6月13日東京も梅雨入り宣言初の土曜日
昨晩この方向にかすかに赤い灯りが見えた。都庁東京アラートのライトアップだ。そして東京アラート終了だそうだ。
延長10回打ち切り同様なんとも消化不良感がある。
来週にはコロナ自粛も全面解除のようだ。
だれもまだ安心できる状態ではない事がアラート点滅に拘わらず皆で思う事。・・・早くなんとかならんもんかいの~・・・。
おっかなびっくり慎重に始めるしかない。
梅雨の定番アジサイが数十種近所の公園でも咲きだした。これはガクアジサイ。
今週の講座は、来週から始まる企業ユーザー新人研修の準備の為、お休み。
一方、webデモ解説では、大坂の設計事務所からご依頼で2件行われその他都内のデべさんからも依頼されデモ三昧の1週間。
活動再開は、始まりだした。
途中じゃまにならぬよう鈴木のWEBデモ中そっとパチリ。
来週の新人研修は、3蜜無し、非接触が要求されている。
会議室で語りながらZoomを併用する新しい手法の講座にチャレンジしたい。
その様子は、次回お伝えしたい。
さらにWeb講座も7月からの募集を始めた。有料だが少人数5人で徹底コーチングしたい。お申込みお待ちしております。無料講座もあるので合わせてご期待を・・・業務連絡終了!
比嘉ブログ講座を開始!
逆日影講座今回のシリーズも3回目でそろそろ一区切りつけたい。
いきなりで恐縮だが、本題の前に今回のシリーズでの結論は、
「逆日影計算を行う場合、設計者のイメージする建物形状を実現すべく逆日影チャートを大いに活用する事。」
A,B,Cいずれの場所を中心に建物設定したいのか逆日影チャートで位置設定を行う。
また敷地全体に太陽高度なりに設定したい場合でも2棟高層の位置を調整する事で可能になる。
もちろん太陽高度により可能高さを算出する方法がある。
その場合、敷地形状により利用の適不が有る。この事を解説するのが今回の目的。
逆日影チャートで1棟高層位置を設定する方法を解説した。その後半、2棟高層の逆日影チャートを利用して規制ラインからの太陽高度つまり高さ制限でカットされる空間が算出された。
図1
図2
今回は、2棟高層の「逆日影チャート」を利用した太陽高度による設定法補足解説から始めたい。
まずは「2棟高層」の設定方法から解説したい。
「2棟高層」は、オプションソフトゆえ「設定」「オプションライセンス設定」から「2棟高層オプション」を選択する必要がある。
図3
2棟高層の際の逆日影チャートは、
図4
8時:16時の方位線の内側は、太陽高度で高さが制限される。その際隅部の赤円弧で示した菱形部が高層位置となる。
規制ラインに接近した位置に高層部を設定する事で高層幅が狭くなる。その分太陽高度で確定するエリアが広く設定される。
クリックで確定したら2棟めの高層位置を設定する。
図5
位置が確定したらクリックする事により確定する。
1棟めのコアの位置は、円弧で示す位置が+キーで表示される。
結果が前回提示した結果となる。
逆日影計算結果を建物変換し精度チェックを行いたい。
ちなみに逆日影ブロックの建物変換は、「入力」「建物」で「他の入力データを変換入力します」をクリックし建物変換される。
図6
建物化された結果を検証してみよう。
図7
規制ラインに近接した結果となり指定点ポイントを凹部の隅と左右に各2指定した結果。凹部5mラインが5時間規制に対して4時間58分
両サイドが3時間の規制時間に対して2時間59分で規制時間いっぱいで太陽高度で高さ制限される事を確認した。
これが2棟高層による高さを制限する方法。この結果を比較基準として太陽高度による可能高さ算出法を解説したい。
逆日影計算の「太陽高度」による設定法を確認すると3種あるそれの手法の特徴と適不を考察する。
①「規制基準型」
規制基準型の場合、規制ラインに平行に太陽高度でカットされる為に
北側が凹型になっている場合8時と16時それぞの時刻線が重なる為に
凹部の南側の建物が過剰にカットされる傾向がある。注意を要する。
まずは解析してみよう。
