同様の設定で後退距離を0mに設定する事で安全側になる事は間違いないが過度の安全側になる問題の解決には、ならない。

 

 この事は、「天空率の運用の検討」では、P106で問題提起しており

「一の隣地方式」で審査と記述されている。

図7

ローカルルールで法文にない「1m以内の屈曲であれば・・」ではまとめる事ができない事と「1m以内」の適法性に疑問が残る。

 

 その様な場合、どのように近似方式として面する方向別に区分設定するのか隣地天空率再考 6 近似方式検証

図8

あるいは「隣地天空率再考 10 近似方式」

図9

 で解説するように「一の隣地方式」を面する方向別に区分する想定法の事だ。この事の解説は「天空率の運用の検討」P120において以下の記述が参考になる。

「片流れ状の適合建築物、あるいは寄棟状の手法が考えられる。」

と記述されている。

 この寄棟状の手法が一の隣地方式に準じた適合建築物の想定法だ。この事は、従来の隣地斜線でチェックしていた手法同様に設定する事に他ならない。

 

 さて最後に、算定位置を配置する「一隣地方式」適合建築物および基準線の考え方をまとめておきたい。

図10

 適合建築物
①後退距離は計画建築物から隣地境
界までの最短の距離を採用する。
②寄せ棟状に作成する。

 

算定基準線
①基準線端部が出隅
→端部から垂直な位置まで延長する。
②基準線端部が入隅
→となりあう道路境界線端部に垂直な
位置まで延長する。

 

「勾配区分」「高低差区分」で算定基準線の設定方法に関しては、

「天空率の運用の検討」P117に明確に記載されている。

面す方向毎に区分する場合(近似方式)左下、一隣地方式の場合右下のように基準線を設定する事が記載されている。いずれも隣地の通風、採光をチェックする設定法として基準線に関しても上段の「敷地区分方式」より安全側に設定される事が記載されている。

 

 このように「一隣地方式」は、「天空率の運用の検討」

に設定法の詳細が記述されている。

JCBAでは、「敷地区分方式」「一隣地方式(近似方式含む)」いずれを採用しても良いとされる。より適法とおもわれる手法で解析していただきたい。

最後にもう一言

天空率は、街並みの形態の不統一は否めないが敷地単位で考える、つまり敷地内の空地の大小が通風採光の指標として合理的であるとする。」

 

 以上で今回の「隣地天空率再考」シリーズを終了としたい。

 

次回は、道路天空率に寄せられた質問への回答を通じて解説したい。

次回までお元気で!

 

 

比嘉ブログ

 

 

 

道路天空率 法56条3項を考察する その1

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11月24日3連休中日の土曜日。
昨晩、大阪万博2025年が決定した。
連休前の木曜日、大阪市内で打合せ終了後、大阪の仲間との忘年会まで時間ができたのでかねてよりいってみたかった通天閣をパチリ。
 万博誘致祈願の為のライトアップ中でグッドタイミング。

比嘉も及ばずながらビリケンさんの足をなでて誘致をお願いした・・uso。

ビルの上にトンボが⁉️なんともシュールな・・・大阪は、不思議な魅力のある大都会だ。
オリンピック後の楽しみができた。
 さて、連休中日、天空率講座をアップして出かける事に
しよう。
天空率講座開始!


 前回まで隣地天空率を考察すると題してJCBAのサイト「「天空率の運用の検討」に掲示されている隣地天空率適合建築物の想定法を検証考察した。

  結論から法的適合性から考えると「一隣地方式」が最も合理的な手法である事わかる。

 今回は、道路天空率の解説に戻りたい。最近道路天空率で質問が多いのが住居系の用途地域で道路幅員が12mを超えた時の区分法。

 

 法56条の3、4項では、下記の様に記される。

3 第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域又は準住居地域内における前面道路の幅員が十二メートル以上である建築物に対する別表第三の規定の適用については、同表(に)欄中「一.二五」とあるのは、「一.二五(前面道路の反対側の境界線からの水平距離が前面道路の幅員に一.二五を乗じて得たもの以上の区域内においては、一.五)」とする

 

 3項の記述は、特定された住居系の用途地域に接道する道路幅員が12mを超える際に通常1.25勾配が前面道路の反対側から道路幅員の1.25倍を超えた距離以上の区域は勾配が1.5に変化する。

 

 たとえば、12m道路の場合は12×1.25=15m

敷地側道路境界から15-12=3mを超えた適用距離までが道路高さ制限勾配が1.5倍となる事を意味する。

 

 第1種住居で容積率300%で適用距離が25mの事例では

図1

図2

敷地内で3mまでが1.25勾配、3mを超えた区域が1.5勾配が適用される。

 

 さらに4項では、3項で後退距離の考慮に関する解説が記述されており

 

4 前項に規定する建築物で前面道路の境界線から後退したものに対する同項の規定の適用については、同項中「前面道路の反対側の境界線」とあるのは「前面道路の反対側の境界線から当該境界線から当該建築物の後退距離(*)に相当する距離だけ外側の線」と、「前面道路の幅員に」とあるのは「、前面道路の幅員に、当該建築物の後退距離に二を乗じて得たものを加えたものに」とすることができる。

 

 後退距離があればその分外側を起点とし、前面道路の幅員に後退距離の2倍を加算したものを3項の道路の幅員とする。

 

 上記事例では、道路幅員が12m、後退距離が1mゆえ

12+1×2=14m 14m×1.25=17.5m  17.5m-(12+1)m=4.5m

敷地がらの道路境界から4.5mの位置から勾配が1.5倍にする事が可能になる。とあるただしこの場合できる規定ゆえ3項同様に後退距離は考慮しない選択も可能だ。

 

図3

 

 
 これが基準法56条における3,4項の特定の住居系においては勾配区分が変わる事を意味する。

 

 勾配の区分が変わるという事は、天空率計算においては、

 

第一三五条の六
2 当該建築物の敷地が、道路高さ制限による高さの限度として水平距離に乗ずべき数値が異なる地域、地区又は区域(以下この章において「
道路制限勾配が異なる地域等」という。)にわたる場合における前項第一号の規定の適用については、同号中「限る。)」とあるのは「限る。)の道路制限勾配が異なる地域等ごとの部分」と、「という。)の」とあるのは「という。)の道路制限勾配が異なる地域等ごとの部分の」とする。

 

 隣地天空率も同様だが高さ制限の勾配が異なる場合には、制限勾配が異なる地域等ごとの部分に区分されなければならない。

1種住居地域内でも道路幅員が12mを超えた場合1.25勾配の区域と1.5勾配の区域に区分しなければならない。

 上図例で後退距離を考慮しない場合と加算さた場合で検証してみたい。

後退距離を考慮しない場合1.25勾配の区域は

図4

NG算定位置が3、P10近接点の差分が-0.338%。

アイソメ図は

図5

1.5勾配の区域は

図6

 

全ポイントクリアーしている。近接算定位置で1.043%の差分。

アイソメ図で確認すると

図7

 

次に後退距離1mを適用した場合は

図8

NG箇所は1に減少

1.25勾配の区域は

図9

やはりP10が4NGで差分-0.023%

アイソメ図では

図10

次に1.5勾配の区域は

図11

近接点の差分が2.097%。アイソメ図は

図12

となる。

この事例では、後退距離を採用した方が設計有利に機能した様だ。

 

 しかし後退距離を0mに設定した場合、1.25区域が消滅する為、後退距離0mが有利になるのでは?と思いトライしてみる事とした。

 図13

 

 敷地条件および用途地域は1種住居で容積率300%で適用距離は25m。階高が40mになり南北方向に幅が広くなった場合で後退距離は前例の1mから3.5mに広くなった。

図14

道路高さ制限を大きく超えており天空率解析を行う。

今度は後退距離3.5mを採用した場合から始めたい。

まずは1.25勾配区域から

図15

(12+3.5×2)×1.25=23.75mまでが勾配1.25勾配の区域

NG箇所が2。最大差分が-0.324%

 

 1.5勾配の区域は

図16

23.75mを超えた1.5勾配の区域はクリアーとなった。

 

