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敷地外屈曲道路天空率解析3例

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8月20日土曜日

 これは蓼科山中腹から眺めた車山方面の眺め。

今年も夏休みは蓼科山でコロナ禍を忘れてのんびり過ごした。

標高1650mの山荘は、朝は暖房がいるほど涼しく快適。しばし猛暑から逃れる事ができた。

 これはトレーニングコースの女神湖畔からの蓼科山の眺め。

走っていると、國學院大學の駅伝選手に風のようさわやかに一瞬でぬかされた。

 マスク無しの高地トレーニングが効いたのか東京に戻っても体調が良い感じだ。

 

 今や悪法とまで言われているリゾート法に乗せられ蓼科山山荘を入手したのが施行直後35年ほど前。

 当時会社発足3年ほどでバブルのま只中。

あまりの住宅価格の高騰ぶりに若いスタフの為、せめてもの保養所として入手し以来、夏はテニス、冬はスキー・・・20年ほどはつづけたかな?

 温暖化で年々激しさを増す猛暑をしのぐにはもはや信州でも平地の猛暑は東京とさほど変わりない。蓼科山でよかったとしみじみ納得した夏休みでした。

 が東京から渋滞無しで4時間ほどの距離は年々厳しく、もはやスタッフも足が遠のき比嘉F専用と化したところで手放す事とした。

 ただこの環境は捨てがたい。最後の保養所かたづけ事務処理等整理を終えたその足で近くのリゾート施設(会員制)をゲット。

 時には電車も利用し夏場の蓼科かよいを続ける事にした。

 

 天空率講座を開始したい。

夏休み明けサポートセンターに寄せられた質問を題材に後半戦を始めたい。

事例は敷地外で屈曲し行き止る道路の解析法を解説したい。

考え方および設定法の基本になるのが①敷地外で鈍角に屈曲する事例。

 道路高さ制限の基本は

第56条 建築物の各部分の高さ

建築物の各部分の高さは、次に掲げるもの以下としなければならない。
一 別表第3(い)欄及び(ろ)欄に掲げる地域、地区又は区域及び容積率の限度の区分に応じ、前面道路の反対側の境界線からの水平距離が同表(は)欄に掲げる距離以下の範囲内においては、
当該部分から前面道路の反対側の境界線までの水平距離に、同表(に)欄に掲げる数値を乗じて得たもの

 

 前面の道路の反対側の境界線を起点とした適用距離内で別表による勾配を乗じた高さ以内に制限する事、から道路の反対側の形状が制限のポイントとなる。

 

②の場合は敷地外で直角にクランクする道路、③の場合は行止り道路の場合。

 

 これらの基本は①敷地外で鈍角に屈曲する事例から設定、解析、区域の考察を行いたい。

 

1)敷地外で屈曲する用地情報の入力

①道路反対側の形状をCADインポートもしくは「補助線」で作図する。

②真北入力

真北は天空率計算結果には影響しないが申請図を作成する際の算定位置から視野角内にある建物位置は真北基準の方位角で表示される為入力する。

 

③敷地入力設定

「敷地」の項目で設定可能な道路境界条件はクリックされた境界線に平行な反対側の道路境界情報のみだ。

 西側隣地を超えた部分の屈曲した道路情報は「新天空率算定領域」で作図された道路形状にスナップ入力する事により現況に合わせた道路形状を入力設定する。

 したがって「敷地」の入力項では②③のケースも同様に6m道路の設定まで。

④用途地域入力

本例はいずれも同様で「第1種住居地域」で容積率200%ゆえ

適用距離20mを確認。

 

⑤建物形状入力

 

建物形状入力まで用地情報の全ての入力が完了。日影および天空率計算が可能になる。

この項までの入力は、①~③の事例いずれも同じ入力となる。

2)断面図で道路斜線NGを確認

断面図

 建物入力後、「計算モード」に移動し「図法」「断面図」の項で「設定」ボタンを押下後道路境界線(敷地側)をクリックし断面位置左右を確定後再度クリックし断面を確認する7階部がわずかだがNGだ。

