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複数用途地域の隣地天空率 ①

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2月9日3連休始まりの土曜日は、史上最強の寒波襲来の予報。

東京は、昨晩から雪がちらほら降り始めた・・?ようだ。

 雪が本格的に降る前にと思い・・出かけてきたが午後4時現在、夜明けから降雪無し・・。はずしたかたかな?

 

 これは昨日、出社前の公園でやっと見つけた黄アザミが寒そうにしてる。太陽さえぎるな!ってか。・・・ごめん。日照権を侵害してしまったようだ。

 ・・・・おや・・・速報!4大陸スケート3回転アクセルの紀平梨花が逆転優勝した・・・イイね。・・宇野昌磨も続け!

 

 いいはなしがでたところで天空率講座を始めようかな。

 

今週もサポートセンターに寄せられた質問をアレンジして解説していきたい。

事例は、

図1

敷地面積 755.21 ㎡、 用途地域が17.5m道路からの路線20mまでが商業地域:容積率500%、20m超が2種住居容積率400% 。

按分された容積率は、457.81 %

 

 プランは、

図2

14階の建築物で現況容積率は、457.31%で容積率99.89%消化。

残3.78㎡:住戸数52個を獲得。これで形態制限内におさめられるかがテーマ。

 

日影規制が無い為、高さ制限が問題だ。断面図で確認。

隣地高さ制限は

図3

商業地域側北側断面NG、住居地域東側:階段部断面NGとなっている。

道路高さ制限はどうだろう、まずは17.5m道路側

図4

10階部からNG。

さらに2種住居地域側5m道路側は

図5

やはりNG。

17.5m道路が回り込んだ住居系側は、12m超道路の為、法56条3項が適用され1.25Wの位置まで1.25勾配が適用され以降適用距離まで1.5勾配の高さ制限に変化している。

 法56条3項の制限のこの部分も大きくNGだ。

法56条3項に関しては、比嘉ブログは5週にわたり詳細の解説を行った。

道路天空率 法56条3項を考察する その1

を確認していただきたい。

 

 まずは前回に引き続き隣地天空率だが今回は用途地域が商業地域と2種住居地域で高さ制限勾配が異なる。

 制限勾配が異なる場合、隣地高さ制限適合建築物は、施行令135条の七 2項で規定される。

 

2 当該建築物の敷地が、隣地高さ制限による高さの限度として水平距離に乗ずべき数値が異なる地域、地区又は区域(以下この章において「隣地制限勾こう配が異なる地域等」という。)にわたる場合における前項第一号の規定の適用については、同号中「限る。)」とあるのは「限る。)の隣地制限勾配が異なる地域等ごとの部分」と、「という。)の」とあるのは「という。)の隣地制限勾配が異なる地域等ごとの部分の」とする。

 

敷地」を勾配が異なる区域ごとに区分する為、 商業地域側2.5勾配、2種住居1.25勾配の2区域に区分し天空率比較を行わなければならない。・・・これが施行令の意図するところ。

 

 

 前回に引き続き「敷地区分方式」から解説をはじめたいが、勾配区分される場合、「敷地区分方式」の不合理が一段と明確になる。

 2項をよく確認していただきたい・・区分される場合は、「隣地制限勾配が異なる地域等ごとの部分の」などと明確に記されている。隣地境界点間で区分するとは、記述されてない。

 

 法文に記されてない方式で区分すると、どの様な不合理が発生するのか・・。特にこの事に着目していただき検証しよう。

 

敷地区分方式

図6

これは、2種住居地域側1.25勾配の区域。

本来1.25勾配の区域は2種住居地域で一区域だが境界点間で区分するとこの事例では14区域存在する可能性がある。

*適合建築物が面する方向に無い場合は不要になる。後述基準線部参照。

 

 敷地境界点間で区分する事の不合理を確認していきたい。

図7

この区域は、2週住居側、1.25勾配の区域。敷地区分方式は、境界点間で区分する。下側が入隅ゆえ入隅角の半分まで上側の境界点は出隅で境界線に垂直に切断される。

 前回と同様の指摘だが敷地区分方式では「当該建築物の敷地」に反して境界点間で区分される為。赤円弧で示す本来存在する敷地内空地が無視される。その為、通風採光が良好であると思われるP8がNGになる不合理が行る。

 

 これはNGポイントP9でも同様で

図8

前面にある突起状の敷地約60㎡ほどが通風採光に寄与しないと判断される。敷地東側にも同様の空地があるがいずれも無視される。

 

 2例の算定位置では、屈曲した隣地境界線に「敷地区分方式」を適用するとおこる比嘉ブログで指摘してきた内容と同様。

 