では次に後退距離を採用しない0m後退距離で比較した事例

 1.25勾配区分の区域は、12×1.25=15m 15-12=3m 1.25勾配の区域は後退距離内に存在する事になり計画建築物無で

天空率100%0で比較無し。

1.5勾配の区域のみ比較だが

図17

1.5勾配の区域ゆえこの場合もクリアーすると思ったが適合建築物の高さが低くなり天空率がアップしNGとなった。最大差分も-0.729%でNG差分も大きくなった。

 やはり一般的に後退距離は最大を採用した方が有利に機能しそうだ。

 

 さて次に2方向道路で12mを超える敷地形状

で132条と複合された場合の区分法を検証してみたいが今回も長くなった。3連休だ次回にしよう。次回までお元気で! hi

 

比嘉ブログ

 

 

 

道路天空率 法56条3項を考察する その2

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12月1日土曜日
 先週、大阪での忘年会の翌朝、幕末・維新150年展を開催しているとの事。・・・・何年ぶりだろうか大阪城の天守閣をめざした。
 連休初日に加えておりからのインバウンド。ものすごい人・・。
前回、仕事の合間の見学とは、大違いで大混雑。
天守閣へのEVは行列で待ちきれず階段で登城したが、階段も人でいっぱい。やっとの思いで天守閣を一回りして・・・お終にした。西郷どん情報の検証ならずだが、通天閣の眺めとの違いを確認
 
 これは、近くの公園・・猛暑の影響か例年以上にきれいに紅葉している。
今日もインディアンサマーの暖かいお出かけ日和・・・さてどこいこう⁉・・。ちょっと川崎あたりに所要あり・・。
 今週の講座は、天空率講座。総合設計事務所のお二人が参加。
 始めての顔合わせのお二人だが休憩時間中、仲良く女子会が開かれた様で楽しそう。
 二人の講座は、順調に道路、隣地そして確認申請時の三斜求積の安全側の考え方を解説、そして操作を実践していただいた。
後は実務で頑張っていただこう!またお会いしましょう。
 
 さて天空率講座開始!
 
住居系の用途地域で道路幅員が12mを超えた時の区分法。
を解説している。
 法56条の3、4項では、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域又は準住居地域内における前面道路の幅員が十二メートル以上である建築物に対する別表第三の規定の適用については、同表(に)欄中「一.二五」とあるのは、「一.二五(前面道路の反対側の境界線からの水平距離が前面道路の幅員に一.二五を乗じて得たもの以上の区域内においては、一.五)」とする
とあり、住居系でありながら道路幅員の1.25倍の距離を超えた位置から1.5勾配の区域とする。
 後退距離の扱いに関しては、4項で

前項に規定する建築物で前面道路の境界線から後退したものに対する同項の規定の適用については、同項中「前面道路の反対側の境界線」とあるのは「前面道路の反対側の境界線から当該境界線から当該建築物の後退距離(*)に相当する距離だけ外側の線」と、「前面道路の幅員に」とあるのは「、前面道路の幅員に、当該建築物の後退距離に二を乗じて得たものを加えたものに」とすることができる。

 

後退距離を加算する事もできるとあり後退距離採用の有無は設計者の判断となる。

図1

 

 
 勾配の区分が変わるという事は、天空率計算においては、

 

第一三五条の六
2 当該建築物の敷地が、道路高さ制限による高さの限度として水平距離に乗ずべき数値が異なる地域、地区又は区域(以下この章において「
道路制限勾配が異なる地域等」という。)にわたる場合における前項第一号の規定の適用については、同号中「限る。)」とあるのは「限る。)の道路制限勾配が異なる地域等ごとの部分」と、「という。)の」とあるのは「という。)の道路制限勾配が異なる地域等ごとの部分の」とする。

 

 高さ制限の勾配が異なる場合には、制限勾配が異なる地域等ごとの部分に区分されなければならない。

 

 今回は、住居系で2の道路、令132条が適用されるわけだが、この区分にさらに上記法56条3項と4項を考慮しなければならず一段と煩雑になる。

 今回は、前回予告の事例とは若干異なるが

図2

南側、最大幅員が12m以下(11.9m)と12mの場合で区分法を比較検証してみたい。

 南側斜線断面を確認すると

図3

NGを確認。

 

 まずは、11.9mの場合。

11.9mの場合12m以下ゆえ、区分は令132条区分のままで良い。

区域区分し天空率解析すると。

図4

NG箇所が2。区域ごとに確認してみよう。

まずは南側最大幅員11.9mの区域から

(二以上の前面道路がある場合)
第一三二条 建築物の前面道路が二以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の二倍以内で、かつ、三十五メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が十メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

 

図5

 

後退距離1.1m最大幅員反対側境界線から適用距離20mまでで区分されている。

 アイソメ図では

図6

 

 空地が十分広いと思われるが天空率重ね図で確認すると

図7

高さ制限を超えた部分の面積が68.605に対して敷地空地緑部が67.996で0.609ポイント緑の空地部の面積が少なくNGである事がわかる。

 この算定位置から左右の空地は、比較的距離があり空地の見え係面積は、その分低下する。一方、高さ制限を超えた計画建築物(赤部分)は、接近している為大きめの見え係となり天空率低下の要因となる。

 

 次に東側4m道路側に回りこんだ最大幅員11.9mの区域は

図8

 最大幅員11.9m×2=23.8mまでは、4m道路側にも最大幅員11.9m が適用される。東側にまわりこんだ11.9mに後退距離3.4mが加算された位置を起点に適用距離20mまでで区分される。

この区域はすべてクリアー。アイソメ図では

図9

 

 最大幅員の区域は以上2区域。

次に令132条2項

2 前項の区域外の区域のうち、二以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の二倍(幅員が四メートル未満の前面道路にあつては、十メートルからその幅員の二分の一を減じた数値)以内で、かつ、三十五メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

 

2項の区域は 「二以上の前面道路の境界線から」 とある。2方向道路の場合、道路中心10mの区域はこの場合4m道路の一の前面道路となり2項の区域は存在しない。3項に進むと

  3 前二項の区域外の区域については、その接する前面道路のみを前面道路とする。

したがって3項の区域となる。

図10

最大幅員11.9mの境界線から2倍23.8mを超えた東側道路4mの中心から10mまでの区域の検証だ。

 上端部の算定位置で-0.007%NGのようだ。

アイソメ図でみると

図11

高さ制限を大きく超えている。ただし天空図重ね図で確認すると

図12

高さ制限を超えた計画建築物(赤表示)の面積30.012 敷地内空地分29.901その差-0.111ポイント敷地内空地の面積が少ない為、NGとなる。

 高さ制限を大きく超えている割に差分が接近する事を検証しよう。

高さ制限を超えた高さが

 (3.4×2+4)×1.25=13.5m

 

 一方、道路中心10mに面する幅は5.567mと狭い。

その為、各算定位置からみえる空地面積の見え係の面積はより大きく投影され、高さ制限超えた計画建築物の部分の天空率はより低下し大きく道路斜線NGの割に天空率の差分は少ない。

 

 ・・・・するとこのケースの場合「最適後退距離」が利用可能ではないかと閃いた。

 「天空率算定チャート図」で「最適後退距離」を確認してみよう。

図13

「天空率算定チャート」ダイアログ左下部の「斜線適合最適値」ボタンをクリックし確認すると

図14

「計算された外壁後退距離」つまり最適後退距離が1.044mである事が分かった。早速適用して天空率計算を行うと

 

図15

差分0.858%で余裕でクリアーする事がわかった。

このように面する幅がせまい場合で後退距離が十分広い場合、最適後退距離でクリアーする場合がある。

 本来東側4m道路に面する道路の接道幅は約28mで広い。

ただし施行令132条で区分される事によりこの様に道路に面する部分が狭くなるケースは往々にしてある。

令132条を正しく理解し利用したい。

 

 さて本題に戻りさらに12m道路の場合で東側4m道路の後退距離を前例で最適後退距離となった1.044mを適用して天空率計算してみると

図16

1.5勾配区域で緩和されしかも最適後退距離1.044mを適用したのだがNGだ。

・・・・比嘉ブログ的には面白い展開となった。

区域および後退距離の詳細な検討をしなければならない・・・・・さっそく検証しようと思ったが長くなった・・・・次回にしよう。

 では次回までお元気で!   hi

 

 

比嘉ブログ

 

 

 

道路天空率 法56条3項を考察する その3

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12月8日東京は、今季一番の強烈寒波の土曜日・・・らしい。

 これは、今朝の近くの公園の様子。東京のモミジもそろそろ見納めかな。

 本日は、朝から明海大学不動産研究センターCAD実務修習の講座。

公園で呑気に木々を愛でてる場合でもない。

 

 朝10時からの講座は、先ほど5時で無事終了。

今回のテーマは、新宿西口オフィスビルの天空率を駆使した建物想定法。法規解釈から実践まで無事終了。

 

 皆さん不安げな表情で始まった講座も終わる頃には、自信満々の笑顔。比嘉にいじられながらもめげないのが偉い!。

 まだまだ先は長いがスタートラインに乗っかり走りだせそうって感じかな。頑張れ!次回は日影規制と共同住宅マンションの想定法。

再会を楽しみにしてます。

 

 さて今週も天空率講座有りだ!

