6月9日土曜日。東京の今日は雨の予報ではなかったかと思ったが今のところ強烈な日差しの真夏日になりそう。
今日も朝から大リーグ観戦。田中マー君が力投していたのだが太もも裏を痛めたとかで降板。大谷は故障者リスト入りで大リーグファンとしてはどうしたもんだか・・。
昨晩サッカー、スイス戦は見てない・・が・・厳しい結果のようだ。南アフリカ大会の際も事前試合は悪かったと事を思いだした。
本番に勝てば良いわけで・・今は疲労のピークと考え良しとしよう。
これはヒメジオンかな風に吹かれてブレてしまった。
さて今週からまた講座がはじまった。
ベテラン建築士のお二人と天空率勉強会。熱心に参加していただいた。さらに追加講習を約束。再会を楽しみにしてます。
木曜日は静岡浜松に出かけてBIM勉強会を鈴木とともに行った
7月から本格的に勉強会が始まります。頑張りましょう。
そして昨日がハウスメーカーの3人組の天空率講座
次回は、日影規制の勉強会をぜひ行いたい。逆日影チャート、3D日影チャートの使い方をマスターし日影規制にも備えていただきたい。
再会を楽しみにしてます。
天空率講座を開始しよう
今回も前回までの解説のおさらいから始めたい。
高さ制限適合建築物は、計画建築物の後退距離の範囲内で任意の位置に設定する事が可能だ。
(前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限を適用しない建築物の基準等)
第一三五条の六 法第五十六条第七項の政令で定める基準で同項第一号に掲げる規定を適用しない建築物に係るものは、次のとおりとする。
一 当該建築物・・・
二 当該建築物の前面道路の境界線からの後退距離(*)が、前号の道路高さ制限適合建築物と同一の道路高さ制限適合建築物の前面道路の境界線からの後退距離以上であること。
計画建築物の後退距離内であれば道路高さ制限適合物が従来の道路斜線を超える事がない。その範囲内に設定した高さ制限適合建築物と計画建築物の天空率の大小を比較し計画建築物の天空率が大きい場合に従来の道路高さ制限(道路斜線)は適用しなくて良とするのが天空率の考え方。
とはいえ後退距離が広い場合、道路斜線の立ち上がり部が高くなる為、道路高さ制限適合建築物の投影面積が大きくなり天空率は低くなる。広い後退距離を採用する方が天空率がクリアーしやすいと考えるのが通常。
ただし必ずしもそうとも限らない。
例えば
後退距離を計画建築物の後退距離と同一の最大幅で採用した結果がNGになる事案でも
後退距離を変更すると(最適後退距離を適用)
計画建築物の形状を変形する事なくクリアーする事が可能になる。
では後退距離を0mにするとさらにクリアー差分が広がるか確認したのが前回。
今度は、適合建築物の仰角方向の投影面積が小さくなり適合建築物の天空率が増大しNGになった。詳細の検証は前回分を確認していただきたい。
今回は、この検証をさらに進めて敷地奥行幅は同一だが敷地幅が54mと広くなった事例を検証したい。
計画建築物高、後退距離は前回と同じ下図の様な事例の場合を検証してみたい。
道路高さ制限(道路斜線)を確認すると
これは、前回の敷地幅狭の事例とまったく同様の斜線断面形状になり道路斜線NG。
早速天空率計算を実行してみよう。
適合建築物と計画建築物のアイソメ図は
赤部分の道路高さ制限を超えた部分が大きいように思える。
適合建築物の前面の立ち上がり高は
((4.999×2)+11m)×1.5=31.47m
天空図で投影面積を比較すると
高さ制限を超えた部分の投影面積(赤部分)が51.614にたいして空地部分(緑)の投影面積46.75で小さい。その為天空率差分は-0.243%のNGとなる。計画建築物天空率76.008%で高さ制限適合建築物が76.251%。
では、最適後退距離計算を算出し建物をカットせずにクリアーするか否かを確認すると
現在の後退距離4.999mに対して計算された後退距離も4.999mで変わり無し。つまり後退距離の調整ではクリアーしない事がわかる。
では強制的に前回幅狭敷地の最適後退距離2.359mを適用して解析すると
最大のNG幅が-0.795%と2倍以上に広がりNG数も2から4に増加した。
アイソメ図では
適合建築物の後退距離が2.359mに狭まった為に
適合建築物の前面の立ち上がり高は
((2.359×2)+11m)×1.5=23.577mに低くなった分、計画建築物の高さ制限を超えた投影部分赤部分がさらに増大した感じだ。
天空図の重ね表示で比較確認すると明確になる。
高さ制限を超えた部分の面積(赤部分)が51.614から77.226に増大、て空地部分(緑)の面積46.75も61.25に増大している。
いずれも増大したが計画建築物のNG幅投影面積赤部分の増大率が高い。その為。天空率差分は-0.243%から-0.795%にNG幅が増大する。
計画建築物天空率は見え係部に変化なしゆえ76.008%で変わらずだが高さ制限適合建築物が76.803%で後退距離が4.999mの場合の76.251%に比較し0.552%NG幅が増大した。その分高さ制限適合建築物の全体の投影面積は小さくなった事になる。
なぜ高さ制限適合建築物の投影面積が減少したのか・・?
原因を明確にしておきたい。
チェックのポイントは天空図は見え係ゆえ算定位置(目)に近い部分の変化が天空率に大きく影響する事。
算定位置からの距離の比較で確認すると
方位角方向の距離が
約28m。それに対して後退距離減少による適合建築物の高さが
約26mと2mほど近いしたがって方位角:横方向の増大率より仰角方向が低くなった分の低下率の方が大きく結果に反映される。
後退距離2.359mの高さ制限適合建築物天空図(緑)と後退距離4.999m(青部)の高さ制限適合建築物に対する投影面積の減少を天空図を重ね表示する事で確認すると
後退距離が前面に近づいた分、左右方向には広がったがそれ以上に算定位置に近い青部分の高さが低くなった部分の面積が大きく減少した為に天空図投影面積が減少し天空率が増大する事となったようだ。
この様に敷地が幅広の場合は最適後退距離は計画建築物の後退距離の位置と一致する事がほとんどとなる。
また敷地の幅が狭い場合でも、計画建築物の後退距離が狭い場合、最適後退距離はその狭い後退距離幅と同一となる。
つまり最適後退距離計算が機能するには一定幅の後退距離を有する必要がある。
ただし幅広の敷地で後退距離が5m近くある場合で2以上の道路で令132条で区分された区域が幅が狭くなる場合もある、その場合は最適後退距離が有効に機能する。
結論から敷地幅に対して計画建築物の後退距離が十分広い場合、その中間程度の位置が最適後退距離になり得る事を確認する必要がある。
幅広の敷地で令132条で区分された結果、最適後退距離が機能する事例の解説は次回にしよう。
次回までお元気で。