 勾配区分における敷地区分方式不合理を解説する前に算定位置(基準線)を規定する政令を確認したい。

(法第五十六条第七項第二号の政令で定める位置)
第百三十五条の十 法第五十六条第七項第二号の政令で定める位置は、当該建築物の敷地の地盤面の高さにある次に掲げる位置とする。
一 法第五十六条第七項第二号に規定する外側の線(以下この条において「
基準線」という。)の当該建築物の敷地(隣地高さ制限が適用される地域、地区又は区域内の部分に限る。)に面する部分の両端上の位置
二 前号の位置の間の基準線の延長が、法第五十六条第一項第二号イ又はニに定める数値が一・二五とされている建築物にあつては八メートル、同号イからニまでに定める数値が二・五とされている建築物にあつては六・二メートルを超えるときは、当該位置の間の基準線上に、同号イ又はニに定める数値が一・二五とされている建築物にあつては八メートル、同号イからニまでに定める数値が二・五とされている建築物にあつては六・二メートル以内の間隔で均等に配置した位置
 
2 当該建築物の敷地が隣地制限勾配が異なる地域等にわたる場合における前項の規定の適用については、同項第一号中「限る。)」とあるのは、「限る。)の隣地制限勾配が異なる地域等ごとの部分」とする。

 

ここでも敷地(隣地高さ制限が適用される区域・・・)に面する部分の両端上の位置。とある。面する部分に適合建築物が無い場合不要となる。

図9

 敷地区分方式ゆえ境界点間で区分されているのだが勾配1.25に面した位置16m外側に基準線を発生し天空率比較を行われなければならない。基準線は、商業地内だが面する方向が2種住居の高さ制限に面する。

 この部分は計画建築物が存在しない為、本来通風採光を獲得する為の空地として重要だが、敷地区分方式では、無駄な空地とされる。

これも、天空率解析の目的に反し不合理である。

 その一方、申請図には、本来省略する事ができない。(無駄な作業が要求される不合理)

 

 次に1.25勾配(2種住居地域)に面する西側再端部の区域は

図10

 

用途境界線と入隅端部で区分されるこの区域の右端まで基準線が延長され左端は、この区域に面する左端に垂直に交わる位置まで延長される。

 

 次の境界点間は

図11

 

 この隣地境界点間から左側は、1.25勾配の区域に面しない事になり。図10で示す区域が最西端となる。

 

 その結果、1.25勾配の区域は

図12

 

合計8区域となる。本来勾配区分ゆえ1の区域が敷地区分では2種住居側で8区域。

 

次に2.5勾配の区域を検証しよう。

図13

図11の要領で面しない区域を削除した2.5勾配の区域が11区域。

解釈が困難と思われる区域を検証したい。

まず4の区域から

この区域は、5から6の境界点に面した区域だがそもそも南側に面しており西側の2.5勾配(商業地域)に面するのか?と思うのだが

図14

 

 5から6の境界点の6側は入隅ゆえその角度の半分の延長方向で2.5勾配区域が区分され右側の用途堺で区分される区域までが面する区域。

 5から6隣地境界線からその部分には充分な距離がある為に計画建築物は、高さ制限内にありクリアーとなる。

 

 通風採光のチェックには、ほとんど関係しないこのような区域が敷地区分では多い。

 5の細幅の区域も興味深い確認してみよう。

図15

 

例題を作成した比嘉にも予期できなかった区域だが、どうやら用途堺が円弧で示すように微小幅で2.5勾配の区域にある。

微小の変換が微笑になってしまい苦笑してしまった。こうなると笑ってしまうしかない敷地区分では通風採光に寄与しないとされる悲しい区域だ。)

 最後にNG部を考察

図16

 

 道路内まで延長された算定位置でNGになっている。原因は、道路側出隅部が垂直切断されている為、道路に面した空地が適切に評価されない。このような場合、垂直切断しない行政の仕様もある。

 出隅側垂直切断の指定を解除すると

図17

 

クリアーする事になる。天空率、特に隣地天空率の場合わずかな空地を算入するか否かで結果が大きく異なる。

 

では「一隣地方式」で解析するとどうだろう。

まずは1.25勾配(2種住居地域)側

図18

商業地域側

図19

一隣地方式では、法文どおりの勾配区分による2区域、敷地区分方式では19区域。

 では、一隣地方式の検証考察といきたいところだが今回も長くなったここらで良かろうかい!(西郷ドン今だひきづり)

 

 

 次回は、一隣地方式の検証に加えて近似方式そして道路天空率を解説したい。次回までお元気で!インフル、花粉に負けるな!  hi

 

 

比嘉ブログ

 

 


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