 

 講座を始める前に・・・

どうも画像が多いとブログがアップできなくなった様で、このところその限界で講座を終了としている。

その為、若干、前回の補足をしたい。

前回後退距離を計画建築物の後退距離そのもので、適合建築物を設定して解析した際に、NGになった事案を

図1

「天空率算定チャート」ダイアログ左下部の「斜線適合最適値」ボタンをクリックし確認すると

図2

最適後退距離が1.044mである事が分かった。早速適用して天空率計算を行うと

 

図3

差分0.858%で余裕でクリアーする事がわかった。

その際天空図重ね表示で確認していただくと明確になる。(前回この画像がアップできなかったので今回提示)

図4

NGだった算定位置からの見え係を図3と同時に眺めて確認していただきたい。

 後退距離を狭め、算定位置に近接した結果、NGだったP28からの見え係では左右に適合建築物が広がる効果でクリアーする事になった。

 

 

 さて本題に戻りさらに12m道路の場合で東側4m道路の後退距離を前例で最適後退距離となった1.044mを適用して天空率計算してみると

図5

1.5勾配区域で緩和され、しかも最適後退距離1.044mを適用したのだがNGだ。

 ここまでが前回の話。

今回は、NGになった最適後退距離による区分で法56条3,4項のと令132条による区分が複合された場合の区分法、を検証する事から始めたい。

まずは、法56条4項の後退距離を最適後退距離で採用した。

12m道路に面した1.25勾配の区域から始めたい。

この道路に面した後退距離は1,100mm

図6

(12+1.1×2)×1.25=17.75mまでが1.25勾配で区分される区域。

そこで問題が右端円弧で囲った部分で20mとなっている。

適用距離が20mゆえおそらく適用距離まで延長された事は、わかるのだがその部分を拡大して検証してみよう。

図7

12m道路と4mの2方向道路ゆえ4m道路側には、広い道路12m幅員が適用される。その際、前回の最適後退距離1.044mが適用されている為に

(12+1.044×2)×1.25=17.61m

までは、1.25勾配の区域となる。その区域は4m道路に平行に適用される為に12m道路側からは、適用距離20mで区分される。

 図8

アイソメ図では、この様になる。

12m道路で1.25勾配を超えた1.5勾配の区域は

図9

1.25勾配の区域17.75の距離を超え適用距離20mまでが1.5勾配の区域となる。右端も同様に1.25勾配の区域を超えた部分までとなる。

アイソメ図では

図10

わずかに高さ制限を超えているだけゆえ問題なしでクリアーする。

次に4m道路側に面した1.25勾配の区域を確認すると

図11

この区域は、4m道路に面しているが最大幅員12mの2倍24mまでが12m道路が適用される区域。

(12+1.044×2)×1.25=17.61m

までが12m道路がまわりこみ適用される1.25勾配の区域。

下端は、12mに面して1.25勾配が適用される区域ゆえ適用距離20mで区分される。

アイソメ図では

図12

 

 さらに4m道路に面した1.5勾配の区域は

図13

12m道路側から17.25m、4m道路側から17.61mが1.25勾配の区域。

4m道路に面する幅は2A=24mで奥行適用距離20mで区分されている。NG箇所が3か所・・・。

上端のP21からの重ね図表示では

図14

 

マイナス差分がー0.0067%でわずかながらNG。面積比では1.36倍NG赤部の面積が大きい。

 アイソメ図では

図15

このNGに関しては後ほど解決するとして残りの令132条3項の区域

図16

OK差分が差0.961%で最大幅員が図3の最大幅員11.9mの場合0.858%よりOK幅が大きい。これは3項の幅が200mm狭くなった為に適合建築物、計画建築物ともに幅が200mm減少する為、天空率はいずれも増大するが高さが高い計画建築物のカット幅が大きく天空率がより増大する為。

図17

青破線が11.9mの見え係幅。

A側が計画建築物がカットされる分、B側が適合建築物がカットされる分だが計画建築物のカット幅が大きい事がわかる。

 

 ではどうする?

後退距離を計画建築物の後退距離3.401mで再度適合建築部を設定再計算すると

すべてクリアーした。区域区分もシンプルになった。

検証しようと言いたいところだが文字数制限を越えそうなんで次回にしよう。次回までお元気で     hi

 

比嘉ブログ

 

 

 

道路天空率 法56条3項を考察する その4

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12月15日快晴の土曜日。

本日も明海大学不動産研究センターのCAD実務修習の講座あり。

 

さすがに花もなかろう?と思いながら公園を通り会社に向かうと・・・この花「ホトトギス」らしい。この時期貴重な草花。

今日も9人に講座・・・頑張ろう・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 只今5時半。実務修習の講座終了。

早くブログをアップして帰りたい。

まずは先ほどまでの明海大学不動産研究センターの講座の様子から。

 都内某所の店舗付き事務所ビルの計画で斜線規制NGを天空率でリカバリーした事例を全員で作成。

 皆さん比嘉にいじられヘロヘロながらも最後に作品をバックにドヤ顔でパチリ!

 

今週の講座は・・・

まず火曜日はプランニング講座

天空率、逆日影を駆使して容積を消化し得意げなお二人。

 水曜日から大阪から参加の不動産鑑定のお二人

休憩時間に女子が焼き芋を買ってた。フットワークのよさにビックリだがて3人で栄養補給・・・無事逆日影計算を終了。手計算の後、TP-PLANNERで処理比較よくできました。

2日は朝一から天空率を学習し午後から昨日からの逆日影、斜線基線そして天空率を駆使して建物想定を行う。無事容積率消化で講座終了。これで大阪に帰る事ができる・・・思わずピースポーズでパチリ。

 

さて天空率講座を開始したい。

 前回のおさらいを若干行う。

法56条3,4項の適用を受けない住居系の2方向道路の最大幅員が、12m以下の11.9mでで最適後退距離を設定しクリアーした事例

図1

 

が最大幅員が12mに変わり、法56条3,4項の適用を受けた際に、同様に最適後退距離で区域区分し解析すると図1で解説する3項の区域はクリアーするのだが1.25勾配の区域がNGになった。

図2

 後退距離を計画建築物の後退距離3.401mで再度、適合建築物を設定再計算すると

図3

 NGが解消して全区域でクリアーした。

 今回は、このクリアーした要因の検証から始めたい。

南側12m道路側は、区分がまったく同様ゆえ前回の検証を確認していただきたい。

 4m道路側の区域が前回と大きく異なっている事がわかる。

 まずは4m道路側のすべての区域を確認すると

図4

令132条2項の区域と3項の区域それぞれ1区域だ。

どうやら1.5勾配の区域が存在しなくなった。

検証してみよう

図5

後退距離が3.401ゆえ

(12+3.041×2)×1.25=23.5025m,

適用距離20mが最大でそれ以上に区分される事は、無い。

適用距離20mは、すべて勾配1.25勾配の区域となる。

アイソメ図では

図6

高さ制限を大きく超えているようだが重ね図表示では

図7

 道路幅員が4mでせまく算定位置から空地の見え係が大きく投影されている事がわかる。

 

