4月20日土曜日
今週は、春らしい陽気がやっとつづいた。天気予報によるともう冬服は、しまってよいらしい。
公園にはここぞとばかりに花が咲きだした。
今週は、ヤマブキ
昨日は、この一月ほどご案内を続けた仙台でのBIM6社セミナーに参加の為でかけた。
仙台に向かう新幹線からみえた郡山あたりの桜が満開で得した気分・・ただしスギ花粉も今だ舞ってる様で打ち上げのビールも災いしたのか鼻がつまり昨晩よく眠れず。
セミナーは週末お忙しい最中、60人ほどの皆さまにご参加いただいた。
比嘉もいつになく張り切って企画BIMを語らせていただいた。
腕があがると・・・のりのりで語ってる証拠。
終了後は、皆でゆでたんでかるく打ち上げ会。その疲労が若干ぬけてないが・・・。
本日も天空率講座をはじめよう!
今週は、サポートセンターに寄せられた質問から
図1
6m道路の反対側に公園を有する場合の天空率の解析法を解説したい。
まず法文のおさらいから
道路高さ制限は基準法56条に記述されており基本的な考え方として
1項一号に
第五十六条 建築物の各部分の高さは、次に掲げるもの以下としなければならない。
一 別表第三い欄及びろ欄に掲げる地域、地区又は区域及び容積率の限度の区分に応じ、前面道路の反対側の境界線からの水平距離が同表は欄に掲げる距離以下の範囲内においては、当該部分から前面道路の反対側の境界線までの水平距離に、同表に欄に掲げる数値を乗じて得たもの
道路高さ制限(道路斜線)の原則として前面道路の反対側の境界線から適用距離まで別表第三にあげる数値(勾配)を乗じたものとある。
・・・が本例の様に道路の反対側が公園と接する場合
法56条の6項では
6 建築物の敷地が二以上の道路に接し、又は公園、広場、川若しくは海その他これらに類するものに接する場合、建築物の敷地とこれに接する道路もしくは隣地との高低の差が著しい場合その他特別の事情がある場合における前各項の規定の適用の緩和に関する措置は、政令で定める。
緩和に関する措置は、政令で定めるとある。
この場合の政令は
令134条で記述される。
(前面道路の反対側に公園、広場、水面その他これらに類するものがある場合)
第一三四条 前面道路の反対側に公園、広場、水面その他これらに類するものがある場合においては、当該前面道路の反対側の境界線は、当該公園、広場、水面その他これらに類するものの反対側の境界線にあるものとみなす。
*道路の反対側に公園がある場合の高さ制限の起点は公園の反対側を起点とする事がわかる。
さて公園の反対側に起点を有する場合、道路幅員が途中で異なる場合と同様に扱う事になり、「基準総則集団規定の適用事例」JCBA編集本では、
道路がクランク状の場合の例P242で解説されており
適合建築物の作成法が2種示される
1)段差状の適合建築物を想定する方法
図2
下段「図2-7-38取扱い2」は、幅員差がある為に2の道路としてさらに令132条が適用される場合に関して記述されているが、2の道路として取り扱うか否かは、行政判断ゆえ今回は、上段「取り扱い1」の様に1の道路とする場合の考え方を解説したい。
2)1)の場合公園の間口が道路に垂直に接する場合で作図されているがこの部分は、すくなからず斜になっている場合がほとんどだ
図3
1)の様に垂直に道路と交差する公園より少なからず角度を有するのが通常とおもわれる。その場合もJCBAでは
図4
この様に道路の反対側を起点とした適合建築物が想定されている。
この場合も同様に2の道路とした場合として
図5
取扱2の例として2の道路とした場合として記述されている。
一の道路とするか2の道路とするかは行政判断とはいえ今一度法文に立ち戻ると
第五十六条 建築物の各部分の高さは、次に掲げるもの以下としなければならない。
一 ***前面道路の反対側の境界線からの水平距離が同表は欄に掲げる距離以下の範囲内においては、当該部分から前面道路の反対側の境界線までの水平距離に、同表に欄に掲げる数値を乗じて得たもの
この場合前面道路の反対側が斜になっているが、その位置が明確ゆえこの原則どおりに1の道路とするのが本来の意図するところと当方では考える.