図8
高層ポイントを設定した図6と比較するとこの今回は、両サイドの5階がより北側に広めに設定された事がわかる。一方、南側の赤破線部が過剰にカットされておりこのように谷状の切れ込んだ等高線が発生した際には、この北側凹型敷地形状に対して適切な手法では無いと判断して良い。
立体で確認すると
図9
建物変換し時刻日影で確認すると
図10
北側凹部に8時と16時が重なりを避ける為に南側等高線が安全側処理で行うとこのようになる。
等時間線では
図11
図7と比較すると凹部10mラインにさらに接近している事がわかる。ただし南側の形状は、共同住宅で利用するには、不向きといえる。
ただし谷部の頂点を結線すると可能範囲が広がる
図12
建物変換後谷部を無視し等高線を修正すると建物形状連続性に欠く結果だがこの敷地に対して最大ボリュム形状には違いない。
谷状の切れ込みがはいるのは、太陽高度による逆日影の場合でも規制時間幅を考慮する為。
全4階の建物のNGを回避する際の「3D日影チャート」でその事を解説すると。
図13
チャートの位置西側凹部10mラインは3時間日影に対して約4時間日影で1時間のNGとなっている。
西側4階部を太陽高度で確保しても東側4階部からの影と重なる為
4時間の影となった。その際東側のエリアの1時間幅をカットするとそのように谷状に残る。その谷部が発生する建物形状をどの様に残したいかの設定がさらに必要になる。
規制基準型の場合敷地北側に近接する位置を太陽高度で残す手法の為左右の隅部には、5階のエリアが比較的広く残るが南部は、利用し難い。
2棟高層で解析すると
図14
図12と比較すると南側がX軸方向に広がった分5階部の幅は、せまくなるが建物形状が連続している。
2)X軸基準方式
図15
この考え方は、計画建築物で特に共同住宅の場合、南側の境界線に平行に計画を行う事が通常だ。その南側境界線をX軸に設定する事を前提に太陽高度で逆算する手法だ。
建物変換し検証すると
図16
図6 2棟高層と比較だと明確だが等高線がX軸に平行になる様にカットする手法ゆえ黄円弧の部分等時間線がX軸方向の角度に若干傾斜する。
この手法も凹型敷地には充分では無い。
ただし仮想建物領域を限定する事で結果が若干異なる事もお伝えしたい。
図17
両ウィングに建物を配置しない前提がこの仮想建物領域の意図。
その事により8時と16時の重なり部が限定されその分左右建物可能範囲が増加する。
図18
時刻8時と16時が重なるのは、凹部のみとなっている。
影の重なりは、敷地形状では無く仮想建物から発生する事がポイント。最終建物配置と仮想建物の範囲が異なる場合は、逆日影計算結果も異なる。
太陽高度による解析法最後が
3)「逆日影基準線」方式
1)2)太陽高度による可能高さを算出する方法も敷地形状によって使い分けが必要になる事を解説した。
この方式は、設計者の意図を「入力」「共通データ」「属性線」の項で「逆日影基準線」を設定する事が可能となる。
図19
この場合、
仮想建物の凹部の幅分をX軸に平行な線で逆算する設定。
(線分の延長方向の距離(長さ)も結果に影響する)
図20
それぞれ規制時間いっぱいの5時間と3時間に近接している事がわかる。
また逆日影基準線の角度を変更する事により設計者の意図を反映する事が可能で西側に、より高い建物可能空間を設定したい場合
図21
線分の角度を西側の境界線により平行になるようにわずかに傾斜設定する。
結果は
図22
西側規制ラインに近接した結果となる。太陽高度のみで可能高さを算出したい場合、この手法をマスターする事を推奨したい。
このように北側凹型敷地の日影規制可能空間は、設計者の計画意図を明確にする事でその事に適合する手法を選択し解析する事が肝要となる。
いずれも冒頭結論付けた「逆日影チャート」を設定する事で設計者の意図する可能範囲が算出される。
・・・本日も長くなった3回にわたり解説した北側凹型敷地の逆日影可能空間算出法の解説検証を終了としよう。
次回までお元気で!