次に3項の区域だがこの区域は、最大幅員が11.9mの場合NGだった。

最大幅員11.9mの場合を確認すると

図8

 その為、最適後退距離を適用してクリアーしたのだが、最大幅員が12mに広がった今回は面する幅が200mm狭くなった、

図9

 天空率が適合、計画ともに上昇する。

ところが階高の高い計画建築物のカット幅が大きくその分天空率も適合建築物天空率より増大率が高くなりクリアーする事となった。

前回の解説

図10

 と同様だ。

最大幅員側の道路幅員が10㎝広くなる事で他の前面道路(4m道路側)天空率の区分法および結果が大きく異なる。

 

 という事でこの事案も一件落着。

次に用途地域が事なる場合

図11

敷地西側の大部分が商業地域の場合の区分法を検証してみたい。

用途地域の区分入力は

「用途地域」の項で、メインになる用途地域(この場合商業地域)を「用途地域自動発生」ボタンで1Km四方の範囲を自動配置する。

図12

「切断」コマンドで用途堺の線分をクリックし用途地域を区分した後にそれぞれの区域をクリックし選択後、用途地域情報を入力する。

商業地域は

図13

容積率が按分され本来400%が373.13%」となり適用距離は、20m。

一方「1種住居」側は373.13%に変わり適用距離が30mに設定される。

図14

後退距離を東側道路4mに面する側を1mに設定し区域区分を確認すると

図15

 

となる。商業系の要素が加わった為に区分法は、さらに煩雑になる。

早速開始して解説したいところだが、長くなった次回にしょう!。

 

 

比嘉ブログ

 

 

 


道路天空率 法56条3項を考察する その5

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12月22日

公園の柵脇で野菊がこっそり日向ぼっこ。この季節、貴重な花!・・・・小さなミツバチが2匹。

 

冬至の土曜日。日の出まもない6時50分頃。

 昼の時間が最も短い日。(日の出が最も遅いわけでも日の入りが最も早いわけでもない。)

 建築基準法56条の2の日影規制は、日照時間の最も短いこの日が採用される。

冬至における影の長さを東京と沖縄で比較してみた。

 

 

 北緯36度の東京に対して北緯26.5度の沖縄の影の長さが57.8%ほど。北緯が高くなるほど太陽との仰角は小さくなり影が長くなる。

ちなみに上図、日影規制における時間は、それぞれの場所で太陽が真南にきた時間(南中)を12時とする真太陽時の場合。

左右対称になる。

 日常利用する時間は明石で南中した時間を12時とする中央標準時が採用されている為、上図とは大きく異なる。

 

 明石では、左右対称になるが、東側にある東京では早く太陽が沈む為、16時の影が長くなる。

日の出時間は東京が早いので8時の影は沖縄と比較し短くなるが大差がないようだ。沖縄は16時の時点で影が短いという事は、冬至においても16時(4時)では太陽は高い位置にある事がわかる。

 ちなみに国立天文台の資料によると東京と沖縄の日照時間を比較すると。

 

東京(6時47分~16時32分)9時間45分
沖縄(7時13分~17時43分)10時間30分

沖縄の日没は夕方5時43分だ、東京より1時間10分程長い。

 

日の出時間が26分程の差に対して日没は1時間11分。

その差が中央標準時の日影図で確認された。

思わぬ事で日影講座になってしまった。

 

さて、先週までの講座ラッシュも一段落し今年の講座は終了。

 

 比嘉ブログ 天空率講座は、あるぞ!

今回は「道路天空率 法56条3項を考察する」シリーズの5回目で最終回。

 

天空率講座開始!

 

 

図1

 前回、敷地西側の大部分が商業地域の場合の区分法を始めた。

前回は、複数用途地域の入力法から天空率計算までをおこなった。

 

解析結果は

図2

 

 商業地域で12mに面した区域がNGになっている。

面積按分の結果、住居系に面した適用距離が30m東側に4m道路に面した区域も区分がよりわかり難くなっているようだ。

 まずは南側商業地域に面した区域の検証から

図3

若干奇異に感じられるのが円弧で示した第1種住居側に面した突起した区域。

この区域は法56条4項が適用され勾配が1.5勾配となる区域。

(12+1.115×2)×1.25=17.7875m

を超え適用距離30mまでが1.5勾配の区域となる。

 4m道路側に面した区域は、やはり12m道路が回り込み適用される為56条3,4項の対象となる。後退距離1mゆえ

(12+1×2)×1.25=17.5mを超えた区域が1.5勾配の区域が1種住居の区域内に適用される。

 アイソメ図では、

図4

となる。道路天空率の区域区分は、用途地域では、なく勾配で区分される。

 

前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限を適用しない建築物の基準等第一三五条の六
2 当該建築物の敷地が、道路高さ制限による高さの限度として水平距離に乗ずべき数値が異なる地域、地区又は区域(以下*道路制限勾配が異なる地域等*)にわたる場合における前項第一号の規定の適用については*
道路制限勾配が異なる地域等ごとの部分の」とする。

 

 商業系の1.5勾配に加えて住居系用途地域12m道路の1.25倍を超えた区域は同一の区間として処理される。

 

 ところで12m道路に面した区域は、十分に空地がある様に思われるが右端部でNGとなっている。その原因を検証してみたい。

 まずは重ね表示で確認してみよう。

図5

 

おや?差分が0.032%で0以上だ!緑の適合建築物の面積が赤の高さ制限を超えた部分の面積より大きい。

 これは、積分法による精算法で処理した場合の結果。

差分が0%以上でありクリアーと判断して良としたいが、確認申請時には、三斜求積による安全差分が要求される。

 三斜求積による安全差分とは、精算法の結果と比較し高さ制限適合建築物は、大きめに評価する。

 下二けたで簡便に考えると0.01%以上増大している事。

計画建築物は、低めに評価する。0.01%以上低下。

さらに3桁めの桁落ちを考慮し0.01%を加算すると概ね合計0.03%が必要になる。

 

 では、0.032%は、クリアーで良いのでは?としたいところだが・・

 東京において試案の段階でのルールだが、上記三斜求積による安全差分に加えてさらに0.02%の差分確保が必要とされた。

TP-PLANNERでは、それらが考慮され合計0.05%以下を赤表示とする。

 最後に加えた東京試案の0.02%加算に関してJCBAでは、

「適用事例集」P256 で下記のように記されている。

 

図6

「数値による安全率(0.02%など)の適用の有無については・・・・設計側審査双方が理解した上で、適宜判断するものとする。」

 

この安全率の解説は、比嘉ブログでも何度か解説している。

道路面が地盤面より低い時の天空率計算 4

の回を参照していただきたい。

*尚閾値は設定する事が可能で三斜求積の結果が0%以上なら積分法の安全差分は、0.03となる。

TP-PLANNERユーザーの為にその変更は、

適合建築物と基準線を自動発生させる項の、新天空率算定領域(もしくは天空率算定領域)ダイアログ内

図7

 

「自動発生詳細」ボタンをクリックし「規制内外判定値」を0.03%等の設定をする事が可能です。(三斜の安全差分を考慮すると0.03%以下は、設定しない事)

 

 

 申請時の三斜求積の差分比較を近接点の判定表で確認すると

図8

三斜求積天空率結果は積分法と比較して適合建築物では大きく(88.861-88.849=0.012%)、計画建築物では(88.868-88.881=-0.013%)

小さくなっている。この事から申請時の三斜求積法として正しい事がわかる。

 そして三斜求積の結果の差分

計画建築物天空率88.868-88.861=0.007%≦0.02%

となる。この結果は、三斜求積に加えてさらに安全差分0.02%が要求された場合NGになる事を意味する。

 この結果は、審査と設計双方で三斜求積など安全差分が含まれると判断された場合は、不要とする事より審査サイドと協議する必要がある。

 