ただし、行政資料では、必ずしもそのように記述されていない為、JCBAでも2例の方法を添付しているとおもわれる。
さて今回の公園を有する場合の適合建築物の想定法を検証する前に道路における1)と2)の適合建築物の設定法および問題点の検証から始める事としたい。
前面道路幅の差(公園の反対側)がなだらかな斜から垂直に交わるまでの検証を比嘉ブログでは、2018年2月に
「クランク道路は、2の道路?」の回で検証しているその回に補足を加えてさらに検証をすすめたい。
図6
適合建築物の作成法を検証する事により問題点をさらに明確にしていきたい。
検証のポイントは道路幅が異なる間の間隔が16m→6m(検証時はさらに2mに狭めて検証)、0mの順に変わっていく際の適合建築物の想定法を確認し挿絵の可否も確認したい。
まずはこれらを一の道路として一体で区分する場合の解説から行いたい。
始めは左端のなだらかに幅員が広がる場合の事例の検証から
図7
条件は適用距離が20m、後退距離は1.5mの場合
図8
「前面道路の反対側の境界線からの水平距離」が重要で水平距離ゆえ反対側の屈曲した道路境界線Aではその位置を起点に円弧状に適用距離が適用される。Aの点から円弧に後退距離を考慮した適用距離20mまでの位置が設定される。
アイソメ図では
図9
これは適用事例集の挿絵でも
図10
同様に記載されている。問題なし納得。
今度は中央部の事例
図11
先ほどのなだらかな事例と異なり6mから10m道路への変化が2mで急激に変わっている場合だ。
先ほどの事例と同様の操作で
図12
やはりAの道路反対側のAポイントを起点とした円弧状の適用距離分までで東側も高さ制限される。つまりA端部から垂直な位置で終了するのではなく円弧状に高さ制限が適用される。
図13
そこで今度は道路幅員の変化幅2mが0mの場合、つまりクランク道路の事例を検証
図14
道路幅の変化間が2mが0mでクランク状の道路になったケース。
円弧部に着目して検証をすすめたい。
さらに解析すると
図15
どうやらP7でNGのようだが適合建築物の作成方法としては前2例
同様に円弧部は6m道路反対側右端Aを起点に後退距離を考慮した高さが制限される。前2例とまったく同様ゆえこの事に疑問を挟む余地はない。
・・・・そこで適用事例集の適合建築物の作成法を再度確認すると前述したように
図16
それぞれの道路の反対側を起点とし上図2-6-37のように段差のある適合建築物で表記され狭い道路側の端部から円弧状にまわりこんでいない。
当然TP-PLANNERではこのような設定も可能だ。
その操作はさておき結果を比較すると
図17
差分-0.019%でNGだったP7が適用事例集の案内のように解析すると1.269%で楽々クリアーとなる。
両者を並べて検証をすすめる。
図18
6m道路A端を起点とすると円弧状に水平距離(一定の距離20m適用距離)で高さ制限が適用される。ところが適用事例集に示す右図では段差状に6m、10m道路それぞれを起点として適用され広い10m道路がある場合、6m道路の影響を無視している。
その分適合建築物は、高く設定される為、天空率が低下しクリアーする事になる。
さらに段差状の右図では、B部分に適合建築物が無いとされる為にその部分に高層の建築物を設定した場合においてもその部分の天空率は、チェックされない。
天空図を重ねた比較図で比較すると
図19
下が段差状の適合建築物と計画建築物の天空図を重ねて作図。10m道路起点となっている為、赤で示す計画建築物は右端部では、わずかに高さ制限をこえているだけとなる。
結果は、大きく異なるが、現状オーサライズされたとされるJCBAによる「適用事例集」では2種の方式を採用して良い事になる。
それぞれ適合建築物を作成してみよう。
まずは
図20
公園の両サイドが道路と斜に交差する場合から。
参考にするのは
図21
この方式。道路の反対側が明確である為、斜の部分も含めて位置が高さ制限の起点となる。
結果は
図22
算定位置は、既存の公園の有無に関係なく既存の道路の反対側に設定される。
図23
結果として特に公園に面した部分がNGとなる。
令134条を再度確認してみよう。
(前面道路の反対側に公園、広場、水面その他これらに類するものがある場合)
第一三四条 前面道路の反対側に公園、広場、水面その他これらに類するものがある場合においては、当該前面道路の反対側の境界線は、当該公園、広場、水面その他これらに類するものの反対側の境界線にあるものとみなす。
施行令を緩和の為と解釈すると、青円弧部から始まる公園の斜の部分は、反対側ではなく側面とし反対側とは、公園の最大幅13mだと解釈すると
図24
NGだった公園の前面が公園反対側の解釈を変えただけで余裕でクリアーする結果となった。
アイソメ図では
図25
事前協議ではこの事を確認しておきたい。
また公園の広さでも結果は異なる。
図26
公園幅が55mで4倍強広く接すると
図27
アイソメ図では
図28
両端の狭い道路に面する側の影響が限定的になる。
道路の条件でも異なるが、公園あるいは水面も同様だが高さ制限の起点をどの位置に設定するのかで大きく異なる。
では、その他の条件で接する場合およびその設定法を解説!っといきたいところだが・・・・
本日も長くなった次回にしよう。次回までお元気で!