*敷地に接した道路に面した位置の断面図は①~③いずれの事例も同じ結果となる。NGゆえ天空率計算を行う。

 

3)道路高さ制限適合建築物と算定位置の作成から解析まで

①T-Spaceを起動する

この事例は①~③いずれも隣地を超えた道路形状を正確に設定しないと正しい道路高さ制限適合建築物が発生しない。

「敷地」の項で道路形状が特定されない場合、「新天空率」の項をクリックしT-Spaceを起動する。

*隣地天空率を同時に行いたい場合「・一隣地」「・完全適合」「・敷地区分」のいずれかを選択するが隣地天空率を別途行う場合はいずれを選択しても同様に行う事が可能。

T-Spaceが起動する。

事例①から③いずれもこの項までの入力は同様に行うが隣地越えの形状が異なる為それぞれ解説したい。

 

①敷地外で鈍角に屈曲する事例

-1)「作業種類」「基礎情報」で「発生」ボタンを押下すると「敷地」入力条件から道路形状が自動発生する。

 

-2)「前面道路編集」を行う

「前面道路編集」ボタンを押下後グレーの面表示された道路内でクリックし選択(ピンク色)状態で「対象」の項から

「反対側境界線」「現況反対側境界線」「中心線」「境界線」を変更する。

*詳細は新天空率エンジン解説書でご確認いただきたい。

現況と同内容の道路条件が設定された。

-3)道路適合建築物を自動発生する。

さらに「出力」ボタンを押下し「TP-SKY]に戻り算定基準線が発生する。「天空率」解析後、「図法」「天空率チャート図」で区域検証を行う。

 

-4)区域検証

天空率は、すべての算定位置でクリア西側端が屈曲し当該敷地とから離れる分可能高さが増大している事がわかる。

 
後退距離1m、西側屈曲部は反対側屈曲点Aから1m延長した位置を起点とし適用距離20mで区分される。
 
②敷地外で直角に屈曲する事例
-1)「作業種類」「基礎情報」で「発生」ボタンを押下すると「敷地」入力条件から道路形状が自動発生する。
 
-2)「前面道路編集」
-3)道路適合建築物を自動発生する。
 
-4)区域検証
基本的に①の事例と同様だが算定位置の延長がAの位置から南側には面する方向に建築物が存在しない為Aの位置までとなる。
A端部から円弧状に適用距離20mが適用される。
 
③敷地外で行き止る道路
①、②の事例は反対側の境界線を現況どおりに設定する事で道路条件が設定された。行止り道路の場合は行止り端に行止り設定を行う事がポイントとなる。その設定法を中心に解説する。
*以下解説はT-Space起動直後からの解説(それまでは①②同操作)
 
-1)「作業種類」「基礎情報」で「発生」ボタンを押下すると「敷地」入力条件から道路形状が自動発生する。
-2)「前面道路編集」
 敷地幅まで延長された道路を現況の位置に縮める。
その後選択された状態(ピンク色)「行止追加」ボタンを押下し「幅員」を設定後、上図左回り方向に2点をクリック行止り部を追加する。
*-1)で発生した道路を選択した状態で行わない場合2の道路になる為注意したい。
 
-3)道路適合建築物を自動発生する。
-4)区域検証
行き止り道路の場合、行止り端部隅部から円弧状のみなしの反対側(道路幅員6m+後退距離1m=7m)を起点とし角部Aを通過し敷地側に半径13m(20mー7m=13m)円弧状に区分される。
 
 これは有名な下記通達に基づいた適用法。
 
以上①~③までの敷地外の屈曲および行止り道路の設定法を確認した①②のように道路反対側が存在する場合には道路の反対側に後退距離を加算した位置を起点として適用距離が適用され
行き止まり道路の場合は、行止り端隅部を起点とし円弧状に適用される。(隅部を起点とするのは現況反対側の高さ制限と段差が生じない配慮から。)
 
 連休明けだが本日も長くなった終わりにしたい。補足の追加は次回土曜日までに逐次行いたい。
 
 
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