 区域の検証を続けよう

南側12m道路に面した1.25勾配の区域は

図9

南側後退距離は、1.115mより

(12+1.115×2)×1.25=17.7875m,までが1.25勾配の区域。

4m道路側の後退距離は、1mより

(12+1×2)×1.25=17.5m,までが1.25勾配の区域。

したがって南側12m道路側の4m道路に面した方向の奥行距離は適用距離30mまで延長される。

アイソメ図で確認すると

図10

 

 次に東側4m道路に面した1.5勾配の区域から

図11

南側から最大幅員の2倍24mまでが広い道路12mが適用される区域となる。その下側は

(12+1.115×2)×1.25=17.7875mを超えた区域に1.5勾配区域。

4m道路側からは適用距離30mが適用される。

30mは、商業系まで延長されるが適用距離は接する前面道路の有する。

 
 適用距離の設定は政令第130 条の11 で適用距離の特例として前面道路4mに接する敷地の部分の属する地域とする事より、全ての区域に1種住居地域の適用距離が適用される。

(建築物の敷地が二以上の地域、地区又は区域にわたる場合の法別表第三(は)欄に掲げる距離の適用の特例)
第一三〇条の一一 建築物の敷地が法別表第三(い)欄に掲げる地域、地区又は区域の二以上にわたる場合における同表(は)欄に掲げる距離の適用については、同表(い)欄中「建築物がある地域、地区又は区域」とあるのは、「建築物又は建築物の部分の
前面道路に面する方向にある当該前面道路に接する敷地の部分の属する地域、地区又は区域」とする

 図12

天空率の区域は、用途地域で区分されるのでは、なく勾配で区分される。

さて残りの部分だが1.25勾配が適用される区域は簡単に解説したい。

最大幅員12mの2倍24mまで12m道路幅員が適用され法56条3,4項の対象となる。

図13

 

その残りの部分が道路中心10mの区域だが、油断してはいけない。

その区域は、用途で区分され商業地域は1.5勾配で区分され

図14

 

用途境界線を超えた商業地域が1.5勾配の区域で1種住居側が

図15

 

1.25勾配の区域となる。

この事例では、6区域に区分される。

住居系で12mを超える道路の場合は、勾配区分が変わるので区域区分が複雑になる。気を付けたい。

 

 さて基準法56条 3,4項の解説は、ここまで

 

次回からしばらくサポートセンターに寄せられた質問を題材に検証していきたい。

 

 次回は

図16

隣地境界線沿いに設定された塀の効率的な入力方法から始まり

12m道路天空率が後退距離6.903m(最大)を採用するとNGになる不合理への対処方法を解説したい。

 

 さらに令132条区分で最大幅員に次ぐ幅員(いわゆるB幅員)の前面道路の境界線からの最小幅員(D)までの距離が狭い場合の区分法の解説へと展開したい。

 

 来週は、今年最終週で忘年会に大掃除と忙しくなりそうだ。

寒い日が続きます・・・風邪などひきませぬよう次回までお元気で! hi

 

比嘉ブログ

 

 

 

敷地幅が狭い4方向道路における令132条区分法 ①

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 12月29日今年最後の土曜日

お寒うございます。この季節の花は、山茶花だのみ。今年2回目の登場。いつもの公園ではなく、会社にほど近いJR高田馬場駅前ロータリーを超えた早稲田通りぞいで真っ赤な山茶花がいっぱい。

公園近くの生垣は白で勝負

 これでめでたく紅白で今年の最後の回を迎える事ができそうだ。(面倒だから恒例にしよう。)

 今日から6日まで9連休が始まる。

多分比嘉ブログどころではないだろう?!

 仕事納めの今週は忘年会が続いた。 

 

 当方も本日、ラッパ仲間との忘年会で吹き納め。

 

今年最後の天空率講座をサクッとすませて出かけるとしよう。 

 

 今年も1年間、大勢の皆さんに実務の講座と共に比嘉ブログ講座もご参加いただき感謝しております。

 

 今回から年初にかけてサポートセンターに寄せられた質問への回答形式で自動区分された区域の法的根拠の解説を行いたい。

 

 ところでサポートセンターに寄せられた質問でもっとも多かったのが複数道路における令132条関連の質問が多い。最終回の今回も「敷地幅がせまい4方向道路の令132条区分法」と題して解説したい。

 

敷地幅が狭い事による令132条の区分法がどの様に影響するのか?!解説したい。

 

 今回の事例は

図1

 

この4方向道路の事例では、北側に最大幅員12m、西側10.8、南側6.2m東側5.3mの順の幅員差となっている。

用途地域が商業地域ゆえ前回までのように最大幅員の1.25倍までは1.25勾配などと区分されない。すべて1.5勾配だ。

アイソメ図では

図2

北西側の隣地境界線沿いには、幅200、高さ1200の塀が設定されている。その場合後退距離の対象とならないが建築物として入力する必要がある。

 

 今回この事例の、検証解説のテーマとしては3項目

1)適用距離内に後退距離の対象とならない塀のみが建築物として存在する場合、板塀状建築物の効率的入力法

 

2)最大幅員12mから建築物本体までの距離が6.093mこの間に存在する建築物は塀のみ。このようなケースでは、後退距離内で適用距離に達する為、適合建築物が存在しない。その為、高さ制限適合建築物の天空率は100%となりNGになる。その事の解説と対処法。

 

3)東西方向の幅がせまい場合道路中心10mの区分法の検証。

 

まず1)のテーマから始めよう。

1)適用距離内に後退距離の対象とならない塀のみが建築物として存在する場合、板塀状建築物の効率的入力法

 

 天空率解析の本題に入る前に隣地沿いの塀の入力は、境界線が複雑になると塀の幅が200mmと狭い事も有り入力が困難になる。

 簡単に入力できる方法から解説を開始したい。

 

1)「属性線」で板塀発生基準線を入力する。

 

「入力」「属性線」の項目で「連続線入力」モードで

図3

 

「属性線入力」ダイアログボックスの「板塀発生基準線」にチェックを入れ隣地境界線を連続クリックし入力を行う。終了は右ボタンメニューから「終了」を選択。

 

2)「建物」入力項目に移動し

図4

右ボタンメニュー(コンテキストメニュー)から「板塀状建物発生(F)」を選択する。

 

3)指示にしたがい隣地境界線をクリック後、敷地の内側(壁厚を発生する方向)に再度クリックする。

図5

 

4)壁厚、高さを入力する。(初期値では幅0.2m高さ1.2m)

図6

 

今回はそのまま「OK」で確定。

5)自動発生した塀を選択し「外壁後退対象」のチェックボタンをOFF設定し「現在の値を適用」で確定する。

図7

 

以上がテーマ1)の板塀の簡便入力法

続いてテーマ2)

2)最大幅員12mから建築物本体までの距離が6.093mこの間に存在する建築物は塀のみで、適合建築物が存在しない。

その為、NGとなる。その際の対処法

 

 これが何を意味するかだがひとまず適合建築物を自動発生し天空率計算を行うと。

図8

適用距離内に計画建築物がなく後退距離も6.903mで道路斜線断面図では問題なくクリアーしているのだが・・

図9

 道路天空率では、NGという不合理な結果となった。

この結果を見て一瞬パニックになりサポートセンターにヘルプとなる。

 

 結果を検証してみよう。

図10

 

どうやら後退距離6.903mをそのまま適用している。

 その場合、最大幅員12m道路の反対側6.903mから適用距離20mは、後退距離内となる。この場合道路面が低いわけでもなく地盤も存在しない。

 

 天空図を表示し比較すると

図11

 

 適合建築物は存在しない為に天空率100%。一方高さ1.2m、幅0.2mの塀の天空率は、99.99%。

 天空図の外周にわずかにあるだけだが存在するだけで多少なりとも天空率は低下する。

結果的に適合建築物が存在しない為のNGである事がわかる。

 では、どのように解決するのか?まずは適合建築物の作成法を記述した施行令135条の六を確認しよう。

 

前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限を適用しない建築物の基準等)
第一三五条の六 法第五十六条第七項の政令で定める基準で同項第一号に掲げる規定を適用しない建築物に係るものは、次のとおりとする。
一 当該建築物****
二 
当該建築物の前面道路の境界線からの後退距離(法第五十六条第二項に規定する後退距離をいう。以下この号において同じ。)が、前号の道路高さ制限適合建築物と同一の道路高さ制限適合建築物の前面道路の境界線からの後退距離以上であること。

