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塀と道路天空率

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10月15日東京は曇りの土曜日。

今週は、ロシアのウクライナ全土への無差別空爆がありプーチンの戦争が泥沼化の様相だ。そのことを記しておきたい。

 好きなロシア歌曲で「ある兵士の歌」がある。

短調できれいな旋律は、平和の時には詩の内容まで考える事はなかったが、今回の戦争と被る。

「風はすさぶ夜の道を若い兵士いくよ・・急を告げて友のもとへ走る兵士一人・・しのび待ちし平和 永久(とわ)に・・・」

ソ連時代のノビコフという作曲家の作らしい。

 

今回追加動員されたロシアの若者の死が報じられた。

 何のために、誰の為に何を思いこの愚かな戦争で死んでいったのか・・。

大勢のロシアの若者が国外脱出した・・・当然だ。

 

 今週、12日国連でロシア非難決議を143カ国の賛成多数で採択した。賛成国が前回の批難決議より増加しプーチンの孤立がますます進んでいるのはせめても救いだ。

 比嘉ブログ講座を開始したい。

 今週の比嘉ブログ講座はサポートセンターに寄せられた質問から「クリアしていた道路天空率が塀を設定したらNGになった?」という質問を受けた。

 この種の質問は定期的にある。比嘉ブログでも何度か解説をアップしておりためしに「塀」で検索したら50本ほど表示された。

めげずに今回も「塀」を追加解説したい。

 

1)本日の事例およびテーマ

商業地に階高45mの商業ビルを設定したケース。もちろん事例はオリジナルの創作。

 道路は南側8m、西側5m、東側4.5mそれぞれ建物を敷地中央部に設定しそれぞ後退距離が8m、5.3m、11mと広い。

その為道路斜線は「図法」「断面図」で確認すると

東西方向では

5m道路に面した側がNGとなり南北方向では

適用距離を超えている為問題なし。

 

西側5m道路側がNGゆえ天空率計算を行うと


 5m道路側がNGのようだその区域のみを右側「天空率表示」で「全表示」をOFFにし同一計算グループ(Ver23から領域に変更)で4を指定すると


最大幅員8m道路から2倍16mを超えた道路中心10mの区域がNGとなっている事がわかる。
P39差-0.211%,斜86.549%,計86.338%  天空率近接点

逆天空率計算でカットすると

円弧で示す微小な角部をカットする事で収まりそうだカット後再計算し検証すると

無事クリアできたという事で計画建築物の形状が確定となった。

 

本日のテーマはここから始まる。

計画が進行しそれぞれの道路の前面に目隠し的な塀を設置する事となった。

高さ1.2mゆえ後退距離の対象にならない事で問題ないだろうと塀を設置後天空率計算を行うと

 各区域すべてNGとなりあわててサポートセンターに相談と相成る。

 

 今回はこれら各区域の解決法を解説したい。

 

 解説の手始めにTP-PLANNERにおける塀の効率的な入力法と外壁後退距離の対象でない事の設定法の解説から行いたい。

 幅が狭い建物ブロックの入力にも有効ゆえ以下の操作をマスターしていただきたい。

 

2)2次元CADで作成された線分の立体化

①ファイルでインポートで塀の線分を読み込む

 

②読み込んだ塀の線分を連続線に変換する。

インポートした線分は「補助線」モード(レイヤ)に設定される。さらに塀の線分を選択し「合成」を実行すると連続線に変換される。

③補助線モードの塀の連続線を「属性線」「板塀発生基準線」に設定する。

 

連続線を選択後右ボタンメニューから「切り取り」を行い

「補助線」から「属性線」に移動しダイアログの設定を

「板塀発生基準線」を選択後

右ボタンメニューから「貼り付け」「現在の値を適用」ボタンを押下し連続線を「板塀発生基準線」に変更する。

 

④「建物」に移動し板塀状基準線を立体化する

「建物」に移動し右ボタンメニューから「板塀状建物発生」ボタンを押下すると属性線で設定した板塀状基準線が赤表示される。

表示された板塀基準線をクリックし壁厚を発生する方向(この場合線分の外側:壁幅を拡幅する方向」に移動しクリックすると

塀高さ、塀幅をダイアログで入力する。この事例では板塀状線分が3ゆえ3回繰り返し設定する。

 

