3月14日
本日の東京も、先週同様、三寒四温の寒い日。
WHOが、とうとうパンデミック宣言した。いよいよ東京オリンピック開催が厳しい現状になってきた。ギリシャではじまった聖火リレーも取りやめたようだし・・どうなる事やら・・・無理かな。
コロナに起因する様々な行事の中止延期などあるが、季節は、確実に春に向かっている。
恒例により桜の開花調査報告から・・・・
比嘉ブログ桜開花調査木から
桜 2輪確認できた・・・が気象庁同様5輪が必要ゆえ開花宣言ならず。
奇しくも気象庁観測木と結果が一致。
本日も10度未満ゆえ開花宣言は来週に持ち越しとしたい。
この中で5輪発見できたら報告いただきたい。
雪柳が満開だ。
満開時より少なめがいいな・・前回分を今一度掲載
さくらとともに楽しみにしているのがこの木
こぶし咲くあの丘北国の春♪でおなじみのこぶし。
青空に映える・・・・東京の空もきれいになった。
さて本日の講座から
2週間延期した講座を少人数おひとりから再開した。
講座中は、窓を開け換気に留意しお互いにマスク着用。マスクしながらの語りは、高地トレーニングのようでしんどい。天空率講座無事終了で一瞬マスクをはずした瞬間でパチリ。昨日ともに無事を確認。
天空率講座を開始したい。
今回は、屈曲した隣地天空率の解説。
敷地形状およびプランは、比嘉オリジナル。
東京某所としたい。
用途地域は、商業地域 容積率600%。
13階規模のオフィスビルプラン。
面積表示で容積率を確認すると
図2
許容容積率600%に対して現況容積率が598%で10㎡残しの結果。
まずまずだが高さ制限を確認しよう。
まずは東西方向をカットすると
図3
西側隣地NG、道路高さ制限もNGの結果となった。
南北方向は
図4
こちらも道路、隣地ともにNGだ。
本日のテーマは、隣地天空率だが気になるので道路天空率を確認してみよう。
図5
差分グラフは、すべて青表示でクリアーしている事がわかる。
隣地天空率をチェックすると。
図6
西側の屈曲隣地がNGだ。「敷地区分方式」境界点間で区分する手法で解析したのだが境界点間がせまくNGになるのは当然だ。
敷地区分方式では、北側と南側には、天空率的に十分な空地存在するのだがその分を無視され機能しない。
今回のこの西側隣地境界線を審査サイドの指導に基づき解析した結果とその合理性を確認したい。
天空率専用のTP-SKYにステージを移動し詳細解説を行いたい。
図7
北側の隣地境界点間区域から不合理と思われる考察を順々に開始したい。
検証の前に敷地区分方式を確認すると
図8
出隅部は、当該隣地境界線に垂直に区分し、入隅部は、当該隣地境界線の区域と入隅角の半分まで合成して区分する。
まずは隣地境界線と斜に交差する位置に発生した算定位置区域。
隣地算定位置の法文を確認すると
第百三十五条の十
法第五十六条第七項第二号の政令で定める位置は、当該建築物の敷地の地盤面の高さにある次に掲げる位置とする。
一 法第五十六条第七項第二号に規定する外側の線(以下この条において「基準線」という。)の当該建築物の敷地(隣地高さ制限が適用される地域、地区又は区域内の部分に限る。)に面する部分の両端上の位置
法第五十六条第七項
7 次の各号のいずれかに掲げる規定によりその高さが制限された場合にそれぞれ当該各号に定める位置において確保される採光、通風等と同程度以上の採光、通風等が当該位置において確保されるものとして政令で定める基準に適合する建築物については、それぞれ当該各号に掲げる規定は、適用しない。
第二号
隣地境界線からの水平距離が、第一項第二号イ又はニに定める数値が
一・二五とされている建築物にあつては十六メートル、第一項第二号イから
ニまでに定める数値が二・五とされている建築物にあつては十二・四メートル
だけ外側の線上の政令で定める位置
図9
隣地境界線から外側とある。
確かに当該の隣地境界点間を隣地境界とするなら12.4mだが隣接する
隣地境界線からは6.3m程度となる。
敷地区分方式の適法性が疑われる区域として 凹型の隣地境界線の場合
算定位置が自己敷地内に発生してしまう。
本来、隣地の通風採光を確保する事が目的だが計画建築物側の敷地は隣地ではない。
規定する外側の線(以下この条において「基準線」という。)の当該建築物の敷地(隣地高さ制限が適用される地域、地区又は区域内の部分に限る。)に面する部分の両端上の位置
外側に発生してないゆえ適法性に疑問有り。
これが敷地区分方式だ。
次に区分された区域を検証してみたい。