 当該建築物の後退距離は、道路高さ制限適合建築物の後退距離以上である事と・・・・とある。

 適合建築物の後退距離は、計画建築物の後退距離以内で任意の距離で設定する事が可能になる。

 ⇒後退距離を0mに設定すると反対側の道路境界線に高さ制限の起点が設定される。

 その場合、敷地内20-12m=8mまでの区間に道路高さ制限適合建築物が発生する事になる。確認してみよう。

図12

 

 どうやら円弧で示す建物EV部が区域内に入ってしまったようだ、緑の空地に対してEV部の幅はせまい。

問題にならないだろう。

天空図で比較すると

図13

 

適合建築物の天空率84.922%、計画建築物98.42%その差13.49%で余裕でクリアーとなる。

 念の為だが最大道路幅が適用距離と同じ幅20mの場合、後退距離を0mに設定しても当該敷地に高さ制限が適用されない為、適合建築物が存在しない。

区域が存在しない為、天空率比較は不要となる。

 

 そして最後のテーマ

 

3)東西方向の幅がせまい場合道路中心10mの区分法の検証。

2)のテーマで解説した最大幅員12m道路以外に面する最大幅員12mが適用される区域から

 

 ・・・っと思ったが今回も長くなった。次回年明けの1月5日にしよう。

 

 今年も比嘉ブログ天空率講座にご参加いただきありがとうございます。皆さんの見てるヨを励みに講座を続けております。

来年もお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

良いお正月をお迎えください。

 

では来年までお元気で!

 

比嘉ブログ

 

 

敷地幅が狭い4方向道路における令132条区分法 ②

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 2019年・・・今年初の比嘉ブログ。

皆さまあけましておめでとうございます。

 

  元旦の日は映画館をはしご。

浅田次郎の幕末三部作「輪違屋糸里」を有楽町で鑑賞。

映画の後、日比谷通りのイルミネーション。

そういえば皇居もライトアップしてるとか・・・そのまま2重橋を目指したが2日からの一般参賀を控えて厳重な警備で入れず。・・・残念。

 変わりに東京駅をパチリ。

新宿に移動し「ボヘミアンラプソディー」を最終回で鑑賞。これは評判通りの感動版・・・!。帰るなりYUTUBEでQUEENを再確認・・余韻に浸る。

 

 3日、箱根駅伝で母校東海大の優勝を確認。この日に至るまで応援歴約40年。これも感動。

 アンカーがゴールに飛び込むと同時に標高929m御岳神社へ。

ケーブルカーと330段の階段を上り到着(一泊後の翌日だが)

 

 さすがに関東が一望できる眺め

正月早々いい運動になった。今年も頑張るぞ!

 

 東京オリンピックが来年に迫っってきた。

いよいよ東京の景色が良くも悪くも大幅に変わる。関連施設の完成が楽しみだ。

 平成も今年4月まで。

平成8年に始めた比嘉ブログも12年目。(会社も10月で35年目突入。)

 

 今年も具体的な事例レポートで天空率、日影規制の検証を続けていきたい。

頑張るぞ!

 

・・・ っと気勢を上げたところで今年初めての天空率講座を始めたい。

 

昨年サポートセンターに寄せられた質問の中で多かったのが令132条:複数道路が存在する際の区分法。

昨年末からの続きだが4方向道路の区分法から解説を始めたい。

 

 昨年末から始めた事例は以下

 

図1

前回は

 1)適用距離内に後退距離の対象とならない塀のみが建築物として存在する場合、板塀状建築物の効率的入力法

 

2)最大幅員12mから建築物本体までの距離が6.093mこの間に存在する建築物は塀のみ。このようなケースでは、後退距離内で適用距離に達する為、適合建築物が存在しない為、高さ制限適合建築物の天空率は100%となりNGになる。その事の解説と対処法。

まで解説をおこなった。

今回は

 

3)東西方向の幅がせまい場合道路中心10mの区分法の検証。

 

 今回の事案は、道路中心10mの区域、つまり令132条2項と3項の区域区分法が興味深いのだがその前に1項の最大幅員の区域から解説したい。

 

12m道路に面した区域は前回解説したが、後退距離6.903を0mに設定する事により高さ制限適合建築物が発生しクリアーした。

 

 東西方向にまわり込む最大幅員でまずは西側10.8m道路に面した部分の最大幅員の区域は

 

第132 条 建築物の前面道路が2以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の2倍以内で、かつ、35 メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が10 メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。
 

最大幅員12m道路の2倍24mまでとそれを超えた部分はその他10.8mと6.2m道路の中心10mを超える区域。

高さ制限は大きく超えているが北側に空地が大きくありその分でクリアーしている事がわかる。

 東側側5.3m側は

 

この場合、広い道路側から2倍24mまでは最大幅員12mが適用されるが、西側と異なるのは、後退距離を最大の1.3mを採用しており最大幅員の2倍24mを超えた部分は道路中心10m以内には存在できない為適用距離20mで区分される。

 

 後退距離を西側同様に0mに設定すると

東側5.3mの後退距離を0mに設定すると道路中心10mを超える部分に最大幅員12mからの適用距離までの部分が存在する事になり円弧部で示すように突起状に区分される。

 後退距離は計画建築物の後退距離内であれば自由に設定してよい。その事で区分形状は異なってくる。

 

 さていよいよ道路中心10mの区域だこのシリーズの解説の目的はこの区域の設定法の確認にある。

まずは法文から

2 前項の区域外の区域のうち、2以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の2倍(幅員が4メートル未満の前面道路にあつては、10メートルからその幅員の2分の1を減じた数値)以内で、かつ、35メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

順々に確認しよう。

まずは、西側10.8m道路に面した区域

最大幅員12mの境界線から2倍24mを超えた西側10.8m南側6.2m道路中心10mまでの区域。

この場合10.8m>6.2mゆえ10.8m道路が適用される区域。

西側10.8mの境界線から2倍までだが適用距離を越えられない為適用距離で区分される。これで西側10.8m側に面した部分の高さ制限が適用される道路幅員の区域が確定した。

アイソメ図では、

この区域は南側6.2mに面した部分も2倍までが10.8mが適用される区域となる。

南側6.2m道路に面した部分の区域に適用される道路幅員は

今度は、道路高さ制限は南側道路の反対側から適用される為、面する幅は、10.8m道路の2倍21.6mまで広がる。

後退距離が1.5mゆえ6.2m道路反対側に10.8mさらに1.5mの位置を起点として10.8m道路中心10mの区域は適用距離20mまで延長される。東側5.3側も同様に適用距離までが突起状に延長される。

アイソメ図では

 

高さ制限を大きく超えているようだがクリアーしているという事は西側空地から通風採光が確保可能だという事だ。

天空図を重ね図表示してみると

高さ制限を超えた赤部の面積より敷地内空地を示す緑部の面積が4ポイントほど大きい。⇒クリアーとなる。

天空率やるな!

