3月6日土曜日 東京は、昨夜来の雨もあがり暖かい。本日の東京は、19度。
陽気に誘われいつもの公園を早朝から散策してきた。
まずは、気になるところでユキヤナギ定点観測の報告から
だいぶ雰囲気がでてきたおそらく来週には満開だ。
キラキラ光る雨梅雨にからむ白い小花を狙ったのだが・・・うまく撮れず残念!。
関東1都3県の新規感染者が昨日から増加に転じ緊急事態も2週間延長となった。
新型コロナ対策分科会の尾身茂会長の理路整然とした説明に納得。この状況は、当分続きそうだ。
・・ときおりNHK「つるべいの家族に乾杯」アーカイブで見られるかつてのマスク無しで楽し気に大声で語り合う様子が今や危険な映像に思えてしまう。・・早く普通に戻りたいものだ。
これはノシランの実。強烈な青い実がつくとはの~しらなんだ。
このところワクチン製造、DX等々・・日本の技術の衰退を見せつけられてきたが今週は、かつての技術力日本を思わせるニュースが飛び込んできた。
日立造船が容量世界最大級の全固体電池を開発したニュースだ。どうやら全固体電池の特許出願数が世界上位10の内7社を日本が占めるらしい。
馬酔木(アセビ)が今が盛りと咲き誇る。
桜の開花予報が3月15日。次回からいよいよ桜登場かな!?。
今週の講座から始めたい。
今週は、デべ設計の皆さんの3回講習最終日のプラン講習。
用地情報から逆日影計算、プラン面積表の流れを実践解説。
面積表作成し無事終了のホットした表情の皆さん・・マスク越しだが。毎回最終回は、名残り惜しい。
またお会いしましょう!。
天空率講座を開始したい。
これまで何度か天空率解析時における審査サイドの間違った指摘を検証解説してきた。
今回もあきらかに令132条の解釈ミスと思われる指摘の相談を
TP-PLANNERサポートセンターにいただいた。
今回はその詳細解説を行いたい。
事例解説の前に昨年末にも同様の事を「天空率間違った指摘検証 3 令132条3項区分法」回でも記述した。
その回でも解説した令132条で区分する事の目的を解説する事から始めたい。
令132条の目的を確認する事から始めたい。
道路高さ制限は、基準法56条1項一号で規定される。
図1
法56条は、前面道路の反対側から高さ制限が適用される事が記述されており上図の様に広い道路のみが接道する敷地であればその反対側の道路境界線を高さ制限の起点とした高さ制限が適用距離内で確定する。その為、道路幅員Aが広い場合、高さ制限可能空間は大きくなる。
これが道路高さ制限の基本の考え方。
ただし他方に狭い幅員Bの道路が接道する場合
図2
1項の記述のみでは狭い道路幅員で高さ制限可能空間が制限され下図のように不合理な結果となる。
図3
Bの狭い道路による高さ制限により可能空間が極端に低下する事になるからだ。
道路高さ制限の目的に、道路反対側の住環境に通風採光を確保する事がある。
広い道路Aでは、主に車両等が走行するのみで通風採光を阻害する要因が無い。その為、広い道路に面する敷地側および反対側の住環境の通風採光も良好となる。
一方、広い道路に面する敷地の部分は、狭い道路に面する敷地側と一部重なる。その為、広い道路側からの通風採光効果は、狭い道路側にも及ぶと考えられる。
その為、法56条の6項では
法56条
6 建築物の敷地が二以上の道路に接し、又は公園、広場、川若しくは海その他これらに類するものに接する場合、建築物の敷地とこれに接する道路若しくは隣地との高低の差が著しい場合その他特別の事情がある場合における前各項の規定の適用の緩和に関する措置は、政令で定める。
建築物の敷地が2以上の道路に接する場合、高さ制限の適用の緩和に関する処置は政令で定めるとある。その政令が132条となる。
(2以上の前面道路がある場合)
第 132条 建築物の前面道路が2以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の2倍以内で、かつ、35メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が10メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。
2 前項の区域外の区域のうち、2以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の2倍(幅員が4メートル未満の前面道路にあつては、10メートルからその幅員の2分の1を減じた数値)以内で、かつ、35メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。
3 前2項の区域外の区域については、その接する前面道路のみを前面道路とする。
令132条で区分するとは
広い道路側から狭い側にも通風採光効果が期待できるとし令132条に記述される内容で道路に面した部分を区分しその区分された区域に対して高さ制限を適用する道路幅員を確定する事。
この事により広い道路側からの通風採光の効果を、狭い道路側にも回りこみ適用する。これが基本の考え方。
事例で具体的に検証したい。
図4
図5
商業地域容積率500%ゆえ適用距離25m。
最大幅員が15mで十分広い。
令132条1項を再度確認すると
第 132条 建築物の前面道路が2以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の2倍以内で、かつ、35メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が10メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。
最大幅員15mの2倍30m以内の敷地の部分は、すべての前面道路(6m道路側4m道路側に面する部分もの意味)に最大幅員15m道路の高さ制限が適用される。
⇒その意図は、最大幅員15m道路上には通風採光を阻害する要因が無い為、その効果は境界線から2倍以内で35mを超えない敷地内の部分まではその効果があるとし最大幅員15m道路を適用するとする。
その為、設計者は、令132条1項を考慮し最大幅員15mの道路境界線から2倍30mの以内に計画建築物を設定しすべての道路幅員を最大幅員15mが適用される高さ制限で考える事ができる。
当然、この事を前提に計画建築物を配置したのが今回の事例。
南北方向の断面図で確認すると
図6
