1月16日 土曜日 東京は、昨日までの寒さも一休みで快晴。
本日から来週にかけて暖かくなるとの予報。
これは昨日、冬空の下 梅の花がちらほら、曇りで暗い画像を明度補正したら梅のピンクがきれいに浮き出た。これもイイネ。
今週は、・・・水泳池江璃花子選手の発表に衝撃をうけた。
・・必ず戻ってきます宣言の池江選手、これもサクセスストーリーの始まりだ。世界中が愛している!・・・頑張れ!
今週の講座は、逆日影、日影講座で設計事務所の皆さんが3人で受講された。(3者別会社)
手計算の逆日影で日影規制を徹底学習後、逆日影チャートを利用した逆日影計算。屋根伏せ図から申請図等の作成。
NG建物を3D日影チャートを利用し効率的にNG箇所を抽出しクリアーする方法まで。
無事時間内で終了。お疲れ様でした。次回天空率の講座でお会いしましょう。
さて早速だが先週からの続きシリーズの天空率講座をはじめよう。
前回から用途地域の異なる用地の天空率解析を解説している。
事例は、
図1
敷地面積 755.21 ㎡、 用途地域が17.5m道路からの路線20mまでが商業地域:容積率500%、20m超が2種住居容積率400% 。
按分された容積率は、457.81 %
プランは、
図2
14階の建築物で現況容積率は、457.31%で容積率99.89%消化。
残3.78㎡:住戸数52個を獲得。これで形態制限内におさめられるかがテーマ。
ところが高さ制限では隣地高さ制限の断面で確認すると
図3
NG。
道路高さ制限も
図4
NG。
そこで天空率計算となり前回は隣地天空率を解析。
隣地天空率では制限勾配が異なる場合には、施行令135条の七 2項で規定され制限勾配が異なる地域等ごとに区分解析しなければならない。
2 当該建築物の敷地が、隣地高さ制限による高さの限度として水平距離に乗ずべき数値が異なる地域、地区又は区域(以下この章において「隣地制限勾こう配が異なる地域等」という。)にわたる場合における前項第一号の規定の適用については、同号中「限る。)」とあるのは「限る。)の隣地制限勾配が異なる地域等ごとの部分」と、「という。)の」とあるのは「という。)の隣地制限勾配が異なる地域等ごとの部分の」とする。
JCBAにおいて隣地天空率を行う場合、「敷地区分方式」と「一隣地方式」さらに「近似方式」等がある。
前回は、敷地境界点間で区分する敷地区分方式で解析したその結果
1.25勾配(第2種住居地域)区域が8区域。
図5
2.5勾配の杭域は11区域。
図6
本来勾配区分では、この場合2区域のはずが合計19区域に区分される。
勾配が異なる用地の場合、敷地区分方式ではその区分法の不合理がより顕著になった。
そして、一隣地方式を適用するのだが、前回は、結果のみを提示した。
1.25勾配(2種住居地域)側
図7
商業地域2.5勾配側
図8
一隣地方式では、法文どおりの勾配区分による2区域。
今回は、一隣地方式により区分された区域および基準線を検証していきたい。
JCBAのホームページに掲載されている参考事例を確認すると
図9
事例が広い敷地の事例でA側(住居系)の隣地境界線からの勾配が商業系地域の高さ制限適合建築物に影響を与えない場合。
右側が敷地幅が狭くA側からの高さ制限勾配が商業側に影響を与える場合。
上段は、「敷地区分方式」を解説し下側が「一隣地方式」の基準線の延長を解説している。
先週提示した結果から住居系1.25勾配側を拡大すると
図10
基本的に図9右下の例に準じて作成されている事がわかる。
算定基準線は全ての隣地境界線の端部まで延長されており隣地高さ制限も全ての隣地境界線からの高さ制限が適用されている。
商業系側は
図11
商業系側も同様に全ての隣地境界線の端部間に基準線が延長されている。
基準線は、日影規制の規制ラインと同様に隣地境界線の外側に16m、12.4mの位置に設定しなければならない。
一 法第五十六条第七項第二号に規定する外側の線(以下この条において「基準線」という。)の当該建築物の敷地(隣地高さ制限が適用される地域、地区又は区域内の部分に限る。)に面する部分の両端上の位置
「日影規制の測定線と同様の考え方」と解説している。
一の隣地方式の検証をさらに進めるて
図9の左下の方式で作成すると
図13
この場合、住居系側。
後退距離は、住居系側で最近接する位置1.46mが適用される。端部の延長は、面する方向の端部に垂直な位置まで延長している。図10では、商業系も含めた最近接する後退距離を採用。(安全側では、ある)
アイソメ図は
図14
次に商業系側を同様に区分してみると
図15
片流れ状に高さ制限適合建築物が適用される。ところが図11と比較していただくと円弧で示す部分が東側の隣地境界線からの高さ制限を受けている事がわかる。
その為、隣地高さ制限は図11と同様に作成し基準線は、図15と同様に作成すると
図16
隣地高さ制限適合建築物は、全ての隣地境界線からの高さ制限に適合し算定基準線も法文に適合した隣地境界線から12.4m外側に設置される。
基準線に関して敷地区分方式の図5、図6を確認していただくと全ての隣地境界線からの16m、もしくは12.4mの外側にない。特定区間の隣地境界線から外側に設定されてない。敷地区分方式を指定する審査機関は、この事の解釈を明確にしていただきたい。
一隣地の場合先述したJCBAのホームページに法的根拠も含めて明確に記載されている。
さて近似方式はどうかな?と考えてみるとこの場合面する方向毎に区分されており、近似方式とするなら商業系側は、図15の手法となる。つまり面する境界線側から片流れ状の隣地斜線勾配を設定する手法に他ならない。
近似方式をアイソメ図で確認すると
図17
このように片流れ状になる住居系側の隣地境界の影響を受けない形状となる。
近似方式と一隣地の結果を比較検証すると
図18
解析結果部を拡大すると
図19
やはり一隣地は、東側隣地の影響を受ける分、一の隣地の適合建築物の天空率が増大している事がわかる。その分差分も減少しており安全側である事がわかる。
近接するそれぞれの東端の天空図を重ね表示して比較してみると。
近似方式の場合
図20
赤円弧で囲った適合建築物上に着目し一隣地方式と比較していただくと
図21
一隣地方式東側は、寄棟状にカットされている事がわかる。その分高さ制限適合建築物天空率が上昇し計画建築物との差分が近接している。
一隣地方式は、寄棟状にカットされ(円弧部)その分で高さ制限適合建築物が大きくなっている。
JCBAで一隣地方式が安全側とするのはこの事。
さて、道路天空率だが前回お伝えした様にこの2方向道路は、勾配区分に加えて住居側にまわりこんだ17.5m道路が12mを超える為、1.25Wを超えた位置から2種住居側も1.5勾配となる。
この解説は次回に行う事としよう。
次回までお元気で! hi