6.2m道路に面した区域は、東よりにまだある検証を続けたい。

北側最大幅員12mの2倍24mを超え西側10.8mの2倍21.6mを超えた区域では南側6.2m>東側5.3mゆえこの区域は、6.2m幅員が適用される区域となる。アイソメ図で確認すると明確になる。

 6.2m道路の反対側に後退距離1.5mを加算した位置を起点に高さ制限適合建築物が適用されている事がわかる。

この区域は東側5.3m道路側にも6.2m道路が適用される。

アイソメ図で確認すると

6.2m道路幅に後退距離1.3mを加算した位置を起点として高さ制限適合建築物が作成されている事がわかる。

 

 これで全区域が区分されたと思いたいところだが今回の質問は

「不明な区域が区分されていますが必要ですか?」と下図を示した。

どうやら東側5.3m道路側に面した高さ制限適合建築物のようだ。最後になったがこの区域の検証が今回のメインテーマ

2 前項の区域外の区域のうち、2以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の2倍(幅員が4メートル未満の前面道路にあつては、10メートルからその幅員の2分の1を減じた数値)以内で、かつ、35メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

最大幅員の区域以外の区域が道路(10.8m。6.2m,5.3m)3の前面道路有。それぞれの2倍の比較は10.8m道路の2倍21.6m以内で5.3m道路から2倍10.6m以内の区域は幅員の大きい10.8m道路が適用される。

 したがって5.3m道路側にも10.8m道路があるとし道路反対側に後退距離1.3mを加算した位置から道路高さ制限が適用される。ただし適用距離20mで区分される。

 

 アイソメ図で確認すると

10.8m道路が適用されている事がわかる。

 

この事例では10.8m道路から5.3m道路までの幅が狭い為に、それぞれの2倍までが重なる区域が生ずる為にこの様な区域が存在する事となる。

 

 敷地幅が1m広がった場合

10.8mと5.3mの2倍が重なる区域を黄色で示したが後退距離を考慮した場合、適用距離はその黄色の区域に達しない為、不要となる。

 ただし後退距離を0mにするとわずかに黄色のエリアに適用距離が達する為に狭い幅で区分される。

 

 以上の事より令132条の区分された形状は、敷地幅、道路幅員、後退距離、あるいは行き止まりによっても区分形状が異なる。

 法文に照らして齟齬がないか確認したい。解説本に描かれた区分図は、一例にすぎない事に注意したい。

 

 さて年明けの第1回目の今回は、来週から始まる本格的な仕事の準備運動を兼ねていただきこの程度で・・・西郷ドン終わったけど・・

「今宵はここらでよかろうかい・」

今年もよろしくお願い致します。

 

比嘉ブログ

 

 

1の道路か否かで大きく異なる天空率結果 ①

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 1月12日東京は、凍りついてしまいそうな寒い土曜日。

とうとう初雪が落ちてきた。

 いまさらだが、我が家のMの廊下越しの今年の初日の出。

遠くのスカイツリーがくっきり。

 日の出はさらに右側だが・・・・他のマンションが邪魔して撮れず。

今週月曜日からの仕事はじめは・・恒例により商売繁盛でご利益があると云われる穴八幡神社。

商売繁盛を祈願する大勢のビジネスマンに交じり

世界平和と比嘉ブログ読者の皆様の繁栄を祈願した。・・・?

ポケットからつまんだお賽銭では足らないかもしれない?!・・・。

 そして会社に戻り仕事開始!

今年も始まった頑張ろう!

 

 早速だが天空率講座を開始したい。

今回は、変形道路の天空率解析。

事案は

図1

途中から幅員が2倍に拡幅された変形道路。

用途地域は商業地域で12m、6m道路それぞれの道路反対側から道路高さ制限を確認すると

図2

それぞれの高さ制限を超えNG。

そこで天空率計算となるのがだ、その際まず確認しないければならないのが6mから12mに広がる前面道路を1の道路として扱うのか2の道路とするのか行政サイドと協議し方針を確定する必要がある。

 

 道路高さ制限は基準法56条に記述されており基本的な考え方として

1項一号に

第五十六条 建築物の各部分の高さは、次に掲げるもの以下としなければならない。
一 別表第三い欄及びろ欄に掲げる地域、地区又は区域及び容積率の限度の区分に応じ、前面道路の反対側の境界線からの水平距離が同表は欄に掲げる距離以下の範囲内においては、当該部分から前面道路の反対側の境界線までの水平距離に、同表に欄に掲げる数値を乗じて得たもの
 

 基本原則として道路の反対側の境界線から適用距離まで別表第三にあげる数値(勾配)を乗じたものとあり変形道路の場合でもその様に高さ制限を適用すればよいのだが

 

6項において

6 建築物の敷地が二以上の道路に接し、又は公園、広場、川若しくは海その他これらに類するものに接する場合、建築物の敷地とこれに接する道路若しくは隣地との高低の差が著しい場合その他特別の事情がある場合における前各項の規定の適用の緩和に関する措置は、政令で定める。

 

 2以上の道路に接する場合は施行令132条で道路高さ制限を適用する道路幅員を確定する。道路幅員が途中から拡幅されている場合もその拡幅度が著しいと判断された場合、2の道路と判断される事もある。

 

 

令132条の目的は

「令132条区域と適用距離の関係:間違った指摘への解答法 1」

図3

 

 

の回を確認していただきたい。

図4

 

 

この変形道路を一の道路とするのか二の道路として令132条を適用するか否かによて天空率解析結果が大きく異なる。

 

 JCBAでは、「適用事例集」P240において「一の道路の取扱い」を記述しており基本の考え方として

図5

 

屈曲道路の場合隣り合う道路中心線の敷地側からの内角が120度以上の場合連続した「一の道路」を意図する。

 

内角120度以上を一の道路とする法的根拠は

(道に関する基準)
第百四十四条の四 法第四十二条第一項第五号の規定により政令で定める基準は、次の各号に掲げるものとする。

二 道が同一平面で交差し、若しくは接続し、又は屈曲する箇所(交差、接続又は屈曲により生ずる内角が百二十度以上の場合を除く。)は、角地の隅ぐう角をはさむ辺の長さ二メートルの二等辺三角形の部分を道に含むすみ切りを設けたものであること。ただし、特定行政庁が周囲の状況によりやむを得ないと認め、又はその必要がないと認めた場合においては、この限りでない。
 内角が120度以内の場合、隅切りを設置する事より道路が2に区分される。120度をこえた場合、隅切りが不要で連続した道路「一の道路」とする。

 

 道路中心線120度の判断以外に幅員差が著しいと判断された場合は2の道路とする考え方もある。

 

 P242では「クランク状の場合」と題して

図6

 

一の道路とするのが図2-7-36、二の道路とするのが図2-7-38で解説されている。

さらに

P243では「幅員が一定でない道路の場合」と題して

図7

図2-7-44では二の道路として扱う場合

さらに図2-7-42では一の道路として扱う場合

図8

が記述されている。

幅員差により一の道路とするか否かは、一般的に行政単位で異なる事が多い。

まずその事を確認する事が必須となる。

 

 では例題における比較を行ってみる。

まずは「一の道路」として判断されたケースからはじめよう。

 

 TP-PLANNERユーザーの為に簡単な操作ガイドとともに解説したい。

敷地、用途地域、建物等の基本入力の後「新天空率算定領域」の項に移動し

図9

 

「道路・一の隣地」を選択する。

*選択は、隣地が敷地区分、一隣地等と異なる解析法がある為に選択項が3項あるが隣地をおこなわない限りいずれを選択しても良い。

図10

基礎情報の項で「発生」ボタンをクリックする事により基本条件で入力された道路幅員、用途地域等から道路形状および条件が自動発生する。

 

 今回道路反対側が変形している為に「前面道路編集」の項の「道路反対側境界線」を選択後、自動発生した反対側の端部をドラッグし作図された道路反対側まで移動する。(この位置が適合建築物を発生する基準線となる。)

 

 さらに算定位置の基準線を設置する位置は「現況反対側境界線(*)」を選択する。

 ただし道路反対側と同様ゆえ「連続線複製」ボタンをクリックし算定基準線を確定する。

入力事項は以上。

図11

 

 高さ制限種類を「道路」を選択後「発生」ボタンをクリックし一の道路の適合建築物が自動作成される。

 

「出力」で算定基準線がさらに自動配置される。

図12

 

 解析を行うと

図13

6m道路に面した算定位置でNGとなる。

適合建築物物の法的根拠を確認すると

図14

 後退距離1.18mが反対側の変形した道路境界線から1.18m後退した位置を起点に適用距離20mが適用される。屈曲した位置では屈曲した反対側の境界点を起点に適用距離を円弧状に設定する。

 

 つまり反対側の屈曲点から適用距離20m-後退距離1.18m=18.82mを半径とする円弧で適用する。

 

 高さ制限の起点は原則通り道路の反対側の道路境界線を起点とする。この事は通達集でも

図15

提示されている。

(*この場合は2の道路とする場合の令132条区分法の解説だが最大幅員側の起点は同様に行う。)

 

 さて結果がNGとなるのは

図16

 6m道路前面の計画建築物が大きく高さ制限を超えている事が原因だと思われる。左側の空地が有効に機能しそうだが

天空率NG差分が著しいポイントから天空図重ね図で確認すると

図17

 

高さ制限を超えた赤部分の面積が108.5に対して緑の空地が82.79と小さい。その為NGとなっている。

 6m道路の反対側から敷地左側の見通しが悪く緑の空地部は大きく投影されない事がわかる。

 

 次に幅員差が著しいと判断され2の道路とされた場合の操作と解析を解説したい。

 ・・・と思ったが前半の解説が長すぎた今日はここらでよかろうかい(西郷ドン語りは今年も続く)

でも気になるだろうから結果だけをお伝えしておこう

図18

余裕でクリアーする事になる。

この法的根拠も時間をかけて解説したいので次回にしたい。

では次回までお元気で!