最大幅員15m道路の2倍30m以内(29.5m)に計画建築物が配置されている為、北側4m道路側にも最大幅員15mが適用されている。
東西方向6m道路側も最大幅員の2倍30m以内(29.5m)ゆえ15m道路が適用される。
図7
この様に最大幅員が比較的広い場合、設計者は、その2倍以内に計画建築物を配置する事が計画時の常套手段とされる。
実際に1項の区域を各道路に面する区域区分法を提示し令132条に照らして検証しよう。
1)最大幅員15mが適用される令132条1項の区域
第 132条 建築物の前面道路が2以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の2倍以内で、かつ、35メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が10メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。
①最大幅員15m道路に面した区域
図8
後退距離2mが15m道路反対側を起点とし適用距離25mで区分される。この区域は最大幅員ゆえ法56条の1項に基づくことで問題ない。
②6m道路側に面した15m道路が適用される区域
図9
最大幅員の境界線から2倍30mまでは最大幅員がすべての前面道路に面するとする。
したがって6m道路に面する区域は15m道路が適用される。その際後退距離は、6m道路に面した後退距離2.18mが適用される。
最大幅員の境界線から30mを超えた北側4m道路に面した2m幅部分は、令132条2、3項で別途区分される。(後述)
③4m道路側に面した15m道路が適用される区域
図10
4m道路側にも6m道路側同様に最大幅員15mの境界線から
2倍30mまでは、最大幅員適用される。
最大幅員側から30mを超えた2m部分は、1項の条件から外れる為に2項もしくは3項の区域になり道路中心10mの区域は、2mまでとなる。
その区域を超えた区域に最大幅員15mに後退距離2.5mを付加した位置を起点として適用距離25mで区分される。
2)令132条2項の区域
まずは2項の確認から
2 前項の区域外の区域のうち、2以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の2倍(*)以内で、かつ、35メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。
本例の場合2項の区域は、最大幅員の2倍30mを超えた4m道路に面した北側4m道路に面した2m幅の区域。
この項の2以上の前面道路とは4mと6m道路の事。この2mの幅の区域においても幅員の大小が比較されそれぞれの2倍で区分した区域は幅員の大きい6m道路が適用される。
この基本的な回り込みの考え方は1項と同様に道路6mに面した側には広い道路6mの2倍12mまで広い道路6m幅員が適用され、4m道路側に面した側にも道路6mの2倍12mまで部分にも6m道路が適用される。
①6m道路に面した令132条2項の区域
図11
6m道路の境界線から2倍12mまでは、6m道路幅員で区分される。断面を表示すると
図12
この場合の後退距離は、最大幅員が適用される区域同様に2.188mが適用される。
②4m道路側に適用される6m道路の区域
図13
①で区分した6m道路の境界線から2倍12m幅の区域。本来奥行は4m道路に面している為2倍の8mまで6m道路幅員が適用される。(道路中心から10m以内に限る)
だがこの例では、最大幅員の2倍30mで区分済みゆえ残り幅の2m奥行となる。
南北幅が長い場合は4mの2倍8m区分が存在する。
*後述する図20の解説を参照。
後退距離が2.5mで道路高低差が無い設定ゆえこの場合、適合建築物が発生しない事になる。
以上が施行令132条2項の6m道路幅員が適用される区域
3)施行令132条3項の区域
4m道路に面した令132条2項で区分した残りの区域が3項の区域となる。
図14
最大幅員15mの2倍および6m道路から2倍を超えた4m道路に面した区域が令132条3項の区域。
この区域も後退距離2.5m以内(道路高低差無し)にある為適合建築物が発生しない。
4)審査サイドからの間違った区分法の指摘とその間違いの検証
3)までの内容で天空率クリアを確認し確認申請を行ったら審査サイドから示されたのが下記の指導。
(ミスリードにならぬよう大きく間違いと記入した。)
図15
上図の指導のようだが意味不明。
1項による最大幅員の境界線から2倍30m内が最大幅員15mが適用される区域を無視し3項は、4m道路中心線から10mまでを区分する指導のようだ。
つまり令132条1項を無視する指導だ。
下図のような南北幅が狭い事例で上記指導のように区分するとそれが間違いである事が容易に理解できる。
南北の敷地幅が19mと狭くなった場合で検証すると。
図16
最大幅員15mの2倍30mは南北幅19mを超える為、この事例の場合すべてが最大幅員15m道路を適用する。
南北幅が狭い為、最大幅員15mの通風採光効果はより大きく影響する事が容易に考えられる。
令132条1項に適合した南北方向断面図は
図17
このように最大幅員15mが適用される。これが正解。
間違った指導に従った場合
図18
最大幅員の2倍まで最大幅員が適用される事を無視し4m道路側から道路中心10mの区域を適用した斜線断面図をあえて作成したのが図18.
斜線の橙色で示す部分が大きくカットされる事になり天空率比較でもクリアーしない。
クリアーの可否が問題では無く、間違った指摘により下図で示す
令132条を適用しない場合と同様に不合理な結果となる。
図19
4m道路側で道路中心10mで区分する指摘が成立するのは南北方向が最大幅員の2倍を超えその他の道路中心10mの区域が存在する時だ。
その事例も下記で解説。
図20
この場合には、最大幅員15mの2倍30mを超えた区域は、4m、6m道路の中心から10mの区域が存在する事になる。
つまりこれだけ南北の距離が長くなると南端にある15m道路の通風採光効果が寄与しないとする。これも令132条の意図する事。
最大幅員の通風採光効果が期待できない2倍を超えた区域には、
それぞれの道路幅員6m、4mによる高さ制限が令132条2,3項に従い道路中心10mまで適用される事になる。
・・・・これだけ解説すれば十分だろう。
本日も長くなった。ここまでとしたい。
同様の指摘を受けた際参考にしていただければ幸いだ。
次回までお元気で!