⑤建物ブロック化された板塀状建物ブロックを選択し「後退距離対象」をOFF設定する。

 

OFF設定後は「現在の値適用」で確定する。他の塀も同様に設定する。

 

 以上で塀の設定法は終了。本題に戻ろう。

 

3)塀付き計画で天空率計算を行う

天空率計算

各道路に面した区域でNGになる。5m道路側に面したNGのみ解決法が異なり8m、4.5mがは別の方法で解説したい。

 

4)天空率NG解決法

①5m道路側

原因は「図法」「天空率比較図」「天空図重ね表示」で確認すると一目瞭然。天空率チャート図と重ねて表示すると

 

 塀を配置する前に逆天空率でカットした角部から北側に塀が延長される為、天空図の重ね表示で分かるように逆天空率計算で

限界いっぱいでクリアしていた計画建築物に塀分の投影面積が加算されNGなった事がわかる。天空率算定チャート図で矢印の破線以南に塀を移動する事で解決する。

 移動して再計算すると


この区域は問題解決とする。


②8m道路側

-1)NGの原因


8m道路側は後退距離が8mゆえ道路反対側の境界線から後退距離8mの位置を起点として適用距離20mが適用されるが、

適用距離の位置は外壁後退内に有り道路高さ制限適合建築物が存在しない事になる。その為道路高さ制限適合建築物の天空率は

全ての算定位置で100%、一方計画建築物内には塀の分が投影される。近接点14での比較は

P14(差-0.279%,斜100.000%,計99.721%  天空率近接点

塀の為計画建築部物の天空率は99.721%と大きいが道路高さ制限建築物が無いと同義の100%には及ばない。

 

-2)対処法

道路高さ制限適合建築物が発生する後退距離に設定する事で解決する。道路高さ制限適合建築物の後退距離は計画建築物の8mを越えなければ良い。

天空率解析を行う際に道路高さ制限適合建築物を作成する基準は

令第135条の6で記述される。

 

第135条の6 前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限を適用しない建築物の基準等
 法第56条第7項の政令で定める基準で同項第一号に掲げる規定を適用しない建築物に係るものは、次のとおりとする。
一 当該建築物(法第56条第7項第一号に掲げる規定による高さの制限・・・
二 
当該建築物の前面道路の境界線からの後退距離(法第56条第2項に規定する後退距離をいう。以下この号において同じ。)が、前号の道路高さ制限適合建築物と同一の道路高さ制限適合建築物の前面道路の境界線からの後退距離以上であること。

当該建築物の前面道路からの後退距離が8m、適合建築物の後退距離は8m以内であれば良い。

 

 8m以下、たとえば4mに設定すると、道路の反対側から4mの位置から適用距離20mは20m-(8+4)=8m 道路境界線から8mの位置まで道路高さ制限適合建築物が発生する事になる。

-3)後退距離変更

後退距離の変更は「敷地」の項ダイアログ内「後退距離」で任意の距離を入力するか「新天空率」においては発生直後の算定線をクリックし選択後、「外壁後退」の「任意距離変更」の項に直接入力後この例では「自動発生」「道路境界」ボタンを押下すると新たに適合建築物が発生する。

 

-4)天空率解析を行い結果確認

当然だが塀よりはるかに大きな道路高さ制限適合建築物が発生する。その結果

P9(差13.480%,斜86.492%,計99.972%  天空率近接点

差分13.48%でクリアとなる。

 

③4.5m道路側も同様に計画建築物の後退距離11m以下に後退距離を任意の距離を設定すれば良い

 

後退距離を1mに設定

塀は道路高さ制限適合建築内にあり

P50(差12.127%,斜87.562%,計99.689%  天空率近接点

十分な差分でクリアとなる。

 

以上ですべて解決。

参考にしていただけましたら幸いです。

 

次回までお元気で!

 

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