 

比嘉ブログ

 

 

1の道路か否かで大きく異なる天空率結果 ⓶

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1月19日土曜日 東京は、快晴の土曜日。9時現在の気温は6度

気温は低いようだ。

一転して・・これ

今週前半、沖縄に帰省。

沖縄この季節,陽が射すとTシャツでOKなんだが雨が降ると海風が吹き込み寒い。旅行される方、防寒具もお忘れなきよう。

東シナ海に落ちる夕焼けだが夏だと右側、真栄田岬の先端あたりから落ちる太陽も西よりとなる。これが17時45分頃、日の入りが18時あたりでまだ明るい。緯経度差(時差は無い:念のため)を感じる季節でもある。

 

 今週は、応援してきた稀勢の里が引退で寂しいやら・・・残念やら、若干ほっとするやらで複雑な思い。これからの長い人生、荒磯親方で頑張っていただきたい。これからも応援したい。

 全豪オープンも帰省のおかげで錦織、大阪なおみをじっくり応援できている・・相変わらず錦織は、ハラハラさせてくれる。

アジアカップサッカーもここまで順調・・森保ジャパンイイネ。

 本日は、ブラス仲間と音楽祭に参加・・・頑張ろう!。

 

 天空率講座を開始したい。

前回に続き変形道路の天空率解析。

事案は

図1

 

 この様な道路途中で拡幅された道路の場合、一の道路として天空率比較する方法と幅員差が著しいと判断され2の道路とする天空率比較の方法がある。

 いずれで解析するかは、行政サイドにより判断される事ゆえ事前に確認する必要がある。

 

 前回は一の道路として解析をおこなった。

結果は

図2

 6m道路に面する算定位置でNGになる事がわかった。

 詳細は前回分を確認していただくとして今回は、幅員差が著しいと判断され2の道路とされた場合の操作と解析を解説したい。

 

  2の道路とする場合「敷地」入力で「行き止まり」の設定をする必要がある。

図3

 まずは12m道路側の道路境界線をクリックし選択後、ダイアログボックス内の「終点行き止まり」ボタンをチェックする。(6m道路と接する側の端部)

*行き止まり設定を行う事により終点側から円弧状に最大幅員の2倍12×2=24mの区域が確定する。

 さらに6m道路に面した境界線も選択後、「始点側行き止まり設定」を

チェックする。(12m道路側と接する端部)

*尚、一の道路で解析した直後は「同一区間設定」されている為「全解除」で同一区間を解除する。

図4

設定は以上で終了。

「新天空率算定領域」に移動し自動発生の項の「道路境界」をクリックする。

図5

この様に敷地側道路境界線が120度を超える場合自動で「一の道路」として判断しその適用の可否を「同一区間の設定をしますか?」の問いには、「いいえ」を選択する。

 

 12m道路と6m道路に面した2の区域が自動発生する。

算定基準線は

令第135条の9 法第56条第7項第一号の政令で定める位置

法第56条第7項第一号の政令で定める位置は、前面道路の路面の中心の高さにある次に掲げる位置とする。

一 当該建築物の敷地(道路高さ制限が適用される範囲内の部分に限る。)の前面道路に面する部分の両端から最も近い当該前面道路の反対側の境界線上の位置

 

 反対側の境界線の位置ゆえ12m道路に面する反対側の端部まで移動するのが通常だがみなしの反対側として自動発生した面する位置まで延長する考え方もある。

*算定位置の端部は、行政等に確認の必要がある。

初期値では、面する全域に算定位置が発生する手法を採用する。

図6

 今回は、道路の端部までとしたい。

その場合、で境界線端点をドラッグし移動する。

6m道路側の基準線も同様に変更する。

 

 そして天空率解析を行うと

図7

2の区域ともにクリアーした様だ。

区域の根拠をそれぞれ検証してみよう。

図8

後退距離が

1.18m道路の反対側から適用距離20mまでが12m道路の高さ制限が適用される。行き止まり設定した右端からは

(適用距離(20m))-{(後退距離(1.18))+(最大道路幅員(12m))}=6.82mが敷地側道路境界線から適用距離20mまでの距離。

 12m道路の終端の位置から円弧状に適用距離が適用される。

その根拠はこの通達

図9

アイソメ図では

図10

そして6m道路側の天空率比較は

図11

 

最大幅員12m道路が行き止まり端点から2倍が24mゆえ今回は、右端までが18.29m。6m道路に面した道路は最大幅員12m道路が適用される。

 

 後退距離1.26mを考慮し

 

(適用距離(20m))-{(後退距離(1.26))+(最大道路幅員(12m))}=6.74mが敷地側道路境界線から適用距離20mまでの距離。

 

この場合最大幅員は、始点側の行き止まり端部から適用距離まで最大幅員が円弧状に適用される。

 

 アイソメ図では

図12

 

 

 明らかに高さ制限を超えた部分に対して緑の空地が多い事がわかる。

 

結論

2の道路とした事により狭い6m道路側も最大幅員が適用される事により、天空率は問題なくクリアーした。

 

 一の道路とするか2の道路として解析するかでは結果が大きく異なる。このような敷地側の道路境界線が直線状で反対側の道路幅員が異なるような変形道路の場合、行政等と協議し一か2か明確にしてから天空率比較する事が絶対条件となる。

 尚、道路天空率における適合建築物と算定位置の関係は比嘉ブログでも何度か解説したが改めて解説すると

図13

 

 

屈曲道路の取り扱い
屈曲した道路で、敷地側からみた道路中心線の屈曲角度が120 度を超える隣あう前面道路は連続した一の道路とする。
隣地越えの有無に拘わらず適用距離内にある当該敷地の部分には、適合建築物を作成する。算定位置はそれに面する端部まで延長される。
適合建築物は地盤を含む為、算定位置もその端部まで延長される。
道路高さ制限適合建築物は前面道路の反対側の道路境界線から後退距離を考慮した適用距離まで(後退距離は、計画建築物の後退距離内で任意に設定が可)

 

 これがJCBAの基本的な考えかた。凹型敷地で検証してみよう。

図14

この場合、前面道路の中心線の屈曲した隣合う角度が120度を超えている為、基本的に一の道路と判断される。道路幅員差を著しいか否かの問題はあるがこの場合、道路の反対側から後退距離を考慮した適用距離までが高さ制限が適用される原則に基づくと

図15

中央部は、隣地超えとなるが

隣地越えの有無に拘わらず適用距離内にある当該敷地の部分には、適合建築物を作成する。算定位置はそれに面する端部まで延長される。

に準じて一の道路で解析する事が基本的な考え方。

 

 アイソメ図では

図16

となる。

さらに中央部の隣地が適用距離を超えた場合でも同様の考え方が適用され

図17

中央の隣地部で分断されるが一の道路となる。

図18

尚このような変形道路の適合建築物はT-spaceで条件設定する事により容易に作成する事が可能になる。

比嘉ブログ右枠にある「このブログで検索」で「T-space」で検索していただければ多くの変形道路の入力設定法を解説している。

参考にしていただきたい。

 

 さてここらでよかろうかい。

しばらくサポートセンターに寄せられた質問をアレンジして解説をつづける事にしたい。

 

 次回までお元気で!

 

 

比嘉ブログ

 

 

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