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道路天空率 法56条3項を考察する その2

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12月1日土曜日
 先週、大阪での忘年会の翌朝、幕末・維新150年展を開催しているとの事。・・・・何年ぶりだろうか大阪城の天守閣をめざした。
 連休初日に加えておりからのインバウンド。ものすごい人・・。
前回、仕事の合間の見学とは、大違いで大混雑。
天守閣へのEVは行列で待ちきれず階段で登城したが、階段も人でいっぱい。やっとの思いで天守閣を一回りして・・・お終にした。西郷どん情報の検証ならずだが、通天閣の眺めとの違いを確認
 
 これは、近くの公園・・猛暑の影響か例年以上にきれいに紅葉している。
今日もインディアンサマーの暖かいお出かけ日和・・・さてどこいこう⁉・・。ちょっと川崎あたりに所要あり・・。
 今週の講座は、天空率講座。総合設計事務所のお二人が参加。
 始めての顔合わせのお二人だが休憩時間中、仲良く女子会が開かれた様で楽しそう。
 二人の講座は、順調に道路、隣地そして確認申請時の三斜求積の安全側の考え方を解説、そして操作を実践していただいた。
後は実務で頑張っていただこう!またお会いしましょう。
 
 さて天空率講座開始!
 
住居系の用途地域で道路幅員が12mを超えた時の区分法。
を解説している。
 法56条の3、4項では、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域又は準住居地域内における前面道路の幅員が十二メートル以上である建築物に対する別表第三の規定の適用については、同表(に)欄中「一.二五」とあるのは、「一.二五(前面道路の反対側の境界線からの水平距離が前面道路の幅員に一.二五を乗じて得たもの以上の区域内においては、一.五)」とする
とあり、住居系でありながら道路幅員の1.25倍の距離を超えた位置から1.5勾配の区域とする。
 後退距離の扱いに関しては、4項で

前項に規定する建築物で前面道路の境界線から後退したものに対する同項の規定の適用については、同項中「前面道路の反対側の境界線」とあるのは「前面道路の反対側の境界線から当該境界線から当該建築物の後退距離(*)に相当する距離だけ外側の線」と、「前面道路の幅員に」とあるのは「、前面道路の幅員に、当該建築物の後退距離に二を乗じて得たものを加えたものに」とすることができる。

 

後退距離を加算する事もできるとあり後退距離採用の有無は設計者の判断となる。

図1

 

 
 勾配の区分が変わるという事は、天空率計算においては、

 

第一三五条の六
2 当該建築物の敷地が、道路高さ制限による高さの限度として水平距離に乗ずべき数値が異なる地域、地区又は区域(以下この章において「
道路制限勾配が異なる地域等」という。)にわたる場合における前項第一号の規定の適用については、同号中「限る。)」とあるのは「限る。)の道路制限勾配が異なる地域等ごとの部分」と、「という。)の」とあるのは「という。)の道路制限勾配が異なる地域等ごとの部分の」とする。

 

 高さ制限の勾配が異なる場合には、制限勾配が異なる地域等ごとの部分に区分されなければならない。

 

 今回は、住居系で2の道路、令132条が適用されるわけだが、この区分にさらに上記法56条3項と4項を考慮しなければならず一段と煩雑になる。

 今回は、前回予告の事例とは若干異なるが

図2

南側、最大幅員が12m以下(11.9m)と12mの場合で区分法を比較検証してみたい。

 南側斜線断面を確認すると

図3

NGを確認。

 

 まずは、11.9mの場合。

11.9mの場合12m以下ゆえ、区分は令132条区分のままで良い。

区域区分し天空率解析すると。

図4

NG箇所が2。区域ごとに確認してみよう。

まずは南側最大幅員11.9mの区域から

(二以上の前面道路がある場合)
第一三二条 建築物の前面道路が二以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の二倍以内で、かつ、三十五メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が十メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

 

図5

 

後退距離1.1m最大幅員反対側境界線から適用距離20mまでで区分されている。

 アイソメ図では

図6

 

 空地が十分広いと思われるが天空率重ね図で確認すると

図7

高さ制限を超えた部分の面積が68.605に対して敷地空地緑部が67.996で0.609ポイント緑の空地部の面積が少なくNGである事がわかる。

 この算定位置から左右の空地は、比較的距離があり空地の見え係面積は、その分低下する。一方、高さ制限を超えた計画建築物(赤部分)は、接近している為大きめの見え係となり天空率低下の要因となる。

 

 次に東側4m道路側に回りこんだ最大幅員11.9mの区域は

図8

 最大幅員11.9m×2=23.8mまでは、4m道路側にも最大幅員11.9m が適用される。東側にまわりこんだ11.9mに後退距離3.4mが加算された位置を起点に適用距離20mまでで区分される。

この区域はすべてクリアー。アイソメ図では

図9

 

 最大幅員の区域は以上2区域。

次に令132条2項

2 前項の区域外の区域のうち、二以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の二倍(幅員が四メートル未満の前面道路にあつては、十メートルからその幅員の二分の一を減じた数値)以内で、かつ、三十五メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

 

2項の区域は 「二以上の前面道路の境界線から」 とある。2方向道路の場合、道路中心10mの区域はこの場合4m道路の一の前面道路となり2項の区域は存在しない。3項に進むと

  3 前二項の区域外の区域については、その接する前面道路のみを前面道路とする。

したがって3項の区域となる。

図10

最大幅員11.9mの境界線から2倍23.8mを超えた東側道路4mの中心から10mまでの区域の検証だ。

 上端部の算定位置で-0.007%NGのようだ。

アイソメ図でみると

図11

高さ制限を大きく超えている。ただし天空図重ね図で確認すると

図12

高さ制限を超えた計画建築物(赤表示)の面積30.012 敷地内空地分29.901その差-0.111ポイント敷地内空地の面積が少ない為、NGとなる。

 高さ制限を大きく超えている割に差分が接近する事を検証しよう。

高さ制限を超えた高さが

 (3.4×2+4)×1.25=13.5m

 

 一方、道路中心10mに面する幅は5.567mと狭い。

その為、各算定位置からみえる空地面積の見え係の面積はより大きく投影され、高さ制限超えた計画建築物の部分の天空率はより低下し大きく道路斜線NGの割に天空率の差分は少ない。

 

 ・・・・するとこのケースの場合「最適後退距離」が利用可能ではないかと閃いた。

 「天空率算定チャート図」で「最適後退距離」を確認してみよう。

図13

「天空率算定チャート」ダイアログ左下部の「斜線適合最適値」ボタンをクリックし確認すると

図14

「計算された外壁後退距離」つまり最適後退距離が1.044mである事が分かった。早速適用して天空率計算を行うと

 

図15

差分0.858%で余裕でクリアーする事がわかった。

このように面する幅がせまい場合で後退距離が十分広い場合、最適後退距離でクリアーする場合がある。

 本来東側4m道路に面する道路の接道幅は約28mで広い。

ただし施行令132条で区分される事によりこの様に道路に面する部分が狭くなるケースは往々にしてある。

令132条を正しく理解し利用したい。

 

 さて本題に戻りさらに12m道路の場合で東側4m道路の後退距離を前例で最適後退距離となった1.044mを適用して天空率計算してみると

図16

1.5勾配区域で緩和されしかも最適後退距離1.044mを適用したのだがNGだ。

・・・・比嘉ブログ的には面白い展開となった。

区域および後退距離の詳細な検討をしなければならない・・・・・さっそく検証しようと思ったが長くなった・・・・次回にしよう。

 では次回までお元気で!   hi

 

 

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