まずこの区域は
図11
凹部の下側の境界点間を隣地境界線としている。
上側端が入隅ゆえ入隅角の半分まで下側端が出隅ゆえ垂直切断されている。
天空率は、高さ制限を超えた分に相応する空地があるか無しかが判断される。
幸いにもクリアーしているが、クリアーした要因を考察してみたい。
図12
隣地側に面した狭い幅に空地は、1m程の後退部分のみで天空率計算に寄与したのは、建築物の反対側前面道路の前の空地分だ。
天空図の重ね表示を再度確認していただきたいが現実的には、右側の赤枠で得られている空地は、計画建築物が存在するわけで常識的に通風採光は、期待できない。(計画建築物に東西を貫通するスリットがあれば可能だろうけど・・ありえない。)
危惧するのは、境界点間の角度により天空率の可否が確定してしまう事だ・・・いずれにしてもJCBAでも、この手法を可としている。
検証を続けたい。
この隣地境界点間の距離を変更せず角度をY軸に、ほぼ平行な角度に変更してみると
図13
NGとなる。道路の前面が投影されないからだ。境界線の角度を微小に変形する事で結果が異なる。
脱法的行為が行われない事を願いたい。
ただしそもそも敷地区分方式では、このように境界点間が狭い隣地境界点間では、不合理が発生する。
NG区域の検証を進めて敷地区分方式の不合理をさらに明確にしたい。
図14
NG算定位置が3区域A,B,Cいずれも境界線の面する角度から反対側の道路境界線の前面、つまり面する計画建築物の裏側の空地が寄与しない為NG.。
一方、
図15
A,B間赤枠のクリアーする算定位置は、敷地上下の位置からNG部より遠い位置にあり通風採光を得るには、不利な条件ながらクリアーするという不合理だ。
では
屈曲隣地天空率解決法
を解説したい。
①みなし隣地境界線で屈曲部を直線化しみなしの隣地境界線を設定する考え方。
サポートセンターによせられた同様な屈曲隣地境界線の場合、審査サイドから最も後退距離が狭い隣地境界線の延長上でみなしの隣地境界線を設定し簡易化する指導があったようだ。
図16
画面下側の赤枠部の後退距離が最も敷地内側にあるのでその延長上をみなし隣地境界線として良いとされた。
図17
結果は、全算定位置でクリアー近接点が南端の空地が最も狭い側に面する算定位置だ
P6(差1.165%,斜85.332%,計86.497% 天空率近接点)
差分も十分あり問題ない。
みなしの直線化した隣地高さ制限適合建築物も敷地の内側で作成している為、適合建築物は、安全側で作成されている。
問題は、算定基準線の位置。
仮想の直線化した境界線から外側に12.4mとなっているが本来の隣地境界線からは11.142mとなり適合していない。
質問者の事案はこの手法で審査は進行したようで問題ないが算定位置を
規定する外側の線(以下この条において「基準線」という。)の当該建築物の敷地(隣地高さ制限が適用される地域、地区又は区域内の部分に限る。)に面する部分の両端上の位置
に準じて作成すると
図18
この様になる。
実は、この基準線の考え方こそ、一の隣地の基準線と同様の考え方となる。適法だ。
西側に面する隣地境界線を「一の隣地」として区分すると
図19
この結果は、近接点の位置など図18で示す算定位置同様に本来の敷地境界線から外側に12.4mで正しい事がわかる。
正 P6(差2.604%,斜84.849%,計87.453% 天空率近接点)
簡便 P1(差2.073%,斜85.380%,計87.453% 天空率近接点)
計画建築物の天空率は、算定位置が同一ゆえ同じ値になる。
斜(適合建築物)の場合、簡便法は、敷地の内側でカットされている為、小さく投影される。
その分天空率は正84.849%⇒斜85.380%上昇する為、差分は小さくなっている。
このように屈曲した隣地境界線を直線化できる場合は、本例図18で作成したように適合建築物を直線化し簡便化した場合でも算定位置は、本来の隣地境界線からの外側に作図する方が正しい。
ただし屈曲度が激しく直線化がする事により計画建築物までカットされる場合は、直線化は、困難となる。
その場合は、「一隣地方式」で設定する事で問題ない。
敷地区分方式は、隣地境界線が全て直線化された正形敷地以外で利用する事は、困難で不合理になる事がわかる。
従来の隣地斜線同様に隣地高さ制限適合建築物を作成すれば良いだけだ。では、はげしく屈曲した事例を検証してみよう!・・と思ったが
本日も長くなったここまでにしよう。
次回までお元気で!コロナに負けるな! hi・・・・